「「ええええ〜!?」」
サクモ先生が俺が上忍に昇格した事を告げるとフガクとノエミが声を張り上げて驚いた。
「だ、だってタンバはまだ10歳ですよ!?いくらなんでも早すぎるんじゃ!?」
そのフガクの問いにノエミも同意なのか頷いている。
「タンバが上忍にふさわしい実力を持っているかどうかは2人が一番分かってるはずだろう?タンバにはその力はないか?」
「そ、それは・・・」
サクモ先生がそう言うとフガクとノエミは黙ってしまった。まあ、一番近くで俺を見ていたからな。納得するしかないだろうな。
「確かにタンバは強いもんね。頑張ればいつかは追いつくんじゃないかって思ってサクモ先生に一対一で鍛えてもらったのに、また離されちゃった・・・」
そうノエミが落ち込みながら答えた。方やフガクは悔しそうな表情をしていた。だが、次の瞬間フガクが俺を指差しながら叫んだ。
「タンバ!待ってもよ!俺もすぐに上忍になっていつかはタンバを超える忍びになってやる!」
その言葉に触発されたのかさっきまで落ち込んでいたノエミも元の勝気なノエミの表情になった。
「あたしだって!まだ、タンバ勝つ事を諦めた訳じゃないんだからね!」
ノエミは最近になってまた鳴りを潜めていた勝気な性格が戻ってきた気がする。どうやらこの前の戦争で守られるだけだった自分が許せなかったらしい。修行のためサクモ先生と鍛えている間に勝気な性格が戻ったようだ。
そもそも元の勝気な性格が鳴りを潜めたのは俺との実力差に絶望したかららしい。まあ、これはノエミの修行を見ているサクモ先生から聞いたことだけど。
まあ、でもノエミはやっぱり勝気な方が似合ってると思う。
「うん、やっぱりノエミはそっちの勝気な方が俺は好きだな」
「なっ!?す、好きって・・・そんな・・・」
うん、言ってすぐ気づいたけど何でこんな事を言ったんだろう?フガクは驚いているしサクモ先生はニヤニヤしてるし。思わずポロッと出ちゃったけど、まあ本人は顔を赤くしながらも嫌そうにはしていないのでいいと言うことにしよう。
そんなことより問題はやっぱりこの力だよな。この力は神様から貰ったチートみたいなものだし、それで調子に乗っていると簡単に死んでしまうのがこの世界だからな。気を引き締めていかないとな。
*****
2人への報告も終わり早速任務のための移動となった。
今回の任務は賊の討伐だがどうやら賊のボスは霧隠れの里の上忍の抜け忍らしく、さらにそいつから忍術を学んだ下っ端たちも結構厄介らしい。
そしてさらに今回はややこしいことになった。
「いつもならタンバにこの抜け忍を任せるんだが、今回は2人のサポートに回ってもらう」
「それはタンバが上忍に昇格したからですか?」
「そうだ。もっと先になるだろうがやはり上忍ともなれば隊を率いたり俺と同じように下忍の先生になる事もあるだろうからな。その為の練習だ」
今までは強ければそれでよかったけど上忍になったのならそれだけではダメだという事で、サポート役というサクモ先生がいつもやっている立場になった。
当然賊のボスはサクモ先生が倒すので俺とフガクとノエミは下っ端たちの相手だ。
という訳でしばらく走っていると賊のアジトにたどり着いた。アジトは森の中であり風読みでも多くの人物が屯しているのが分かる。
「それじゃあさっき話した通りだ。タンバ、そっちは頼んだぞ」
「分かりました。極力サポートにまわります」
*****
「火遁・龍手の術!」
ザン!ザン!
「雷遁・雷鳴蹴!」
ドン!
「「ぎゃああああ!?」」
2人の攻撃により数多の賊たちが次々に沈められていっている。
「つ、強すぎる!?」
「こんな奴らに敵いっこねぇよ!?」
「こんな下忍いてたまるか!?」
・・・圧倒的だな・・・というかこれ俺必要か?フガクもノエミも強くなりすぎだろ。特にノエミが使っている雷鳴蹴ってサクモ先生が使っていた術だよな?雷切の脚版みたいな術。まあ、肉体活性がないみたいだから厳密には違うみたいだけど。
「あっ!風遁・空指銃!」
パン!パン!
「グアア!?」
フガクとノエミの後ろから忍び寄り攻撃しようとしていた敵がいたので、右手で銃の形を作り人差し指の先から風の弾丸をフガクとノエミの背後から忍び寄る敵に向かって撃ち援護した。
「2人とも攻撃に意識を割きすぎだ。もっと冷静に周囲を警戒しないと」
俺がそういうと2人は攻撃の手を緩めずに返答してきた。
「分かったわ。ありがとう」
「ぐっ!またタンバに助けられた!」
ノエミは素直に受け入れたのに対しフガクからは悔しげな言葉が返ってきた。
他の任務とかでも何回か助けてるからな。それの事を言ってるんだろうな。負けず嫌いだし。
その後も俺にも向かってくる下っ端を蹴散らしながらフガクとノエミをサポートしていると数十人もいた下っ端が十数分かけてやっと全下っ端を蹴散らすことに成功した。
「やっと終わったわね」
「一人一人は大した事はなかったがさすがに人数が多すぎだ」
フガクとノエミがホッとしているとノエミが周囲をキョロキョロ確認した。
「サクモ先生はまだかな?」
そうノエミが言っている。まあ、サクモ先生なら抜け忍をすぐに倒してフガクやノエミが戦っている最中に来ていてもおかしくないからな。
「2人ともよくやった」
気配を消していたサクモ先生が俺たちの後ろから声をかけた。
「「うああああ!?」」
2人は気づいていなかったみたいだけど俺は風読みのおかげでサクモ先生の事は分かっていたので驚かなかった。
「タンバもサポートご苦労だったな」
「2人が思いの外強かったので楽でしたけどな」
こうして任務は終了した。