俺はこの世界にやって来てまだ決めていないことがあった。それは原作改変を起こすのかどうか。
でもせっかく転生したのなら変えたい事件などは山ほどある。しかし下手に変えたらそのせいで予想外のことが起こるかもしれないという怖さもある。
しかしだからと言って死ぬとわかっていて見殺しにするのは違うだろう。この世界は空想の世界なんかじゃなく一人一人がちゃんと人間として生きている世界なんだから。
だからこそ予想外のことが起こっても対処できるだけの強さが必要だし原作を知っているが故の固定概念を捨てなきゃいけない。
でも原作改変を起こそうとしても問題が一つある。それが原作を覚えていられないという事だ。
まだ5歳ながらも5年間まったく原作のNARUTOを読んでいないせいで、それまでだったらどんなマイナーな事でもすぐに思い出せたのに今では思い出すのに時間がかかってしまう。
まだ5歳だから思い出す事ができるけど歳が経つにつれ忘れていくだろうし、だからといってどこかに書き留めていくとバレたときに大変そうだから書き留めも出来ない。
今強く思うのはサクモ隊長の自殺は止めたいと思っている。たしか任務より仲間を優先した事により里中から誹謗中傷を受け一人息子のカカシを残し自殺したはず。
その影響でカカシがしばらく仲間よりも任務を優先するようになる原因でもあるしこれは今一番止めたいとも思っている。
でもそれを止めたいと思っていてもそれがいつになるかは明確には書かれてなかったはず。でも確かなのはカカシが忍者になってから自殺したはずだから、まだカカシすら生まれていないしさらに言えば木の葉の白い牙ともまだ言われていないのでそこまでは相当後になるかもしれない。
それまでに強さとさらに影響力を高めていけばいざと言う時に動きやすくなるだろう。
本当は他にも止めたい事件はあるけどすべてを覚えておくなんてことはできないし、最低でも目の前の人物ぐらいは救いたい。
*****
木の葉から部隊が到着してから数日後、砂隠れの部隊が侵攻してきた。当然のことだが先遣隊と違って大軍での侵攻のようだ。
砂隠れの侵攻に対して当然木の葉も迎え撃つ。
「タンバ、とりあえずお前は生き残ることだけを考えろ。そして決して俺から離れるなよ」
そう言ってサクモ隊長は俺との戦いのときでも抜かなかった白光に輝くチャクラ刀を抜いた。
「はい!」
そういってサクモ隊長も砂隠れの忍びに向かって駆け出した。
「グア!?」「ガア!?」
俺は原作で「自来也さんたち「伝説の三忍」の名が霞むほどの天才忍者として他国にまでその名が知れ渡っていた」とされるサクモ隊長の真の実力を改めて理解させられた。
「・・・強すぎるだろ・・・」
俺は実際にサクモ隊長と戦ってみて正直すぐには無理でもいつかは超えれる程度の実力としか認識してなかったが目の前で行われる戦いとも呼べない蹂躙を目の当たりにすればいくら神様特典を持っている俺でも引いてしまうほどの実力をサクモ隊長は持っていた。
「まさしくリアルチートって感じだな」
俺がそんな風に言っているとサクモ隊長が敵の対処をしながら話しかけてきた。
「暇そうだなタンバ。ハッ‼」
「まあ、そりゃそうでしょう。俺に向かってくる敵まですべてサクマ隊長が殺してしまうから、俺はただサクマ隊長の後をついていく事しかできないんですよ」
「そうか。俺はまだ初日だから戦争の雰囲気に慣れさせようと思っていたが必要ないようだな。今後はタンバに向かってくる敵までは取らないようにしよう」
「へ?」
サクモ隊長はそう言うと本当に自分に向かってくる敵にのみ集中し始めた。するとサクマ隊長が今まで対処してくれていた敵が俺の目前にまでやってきた。
「ここは戦場だ!ガキがいていい場所じゃあねえんだよ!」
砂隠れの忍びはそう言って蹴飛ばしてきた。
ドゴン!
「ハッ!戦場をなめるからそうなるんッグア!?」
砂隠れの忍びは俺を蹴飛ばしてなんていなかった。俺は蹴飛ばされる前に変わり身の術を使い砂隠れの攻撃をかわし後ろに回り込むとクナイで砂隠れの忍びの膝裏を斬りつけ膝をついた瞬間砂隠れの忍びの首を切り裂いた。
「ふう~。結構危なかったかも」
「休んでいる暇はないぞ。敵は待ってはくれないんだからな」
「え?」
周囲を確認すると俺たちは砂隠れの忍びたちに囲まれていた。そしてその中には俺を見ているやうのほうが多い気がする。
「これ全部相手にするんですか!?」
「当然だ。さあやるぞ!」
オオオオオオオ!!
そう雄たけびを上げて砂隠れの忍びは俺達を殺そうと殺到した。
*****
結果を言うとなんとか生き延びた。まあ、何回かサクモ隊長に助けられたおかげでもあるんだけどな。
そして今は夜になり大規模な戦いは一時休止だ。と言っても夜襲の可能性が十二分にあるのでそこは警戒しているそうだ。俺は風読みの能力があるので駆り出されるかと思ったがさすがに年齢も考慮されたのか外された。
「タンバ今のお前の課題は風神モードとやらに瞬時になることと風神モードの耐久時間だな」
そう言ったのはサクモだった。ちなみになぜサクモがいるかと言うと単純に俺とサクモが同じテントになったから。
「今日も何回か危険な場面があったが、それもその風神モードがあれば対処可能な場面ばかりだった」
「わかってます。・・・見ていてください。いつか必ず今度は俺があなたを助けて見せますから」
「!?・・・ふふ。分かった。その時を楽しみにしてるよ」
そう言って第二次忍界大戦の初日は終わりを告げた。