-前回のあらすじ
『漆黒』『蒼の薔薇』帝都に到着
帝国魔法省の応接室。
その中でも最上級の対応をするための部屋。まるで城の応接室のように豪華な調度品で飾られた部屋だ。
滅多に使われることの無いこの部屋だが、現在は二人の客人『漆黒』のモモンとナーベのために使われていた。
彼ら『漆黒』は王国に新たに誕生した三組目のアダマンタイト級冒険者チームで、冒険者の活動を始めてから瞬く間に幾つもの偉業を成し遂げた大英雄だ。
会う約束などした覚えは無いが、かなり高位の魔法詠唱者だと思われる″美姫″ナーベと魔法談義ができるならと、後に控えている予定を放り出して面会に応じることにしたのだ。
実際に会ってみたら″美姫″ナーベはその二つ名に名前負けしない美人だった。自分ですら一瞬、目を奪われる程だ。
だが残念なことに″美姫″ナーベは探知防御をしているらしく、魔法の力量を測る事ができなかった。
まあ仕方がない。力量を隠すというのはアダマンタイト級冒険者にとっては必要な事なのかもしれない。ナーベの魔法の力量については後で尋ねる事にしよう。
挨拶もそこそこに面会の用件を聞く。それを聞き終わったら魔法談義だ。
「それで、今日はどういったご用件ですかな?
それを聞き終わったらナーベ殿と魔法談義をしたいものですな」
「ああ、もちろん後で我々の魔法の力をお見せしよう」
おおっと、いけない。思わず声に出てしまっていたようだ。
…ん? 我々の?
ちょっと引っかかる物言いだったが、モモンが言葉を続けたので些細な事は置いておこう。
「それで用件ですが、長い時を生きている貴方に聞きたいことがありましてね」
「なるほど。
私に答えられる事なら何でも質問していただきたい。
特に魔法の事ならば、私の知識はお役に立てるかと」
魔法の事と聞いてナーベがこちらに
その態度に少し腹が立ったが、この程度で怒り出すほど自分は若くは無い。
それよりも、こちらを
「では質問しよう。
プレイヤーという言葉に聞き覚えは?」
「ぷれいやー?
いや、聞き覚えはありませんな」
アダマンタイト級冒険者が追う情報だから、遺跡か何かを示す言葉だろうか?
聞き覚えが無いという答えを聞いて「ハズレか…いやその方が都合がいいのか」とモモンが言葉を漏らした。
いったい何のことだ?
そう問いかけようとしたが、先にモモンが動いた。
「…ナーベ。そろそろ指輪を外したらどうだ?」
「畏まりました」
ナーベが指輪を外す。その瞬間───
それからは、フールーダの常識、世界が破壊されることとなった。
そして、今まで二百年間以上、待ち望んでいた願いが叶う可能性を得た。
───床に額をこすりつけたまま、歓喜の涙をこぼす。
今日はなんて幸運な日なんだ!
失礼な態度を取らないように興奮の余韻を冷ましていると、師が自分に命じる。
「では、お前の忠義を試すことにしよう。
法国の情報を知りたい。
特殊部隊『漆黒聖典』の動きや、アンデッドを洗脳できる程の強力なマジックアイテムの有無だ。
帝国が持っている情報を全て貰おう」
早速、師の役に立つ場面が訪れて喜びが湧き上がるが、法国の事と聞いてすぐに萎んでしまう。
法国の情報はほとんど上澄みのものしか得られていないのだ。
特殊部隊に言及したりと、既にかなり深い情報を持っているらしい師にとって、そんな情報は全く価値が無いものだろう。
不甲斐無さに苦いものがこみ上げるが、嘘偽りなく話す。
「かの国は秘密主義でして…。私も法国の持つ魔法技術について何度か調べたことがありますが、ほとんど成果を得られませんでした。
私は
後で詳しく調べてみますが、師の期待にお応えするのは難しいかと…」
「…そうか。
帝国の上層部ならと思ったが…期待外れだったな」
期待外れと言われて、背筋が凍る。
───師に失望された?
何という事だ…。
きっと今日がこの世の終わりに違いない!
跪いて四肢を地につけているというのに、身体全体が揺れてバランスを崩しそうな感覚に陥る。見る景色も色褪せてグニャリと歪み、もはや自分が何処を向いているのかさえ分からない。
「そんな顔をするな。
帝国が情報を持っていない事など想定内だ」
「流石はアインズ様。
全ての事態は掌の上なのですね」
自分は死刑宣告を受けたような顔をしていたのだろう。
親が子供を
こんな無能に心を砕いてくださるとは。その慈愛あふれる姿に感激する。
「さて、フールーダよ。
先ほどはプレイヤーについては知らないと言っていたが…。
六大神や八欲王、十三英雄の話に出てくる魔人のような強大な力を持つ存在、あるいは強力なマジックアイテムの情報なら知っているのではないか?
やはり長く生きているのだから、そのような話の1つや2つはあるだろう?」
さらに汚名返上の機会までもを用意して下さった。
何て慈悲深いのだろう!
これは気合を入れて自分の有用さを示さねば!
「では十三英雄の真実を。
吟遊詩人が語る英雄譚では13人となっていますが、実際はもっと多くの数の───」
「その話は知っている。
人間種以外の英雄が英雄譚から省かれているのだったな。
それと、出来れば現在も生きている者の情報が欲しいな」
「で、では遥か南方の砂漠にある、八欲王が支配していた都市───」
「エリュエンティウか。
強力なマジックアイテムが都市の守護者に守られているのだろう?
それも知っているな」
「ならば、トブの大森林には魔樹の竜王───」
「ザイトルクワエだな。
既に私が滅ぼした」
「す、凄腕の暗殺者集団───」
「イジャニーヤだったか?」
価値があると思っていた機密情報がことごとく、既知のものだと返される。
師にとって無用のものなら、それらは無価値に等しい。
やがて、自分が持っている情報が尽きた。
「あ、あ……」
「……もう他に知っている事は無さそうだな。
ふ~む、新しい情報は出てこなかったか」
師が気落ちしたように少し肩を落として言葉を零した。
また期待に応える事ができなかった。
なにか、なにか師を喜ばせる、なにか無いのか?
自分の持ちうるモノに必死に考えを巡らせる。が、絶望的な答えへと行き着く。
ない、何もない。
自分の人生はこんなにも無価値だったのか?
喉から、かひゅー、かひゅーという音が漏れ出て鳴っていて煩い。
無理やり空気を吸い込むが、うまく息ができない。吸っても、吸っても息苦しい。
「やはり、この下等生物には至高の御君の弟子たる資格が無いのでは?」
ナーベ様が無様な自分の姿を見て吐き捨てるように言い放つ。
その通りだ。もはや生きている価値すら無いのかもしれない。もう、この世から消えてしまいたいという思いが湧いてくる。
もし師から破門を言い渡されたら、もう死のう。
いや、どうせなら師の大魔法で葬って頂けないだろうか?
「よせ。我々に忠誠を誓った者を無下に扱うものではない。
私が偶々知っていただけで、価値のある情報だったのは間違いない。
知っていた情報と被ったのは、まあ、何だ……仕方あるまい」
「なるほど…流石はアインズ様。
このような者にまで慈悲の心を見せていただけるとは、まさに大王の器かと」
だが破門の心配は杞憂だった。
おお、無能の自分でも師は見捨てないでくださるようだ。
その寛大な心、まさに神!
──────
フールーダが口にした情報を全て叩き返す。
知識で殴るのが楽しくて、ついやってしまった。
しかし新しい情報を出せなかったフールーダも悪い。
いや、それだけ冒険者モモンとして得た知識が多いという事か。
やはり情報収集のためにナザリックの外に出たのは正解だったな。これだけの成果があれば、もうアルベドもうるさくは言うまい。
それはともかく、問題はフールーダだ。
自信満々に語り出した話が全部無用だと言われてしまい、一気に老け込んだような姿を見るとさすがにかわいそうになって来る。
どれか一つくらい知らないふりをしてやった方が良かったかもしれない。
「やはり、この下等生物には至高の御君の弟子たる資格が無いのでは?」
ナーベラルに追撃を食らいフールーダの瞳の輝きが弱くなっていく。
もう、今にも永眠してしまいそうな雰囲気さえある。
…少しフォローしておくか。
「よせ。我々に忠誠を誓った者を無下に扱うものではない。
私が偶々知っていただけで、価値のある情報だったのは間違いない。
知っていた情報と被ったのは、まあ、何だ……仕方あるまい」
「なるほど…流石はアインズ様。
このような者にまで慈悲の心を見せていただけるとは、まさに大王の器かと」
気の利いた上手い言葉を掛ける事は出来なかったが、干からびた老人の死体の様になっていたフールーダの瞳に光が戻る。どうにか息を吹き返したようだ。
そして自信を取り戻してやるために簡単な役割を与えてやる。
「フールーダよ。丁度、私たちが必要としている情報が一つあるのだ。
これは間違いなくお前が知っている情報だろう」
「そ、それは一体…っ!」
フールーダがギラギラとした目で言葉の続きを待つ。
よしよし。食い付いて来たな。
もしフールーダが呆けた状態のままでいたら、この後に任せる仕事に差し支えが出てしまいかねないからな。少し気力を取り戻して貰わなければ困る。
「宿だ」
「へ? や、宿ですか?」
「そうだ。我々アダマンタイト級冒険者が泊まるに相応しい帝都の宿屋を探している」
「なるほど!それならば────」
生気を取り戻したフールーダが凄い勢いで帝都の高級宿屋について語り始める。
適当に相づちを打ちながら聞いてやると、活力を漲らせて聞いていない余計な事まで話し始めたが、気持ち良く話している様だから今はそっとしておいてやろう。
帝都の宿泊施設について無駄に詳しくなった所で、今回ここに訪れた本題を切り出す。
本題。
それは、デミウルゴスの計画である。
大まかな情報を手に入れた現在では、裏でコソコソと動いて情報を集めるというのは非常に効率が悪いものになりつつある。
そして少数による情報収集では、問題が起きた時にとれる対処の幅が狭まってしまう。
だからこそ提案されたのが建国だ。
作戦内容は気に入らないが、ナザリックが建国するメリットは多い。
自分では代案を用意できないのだから、デミウルゴスの計画を認めるほかない。
心の奥底に燻ぶる不快感を押し殺してフールーダに告げる。
「では、次の指令だ。
我が居城に生け贄を送るのだ───」
──────
アインズ様たちが別行動を始めたので、俺たち『蒼の薔薇』も当初の目的を達成すべく魔道具の店を見に行く。
ひとまず、何でも揃うという中央市場に来てみたが…。
人が多すぎる!
流石は帝都。大都会だぜ。
そしてここに置いてあるのは日用雑貨がメインなので、マジックアイテムを見つけても目的にそった物では無い。
このまま闇雲に探しても埒が明かなさそうなので、強者の雰囲気が出ている露店のおばちゃんからマジックアイテム店のおすすめを教えてもらう。
おばちゃんと少し世間話をしてからお礼を言い、ケバブサンドを買って仲間たちのもとへ戻る。
昼食用に買ったケバブサンドだが、一応イビルアイの分も用意しておいた。食べることは滅多に無いが、食べられないわけではないからな。もし余ってもガガーランが処理してくれるから問題無い。
いつも要らないと言う癖に、自分の分が用意されてないと寂しそうにするんだよな。
「お、旨そうじゃねぇか。
お前はアタリの露店を見つけるのが上手いよな」
「いい店を見つけるコツは、強そうだけど戦い慣れて無さそうな人を選ぶことさ。
それで聞いた話では、マジックアイテムなら北市場に行けってさ」
というか、こういう調査って忍者シスターズの仕事じゃない? 何故に俺がやっているのだろうか…。
あの2人は市場に着いて早々に何処かへ消えてしまってな。お~い、協調性~。
まあ、忍者アイテムの補充に行ったのだろう。
昼食を食べて早速、北市場へ向かう。
こっちは人通りが落ち着いている。これならばゆっくりと魔道具漁りができるな。
お待ちかねのショッピングタイムだが、マジックアイテムを目利きする合間に紙とペンを用意して、品揃え、品質、値段の情報をまとめて、それぞれの店の評価を大まかにつけている。
後で『漆黒』を案内する時のために、店ごとに点数を付けて格付けをしているのだ。こういう細やかな気遣いが出来るから、俺は慕われているのだ(自意識過剰)
しばらくすると、アダマンタイト級冒険者が採点を行っているという話が広がったのか、途中からお店の人に凄く丁寧に接待されるようになった。ちょっとお得な気分!
「10点。45点。20点。2点。50点。30点。
……帝国の魔法技術と言っても所詮こんなもんか♦(強者感)」
「ちょっと、ターリア!
恥ずかしいから、そういうのは止めてくれる?」
おいコラ!
ネタの途中で割り込むんじゃあないぜッ!!
だいたいお前の中二病も似たようなモノでしょーが!
ラキュースを無視して強者感ピエロのなりきりを続ける♠
「ッ! 95点…!!」
「なんで自分の装備を採点して驚いているのよッ!?」
ツッコミの力量を上げたようだね♥
それはともかく、調査した結果だが、王国と比べると使う頻度の高い消耗品や日用品が安い。
ポーション、魔法のスクロール、魔法のワンドなんかは王国で買うよりも確実にお得だ。
だが高級品はほとんど変わらない。これは仕方がないね。
市場の奥へと進んでいくと大きな店は無くなって、冒険者やワーカーが中古品などを売る露店だけになった。
中古品という事でやはり安いのだが、明らかに品質が悪いものも転がっている。完全に玄人向けの市場だ。だから、周りに居る客もそこそこ腕の立つような奴らばかりだ。
ここら辺は入れ替わりが激しそうだから採点の必要はもう無いな。
そして、いつの間にか忍者シスターズが合流していた。
「おー、どこ行ってたんだ、お前らよー?」
こいつらが居ればマジックアイテム選びが楽になったものを。
まあ、忍者アイテムは裏のお店でしか手に入らないのだろう。もう許せるぞオイ!
何処に行っていたんだと言う俺の問いに2人は顔を見合わせてから答える。
「「娼館」」
「おまえーっ!!」
おまえーっ!!
──────
北市場を一通り見て回ってやるべき事はだいたい終わらせた。
中央へと引き返しているところでモモン達と合流。
時間も良い感じだし今日の散策はお終いにして宿へと向かう事になった。
そうしてアインズ様に案内された帝都最高級の宿屋は、多くのサービスを受けられるような機能的な高級店と言った感じで、娯楽設備もかなり整っているようだった。
おお~、ええやん! 今日は遊び倒したろ。
興味が無いという振りをするが、イビルアイもこういう遊戯設備とかが大好きだ。特に子供向けの玩具とかは滅茶苦茶に喜ぶ。伊達にロリはやってねぇぜ!
店の前に来たところで警備員の人が応対をするために出てきた。
警備員の兄ちゃんはズラリと並ぶアダマンタイト級プレートを見てビビってる。
「お帰りなさいませ、モモン様。
お連れの方々が『蒼の薔薇』の皆様という事で間違いございませんでしょうか?」
「ああ、そうだ。
まだ一泊もしていない客からの紹介なんて可笑しな話だが、問題無いな?」
「はい、問題ありません。
ようこそ、いらっしゃいませ。『蒼の薔薇』の皆様。
私が受付までご案内させていただきます」
お店には既に話を通してあるようだ。流石はアインズ様!
革鎧を装備したガタイの良い兄ちゃんの先導に付いて行き、受付まで向かう。
式場の様な大理石の床が敷かれたエントランスホールに入ったところで〈
それを見たガガーランが俺に詰め寄って来た。
「お、ずりぃぞ。俺っちにも魔法を掛けてくれや」
「しょうがねえなあ(悟空)」
「私にもお願い」
ガガーランを皮切りに皆が私も私もと言ってくるので結局全員に掛けた。
いや、自分で魔法を使える奴は俺に頼むなよ…。
「…我々にもお願いできますか?」
「あ、いいっすよ(素)」
なんと、アインズ様も便乗してきた。
″我々″と言うことなのでナーベちゃんにも〈
ナーベさんはそういう魔法を習得していらっしゃらないのですか?あっ、ふ~ん(察し)
「…無効化はされないようだな。
ふむ、なかなか悪くはないな」
先輩、気持ちいいっすか~?
嫉妬の視線をナーベから感じる。このツンツンした感じ…久しぶりだな!
アインズ様は「感謝する」と軽く頭を下げてから、俺が使った生活魔法についてブツブツと考察している。
ナーベちゃんも俺を睨みながらぺこりと頭を下げる。こういう姿好き!
ついでに先導の兄ちゃんにも魔法を掛けておく。仲間外れは寂しいもんな…。
兄ちゃんは「恐縮です」とお礼を言ってきた。おう、良いってことよ!
全員がスッキリと清潔で爽やかな状態で受付に到着。
アインズ様たちは既に部屋を決めているみたいなので、受付に用が有るのは俺たちだけだ。
そして受付に構えている品の良い紳士だが、〈
そんな紳士相手に物怖じせずにラキュースが颯爽と切り込む。
やはりこういう場には馴れているな。流石はラキュース。さすラキュ!
「6人部屋を頼めるかしら?」
「はい、問題ありません。
6人部屋という事でよろしければ、すぐに準備させていただきます」
「じゃあ、それでお願いするわ」
「畏まりました。
部屋の準備が整うまで、ラウンジバーをご利用ください」
泊まる部屋をさっさと決めて待合室へ向かう。
ラウンジバーにアダマンタイト級冒険者がずらずらと入って来たので他の客から注目を浴びる。
美女7人(ガガーランは内面が美女なので数に含める)を侍らせているから、モモンに向けられた好奇や嫉妬の視線が多い。
…よく考えたらアインズ様って、美女に囲まれたラノベの主人公みたいな事になってんな。そういえば、オーバーロードってラノベだったわ。
ハーレム系主人公は去勢されろっ!
…アインズ様は無くなってたな。ならばセーフ!!
だけど皆様と俺様の嫉妬心が消える訳ではないので、ちょっと茶化してやる。
皆が席に着いて適当な注文をしたところで、アインズ様にニヤニヤといやらしい顔を向けながら言う。
「モモン氏の帝国で一番初めの偉業は、たくさんの美女を侍らせた事になりそうだね。
これは、英雄色を好むと噂されそうですなぁ!」
「それは…っ。
…少し困るな」
おおう、割とガチめの反応だな。
てっきり「冗談はよしてくれ」って返ってくると思ってたぞ。
「あら、そんな噂が広まったら、私は嫁の貰い手が居なくなってしまうわね。
そうなったら責任を取って貰わなければいけないわね」
ラキュースがあくどい貴族フェイスで悪乗りしてきた。
童貞相手に鬼畜ですなぁ!
そんなんだから鬼ボスとか言われるんだぜ!
そしてナーベちゃんは複雑そうな顔をしている。あわよくば自分も、とか思っているに違いない。少しばかり期待の視線をアインズ様に送っている。
よしよし、ナーベちゃんも大分俺たちに毒されてきたな。
さあ、この状況。
アインズ様はどう対応するのかっ!?
「なっ!ずるいぞ!ラキュース!!」
だが釣れたのはイビルアイだった。
何を言ってんだこいつは…。
「……悪い冗談でからかうのは止めていただきたい」
そして、アインズ様の返しも面白くない。
生温い空間に沈黙がプッカリと浮かぶ。
これはいかんな、空気を換えなければ。
「あ、そうだ(唐突)
モモン氏たちが魔道具を見て回る時の参考にと思って、それぞれの店ごとに情報をまとめたんだ。
よかったら、これ、使ってよ」
「何やらコソコソとしていると思ったら、そんな物を作っていたのか…」
「へぇー。なかなか様に成ってんじゃねぇか!」
マジックアイテム店巡りをした時に作成した、北市場の格付けガイドブックをアインズ様に渡す。
アインズ様の為に気合を入れて作ったから、割と自信作である。
「おお、これは助かる。
ありがとうございます、ターリアさん」
ガイドブックを受け取ったアインズ様はパラパラと頁をめくり軽く目を通す。
せっかく頑張って作ったんだから感想を聞きたいところだ。
「どれか気になる情報とかあるかな?」
「え?あ、いや……。
…後でじっくりと読んで検討をしようと思います」
えぇ…。(困惑)
何かアインズ様の反応が良くないな。どこか書き方が悪い部分でもあったか?
「…これは、ナーベに渡しておこう。よく読むといい。
マジックアイテムに関しては魔法詠唱者の方が詳しいだろうからな…」
「畏まりました」
ああ、なるほど。
アインズ様は文盲だったわ。こりゃ盲点。
最終的にガイドブックはナーベの手に渡った。無念。
話が途切れたところでタイミングよく店員さんが現れた。
「お客様、お部屋の準備が整いました」
以上。閉廷。みんな解散。
ということで、今日は遊戯施設を遊び尽くしたら、もう寝よう。
-フールーダ
オリ主たちが知識をバラマキしたので、相対的に価値ダウン。
魔法開発キャラとしても被っているんだよなぁ。
故に、ジジ虐。
強く生きて…。
誤字報告に感謝