イビルアイ尻尾√   作:冠尾かざり

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02 王女登場(韻)

 

-前回のあらすじ

『蒼の薔薇』、ラナーから依頼を受ける


 

 

 

 

 

 麻薬村襲撃計画当日。

 夜の闇に紛れて、人知れずこの世の悪党を裁く者たちが居た!

 今宵のターゲットは、村と言うには無理がある過剰な防衛設備に囲まれ、警備兵が多数に詰めている拠点だ。

 という事で、ひと暴れしてくるぜ!(隠密行動)

 

 警備兵は皆殺しだ!もう気が狂う程気持ちええんじゃ。(サイコパス化)

 偉そうな人は確保。お前を芸術品に仕立てや…仕立てあげてやんだよ。お前をげいじゅつし…品にしたんだよ!

 そして宝探し。金目の物でも貰おうかな!

 金!暴力!SEX!って感じで。

 

 拠点攻略は特に問題なくあっさり片付いた。だけど、それを一晩で3ヵ所とか強行軍スギィ。お前んチーム、ブラック過ぎないか?

 他所の異変を察知したらしい4ヵ所目からは麻薬畑を焼くだけになった。(こう)ばしい香りがスーッと効いて気分が良くなるんやなw。麻薬を燃やした煙には気をつけよう!(1敗)

 

 色々と酷い目にあった。成長期の美少女になんて事をさせてんでい!

 まあ、その苦労もあって情報源を手に入れた。

 

 

「この羊皮紙を見てくれ、こいつをどう思う?

 すごく…暗号文です…」

 

「おい、まだラリってるみたいだぞ」

 

 

 ただの徹夜明けのテンションや。

 そんなことより、この暗号文が全然解読できないんだが。

 

 

「裏から透かして見ることによって───」

 

「全然透けてねぇぞ」

 

 

「実は何の意味も無いとか?」

 

「だとしたら十分な効果を発揮したようだな」

 

 

「もう捕まえた奴に聞くか?こう、魔法でパパッと」

 

「貴重な情報源だから、それは最終手段よ。

 とりあえず、朝になったら依頼達成の報告も兼ねてラナーに見せるわ。

 もしかしたら、ラナーならこの暗号を解けるかもしれないし」

 

 

 はぇ~王女ってすごい。最近の王族って、暗号解読技能を持ってるんすね~。

 俺たちが解けなかったのに王女様ができる訳ないだろ!いい加減にしろ!!1

 こっちは一応本業が居るんだけどなあ(困惑)

 

 

「え~本当でござるか~?」

 

「信じられないのも分かるけどね、ラナーならもしかしたらって思えるのよ。

 そうだわ、丁度いい機会だから貴方達もお茶会に参加しない?

 その場で依頼の相談もできるし」

 

 

 そうだわ(唐突)

 冒険者が突然押しかけて大丈夫なんですかね?まぁ、ラキュースが居るから大丈夫か。いざとなったら責任を押し付けよう(屑思考)。

 

 

「あー、俺っちはパスだわ。堅苦しいのは勘弁な」

 

「私も遠慮しておこう。どうせ方針に口出しなどせんからな」

 

 

 筋肉とチビの2人は不参加。まぁ、そんな気がしていた。

 もちろん、俺は参加だ。王城観光や。ついでに、うまい茶菓子も食べたろ。

 

 

「うまい茶菓───ゲフンゲフン王女様が暗号を解けるのか、この目で見極めてやるぜ!」

 

「私も王女様の兵士くんを見極めなきゃ」

 

「私も王女様の美貌を見極めなきゃ。

 あわよくば私の手で無垢な『黄金』を(けが)したい」

 

 

 お前ら不純な動機だな!俺も他人の事は言えんけど。

 3人参加。ラキュースと合わせて4人パーティーや。

 4人パーティーで城に行くとか、古き良きRPGを思わせるな(懐古主義)。

 

 

「…ティアは情報収集ね。リーダー権限で決定よ」

 

「そんな!横暴だ!鬼!訴えてやる、慰謝料として鬼ボスの身体を差し出せ!」

 

 

 ドムッ!(拳が腹にめり込む音)

 

 

 訂正。3人パーティーだ。

 無言の腹パンに沈むティア。憐れ也(あわれなり)

 

 

「これの内容次第ではすぐ出る事になるから準備の方をよろしくね」

 

 

 以上。閉廷。みんな解散。

 

 

 

 

 

 

 仮眠を取って朝。

 

 ラキュースは正装しなくて良いって言ったけど、俺は常識人だから…。

 と言う事で、こういう時の為に密かに用意していた一張羅を引っ張り出してきたぜ。

 

 まともな礼服を着るのは前世以来だ。

 紳士服に袖を通す。

 

 そう、男装である。

 

 

「馬子にも衣装ね」

 

「馬子とは失礼な。普段からスタイリッシュ美少女だろうが」

 

「いい…。これで、男だったら、理性が、ヤバかった」

 

 

 ティナがはぁはぁ五月蝿い。

 俺はそんなに子供体型では無いけど、許容範囲らしい。まぁ、元男だからな、イケメンオーラが出てしまったのだろう。

 

 

 さて、やってまいりました、王宮。流石に(きら)びやかっすね!

 メイドさんの掃除が行き届いた廊下を歩く。

 しかしながら、王宮の中では注目を浴びるな。

 田舎人だと侮られるのは(しゃく)だから、背筋を伸ばし顔を上げ堂々と歩き、辺りをキョロキョロと見ない様に気を付ける。ついでに、後ろ手を組んでふんぞり返ってみたり。自らに投影するのは貴族の美少年だ。

 目が合ったメイドたちに微笑み掛けると、頬を赤く染めてくれる。そうそう、こういうので良いんだよ、こういうので。

 

 

「ターリア、慣れてる」

 

「実は、この身には貴族の血が混じってるのさ」

 

「そうだったの?」

 

「そう言う設定さ。ついでに一人称は僕だ」

 

 

 呆れたような感心したような視線を向けられる。

 お返しにドヤ顔をお見舞いしてやる。あっ、今のは貴族ポイントが高かったな。

 

 雑談もほどほどに、お茶会の会場に着いた。

 

 

 ラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフ。

 美しさと慈悲深さ、優れた政策を考え出す叡智(えいち)。それらを持つ王国の至宝、『黄金』。

 

 この国で最高の美貌と言われる王女様を一目見てみたいというのもあるが、俺が彼女に会いたかった理由はそれだけじゃない。

 彼女が打ち出す政策は、明らかに時代を先取りしていたりするのである。

 だから「同じ転生者なのでは?」と思っていたのだ。

 こうして確かめる機会が訪れた以上、確かめずには居られないっ!

 

 オラ!リーダーがノックするんだよ。あくしろよ。三回だよ、三回。

 

 

「どうぞ」

 

 

 よし許可が出たな!突撃~!

 

 扉の先に居たのは、まさしく『黄金』だった。

 日当りの良い部屋の窓から差し込む爽やかな朝日が、品の良い調度品によって拡散されて部屋全体を柔らかく照らす。その中心に居る彼女は、まるでライトアップされて展示された美術品。否、むしろ彼女自身が光を放って居るような錯覚にさえ陥る。

 ラナー王女が自ら接待してくれるようだ。その所作は気品があふれている。まるで一枚の絵画の様だ。吟遊詩人たちが見たら歌にでもするのだろう。

 

 あ、これは、ガチの貴族だわ。

 もう、オーラが違うね。ラキュースの貴族オーラが霞んじゃってるもん。

 見比べてたら鬼ボスに睨まれたや。貴族っぽくない自覚が有るんすね(笑い)。…顔面圧力が本格的に不味くなって来たので、そっと目を逸らす。

 

 おっと、いかんいかん、自己紹介が先だったな。

 その場に跪き挨拶の口上を垂れる。こういうの一度やってみたかったんだよね。

 

 

「ラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフ王女殿下。お初にお目にかかり、光栄です。私は『蒼の薔薇』チームメンバーのターリア・エルシャと申します」

 

「公式な場ではありませんから、砕けた態度で構いませんよ」

 

「お、マジで?ラナーちゃん話が分かるぅ。私、ターリア。よろしくね」

 

「ええ…」

 

 

 距離を詰めてシェイクハンド。

 ちょっと引かれてるわ。グイグイ行ったからな。俺もそういう反応する自信があるわ。

 ラキュースは頭を抱えてる。俺もそういう反応する自信があるわ。

 こういうのは中途半端な距離を保ってると仲良くなれないものだ。だから、押して押して押しまくるんだよぉぉお!!最悪の場合でも、ラキュースが居れば酷い事にはならんやろ(屑)。

 

 挨拶もそこそこに席に着き、差し出された茶菓子に舌鼓を打つ。

 

 

「うん、おいしい!」

 

「お口に合っているようで何よりです」

 

「生地がしっとりとしていて、それでいてベタつかないスッキリした甘さだ。ココアはバンホーテンの物を使用したのかな?」

 

「??バンホーテンとは何です?」

 

「この子は時々変な事を言うのよ。奇行は無視していいわ。だから気にしないで、本当に」

 

 

 いかんいかん、危うく()()()()()を垂れ流すところだった。

 しかし流石と言うべきか、街の高級店の物よりワンランクは上って感じだな。

 

 

「よくわからないけど、わかったわ。

 ちなみに、材料は実験的に進めている新しい農作法で作ったものです」

 

「新しい農作法?また何か始めたの?」

 

「作物を順繰りに育てて行く事で収穫量を増やす実験です。

 これが国中に広まれば、食糧問題が大きく改善される筈です」

 

「お、輪作ってヤツやな」

 

 

 輪作の概念あるとか、やっぱ転生者ですかね?

 ラキュースはよく分かって無さそうな顔をしている。

 

 

「知っているの、ターリア?」

 

「こんな事も知らんのか?これだから教養の無い野蛮な冒険者は…」

 

 

 やれやれ仕方ないな、と肩を(すく)めながら農業について語る。青筋を浮かべたラキュースの視線が心地良いぜ。

 前世のネット掲示板で拾った知識が火を噴くぜ!

 

 

「作物を同じ場所で育て続けると実りが悪くなる。これを連作障害という。

 この連作障害の原因は、土の中の栄養が枯渇することにある。

 そこで、必要とする栄養が違う作物に植え替える訳だ。これが輪作だ。

 天敵の虫や病原菌が大繁殖したりする事でも連作障害は起こるが、これも輪作によって大体は防ぐ事が出来る。

 まぁ、ドルイドが居れば全部解決するんだがな。

 ちなみに、小麦が主食になったのは連作障害が起きにくい植物だからだな」

 

「ターリアさんは深い知識をお持ちなのですね」

 

「魔法詠唱者って大体は学者肌だから、ま、多少はね?

 まあ、私はその中でも特別に教養が深いわけなんだが?(ドヤ顔)」

 

 

 フゥ~気持ちいい!

 知識を振りかざしてイキるのは最高やな。

 

 話が一段落したところで、少し前から扉の外に待機していたクライムにラキュースが声をかける。

 

 

「あ、そろそろ入っていいわよ。いいわよね、ラナー?」

 

「───失礼します」

 

 

 ノックくらいせえへん!?

 タイミングを計っていたクライム君、満を持して入場。

 そして、ティナがおふざけを始める。

 

 

「おはようございます。ラナー様、アインドラ様、師匠」

 

「おはよう、クライム」

 

「おはよ」

 

「おっはー!」

 

 

 挨拶もそこそこにティナのおふざけが炸裂する。

 影に隠れていたティナがぬるりと現れて、クライム氏ビビり散らす。

 いえーい、ドッキリ大成功!!

 ティナの挨拶も終えてお茶会の第二部スタートや。

 

 

「クライム、気が(たる)んでいるみたいだな。後でしごいてやろう」

 

「ティナの隠形を見抜けって言うのはちょっと酷じゃない?」

 

「いえ、お願いします。師匠」

 

「ターリアさんには修行を付けていただいているんでしたね。どうですか、クライムは?」

 

「うむ、第一位階魔法なら使えるかもしれない位には成長したかな。後は、最初の倍くらいは魔法攻撃に耐えられるように成った。

 今は魔力を動かして身体強化や、武具に纏わせて強化する訓練をしている。魔力系の武技を覚えるのが目標だな。

 だが、ここで位階魔法を覚えてしまうと魔力操作の感覚が掴めなくなってしまうから、ラナーちゃんは魔法が見たいとか言ってクライムを困らせないように」

 

「クライムが魔法を使う所を見てみたかったんですが…残念です」

 

 

 ラナーちゃんに釘を刺して正解やったな。クライムは王女様にお願いされたら絶対に断れないだろうからな。

 

 そんなクライムをティナがじろじろ見ている。恐らくショタ度を測っているんだろう。

 視線に耐えきれなくなったクライムが何事かと尋ねる。

 

 

「何かございましたか?」

 

「大きくなりすぎ」

 

「……は?」

 

 

 困惑するクライム。お前には理解できないか、この領域(レベル)の話は。

 前世で男の娘モノも(たしな)んでいた俺に隙は無い。ショタについても語れるぞ。

 

 

「わかる。って言うか、小さくても好みには成らないと思う」

 

「そうかな…。いや、3歳若かったらイけるはず、…多分」

 

 

 少年ソムリエのティナさんが迷う程、ショタ能力が低いのか…。

 ショタの才能も無いとか、お前はとことん才能が無いな(辛辣)

 

 

「なんのことなの、ラキュース?」

 

「あ、わたしね───」

 

「───黙りなさい。ティアを連れてこなかったのは、ラナーに変なことを吹き込もうとするからなの。だからその辺を理解してあなたも黙っていてくれない?」

 

「へいよー、鬼ボス」

 

「…ラキュース。なんのことなの?」

 

「つまり、クライム君は恋愛対象じゃ無いって事さ」

 

 

 オブラートに包んで一件落着。ただしクライムはダメージを受ける。

 さっさと本題に入ろう。話が逸れ過ぎだ。これだから女って奴は(ブーメラン)

 

 

「八本指の件ね。村の麻薬を焼き払った際、こういったものを発見したわ。おそらくは何らかの指令書か何かだと思って持って帰ってきたのだけど…何かわかる?」

 

 

 ラキュースが解読できなかった暗号文の羊皮紙を取り出す。

 それをちょっと見ただけで「簡単な気がする。」とラナーが言う。

 この王女様、簡単とか抜かしやがりましたわよ!?もしも解けなかった時は…分かってんだろうな?(ゲス)

 ラナーはブツブツと呟きながらメモ帳を用意して、サラサラと何事かを書き込み「解けたわ。」ウッソだろ、お前wwww

 お、待てい。よく見せてみろ。…おかしな所は無いようだな。ま、まぁ、結構簡単だったからな(震え声)

 

 マジで、あっと言う間に解いてしまった。おまけに書いてある事の意図まで解説してくれた。

 なんだ、ただの天才か。

 いつの時代もこういう天才が時代を進めてきたんやなって。

 

 所々に挟んだネタにも反応が無かったし、転生者じゃ無さそうだな。

 

 結論。

 ラナーちゃんは普通の天才美少女でした。

 

 

 暗号文が解けたことによって襲撃ポイントが一気に増えたが、当初の予定通りに八本指へ速攻を仕掛ける事になった。

 

 事態は大きく動こうとしている。

 

 

 

 

 

 


 

-クライム

原作より強化!!英雄の領域まで至るか!?

特に考えて無いから原作と同じ結末の予定

 

間違った知識を垂れ流していたらごめんなさい

 

誤字報告に感謝

 

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