イビルアイ尻尾√   作:冠尾かざり

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09 情報を売る

-前回のあらすじ

街案内と言う名のデート、エ・ランテルを観光する一行。

その楽しげな裏で高度な駆け引きが行われていたり、いなかったりした。


 

 

 

 

 

 イビルアイと絆レベルが深まった翌日。

 

 昨日は本物のツンデレの威力を味わって、危うくイビルアイに籠絡されそうになったぜ。前世の俺だったら確実に惚れてたね。

 

 

 さて、俺たちは昨日と同じように『黄金の輝き亭』エントランス前の待合室にて、今日も今日とて朝早くからモモンを待ち伏せている訳でございます。

 

 待っている間、小腹が空いたので軽食を注文する。

 国境の街の特色と言うべきか、メニューの中に帝国風とか法国風とか有るんだなぁ。折角だから帝国風サンドイッチを選ぶ。

 少しして運ばれてきたのは、表面をカリカリに焼いたトーストパンに、袋状の切れ込みを入れて具をはさむ、ケバブの様なサンドイッチだった。うまい!

 

 異国文化に舌鼓を打っていると、モモンとナーベが姿を見せた。

 おいーっす、と挨拶しながら近づくと、ナーベが美しい顔を少し歪ませるが、俺たちに対して何かを言う事は無く、大きな舌打ちをするだけだった。

 今回はナーベが噛み付いて来なかったな。残念。

 

 そしてモモンの方は若干、オーバーアクションで挨拶を返してきた。

 中身はパンドラズ・アクターっぽいな。

 できればアインズ様が良かったんだけど、まあ仕方ない。

 

 さて、今日もモモン達に粘着する理由を持ってきたからな。

 ナーベが不満そうな顔してるけど、今日はナザリックに有益な付き纏いだから、大丈夫だって、安心しろよ~。ヘーキヘーキ、ヘーキだから!

 

 

「昨日のお礼に、今日は私たちがモモン氏たちの仕事を手伝うよ。

 それからモモン氏が知りたがっていた裏情報の話も教えるよ。まぁこれは人目のある場所で語る内容では無いから、街の外とかで話すのが望ましいかな。

 だから一緒に依頼とか受けたいな~、なんて思ってるんだけど、どうですかね?」

 

 

 昨日のお礼作戦である。

 シークレット情報も餌に付ければ確実に釣れるだろう。

 ほら、一緒に依頼を受けるんだよ。ホラホラ~。

 隣から「ラブ師匠…っ!」と密かな呟きが聞こえた。イビルアイの尊敬の視線が心地良いぜ。

 

 そして裏情報だが、秘密を話したい症候群で辛抱たまらん。原作知識が出口を求めて腹の中でグルグルしている。

 盗聴防止のマジックアイテムを使って街中で秘密の話をする方法もあるけど、諜報員が入り込みまくっていると思われるエ・ランテルでは安心できない。

 だから、依頼を受けて街の外に出る必要があったんですね。

 

 

 そして、いよいよ法国の情報を売る時が来たのだ。法国死すべし、慈悲は無い。

 それに加えて竜王の脅威を伝える必要があるだろう。

 

 法国は思想が過激でヤバめの宗教国だから滅びた方が世界平和の為になる。

 竜王たちはナザリックの存在を許容しないだろうから、俺の理想の未来のために邪魔になる。

 

 

 それに、ナザリック勢のキャラとか好きだからーーーッ!!!

 

 ファンとして応援せざるを得ない!!

 

 魔導国にはさっさと周辺国家を制圧して平和統治してもらいたい。

 そんでもって、未知を探求するサポート体制万全の新・冒険者組合とか、浪漫あふれる人工ダンジョンとかを用意するんだよ。おう、あくしろよ。

 

 

 そんなこんなでナザリックの世界征服が加速するわけだが、今回の本当の目的は()()ではないんだな。

 法国とかの情報を売っての好感度稼ぎはもちろん重要だ。

 だけど、今までに俺たちの有用さを十分に示したので、もう生存が危ぶまれる状況では無いだろう。たぶん。

 

 今回の本命の目的は、王国滅亡の未来を回避する方へと誘導する事である。

 っと言っても、今日はモモンの中身がパンドラズ・アクターだから難しそう。

 パンドラさんに対しては、王国の王位継承の際に使われるアイテムが、王家の血筋を引く者のみが使える特別なマジックアイテムらしい、って言う位しか思い付かん。

 だから、モモンの中身がアインズ様である必要があったんですね。

 アインズ様を出せぇ!アインズ様に会わせろぉ!!

 

 

 

 さて、俺の共同依頼の提案だが、裏情報が欲しいなら断れまい!

 モモンは少し考える素振りをしてから返事をした。

 

「少し前に我々が受けるべき高難易度の依頼は全部片付けてしまったから、アダマンタイト級冒険者2組が合同で受けるような依頼は無いだろう。

 ですが、依頼でなくても構わないのならば…。

 今日は以前に依頼を受けた時に訪れたカルネ村に行こうと考えていたのですよ。トブの大森林の近くにある村でしてね、ハムスケを連れだした影響を確認しに行こうと思っているのですよ。

 こんなつまらない予定で良ければ、我々と一緒に来ますか?」

 

 

 お、原作の裏でそんなイベントがあったのか?

 モモンがカルネ村へ行くらしい。覇王エンリとンフィーレアに会えるな!

 まあ街の外で秘密の話ができるなら何でも構わんぜ。

 

 イビルアイの方へ視線を向ける。

 一応、恋の応援のための提案みたいなところがあったからな。

 

「どうする?行っちゃう?行っちゃいましょうよ!」

 

「ああ!

 モモン様、私たちもカルネ村へ同行するぞ」

 

「決まりだな。

 では2時間後に北門前に集合だ」

 

 

 よ~し携帯食を買い込みに行くぞぉ。食事が必要なのは俺一人だけだがな!

 

 

 

 

 

 

──────

 

 

 

 

 

 

 イビルアイの口から″プレイヤー″という単語が出てきたことを報告すると、アインズ様はとても驚き、そして、その情報を得たことを褒めてくださった。

 だが昨日の失態を思い出し、素直には喜べなかった。

 アインズ様は致命的なミスは無いのだから気にする必要はないと慰めの言葉をくださったが、最高の頭脳と知略を与えられて創造された存在がこんな体たらくで許されるはずがない。

 だから汚名返上を果たすために、自分がモモンの役を続けることを願い出た。

 それを許可してくださったアインズ様には感謝しかない。

 今度こそアインズ様の期待に応えてみせる!

 

 

 ナザリックからエ・ランテルの宿に戻り外へと向かうと、今日もイビルアイとターリアが我々を待っていた。

 カルネ村へと同行することを提案すると、予想通りに親交を深めるために我々と同行することを選んだ。

 今回、二人をカルネ村へと連れ出す理由は二つだ。

 

 1つは、強力なマジックアイテムやプレイヤーなどの情報を道中で聞き出すためだ

 人目が多い街の中でするべき話では無いと、昨日は詳しい情報を聞く事が出来なかった。

 だから外へと連れ出したこの機会に聞いてしまおうという事だ。

 

 もう1つの理由は、彼女たちの人間種以外に対する考え方を知るためだ。

 現在、カルネ村には人間のほかにゴブリンやオーガが住んで居る。

 イビルアイとターリアに人間と亜人が共存する光景を見せ、そこで二人の反応を確認する。一般的に人間と敵対していると認識されている種族との共存を許容できるのかを確かめるのだ。

 

 

 ナザリックへと取り込む場合、異形種への拒否感が強ければそれは難しい。できるだけ協力的な状態が望ましい。そのための情報を少しでも得ようという事だ。

 特に国の縛りが無い冒険者は、何処へでも逃げ出す事が出来る。何か、彼女たちを繋ぎ止めておける楔を探さなければならない。

 

 

 パンドラズ・アクターは気合を入れて歩みを進めた。

 

 

 

 

 

 

──────

 

 

 

 

 

 

 エ・ランテルの城門を出てしばらく進む。

 ハムスケに馬車を引いてもらって、歩きならされた道をぐんぐん進む。この分なら今日中にカルネ村へと着くだろう。…携帯食が余りそうだな。

 馬車の中は揺れを軽減する魔法が掛かっているらしく、長時間座っていても腰を痛めなくて済みそうだ。いや~、快適でござるな~。

 遠目からでも目立つハムスケのおかげで、野盗やモンスターが現れる気配は無く、カルネ村までの旅路は平和そのものだ。

 ここには俺達しかいない。そろそろアングラな話をしても構わないだろう。

 

 

「そういえば、強力なマジックアイテムの話をする約束をしてましたね」

 

「!! ええ。教えて貰えますか?

 精神支配が効かないはずのアンデッドを洗脳できるような、世界の理を捻じ曲げる程の強力なマジックアイテムの情報を集めてましてね…」

 

「そんな物が本当に存在するのか、ターリア?

 そんなアイテムなんぞ、この私でも知らないのだが」

 

「うーん、私は知っていると言うか、予測に近いかな?

 結論から言うと、そのマジックアイテムは法国が持っている可能性が高いよ」

 

「法国ですか…。

 それで、その根拠は?」

 

 これで法国滅亡は確定だな。お前もう生きて帰れねぇな?

 でも、断言するのは不信感を抱かせかねないので予測と言っておく。

 そして知っていてもおかしくない情報で適当に話を作る。

 

 

「王国戦士長のガゼフさんを狙った法国の特殊部隊を、アインズ・ウール・ゴウンって凄腕の魔法詠唱者が撃退した話があったでしょ?

 それを調べるために、法国最強の秘密部隊″漆黒聖典″が動いたみたいなんだよ」

 

「″漆黒聖典″だと!!奴らがこの近くまで来ていたのか!?」

 

 漆黒聖典と聞いて驚くイビルアイ。

 こいつは法国に命を狙われる立場だからな。

 

 

「その時に″漆黒聖典″がエ・ランテル近郊に連れ込んだのが、モモン氏が討ち滅ぼした例の吸血鬼だったんだよ!!

 強大な吸血鬼を王国に連れ込んだ目的は、王国を弱体化させて帝国に併合させる為だったのか、アインズ・ウール・ゴウンに報復をする為だったのかは分からないけどね。

 そして、その吸血鬼を従わせるために使われたのが、アンデッドを洗脳できる強力なマジックアイテムってわけさ」

 

 

 よし!綺麗に話が収まったな!

 

 だが、モモンは首をかしげている。

 実際に吸血鬼をエ・ランテルに連れ込んだのはナザリックだからね。

 

「法国の″漆黒聖典″が動いたというのは確かなんですか?」

 

 そこを突かれると痛いですね、これは痛い…。

 流石に原作知識とは言えない。

 でも、悪いのは法国の奴らなんだ!信じてくれ!!

 

 

「″漆黒聖典″が何かを調べに来たのはほぼ間違い無いと思っていいよ。

 まあ、その強力なマジックアイテムが法国に存在するという一番の根拠は、法国が六大神の遺したアイテムを持っているからなんだけどね」

 

「確かに六大神が建国した法国なら、強力なマジックアイテムがあっても不思議ではないな。

 同格の強さと言われる八欲王の遺した都市にも、強力なマジックアイテムが厳重に保管されているという話だからな」

 

「ほう!その八欲王の遺したマジックアイテムとは一体どういうものなのですか?」

 

 イビルアイの新たなマジックアイテムの話に食い付くパンドラさん。

 傾城傾国について、もう話せる事が無かったから助かったぜ。

 自慢の知識を披露する場を得たイビルアイが得意気に語りだす。

 

 

「″無銘なる呪文書(ネームレス・スペルブック)″。全ての魔法が記載されているらしい。

 新たに生み出された魔法も自動的に書き込まれるという魔法書だ」

 

「魔法の開発について聞いていた時に話していたマジックアイテムですね」

 

「ああ。私の開発した魔法も書き込まれているだろうな。

 遥か南方の砂漠にある、八欲王が支配していた唯一の現存する都市″エリュエンティウ″。強力な魔法の武具を装着した三十人の守護者によって、そこに厳重に保管されているらしい。

 さらに、正当な所持者以外は触れることすらできず、強固な魔法の守りがあるとのことだ。

 それを直接見た奴の話では、世界一つに匹敵する価値があるらしい」

 

「おお!世界一つに匹敵するアイテム!!」

 

 モモンが急に立ち上がり、オーバーなリアクションで興奮を表現する。

 パンドラさんが無茶苦茶に喜んどる。ちょっと素が出てるぞ。

 イビルアイもちょっと引いてる。

 

「い、いや、モモン様。″無銘なる呪文書″を求めるのは止めておいた方が良い。

 モモン様が最強の戦士だとしても欲に身をやつせば、かの八欲王の話の様に身を滅ぼす事になりかねないからな」

 

 興奮して今すぐにでも探しに行きそうなモモンをイビルアイが諌める。

 

 イビルアイの言う″直接見た奴″ってたぶんツアー竜の事だろ?

 世界最強と言われるツアーが回収を諦めるほどのセキュリティなら、イビルアイの言う通り諦めた方が良いんだろう。

 まあ、ナザリックは課金アイテムとか使って回収するんだろうけどな。

 

 

「強固な魔法で守られている。だから八欲王を滅ぼした竜王たちも、そのアイテムを持って行く事が出来なかったわけだね?

 でも竜王なら他の強力なアイテムを持っている可能性は高いよ。元々ドラゴンは財宝に対して鼻が利くし。

 竜王が居る評議国にも、それに匹敵するアイテムがあるだろうね」

 

 

 丁度良いので竜王についても言及しておく。

 評議国も警戒してもらわないとナザリックが危ないからな。

 

 興奮から落ち着いたモモンが、ふむふむと頷きながら情報整理をする。

 そして次の質問をしてきた。

 

 

「…そういえば、私が六大神や八欲王などのプレイヤーと呼ばれる存在の血を引いてるという話でしたが、それについても詳しく聞かせてくれませんか?」

 

 あれ、プレイヤーの事をモモンに話したっけ?

 まあいいや。一応、現地人でも知ってる奴はいるし話しておくか。

 

「モモン氏の様な異常な強者は、プレイヤーの血を覚醒させたとされる″神人″と呼ばれるんだ。六大神の血筋以外は別の呼び方をされるらしいけど、それは知らん。

 そして、プレイヤーというのは100年周期で現れる強者の事だよ」

 

「なぜお前がそれを知っている!?」

 

「ん?ターリアさんはイビルアイさんから聞いたわけでは無いのですか?」

 

 

 イビルアイが驚愕している。

 というか、こいつがプレイヤーの事を話したのか。

 ジト目を向ける。

 

「街中でモモン氏にそんなことを話したのか」

 

「うぐっ…。

 …あれは軽率な行動だった、反省してる」

 

 イビルアイがしょんぼりと項垂れる。もう許せるぞオイ!

 

「でも一体どこで知ったんだ、ターリア?

 ぷれいやーの話なんか、ごく一握りの者しか知らないはずなんだが…」

 

 そんなこと聞かなくていいから…。もう許さねぇからなぁ?

 さり気なくパンドラさんの疑問をスルーしたのに無駄になったぞい。

 適当に誤魔化すか。

 

 

「私の情報収集能力を舐めて貰っては困るな!

 おそらく、私も神人なのさ。天才魔法少女だし、これから最強になる予定だし。

 それにほら、私の髪って黒っぽいだろ?だから、自分のルーツを少し調べただけさ。

 モモン氏も黒髪だったし、これが神人の特徴の一つなんだよ、たぶん」

 

「まあ、確かにお前はモモン様ほどでは無いにしろ、英雄の領域を超える存在であることは確かだな。

 しかし髪の色か。それは盲点だったな」

 

 ふむふむとイビルアイが頷く。

 よし、誤魔化せたな!

 また変に突っ込まれる前に話を変えよう。

 

 

「法国の漆黒聖典にも、モモン氏と同格だと思われる神人が何人かいるみたいだよ」

 

「確かに法国なら神人を隠し持っていても不思議ではないな」

 

「竜王たちも神人に対して警戒をしていて、場合によっては排除しようとするみたい。

 だから、法国と評議国は宗教的にはもちろん、戦力的にも国仲が微妙。

 白金の竜王もプレイヤーの力を快く思っていないようだから、モモン氏も注意した方が良いよ。

 そこらへん白金の鎧と旅をしたイビルアイは心当たりがあるんじゃないか?」

 

「そんなことまで知っているのか!?

 ……まあ確かに、奴ならそう考えるかもな…」

 

 イビルアイは複雑な感情を滲ませながら首肯した。

 白金の鎧と聞いて驚いたモモンが、イビルアイに問いかける。

 そうだ、話の標的をイビルアイに移すのだ~!

 

 

「イビルアイさんは十三英雄の一人なのですか!?」

 

「そう!こいつは200歳超えのババアなんです!」

 

「ババアっ!?おま、何言ってる!!

 ち、違うぞ!モモン様!! 私の身体はぴちぴちの少女だからな!! だから夜伽も問題ないぞ、安心してくれ!!」

 

 いや、夜伽発言は問題あると思うぞ?

 微妙な空気になっちゃったし。

 

 ナーベは大きな舌打ちをしてるし、モモンも気まずそうに聞かなかったふりを始めた。

 急に静かになった周りの雰囲気に、イビルアイは不思議そうにポカンとしている。

 

 

 

「───っ!!!」

 

 

 やがて自分の爆弾発言に気付いたイビルアイが、声にならない悲鳴を上げた。

 

 

 

 

 

 

──────

 

 

 

 

 

 

 馬車ならぬ、ハムスケ車で休みなく高速で走り続けた俺たちは、日が暮れる前にカルネ村へと到着した。…やっぱ携帯食が結構余るな。

 

 遠くに見えてきたカルネ村は、周りを囲う大きな壁や立派な物見やぐらなど、いつぞやの八本指の麻薬村を思わせる防衛設備が整っていた。

 イビルアイも同じことを思い出したのか、訝しげに見ている。

 

「この防衛設備はちょっと異常じゃないか、モモン様?

 まさか、麻薬栽培に手を出したりしてないと思いたいが…」

 

「この村は一度、帝国兵に偽装した法国の人間に襲われているんだ。

 それがあったから、村の防衛能力を高め始めたんだが…ずいぶん進んでいるな」

 

 パンドラさんもこの発展ぶりは意外だったらしい。

 たしかに、もう軍事拠点として使えそうなくらいの設備だ。

 原作で戦争になった時に、バルブロの別動隊を相手に時間稼げるくらいだったからな。これからもっと強化されていくんだろう。

 

 

 村が近づいて来たので進むスピードを緩め、俺たちも外へ出て歩く。

 小さな軍事拠点にあるような頑丈そうな門の前に、門番とは別であろうと思わしき人影が2つ出てくるのを確認できた。物見やぐらからハムスケの姿を確認して、偉い人でも呼んできたのだろう。

 

 やがてお互いの顔が確認できる距離まで近づく。

 1人は若い村娘。恐らく村長に就任したエンリだろう。

 

 

 そして、もう1人は───

 

 

「カルネ村へようこそ、冒険者の諸君。

 私はアインズ・ウール・ゴウン。どうぞよろしく」

 

 

 豪華な漆黒のローブをまとった、怪しい仮面の魔法詠唱者。

 

 アインズ・ウール・ゴウンがそこに居た。

 

 

 

 

 

 ────これマジ?

 

 

 

 

 


-ハムスケ

遠くから見る分にはかわいい。

毛皮は柔らかくは無い。

この先出番はあるのだろうか…?

 

誤字報告に感謝

 

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