よろしくお願いします!
侍の国。僕らの国がそう呼ばれたのは今は昔の話…
「って!どこなんだよここはぁー!!?」
人の往来が激しい街中で地面に膝をつき頭を抱え叫んでいる男が1人。
「ナレーションなんか流してる場合じゃねェって!どうなってんだこれ!?おかしいだろ!扉くぐったら異世界ですってかバカヤロー!!」
この物語の主人公、坂田銀時は大パニックに陥っていた。
少し時間は遡る。
「ジィさん。スクーターの調子が悪くてよォ。ちょっと見てくれや」
銀時は動かなくなったスクーターを引きずって源外のところに来ていた。
「ん?またオメェか?今月入って何度目だよ!もっと大切に乗れってんだ!」
「んだとォ!?もとはといえばてめェが毎度毎度適当な修理してるからだろォが!…ってなんだあれ。扉か?」
いつものようにちょっとした言い合いが始まると思ったが、ふと銀時の視界に扉が見えた。
源外が説明をしようとすると、銀時は聞くつもりもないようでふらふらとその扉に向かって行った。
「ん?あれはなぁ…さっき出来たばっかりのものなんだが…」
「どこでもドアってか?扉だけあるけどよ」
そう言いながら銀時はドアノブを掴んだ。
源外が慌てて銀時を止めようとするが…
「おい!それに触るな!それは…」
「はいはい。そーゆうのいいから。っとどこにつながってるんですかーっとな」
扉を通ってしまった。
「タイムスリップができる扉だ!帰る方法はまだできてないが…ってあぁ。行っちまったよ。………まあいっか」
源外が言い終わる頃には銀時の姿は見えなくなっていた。
少しだけ悩むような素振りを見せた源外だったが…開き直ったのか銀時のことは放り投げて新しい発明に取り掛かった。
そして冒頭に戻る。
「あンのクソジジィ!!!どうしてくれんだこれェ!!!」
どこからどうみても自業自得ではあるのだが、銀時は盛大に人のせいにして叫んだ。
・
「はぁ…。どうすっかなコレ」
あらかた不満を吐き出した後、銀時はとりあえず歩き出した。
そうして歩いているとバカみたいにでかいビルのモニターにニュースが流れているのを見つけた。
『本日の東京のーーー』
「はぁ!?東京!?ってことはここは日本!?」
(いやいやいや!あり得なーい!俺は信じませんそんなこと!)
銀時が現実逃避をしていると…
ドッカーン!!!
近くで大きな音が聞こえた。
音のした方を見てみると、ヒト型のでかい何かが大暴れしていた。
「なんだありゃ?この時代にも天人がいんのか?」
一人言のように呟いた銀時だったがいつの間にか集まっていた野次馬の中にいるスーツを着た中年の男が答えてくれた。
「何言ってんだ、にいちゃん。あれはヴィランだぞ」
「はい?ヴィラン?」
「おいおいマジかにいちゃん!?記憶喪失かなにかか?」
(おっ!これはチャンスなんじゃね?今のうちに聞いとかないとな)
「実はそうみたいなんだよー!色々と教えてくんない?」
「そうなのか…。まあいい、実はなーーー」
纏めると、この時代には『個性』というものがある。個性は人それぞれで基本的には親の個性の延長線上で引き継がれることが多いようだ。
その個性に伴って『ヒーロー』と『ヴィラン』がでてきたようだ。
「ーーーとまぁこんな感じだ」
(なんか個性以外は俺の時代とあんま変わらないんだな)
「いやー、助かったわ。ありがとな」
「ま、いいってことよ。おっ、ヒーローの登場だな」
言われて暴れているヴィランの方を見てみると、近くのビルの上に体が木のようなもので覆われている人?がいた。
回りで騒いでいる人達の話を聞く限り『シンリンカムイ』と言う名前のようだ。
そして、そのシンリンカムイが腕から伸ばした木のようなもので敵を拘束しようとしたが…
『キャニオンカノン!!』
突如現れた巨大な女が横からかっさらっていった。
これにより事件は終息し、集まっていた野次馬も散り散りに去っていく。
「おっさん色々と教えてくれてありがとな。俺はもう行くわ」
「ああ。じゃあな」
・
銀時は街の中心部から離れ住宅街のようなところを歩いている。
「とりあえずこれからどうすっかなァ」
実際問題このままの状態が良くないのは明らかだが、すぐに帰れないのはほぼほぼ確定している。
扉はくぐった後、すぐに消えてしまったようで帰る手段がない。
「まあ今はそんなこと考えても仕方ねェか。それにしても…個性か…」
この時代に神秘的な力があるのはさっきので分かったが、なんにせよ自分にも何かしらの変化が起こってる可能性があるのだが…
「ん?…あれ?自分にも?………はっ!!!」
(こ、これはっ!この状況はっ!俺の都合のいい能力が宿っている可能性があるんじゃね?いや、あるに違いねェ!)
1つの可能性に思い至った銀時は近くあった公園に急いで向かい、回りに誰もいないかを素早く確認する。
そして…
「か~~め~~は~~め」
出したくても出せなかったが何回も練習した動作を始める。
銀時は全身全霊を込めて腕を突き出した。
だが…
「波ァァァァァァァ!!」
出なかった。これっぽっちも出なかった。
しかし、こんなことでは少年の心をもった銀時は諦めない。
「…はっ!そうか!溜めが足りなかったのか!」
こう言った事にはよく回る頭をフル回転させて問題点を探しだしまた動作を始めた。
「か~~~め~~~は~~~め~~~」
今度こそはと腕を突き出そうとしたその時、どこかから子供の声が聞こえた。
「お母さーん!ねぇねぇ見て!変な人がいる!」
「こらっ!見ちゃいけません!」
そう言うと子供の手を引いて走って去っていった。
「………帰るか」
少年の心を持ったおっさんの夢は静かに散った。
・
「って!帰る場所ないんだった!」
少年の心を爆発させて撃沈した後、恥ずかしさで忘れていたがここが江戸ではない限り家がない。ついでに仕事もない。さらには一文無しだ。
「何も知らないところで家も仕事も金もないとか…マダオ一直線じゃねェか!」
(今、もともとマダオだろって思ったヤツ。切腹な)
「それにしてもどうすっかなぁ。できるなら仕事しながらそこに下宿させてくれるところに帰る方法が分かるまで雇ってもらうのが一番なんだが…。そんなとこ絶対ないよなぁ。身分証も何もないしよォ」
そんなことを考えながら歩いていると…
「ん?」
何かを踏んだようだ。
拾い上げて見てみるとそこには…
『教員大募集!雄英高校で教鞭を振るってみませんか?あなたの力が未来ある若者に力を与える!さァ!ここがあなたのティーチャーアカデミアだ!』
と書いてあった。
「コ、コ…コレだぁーーー!!!」
とりあえず方針は決まったようだが、今の銀時はこれから待ち受ける受難をまだ知らない。
この物語は過去からタイムスリップしてきた坂田銀時が雄英高校であんなことやこんなことをする物語である。
…なに?
肝心なところが分からないって?
そんなの見てからのお楽しみだよ。
めちゃくちゃ強引な展開にしちゃいましたが勘弁してください!
個性もない、身分も分からない銀さんが雄英高校に入れる方法ってまったく思い付かなかったです!