轟との話を終えて実況席に戻る途中。
「そォいや…アイツのとこにも行っとくか」
銀時はどこかに寄るために進路を変えた。
「よォ、バーさん。邪魔するぜ」
「うん?銀時かい」
「ああ。緑谷は…いたいた」
「坂田…先生」
銀時は緑谷の見舞いに訪れていた。
「ありゃ。オールさんもいんじゃんか」
「白夜叉くん。緑谷少年に会いに来たのか」
「まーな。一応、副担任だからな」
「だ、大丈夫なんですか!?オールマイト!」
「ん?ああ。白夜叉くんも雄英の教師だからね。説明はしてあるんだよ」
「それにしても…緑谷」
「は、はいっ!?」
「多分よォ…今回のは褒められたやり方ではなかったかもしんねェ」
「そう…ですよね」
「けどな。自分が進むと決めたならとことん行けよ」
「何言ってんだい!銀時!」
「バーさん」
「…あたしゃ知らないからね」
「すまねェな」
「白夜叉くん…」
「俺の経験談だが…緑谷みたいなバカには口で言っても仕方がねェ。だがそれを間違ってるとも思わねェ。少なくとも俺はな」
「…先生」
「緑谷。オメェに言いてェことは一つだ」
銀時は緑谷をまっすぐ見つめながら言った。
「自分で背負い込むって決めたんなら…途中で放り出すなよ。覚悟をもって背負え。それが責任ってやつだ」
「っ!はいっ!」
「そんじゃ俺は戻るわ。バーさん、オールさん邪魔したな」
そう言って銀時は部屋を出ていった。
オールマイトは銀時の背中を見ながら呟いた。
「い、一体どれ程の経験を積めば…。あの若さで彼は何を見てきたと言うんだっ…!」
・
実況席に戻った銀時。
『おせーぞ!ギン!お前が推してる爆豪の試合始まってんぞ!』
『なにィ!?ボンバーマンは負けそうか!?どォなんだよ!?』
『なんで嬉しそうに負けそうか聞いてんだ』
さっきまでのシリアスはどこへやら…。
まぁこれが坂田銀時なのだが…。
『おおーっと!カァウゥンタァーー!!!』
『うっひょー!いいねェ!切島ァ!やっちまえェェェ!!!』
『…はぁ』
諦めちゃったイレイザー。
『切島の猛攻になかなか手が出せない爆豪!!…って、ああー!!効いた!!?』
『嘘だろォ!?』
切島の猛攻は惜しくも爆豪に阻まれ撃沈した。
『爆豪のエゲツない絨毯爆撃で三回戦進出!!』
『かーッ!ダメだったかチクショーめ!』
『お前のそれは教師としてどうなんだ』
イレイザーの言うことはごもっともだ。
そして、準決が早くも始まる。
『よっしゃー!準決サクサク行くぜ!轟 対 飯田!スタート!』
『おー。新八くんもタイマンなら結構強ぇな。でも…相性がなァ』
飯田は轟に凍らされる前にレシプロで勝負を決めようとしたようだが、あと一歩の所でマフラーを凍らされ、機動力を奪われ負けてしまった。
『飯田!行動不能!轟!炎を見せず決勝進出だ!』
続いての試合。
『爆豪 対 常闇!爆豪のラッシュが止まんねぇ!!』
『タイマンだと意外と相性が目立つな』
『まぁ仕方ねえだろ』
一瞬の隙をついて爆豪が仕掛けた。
『裏を取ったあ!!』
『ボンバーマンやるねェ』
個性を光で無力化された常闇が降参して決着。
会場では銀時の影響かボンバーマンコールがちらほら起こっていた。
それに対して爆豪が噛みついているようだ。
『決勝は…轟 対 爆豪に決定だあ!!!』
・
『さァ!いよいよラスト!!雄英一年の頂点がここで決まる!!決勝戦!轟 対 爆豪!!!今!!スタート!!!!』
マイクの合図で試合が始まった。
轟が速攻で大規模の氷を生み出しフィールドを巨大な氷が襲った。
『いきなりかましたあ!!爆豪との接戦を嫌がったか!!早速優勝者決定か!?』
『なーんかうまい具合に調節されてんじゃねェの』
しかし爆豪には通用しないようだ。
『爆発で氷結を防いでモグラみてえに掘り進めたのか!』
爆豪は轟に接近して氷を避けつつぶん投げる。
『轟!氷壁で場外アウトを回避ーー!!!』
『やっぱ近接だと爆豪が一枚上手か』
再び爆豪が接近して右手を振ろうとしたところを轟は左手で掴んだ。
だが、炎を使わなかった。
「てめェ!虚仮にーーー」
爆豪がイラつき声を荒げようとしたその時。
『轟ィ!!!なに迷ってやがんだこらァ!!!』
銀時が自分のマイクを掴み大声で怒鳴った。
『おいっ!ギンっ!』
『マイク。言わせてやれ』
『ここで迷うくれェなら自分から場外に降りやがれ!!!血の呪縛がなんだってんだ!そんな石ころに目をくれてんじゃねェ!!!』
「あのクソ天パ教師っ!」
「っ!先生…」
『自分の道くれェ自分の足で歩きやがれェェェ!!!』
銀時の魂の叫びが木霊する。
会場から一瞬音が消えた。
そして次の瞬間…轟の左側から炎が噴き出す。
『そォだ。それでいい』
「悪ぃな爆豪。本気で行く」
轟は爆豪に向けて言い放った。
「あぁ!受けてたつぜぇ!!!」
爆豪は手に小さな爆発を起こし、凶悪に笑いながら言った。
そして…
「ケッ!たまには役に立つじゃねェかぁ!!!坂田先生よぉ!!!」
爆豪は実況席の銀時の方を向きながら嬉しそうに言った。
『あーあー。出来の悪ィ生徒を持つと先生は大変だぜ。全くよォ』
『嬉しそうだな』
『な、何なの?』
一人だけ着いていけていないマイクであった。
そしてフィールドではお互いの全力を持って決着が着こうとしていた。
爆豪は麗日戦で見せた火力に回転を加えて威力を底上げしている。
轟は緑谷戦で見せた技だ。
「榴弾砲着弾!!!」
「膨冷熱波!!!」
2つの技がぶつかり合い大きな爆発が起こる。
観戦していたプロヒーローにより観客への被害は免れたようだ。
『おいおい!どうなってんだコレ!?お前らのクラスはマジでなんなの!!?』
『焚き付けたのは俺だが…し、死んでないよね?ね?』
『おい。なに言ってんだ』
『お、おちつけ!と、と、とりあえずタイムマシンを探せ!』
『お前が落ち着け。よく見てみろ』
フィールドに目を移すと、轟が場外に吹っ飛び、爆豪はフィールドの端に辛うじてとどまっていた。
これで決着が着いた。
『技を放ったときの位置取りが肝だったと考えます。ハイ』
『おい。もうおせえぞ。取り繕えてないからな』
銀時の失態は置いておくとして…。
轟はフィールドの端に立ってその場で技を放っていたのに対し、爆豪は助走をつける形で接近して技を放った。
二人の技の威力がほぼ互角であったことを考えるとこれは必然だ。
「轟くん場外!よって、雄英体育祭一年の部優勝は爆豪勝己くん!!!」
『ふっ。なかなかやるじゃねェかボンバーマン』
『だから取り繕えてねえって』
銀時はもう置いときます。
会場はボンバーマンコールで埋め尽くされている。
少し過激な性格だが爆豪は認められたようだ。
これにて一年の部は決着。
・
雄英体育祭も終わりに向かい。
表彰式。
予定通り進んでいたのだが…
「私が!全てのメダルを授与したいところなんだがっ!轟少年と爆豪少年は白夜叉くんにお願いしようと思う!いいかな?ミッドナイトくん」
「許可します!」
「はぁ!?聞いてねェよそんなの!」
「いいから行ってこい」
会場中の視線が銀時に向く。
「…ちっ!わーったよ!」
銀時は諦めてオールマイトからメダルを受け取り轟の前に立った。
「どォよ気分は」
「少し…スッキリしたと思います。けど、まだ迷ってる部分もあります」
「そォかい」
「だから、これから少しずつ清算していきます。ちゃんと自分で考えて自分の足で行きます」
「ああ。そォしろ。ま…なんかあったら相談くらいのるからよ。頑張れや」
銀時は頭をかきながら恥ずかしさを隠すように言った。
「はい。ありがとうごさいました」
「おうよ。教師…だからな」
そして最後は爆豪だ。
「よォ。ボンバーマン」
「その呼び方やめろやッ!」
「まーまー。いいじゃねェか。それにしても…散々バカにしたが、優勝しちまうとはなァ」
「まだ足んねェよ。完膚無きまでの一位には程遠い」
「そォかよ。まァ…おめっとさん。『爆豪』」
「っ!キ、キメェよ!クソがっ!」
「へっ。言ってろ」
こうしてメダル授与は終わった。
最後はオールマイトが締めるようだ。
「皆さんご唱和下さい!!せーの!」
『プルス…』
「「おつかれさまでした!!!」」
『そこはプルスウルトラでしょ!』
「そーだそーだ!なに言ってんだオールマイトー!」
「えっ!?ちょっ!白夜叉くん!?」
最後にオールマイトともう一人言っていた人がいるのだが…。
もう分かるよね?
ってなわけで!
締まらなかった…けれど、これにて雄英体育祭は終了だ!
体育祭編終わりました!
シリアスが少し多かったかな?
そんなことはないか…
まぁ、感想等お待ちしてます!