無事に試験は終わり次の日のホームルーム。
「予鈴が鳴ったら席につけ」
「うーす」
イレイザーと銀時は教室に入り教壇にたつ。
「おはよう。今回の期末テストだが…残念ながら赤点が出た。したがって…林間合宿は全員行きます」
『どんでんがえしだあ!』
実技の結果が奮わなかった数人はとにかく叫んだ。
「うるせェぞー。まず…筆記は赤点ゼロな」
「実技で切島、上鳴、砂藤、瀬呂が赤点だ」
安心したのか少しずつざわつきだす。
「合理的虚偽ってやつさ」
「お前それ好きだよな」
『ゴーリテキキョギィイー!!』
「ただ全部嘘ってわけじゃない。赤点は赤点だ」
「そーだぞー。合宿中に補習やるらしいから頑張れよー」
嬉しそうにはしゃいでいた赤点組が沈黙したのは言うまでもない。
こうして前期の学校生活が終わりいよいよ夏休みになる。
・
林間合宿当日。
今はバスで移動中だ。
生徒たちは皆思い思いにはしゃいでいる。
「なー消太。コイツら大丈夫か?緩みすぎてね?」
「…今くらいいいだろ」
「お前がそんなこと言うなんて珍しいじゃねェの」
「ほっとけ」
そして目的地に到着した。
「休憩だー…」
「つか何ここ?パーキングじゃなくね?」
生徒たちは休憩のためにバスが止まったと思っているようだ。
そこでイレイザーが口を開く。
「何の目的もなくでは意味が薄いからな」
その時、横から誰かの声が聞こえた。
「よーうイレイザー!」
「ご無沙汰してます」
「煌めく眼でロックオン!」
「キュートにキャットにスティンガー!」
『ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!』
「消太。どちら様?なんか自己紹介ギャグみたいなことやってっけど」
「今回お世話になるプロヒーロー『プッシーキャッツ』の皆さんだ」
ここには二人しかいないが四人一チームのヒーロー集団らしい。
今いるのは『マンダレイ』と『ピクシーボブ』だ。
銀時は合宿に来ることも知らなかったみたいである。
そんな時…
「初めましてっ!ピクシーボブって言います!」
「あー。ども」
ピクシーボブが銀時に近づいていき挨拶をした。
だが少し様子がおかしい。
「銀様ですよね!ヒーロー殺しの時に活躍した!」
「…はぁ!?銀様だァ!?」
「はい!一目惚れしました!」
『えぇーーーーー!!?』
ピクシーボブのド直球な告白により、それを聞いていた生徒たちは驚愕の声をあげた。
「マンダレイ。あの人に何があったんですか」
「なんか、この間のヒーロー殺しの事件の動画を見て王子様だなんだとかって騒いでたから…」
イレイザーとマンダレイが話している中、生徒たちは銀時の返事を待っているようだ。
皆が注目しているが、銀時は…
「チェンジで」
『チェ、チェンジーーー!!?』
そう。
銀時は積極的な女性が苦手なのである。
「がっくし…」
「アホ、流石に失礼だ。ピクシーボブ。すいません」
「だってよォ。なんかあの人、俺の知り合いにいる残念な女共に雰囲気似てるんだよ」
「だ、大丈夫!私はこんなことじゃ諦めないから!」
諦めた方が良いことに気づくのはいつになるのか…。
このチャランポランの酷さに気づけるのか…。
・
何だかんだで強制的に合宿を開始したA組。
とりあえず宿泊施設まで森を抜けさせるみたいだ。
「ねぇねぇ!銀さん!私の個性すごいでしょ?ねぇ?」
「あー。すごいすごい。まじですごい」
銀時は適当にあしらう。
「そんな褒められると照れちゃうよ~!///」
だが、ピクシーボブは気づいてすらない。
恋は盲目とはこのことである。
「おーぃ。コイツの耳どォなってんの?幻聴聴こえちゃってるの?」
「仲良くなるの早いな」
ちなみにあのあと、銀時は敬語と銀様呼びを止めるように言い、名前が呼びにくいと言ったら本名で呼んでくれと頼まれたらしい。
「しかし…無茶苦茶なスケジュールだねイレイザー」
「まァ、無茶は出ます。緊急時における個性行使の限定許可証・ヒーロー活動認可資格。その仮免。敵が活性化し始めた今、彼らにも自衛の術が必要だ」
生徒たちは何とか上手くやっているようである。
「では引き続き頼みます。ピクシーボブ」
イレイザーがピクシーボブに言った。
「…。銀さんは?」
だが…。
「…なんだよ」
「銀さんは何か言ってくれないの?」
「はぁ?」
「なら頼まれないっ!ふん!」
「「じーーーっ」」
イレイザーとマンダレイがめちゃくちゃ銀時の方に視線を送ってくる。
「…はぁ。わーったよ。あー。なんだ…頼むわ流子」
「やばい!鼻血でそう…!」
「ちょっとコイツ殴っていい?いいよな?」
結局ぐだぐたになった。
ピクシーボブには銀時がどう写っているのか…。
本人にしか分からないことだが。
それにしても…
「結構お似合いだと思うんだけどねぇ」
「確かに」
「も~!やめてよ~!お似合いの夫婦なんてっ!///」
「ちょっとォ!誰かお医者さん呼んできてェ!この人耳と頭がおかしいんですゥ!」
「「ほらね」」
二人の運命や如何に。
…なんちゃって!
ラブコメの波動を感じる…!
こんな作品じゃなかった筈なのに…!
書いてたら楽しくなってしまった…!