林間合宿が幕を閉じた。
結果的に多大な被害を受けた雄英高校。
その翌日、銀時とイレイザーとブラドは警察署で調書を取られていた。
「ーーーです。今回の敵襲撃はかねがねこんな感じです」
それぞれ事の経緯と自分の動き等を話した。
「イレイザーヘッド、ブラドキング、白夜叉ありがとう。…敵連合のメンバー。名前などは特定できるけど、統一性がない。探るのはなかなか難しいね」
「どォしたもんかねェ」
「敵の居場所さえ分かれば…」
話をしていると猫の頭をした男が入室してきた。
「塚内さん!2週間前の聞き込み調査の人物と特徴が一致しました!」
「本当か!?でかしたぞ!」
何か進展がありそうだ。
銀時はイレイザーに視線を向ける。
「消太」
「ああ。銀時は謝罪会見でなくていいぞ。校長にも許可は取ってある」
「おい!イレイザー!大丈夫なのか!?」
イレイザーの発言によりブラドが驚いているが…
「大丈夫だ。銀時は副担任として公式発表されてないからな」
「恩に着るぜ」
銀時は静かに決意を固めている。
自分の大切なものを護るために。
・
さらに翌日。
銀時は負傷した生徒の見舞いに訪れようと病院に来ていた。
「んーと…ここか。…ん?」
銀時が病室のドアを開けようとした時、中から声が聞こえた。
「ここで動けなきゃ俺ァヒーローでも男でもなくなっちまうんだよ!なァ緑谷!!まだ手は届くんだよ!」
切島が大きい声で何かを訴えている。
それを聞いた銀時は…
「…また今度にすっか」
踵を返して帰路につく。
その銀時の顔には笑みが浮かんでいた。
そして夜。
銀時の視線の先には緑谷、轟、切島、飯田、八百万がいる。
だが、少し揉めているようだ。
そこで…
「よォ。こんな時間に何してんだ?」
銀時は前に出ていって話しかけた。
「っ!坂田先生…!」
「ぼ、僕たちは…あの…」
どう説明していいか迷っているようだったが…
「まぁ大体分かるけどな」
「悪いすけど止めないでくださいね」
銀時と生徒達のにらみ合いが続く。
「オメェら…」
『…っ』
全員が息を飲む。
いざとなったら銀時が相手でも抵抗する気があった。
そして…
「俺も誘いやがれ!コノヤロー!」
銀時はおちゃらけるように言った。
『はっ…?』
「まず俺だろォ普通!」
「はっ?えっ、あの…止めないんですか?」
「えっ?逆になんで止めなきゃ行けねェの?」
『…』
銀時の言いように沈黙するしかないようだ。
「なに?止めてほしいの?ぶっ飛ばしてほしいの?Mなの?」
「い、いやいや!助かります!」
「心強いっすよー!」
取り敢えず乗っかるスタイルで行くことにした。
「おっし!…あぁそーだ、飯田と八百万」
先程までとは違う雰囲気で二人を呼ぶ銀時。
「は、はい!」
「な、なんでしょうか!」
「オメェらは来んな」
『なっ!?』
「中途半端な気持ちで来られても邪魔になるだけだ」
『…っ』
二人とも思い当たる節があるようだ。
「意志が無ェと…死ぬぞ」
銀時の底知れぬ迫力にその場にいる全員が息を飲む。
(ここで一歩踏み出せねェなら…連れて行けねェ)
「俺らが戦闘を避けた所で向こうは手を出してくんだ。中途半端な気持ちじゃあ行くだけ無駄だ」
(さァ…どォする)
少しの沈黙の後、二人は勢いよく顔を上げ、言った。
「僕はっ…!僕は彼を!爆豪くんを助けたい!」
「わ、私も爆豪さんを助け出したいですっ!」
二人の目には意志が宿っていた。
少なくとも銀時にはそう映った。
「…そォかい。じゃ、オメェらの教師として1つ言っておくぞ」
『…っ!』
「『助けたい』じゃねェよ…『助ける』んだ」
『は、はいっ!』
(こんくらい言い切れるようになってもらわにゃ目を離せねェっての)
坂田先生は頼れるときはとことん頼れるのである。
「まぁ…オメェらは前だけ見てりゃいい。背中は俺が護ってやんよ」
『先生っ…!』
全員が銀時に尊敬の眼差しを向ける。
飯田にいたっては号泣している。
「んじゃぁ爆発物(爆豪)を回収しに行きますかァ!チーム銀さん出動!行くぜテメェらァ!」
「はいっ!」
「おっしゃぁ!」
「待ってろ爆豪」
「必ず助ける!」
「爆豪さん!必ず!」
皆が決意を胸に歩き出す!のだが…
「…あっ、先に行っててくんね?ちょっとトイレ」
全員がしっかりズッコケましたとも。
さっきのシリアスはなんだったのか…
さすが銀時。
・
トイレに行くと言って離れた銀時は…
「これで心配無用だ。良かったな…蛙吹」
「ケロッ…気づいてたんですね」
近くで隠れて見ていた蛙吹の所に来ていた。
「まぁな。…オメェは行かねェのか」
「ええ。先生が行くって言っても反対なのは変わらないの」
「そォかい。んじゃ行くわ」
「ちゃんと…帰ってきてくださいね」
銀時は背中越しに手を上げて返す。
(護るさ…必ず。俺の『魂』に誓ってな)
爆豪救出作戦が始まる。
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