雄英高校1年A組銀八先生   作:icy tail

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第27話

爆豪救出作戦を終えた銀時はオールマイトの元へ向かっていた。

死柄木たちはオール・フォー・ワンにより強制的にどこかに飛ばされてしまったようだ。

 

「よォ。爆発物は処理したぜ」

 

「助かった坂田君!」

 

「ん?おめぇはあん時の銀髪のにぃちゃんじゃねぇか」

 

「誰だじぃさん?」

 

「この方…グラントリノは私の先生だった方だよ」

 

「ほぉー。オールマイトのねェ。坂田銀時だよろしくなじぃさん」

 

「おぅよ。って自己紹介なんかしてる場合じゃねえか…」

 

挨拶もそこそこにオール・フォー・ワンに向き直る。

 

「また君か白夜叉」

 

「うちのアホの回収が思ったよりも早く終わったんでな」

 

「やはり君が噛んでいたか…。まぁ過ぎたことは仕方ない。仕切り直しと行こう」

 

「あぁ。最終ラウンドだ」

 

銀時がそう言った瞬間にオールマイトが突進していった。

 

「じぃさん!俺らはサポートだ!」

 

「分かっとる!」

 

銀時はオールマイトを追って走り出した。

二人は上手く間に入り込みオールマイトの負担を軽減させていた。

だが…

 

「ちとやべェな…」

 

「活動限界か…」

 

オールマイトから煙が立ち上り、体の半分が変身前の姿に戻ってしまっている。

そして、二人がオールマイトに気を取られているとオール・フォー・ワンが銀時に放ったものと同等かそれ以上の規模の攻撃を放ってきた。

 

「くるぞ!避けて反撃を…」

 

「避けて良いのか?」

 

そう言ったオール・フォー・ワンの視線の先には逃げ遅れた一般人が動けなくなっていた。

 

「っ!?くそっ!オールマイトォ!」

 

「オールマイト。ヒーローは守るものが多くて大変だね。さて…それじゃあまずは君が守ってきたものを奪う。無様な姿を晒せ」

 

攻撃を正面から受けたオールマイトは相殺したと共に変身前の姿に完全に戻ってしまっていた。

空にはヘリが飛んでいてこの戦闘の模様がテレビで中継されているようだ。

 

「奴の狙いはコレか…!」

 

「…」

 

(嫌な予感がしやがる…。折れてくれるなよ平和の象徴)

 

銀時は思考を巡らせる。

だが、さすがにこればかりはどうしようもない。

この時代の人間ではないのだから。

 

「この姿を晒そうとも私の心は依然平和の象徴!一欠片とて奪えるものじゃあない!」

 

銀時の思った通りオールマイトに灯る火は消えない。

 

「素晴らしい!なら…これも君の心には支障がないかな?」

 

続けてオール・フォー・ワンが芝居がかった様に言った。

 

「死柄木弔は…志村菜奈の孫だよ」

 

「っ!!?う、うそを…」

 

先程とは違い、それを聞いたオールマイトから火が消えようとしていた。

 

「分かってるはずだよ。僕のやりそうな事だ」

 

「…」

 

呆然と立ち尽くしているオールマイト。

だが、そこに歩み寄る者が一人。

 

「オールマイト。笑顔はどう…」

 

オール・フォー・ワンが決定打を与えようとしたその時。

 

「おい。歯ァ食いしばれ」

 

「…坂田くぐふっ!?」

 

銀時がオールマイトを殴り飛ばした。

これにはオール・フォー・ワンも仲間であるグラントリノまで唖然としている。

銀時は周りなど全く気にすることなく、オールマイトを見下ろして言った。

 

「何を勝手に絶望してやがんだ。ヒーローが自分の事情で足止めてんじゃねェぞ」

 

「…っ」

 

「俺にはオメェに何があったなんて分からねェし知りたくもねェ。だがよ…オメェを信じて待ってる奴らほったらかしにして何が平和の象徴だ」

 

「っ!」

 

「オメェはいつもみてぇに気持ち悪いくらい豪快に笑って、オメェを信じてる奴らを安心させてやりやがれってんだ!コノヤロー!」

 

「…まさか君に諭されるとはな」

 

銀時の言葉はオールマイトの体に一本の芯を打ち立てた。

少なくとも今の戦いで折れるような安っぽいモノではない。

 

「分かったならさっさと立ちやが…っ!?ぐぁっ!」

 

銀時がオールマイトに手を貸そうとしたその時、横から衝撃波が銀時を襲った。

 

「こんな気持ちは久しぶりだよ。白夜叉」

 

オール・フォー・ワンが吹き飛んだ銀時に向かって言う。

 

「君はここで消しておかないといけないようだ。弔の為にも」

 

「坂田君!!」

 

「待て!俊典!おめぇは備えとけ!」

 

オールマイトが飛び出そうとした所でグラントリノが止めた。

 

「そォ…だぜ。ゴフッ…オール…マイト」

 

銀時は何とか立ち上がったがモロに食らった為か口から大量の血を吐き出した。

 

「やはり君は危険だ。殺すつもりで打ったんだけどね。急所からずらしたのか」

 

「オメェに…1つ教えてやらァ」

 

銀時は口元の血を拭い、息を整えて言った。

 

「さっきオメェはヒーローは守るモンが多くて大変だって言ってたよなァ。確かにそォだ。けどなァ…オールマイトみてェな根っからのヒーローって奴は…守るモンが多けりゃ多いほど力を発揮する。そんな…最強のお人好しなんだよ」

 

「そうかい。君たちヒーローの精神論は聞き飽きたよ。…じゃあね白夜叉」

 

そう言う銀時に向かい手をかざすオール・フォー・ワン。

だが、銀時の目線は後ろに向いていた。

 

「つれねェ事言うなよ。なァ?オールマイト」

 

「ああ…!多いよ…!ヒーローは…守るものが多いんだよオール・フォー・ワン!!だから…負けないんだよ」

 

そこには、最後の力を振り絞り拳を握るオールマイトが立っていた。

片腕だけのマッスルフォーム。

だが、迫力が段違いだ。

 

「今度こそ本当にバトンタッチだ。坂田君」

 

「毎度毎度遅ェんだよ。平和の象徴さんよォ」

 

差し出された手を叩こうとした銀時はよろけてしまい倒れかけた。

 

「おっと。倒れたらカッコつかねぇぞ銀時」

 

だが、グラントリノが現れ銀時を支えた。

 

「悪ィなじぃさん。…おらよ。確かに渡したぜ」

 

銀時は今度こそオールマイトに手渡した。

 

「ありがとう。確かに受け取った」

 

熱気に当てられたかのように全てがオールマイトを後押しする。

駆けつけたプロヒーローたちも自分たちにできる事を片っ端から行っていた。

 

『みんなあなたの勝利を願っている!』

 

全ての声援、気持ちが力に変わっていく。

 

「煩わしい。もう終わりにしよう。確実に殺す為に、今の僕が掛け合わせられる最高・最適の個性たちで…君を殴る」

 

オール・フォー・ワンも全力を持って片をつけるつもりだ。

オールマイトは相手の攻撃を上手く相殺し、全力の一撃を叩き込む。

 

「おおおおお!!!」

 

そして…

 

「勝ちやがれェェェ!!!オールマイトォォォ!!!」

 

「UNITED STATES OF…SMASH!!!」

 

腕を思い切り振り切ってオールマイトは腕を高々とあげる。

オールマイトの勝利だ。

 

「ヒーローの…勝利だ」

 

銀時はその言葉を最後に気を失った。

 

 

 




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