銀時は退院し、登校日の前日。
「急に引っ越しって言われてもなァ…」
「いいから早く行くぞ」
「わーってるよ」
銀時は荷物をまとめて新しく建てられた寮の前に来ていた。
「よし。集まってるな」
「あん?なんでコイツらいんの?」
そこには1Aの生徒が全員集まっていた。
皆は口々に許可がどうたらと話している。
「そう言えば銀時には言ってなかったな。…銀時とお前らには今日からこの寮で生活してもらう」
『はい!』
生徒は元気良く返事をしたが…
「…聞いてないんだけどォォォ!!?」
「そりゃな。言ってないからな」
「ってかなに!?ガキと同じとこに住めってか!?冗談キツイぜおい!」
「大マジだ」
「嫌だね!俺ァ前の寮に戻る…!?」
銀時が荷物を持って住んでいた寮に帰ろうと歩き出そうとした瞬間…大きな爆発が銀時の視線の先で起こった。
『解体作業完了!撤収だ!』
『イエッサー!』
簡単に言うと、寮が吹き飛びました。
「諦めついたか?」
「………はい」
肩を落とす銀時。
まぁ野宿よりかはマシだろうな。
銀時が諦めたあと、イレイザーが生徒に向かって話始めた。
「さて、真面目な話になるが…轟・緑谷・切島・飯田・八百万。この5人は爆豪救出に赴いた」
『…っ』
皆が息を飲む。
「その様子だと行く素振りは皆も把握していたワケだ」
「消太!それはっ…」
イレイザーは銀時を手で制して続ける。
「オールマイトの引退がなけりゃ俺は…爆豪・耳郎・葉隠以外全員除籍処分にしてる」
『っ!?』
「だが…俺も銀時に君たちの事を任せて向かわせた。分かってて止めなかったわけだ」
「消太…」
「まぁそう言うことだ。君たちには正規の手続きを踏み、正規の活躍をして…信頼を勝ち取ってくれるとありがたい」
『っ!はい!』
「以上!さっ!中に入るぞ元気に行こう」
そう言ってイレイザーは先に中にいってしまった。
「まぁよ…あんなだが消太だって心配してるって事だ。それだけは理解しとけよ」
『はいっ!』
「んじゃ行くぞ。ほれ、早くしろよー」
・
先程の一件が終わり銀時は部屋で寛いでいた。
すると…
「先生ー!部屋見せてー!」
扉が急に開いた。
「ねぇ。許可してないんだけど…」
「うっわ!きたねぇ!」
「こんな短時間でどうやってこんな汚くなるんすか!?」
掃除係の新八がいないと部屋が常に汚くなってしまう。
ダメな大人の典型である。
「先生ー!あの糖分ってやつ何ですか?」
銀時の部屋にはよろず屋にも飾ってあった掛け軸がある。
これがないと落ち着かないらしい。
「俺の体の8割は糖分でできてるからな!って違ェよ!出て行きやがれ!」
勝手に入ってきて好き勝手言われて少し怒っている銀時。
「まーまー!そんなこと言わないで!」
銀時がぐちぐち言う中、芦戸がなだめてきた。
「…はぁ。で、なに?」
「今ね!部屋王決定戦してるの!」
「ふーん。そんで結果は?」
「んーとね…論外っ!」
「うん。帰って」
ゆっくりしていたのに邪魔されて散々である。
そして夜。
銀時は呼び出され外の広場に来ていた。
そこには爆豪救出に赴いた轟たちもいる。
集まったことを確認すると蛙吹が話をした。
「まぁそう言うこった。俺がいたからって言っちまえばそれまでだが…まぁ、俺がいなくても行ってたろ?」
『…っ』
「ヒーローを目指すんなら裏切るってのはご法度だからな。今回は少なくとも蛙吹の気持ちを裏切ったんだ。俺が言えた義理じゃねェが良く考えろよ」
『は、はいっ!』
銀時が話終えた所で蛙吹が銀時に歩み寄る。
「坂田先生。ありがとうございます」
「俺だってコイツらと同じだ。蛙吹の気持ちを分かってて連れてったんだ。悪かったな」
「ケロッ。あの時は私も先生を信じていたの。だから…ありがとうございます」
「…ふっ。そォかい」
こうして夜は更けていった。
・
翌日、登校日。
「昨日話した通り、まずは仮免取得が当面の目標だ」
『はい!』
「そこで今日から君らには一人最低でも二つ…」
「必殺技を作ってもらいまーす」
『学校っぽくてそれでいてヒーローっぽいのキタァア!!!』
仮免試験に向けての必殺技を作るために体育館に移動した。
必殺技を作るのはセメントス・エクトプラズム・ミッドナイトが指導するようである。
ある程度の説明が終わり、皆が思い思いに動き出す。
「必殺技ねェ。俺も個性があればなァ…」
銀時は生徒たちを見ながらつぶやく。
「お前も作ればいいだろ」
「でもよォ。俺にできっかねェ」
「なにがだ」
「手からビーム出したりさァ…」
かめ○め波!的なね?
「ああ」
「刀振って衝撃波飛ばしたり…」
月○天衝!的な?
「ああ」
「回りからは見えない幽霊が代わりに殴ってくれたりとかさァ…」
スター○ラチナ!的な感じ?
「銀時」
銀時の妄言を最後まで聞くことなくイレイザーは銀時を呼ぶ。
「ん?」
「諦めろ」
「うん…知ってた」
銀時の目から一筋の水がこぼれた。
やはりこの男には必殺技は向いていないようだ。
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