雄英高校1年A組銀八先生   作:icy tail

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第32話

仮免試験が開始される。

銀時たち教師陣は観客席に移っていた。

 

「イレイザーが一人も除籍にしてないなんて珍しいじゃん!なに?気に入ってんの?」

 

ジョークが気になっているのか、先程の話を掘り返してきた。

 

「別に」

 

「なかなかにしぶてェ奴らだってことは確かだな」

 

「ふーん。気に入ってるなら尚更言ってあげれば良かったのに」

 

「…理不尽を覆していくのがヒーロー。悪いがウチは他より少し先を見据えてる」

 

「まぁ雄英潰しなんてちゃちなモンでやられんなら…すでに消太が除籍にしてんだろォよ」

 

「ほーん。そうなんだ」

 

そんなことを話していると、会場全体に仮免試験の概要が流れる。

 

「第一次選考だァ?しかも玉遊びかよ」

 

銀時は試験の概要を聞いて呆れている。

 

「そう言えば銀時は仮免試験受けてないのか」

 

「まーな」

 

そうなのだ。

銀時は雄英の手回しで飛び級でプロになった。

 

「はぁ!?白夜叉はプロヒーローじゃないの!?」

 

「銀時はプロだ」

 

「うーん?なんか頭がこんがらがってきた!?」

 

「俺も仕組みは分からねェんだが…気づいたらプロだったんだよなァ」

 

銀時自身もどう言った手回しをしたのかは知らない。

 

「それにしても…実質チーム戦みたいなモンか」

 

「先着ってことで攻めたもん勝ちな印象を受けるけど、これ違うね…違くない?」

 

「団結と連携。そして、情報力が鍵になりそうだな」

 

仮免試験第一次選考。

先着100名が合格だ。

銀時たちが話していると、会場で大きな動きが見られそうだ。

 

「ん?アイツは…」

 

「夜嵐か」

 

銀時の視線の先には、個性で数えきれないほどのボールを巻き上げている夜嵐がいた。

 

「あれよォ…下にいる奴ら大丈夫か?」

 

「ウチの連中はいないみたいだし、俺は知らん」

 

「アッハッハ!イレイザーひどっ!」

 

自分達の生徒がいたら気が気でないだろうがジョークも含め、呑気な物だ。

そして夜嵐が巻き上げたボールを一斉に下にいる生徒たちに向かって投げ飛ばした。

その瞬間、会場の全体に風が吹き抜けた。

 

「うおっ!?」

 

「…さすがにやりすぎだな」

 

結局、今の攻撃で120人を一斉にリタイアさせて夜嵐が1抜けした。

 

「轟とかボンバーマンも大概だが…アイツも相当だな」

 

「ああ。個性の強さだけなら轟や爆豪以上だろうな…今はな」

 

「ホントにあんた達自分の所の生徒好きだねぇ!」

 

「「好きじゃねぇ」」

 

「ブハッ!息ピッタリかよ!」

 

夜嵐の通過を気にフィールドではどんどん動きを見せている。

そして、通過者が半数の50を越えた頃。

 

「轟のヤツは通過したな。それにしても、随分時間が掛かったじゃねェの」

 

「左右の出力調整にてこずってるみたいだな」

 

「そんなに難しいモンなのかねェ。…ん?」

 

「あっちは…爆豪たちか」

 

銀時とイレイザーは爆豪たちの方に目を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆豪と上鳴は士傑高校の肉倉と対峙していた。

 

「緑谷たちの方行っときゃ良かった!!」

 

「じゃァ行けやカス」

 

「行けるワケねーだろ!だって切島が…あんなんなっちゃったんだぞ!!?」

 

爆豪たちと一緒に行動していた切島は肉倉の個性で肉の塊の様にされていた。

 

「これは示威である。就学時より責務と矜恃を涵養する我々と、粗野で徒者のまま英雄を志す諸君との水準差」

 

「嫌いなタイプだ…責務?矜恃ィ?ペラペラペラペラと…口じゃなくって行動で示して下さいヨ先パイ!」

 

肉倉は爆豪の物言いに怒り、個性を発動する。

それを爆豪は正面から新技で蹴散らした。

 

「新技の乱れ撃ち…名付けて徹甲弾・機関銃!!」

 

「ちっ…!」

 

「散ったキモイのが…戻ってく!?」

 

肉倉は落ち着かせる様に一度深呼吸をして再度個性を発動した。

 

「私が手折り気付かせよう。帰属する場に相応しい挙止。それが品位であると」

 

「何なんだこの人は!!」

 

「うるせえ奴だ。ブッ殺す」

 

爆豪は突っ込んでいき、上鳴は何かを肉倉に向かって投げた。

 

「飛び道具か…目障りだ。先に丸めてやろうか」

 

肉倉が上鳴を警戒しながら呟くと、爆豪がやって来る。

 

「俺を!無視すんな!」

 

そして爆豪は肉倉に向かって攻撃を放つ。

 

「してないが?」

 

だが、分かっていたかの様に防がれてしまう。

さらに肉倉は爆豪に気づかれない様に爆豪の背後に切れ端を飛ばしていたようだ。

だが…

 

「ッハァ!見えてんぜェ!先パイよォ!」

 

(認めたくねぇが…くそ天パとの組み手がなかったら避けられなかったなァ!)

 

個性の微調整で体制を立て直し、ものすごい速度で肉倉の背後に回り拳を叩き込んだ。

 

「なっ!?ぐぅっ!」

 

「すげーぜ!爆豪!」

 

「…実力はあるようだな」

 

肉倉はダメージは無いようですぐに立ち上がった。

 

「オイ!アホ面!次で決めんぞ!」

 

「あ、ああ!って俺は何すればいいの!?」

 

「いいから合わせろや!いいなァ!?」

 

「ちょっ!まっ!」

 

爆豪は上鳴の制止を聞かずに突っ込んで行った。

 

「同じ手は食わんぞ」

 

「あぁそォかよ!そろそろ…0だァ!」

 

「っ!?ぐおぉっ!?な、なんだ!」

 

肉倉が爆豪から距離をとるために後ろに飛んだ。

その瞬間、肉倉の背中で小規模の爆発が起こった。

 

「もう1つの新技…接着弾だァ!!」

 

「あ、あの時かっ!」

 

そして、その爆発によってバランスを崩した肉倉は上鳴の新技の射程内に丁度入ってきた。

 

「アホ面ァ!撃てや!」

 

「ひゅー!良い位置来たぜ!」

 

「む!?…ぐあ!!?」

 

上鳴の指先から放たれた電撃をモロに食らった肉倉。

痺れで個性の調節が緩み切島が元に戻ってゆく。

 

「ざまぁないっスね先輩。散々言ってくれちゃって」

 

「っ!立場を自覚しろという話だ馬鹿者が!!!」

 

上鳴の言葉に冷静さを失った肉倉は緩んだ個性の事をほったらかしにして叫んだ。

そして…

 

「最後くらい役に立ちやがれェ!!クソ髪ィ!!」

 

「っらァ!!!」

 

元に戻った切島の全力の腹パンで肉倉は沈んだ。

その後、肉倉の個性で丸められて転がっていた他校の生徒達をリタイアさせて爆豪たちは通過した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻って観客席。

 

「ボンバーマン達も通過しやがったか」

 

「銀時。あの体にくっ付ける爆弾はお前の入れ知恵か?」

 

「ん?…なんのことやら」

 

接着弾は訓練の時に銀時が爆豪の攻撃を避けながら懐に小さいジャスタウェイをバレないように入れて爆発させる、と言う嫌がらせから爆豪がヒントを得て編み出した技なのである。

銀時がそれを誘導したのかは銀時にしか分からないが…。

 

 

 




接着弾はタッチ・ボムと読みます!
ネーミングセンスは見逃して下さい…!
触れた部分に爆弾を仕掛けて爆発させる技です!
威力はあまり強くはないですが、意識外からの攻撃なので結構効きます!
爆発する条件は、
・仕掛けてから15秒がたった時
・爆豪が腕に装着しているグレネードに付いているボタンを押す
です!

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