雄英高校1年A組銀八先生   作:icy tail

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第33話

爆豪たちの戦闘を遠目に眺めていた銀時たちだが、その後はフィールドが入り乱れ確認することは出来ずに第一次選考が終わった。

 

「アイツら…」

 

「まぁ全員通ったみてェだしいいじゃねェか」

 

終了間近の解説で雄英勢がギリギリ通過したのを知ってイレイザーは若干イライラしている。

 

「やっぱ雄英はすごいねー!全員でしょ?」

 

そんなイレイザーを気にすることなく笑いながら話しかけてくるジョーク。

 

「いや、あんなんで満足してもらっちゃ困る」

 

「ま、そォだな。回りの奴らと同じじゃあな」

 

「かーっ!二人揃って厳しいことで!」

 

「普通だ」

 

そんな話をしていると最終選考が始まった。

 

「次は…救助か」

 

「うェー。仮免受けなくて良かったぜ…」

 

「なんでなんで?」

 

「だってよォ…人を助ける『練習』だろ?それで本気になれねェって」

 

「銀時らしいな」

 

「アッハッハ!練習ね!確かにそうだ!」

 

プロが何を言ってるんだって感じだが、全くもって銀時らしい。

 

「だが…銀時は基本グータラしてるちゃらんぽらんだからな」

 

「だァれがちゃらんぽらんだ!こらァ!超省エネ人間なだけだ!地球に優しい男なんだよ俺ァ!」

 

「なに言ってんだアホ」

 

「ブフォッ!ち、地球に優しい男って!くくっ…ぷっ!」

 

自称、省エネ人間の銀時の戯言をイレイザーがいなし、ジョークが爆笑している。

大分、カオスな状況だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会場の方では試験が開始され、それを眺めている銀時たち。

 

「なーんかイマイチつまらねェな」

 

「救助だから仕方ないだろ」

 

そんな時…

 

「おー。またアイツか。大胆だねェ」

 

夜嵐が個性でいっぺんに救出していた。

 

「派手な個性の割りに、ある程度調整ができてるな」

 

この様に感想を言いながら見ていると敵役としてギャングオルカが会場に現れた。

 

「敵役ねェ…。俺もいっていい?」

 

「頼むからやめてくれ。確実に爆豪がリタイアする」

 

「そんなこと…するわ。むしろ、そのためだけに行きてェ」

 

銀時が敵役でいたら、爆豪がリタイアする未来しか見えないイレイザー。

銀時なら本当にやりかねないからたちが悪い。

 

「絶対やるなよ」

 

「………分かってるっての」

 

「その間はなんだ。…まじでやめろよ」

 

結局、試験が終わるまでイレイザーが銀時を見張っていたのは言うまでもない。

そして試験が終わり、合格者の発表後、銀時とイレイザーの前に1Aの生徒たちが集まっていた。

 

「まずは…おつかれ」

 

「おー。お疲れさん」

 

生徒たちは緊張が抜けたのかリラックスしているように見える。

数人を除いて。

 

「まぁ、こんな試験くらい余裕で合格してくれたと思うから…ん?どォかしたか?」

 

ちなみに銀時は結果を知っている。

銀時がそう言うとみんな一斉に爆豪と轟の方を見た。

 

「あっ…ごめん…。落ちてるだなんで思わなくて…」

 

銀時はわざとらしく言った。

 

「…ちっ。くそがッ!」

 

「…」

 

爆豪は自分が悪いのを分かっているのか言い返してこない。

轟は銀時に言われてガチで落ち込んでいる様子だ。

そして、銀時は轟の方に歩み寄った。

 

「轟。なんで落ちたか理解してッか?」

 

「…先生。士傑の奴から親父の名前が出てきたときに感情的になってしまって…」

 

「そォか。…それはオメェ次第だかんな。早く決着つけろよ」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

師匠と弟子って感じで微笑ましい光景だ。

続いて爆豪。

 

「爆豪」

 

「…ちっ。なんだよ」

 

銀時は真面目な様子で爆豪に歩み寄り肩に手を置いた。

爆豪も真面目な空気を感じ取ったのか聞く姿勢を見せている。

なんだかんだ師弟関係と言えるのではないだろうか。

そして…

 

「…ざまぁ!」

 

全力で煽りに行った。

 

「テ、テメェ…!」

 

「日頃の行いだよォ?爆豪く~ん?」

 

「テメェだけには言われたくねェわ!くそがァッ!」

 

やっぱりこの二人はこの関係から変わることはないのかも知れない。

 

「図星だからってそんなに怒んなよォ!オメェは…ってェ!?」

 

「おい。お前は仮免試験すら受けてないだろうが。その辺にしとけ」

 

銀時がトドメを差しに行こうとした時にイレイザーが止めに入ってきた。

 

「あっ!ちょっ!言うなって!」

 

「あぁん?受けてねェのかよ。…それであんなこと良く言えたもんだ」

 

「んだとォ!?俺だったら余裕で受かるっての!オメェみてーな無様はさらしません~!」

 

「ハッ!言い訳かよ…ダッセェ」

 

「あぁん!?受かってから言いやがれガキんちょ!」

 

二人の言い合いがエスカレートしてきたところでイレイザーが間にはいってきた。

 

「おい。お前ら静かにしろ。…まぁなんにせよ、轟と爆豪は反省しろよ」

 

「はい」

 

「…うす」

 

こうして仮免試験は幕を閉じた。

轟と爆豪は後日、別で再試験を受けることになっているようだ。

 

 

 

 

 




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