雄英高校1年A組銀八先生   作:icy tail

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第35話

ビック3を招いた授業。

イレイザーの指示で天喰から自己紹介をすることになった。

 

「天喰からな」

 

「…」

 

天喰は視線をA組の生徒達に向ける。

なぜか視線が鋭くなっている。

 

『…っ!?』

 

(まーだ直ってねェのか?)

 

生徒達はその視線に気圧されるように一様に驚いた顔をする。

銀時だけは呆れたように頭を掻いている。

 

「駄目だミリオ…波動さん…ジャガイモだと思って臨んでも依然人間にしか見えない。頭が真っ白だ…辛いっ…!帰りたい…!」

 

『ええ…!?』

 

弱音から始まり、終いには黒板の方に向いてしまった。

 

「環よォ…それ直せって言ったろーよ」

 

「俺には無理です…ニンゲンコワイ…!」

 

「駄目だこりゃ」

 

先程まで迫力に驚いていた生徒達もその光景に動揺している。

そんな時、波動が割り込んできた。

 

「あ、聞いて天喰くん!そういうのノミの心臓って言うんだって!ね!人間なのにね!不思議!」

 

「さらに面倒くせェやつが…」

 

銀時は少し顔をひきつらせながら話し始めた波動を見ている。

波動は全く気にすることなく話を続けていく。

 

「彼はノミの『天喰環』それで私が『波動ねじれ』今日はインターンについて皆にお話してほしいと頼まれて来ました」

 

ここまで話すと急に障子の席に寄っていく波動。

 

「けどしかし…ねえねえところで君は何でマスクを?風邪?オシャレ?」

 

「これは昔に…」

 

すると、早口で捲し立てるように質問を始めた。

慌てて答えようとした障子を無視して次は轟に…

 

「あら、あとあなた轟くんだよね!?ね!?何でそんなところを火傷したの!?」

 

「…!?それは…」

 

「うーわ。やっぱ始まったよ」

 

銀時は何かを知っているようで、少し顔をひきつらせながら見ていたが、やがて歩き出した。

 

「芦戸さんはその角折れちゃったら生えて…」

 

「ハイ、ストップな波動」

 

銀時は誰彼構わず質問して回る波動の後ろに立ち、頭にチョップをかました。

 

「いった~い!何するの!銀さん!」

 

「アイツら困ってんだろ。やめてやれ」

 

結構痛かったのか、涙目で抗議する波動。

 

「もう!…それにしても…銀さんのその死んだ魚みたいな目はなに!?なんか辛いことがあったの!?ねえ!?」

 

「全く懲りてねェな…はぁ」

 

懲りずに次の標的を銀時に決めた波動はまた質問を始めた。

銀時は呆れてため息をついている。

そこで、今まで黙って見守っていたイレイザーが口を開いた。

 

「…合理性に欠くね?」

 

「全くだぜ…強くなった代わりに頭弱くなったろおめェら」

 

「ふ、2人とも安心して下さい!!大トリは俺!なんだよね!」

 

他の2人の失態を一手に引き受け前に出たミリオ。

であったが…

 

「前途ーーー!!?」

 

『!?』

 

「多難ー!っつってね!よォし!ツカミは大失敗だ!」

 

(やっぱ前よりアホになってらァ)

 

結局3人とも駄目だった。

銀時が呆れる程だから相当だ。

そして結局…

 

「フム。そうだねェ…何やらスベリ倒してしまったようだし…君たちまとめて俺と戦ってみようよ!!」

 

『え…ええ~!?』

 

ミリオの提案をイレイザーが許可をして模擬戦闘を行うことになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体育館γ。

ここで模擬戦闘を行う。

ミリオはやる気満々で準備体操をしているが、A組の生徒達は少し遠慮しているようだ。

 

「あの…マジすか」

 

「マジだよね!」

 

やる気のミリオをよそに他のビッグ3の2人はあまりよろしくないようだった

 

「ミリオ…やめた方がいい」

 

「通形ちゃんと考えないと辛いよー」

 

2人の話によると今回の模擬戦闘でこれから先のヒーローへの道に支障が出るかもしれないとのことだ。

この2人の物言いに不満を露にする生徒が数名いた。

様は舐められていると思ったのだろう。

耐えきれずに抗議をしようとしたその時、銀時が割ってはいった。

 

「まぁいいじゃねェか。やらせてやろーぜ」

 

「坂田先生…」

 

「丁度いい機会だ。それに…こんな事で折れちまう様なヤワな教育はしてねェよ」

 

「…はぁ。知りませんよ」

 

「やっぱり!銀さんならそう言うと思ったの!私!」

 

こんなわけで模擬戦闘が始まる。

 

「よォし!そんじゃぁ…」

 

「始める「作戦会議ターイム!」ええっ!?銀さん!?」

 

「なに?不満でもあるの?上級生のくせに?」

 

「ぐっ…分かりました…!」

 

いい感じで話がまとまりそうだったにも関わらずナチュラルにぶち壊す銀時。

流石の一言だ。

ミリオはちらっとイレイザーに視線を送ったが、イレイザーは傍観するつもりらしい。

なんだかんだ銀時には甘い。

 

「おめェら集まれりやがれ!」

 

『は、はい!』

 

そして、作戦会議タイムになる。

 

「よし、集まったな。まず始めに言っとくが…これは作戦会議と言うより忠告だ」

 

『???』

 

銀時は集めた生徒達に向かって話し始めるが、皆首を傾げている。

 

「いいか?これからミリオと戦ってどう感じるか、何を思うか。これが大事だ。この際だからはっきり言っとく…おめェらじゃほぼ100%勝てねェ」

 

「っ!そんなっ…」

 

「先生!」

 

「まぁいいから聞け…勝ち負けなんざ意味がねェ。これからやるのは戦いじゃなくて勉強なんだからな」

 

『勉強…?』

 

「そうだ。ここでちっぽけなプライド振りかざすくれェならやらねェ方がマシだ。まぁ…とにかくがむしゃらに行け」

 

銀時は真剣に話を続ける。

もうそこには普段のおちゃらけた銀時はいない。

 

「あと1つ…ミリオの個性を見て、多分だが『強い』だ『ずるい』だなんて思うかもしれねェが…アイツの個性はおめェらの誰の個性よりも使い勝手が悪い。それだけは忘れんな」

 

『はいっ!』

 

「うし!そんじゃ勉強してこい!ガキ共!」

 

『よっしゃぁ!』

 

作戦会議を終えて、銀時は皆を送り出す。

生徒達はやる気満々で出ていった。

 

「若いってのはいいねェ」

 

「自分が焚き付けておいて何言ってんだ」

 

銀時が生徒達の背中を見つめながら呟くと、横からイレイザーが歩いてきた。

 

「消太か。まぁ…ただやられるだけじゃ見てるこっちもつまんねェからな」

 

「ふっ…銀時らしいな。それにしても…言わなくて良かったのか?」

 

「ん?何を?」

 

「通形がプロを含めて最もNo.1に近い男だってことだよ」

 

「………まぁ、大丈夫だろ」

 

「…そうか」

 

ここだけの話、銀時は言うのを忘れていただけだ。

さっきまでカッコ良かったのにやっぱり締まらない銀時であった。

 

 

 

 




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