作戦会議タイムが終了し、模擬戦闘が始まる。
「銀さんが噛んでるから油断はできないよね!」
そう言って身構えるミリオ。
警戒しながらも初手は譲るようだ。
『よろしくお願いしまーっす!!』
こうして開始された。
「とりあえず皆聞いて!」
開始早々に向こうから仕掛けてこないことに気づいた緑谷が皆に声をかける。
「無闇矢鱈に攻撃をするのはやめよう。通形先輩の個性はすり抜ける個性だと思うから僕たちの視界を自分から塞ぐのは悪手だ」
緑谷の意見を聞いた皆は頷き、それぞれの最適な行動を取るために動く準備はできているようだ。
そして、まずは近接が仕掛けていく所からA組の生徒は行動を開始した。
・
そして、決着。
終わってしまえば僅か10分程で全滅させられてしまった。
「ちょっと張り切りすぎちゃったよね!」
『つ、強かった…』
A組の生徒は全員がお腹を押さえて下を向いてしまっていた。
「まぁ…あんなに苦戦させられるなんて思ってなかったよ!銀さんに何て言われたの?」
「勝ち負けなんていいから勉強してこい…と」
「うんうん!銀さんらしいよね!」
ミリオはそう言って銀時の方を見る。
「んー。まァ…及第点じゃねェ?ミリオ相手に初見であんだけやれりゃ良い方だろ」
「1対20だけどな」
「オイ!いい感じに纏めようとしたんだから言うなって!」
銀時はいい感じの事を言ったがイレイザーが余計なことを言った。
珍しい光景だ。
「んんっ!まぁ…あとはミリオに直接教えてもらえ。個性の事とかインターンの事とかよ」
『…は、はいっ!』
銀時がそう言うと生徒達はミリオ達の前に集まり話が始まったのだった。
そして、授業が終わり教室に戻っていく生徒達。
銀時はミリオ達の方に歩いて向かっていた。
「ミリオ。ちょっといいか?」
「銀さん?どうしました?」
「今度のインターンよォ…ミリオん所に俺も同行するから」
「本当ですかっ!?サーも喜びます!」
全くもって急な話だったがミリオは気にすること無く嬉しそうにしている。
「おーよ。宜しく言っといてくれ」
「分かりました!」
ここから新たな物語が動き出す。
・
ミリオ達、ビッグ3との特別授業があった日から数日。
銀時は駅にいた。
「あっ!銀さん!おはようございます!」
「うーっす」
「えっ!?さ、坂田先生!?なんで!?」
当たり前の様に合流してきた銀時に驚きを露にする緑谷。
どうやら何も聞いていないようだ。
「あん?言ってねェの?」
「あははっ!忘れてたよね!」
「ちょっと不安になってきた…」
ミリオは全く気にした様子もなく笑いながら言った。
緑谷はこれから先のことが少し心配になってしまったようである。
だが、そんな緑谷をよそに3人は出発した。
電車に揺られること1時間。
「ここがサーの事務所だよね」
「1年振りくらいか」
「おォ…」
目の前には少し大きな建物がある。
銀時は懐かしそうに…と言っても1年だが。
緑谷は見上げながら明らかに緊張していた。
「おいおい!角ばるなよ!良くないぜ!」
「そーだぞー緑谷。こうゆー時はむしろ自分の家の様にだな…」
そう言いながら銀時は1人で建物に入っていってしまった。
「いや…先生…それは違うと…」
「ただいま~!」
「えっ!?ちょっ!?先輩!?」
緑谷は呆れたように入口を見ていたが、ミリオは銀時の言ったように自宅に帰った時のように続いていった。
やっぱり銀時とミリオは波長が合うらしい。
緑谷も遅れながら中に入っていった。
「ああ!そう言えば…サーはユーモアを最も尊重してるんだ。だから必ず一回サーを笑わせてね」
「へ?」
中に入り、廊下を歩いている時に急にミリオが緑谷に言い聞かせるように話し始めた。
緑谷は良く分からないと言う顔をしている。
そうして1つのドアの前に到着した。
「さてあのドアの先だ!強くなりたいなら己で…「おーぅ!帰ったぞー!」あらら?」
ミリオは緑谷に開けさせようとしていたらしいが、空気の読めない…と言うよりかは、読む気がない銀時は普通にドアを開けて入った。
そこには…
「まったく…大きな声出るじゃないか」
「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」
変な機械にかけられている女と、それを見ている長身の男がいた。
始めてみる人には刺激が強い光景だ。
「ふむ…中々興味深いじゃねェの…!」
「ええっ!!?」
「あはは…やっぱり銀さんとサーは気が合うんだよね!」
だが、銀時のS心には結構響いたみたいだ。
そんな話をしているとこちらに気づいたのか男がこちらに振り向いた。
その視線は威圧的なモノが含まれているように感じる。
そして、男は視線はそのままに銀時の前に歩み寄ってきた。
「…」
「…」
にらみ合う2人。
すると急に…
バババババババババッ!ババッ!
目にも止まらぬ早さで何かを始めた。
それは言うなれば、超高速のアルプス一万尺とでも言うべきか…何か挨拶のようなものだった。
「衰えてねェみたいで良かったぜ…未来さん」
「ふっ…それは何より。私も流石と言っておこう。銀時の行動を予知するとやはり少しぶれる」
挨拶?を終えた2人はお互いに称えながら拳を合わせる。
何か通じ合っているようだった。
「み、見えなかった…!」
「相変わらずだよね!」
「ちょっと~ヒャヒャ!と、止めてくださいよ~アヒャヒャ…!」
いい感じの再会に思えるが現状は中々の地獄絵図なのであった。
波乱のインターンの幕開けだ。
・
余談。
1年前の銀時とサーの出会い。
「なーミリオ。そのサーってのはどんなヤツなんだよ」
「んーとですね…気難しい人ではあるんですけど、ユーモアを大事にしてる人ですかね…?」
「なんだそりゃ」
銀時は生徒達のインターンの付き添いで色々なヒーロー事務所を回っていた。
そして次はサー・ナイトアイの事務所に向かっていた。
ってかもうドアの前にいた。
「それじゃ行きましょ…「お邪魔しやーす」ええっ!?」
やっぱり銀時は普通に扉を開いた。
この時はむしろ銀時を紹介するミリオの方が銀時よりも緊張していたかもしれない。
「…誰だ」
「今年から雄英高校の教員になった坂田銀時でーす」
銀時はとりあえず適当に挨拶をした。
ミリオは流れに着いていけずに、遅れながら銀時の事を説明する。
だが…
「ちょっ!銀さん!サ、サー!この人が昨日電話で話した…」
「そうか…お引き取り願おう」
「えっ!?サー!?」
ナイトアイは速攻で帰るように促す。
「んじゃ、お邪魔しやしたー」
「銀さん!?」
銀時はそれを聞いた瞬間にはもう既に入ってきたドアの方へと動き出していた。
「…ちょっと待ってぇぇぇぇぇ!!!」
狭い室内にミリオの絶叫が響いた。
そして、なんやかんやで…
「えっ、なに?なんでこうなったの?」
「私も知らん」
「やっぱりお互いを分かり合うなら肉体言語が一番だよね!ってことで…戦おう!」
「うん。意味が分からないよミリオくん?」
「その通りだ。無意味なことはしない」
そう言って銀時は帰るためにドアに向かい、ナイトアイはデスクのイスに向かって歩き始めた。
「…最終手段だよね…!」
ミリオはそう言うと別々で2人に近寄り、耳元で何かを言った。
すると…
「やってやらァァァァァ!!!ジャンボパフェが俺を待っているゥゥゥゥゥ!」
「貴様の様な奴がオールマイトと同等など…断じて認めん!!!」
いささか、邪道ではあるが上手く乗せることに成功したミリオ。
2人がぶつかり合う前にミリオはそそくさとドアの外に出た。
銀時とナイトアイはと言うと、3分間のガチバトルと洒落込むらしい。
「行くぜェ!」
「来るがいい」
こうして始まった。
そして1分がたった頃。
「くっ…!?コイツ…!」
(俺の行動を先読みしてやがんのか!)
「…っ!?この男…!」
(細かい動作と速さのせいで予知がぶれるだと…!?)
お互いに驚愕していた。
もう既に始まる前の目的は頭の中にはなかった。
そして、銀時が動く。
銀時は懐の中を探っているようだった。
「…この部屋の中ならどうなってもいいんだったよなァ?」
「…っ!」
(なんだこれは…!煙…なのか…?)
ナイトアイが見た予知の内容が分かる前に、床に何かがぶつかる音と共に部屋中をいくつもの爆発音が支配した。
それと同時に煙が充満する。
そして…
「予知…破ったぜ。名付けてジャスタウェイ祭!」
「ゴホッゴホッ…!貴様…」
銀時は充満する煙の中で、ナイトアイに木刀を突きつけていた。
ナイトアイは険しい表情で銀時を見上げながら呟く。
「なんだァ?ずるいとは言わせねェぞ」
銀時は見下ろしながら言った。
そして、返ってきた言葉は…
「…………いい!実にいい!」
銀時の予想していた物とは全く逆の答えが返ってきた。
たまらず呆けてしまう銀時。
だが、そんな銀時を気にすること無くナイトアイは続けた。
「は…?」
「とても愉快だ!認めよう!坂田銀時!宜しく頼む」
「…あー。まァ…よろしく。えーと…」
ナイトアイのテンションに毒気を抜かれた銀時は握手に応じた。
「佐々木未来。ヒーロー名はサー・ナイトアイだ」
「おぅ。んじゃあ…サーナイトさん」
ポケ◯ンかよ!?
大丈夫なの?それ?
「ふむ…あまり好かんな…」
「なんだよ…じゃあ未来さんで」
「それで頼む。改めて宜しく頼もう…銀時」
「ああ。未来さん」
こんなことがありましたとさ。
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