会議が始まる前に色々とあったがやっと話が始まるらしい。
ちなみにリューキュウにはちゃんと謝って許して貰ったようだ。
「んじゃ未来さん。はじめよーぜ」
「もちろんだ。それでは…あなた方に提供して頂いた情報のおかけで調査が大幅に進みました」
ナイトアイが話し始めると、学生達は詳しい内容を知らないみたいでなぜ呼ばれたのかを、まだ理解していないようだ。
ナイトアイは続ける。
「死穢八斎會という小さな組織が何を企んでいるのか。知り得た情報の共有と共に協議を行わせて頂きます」
そこから、何故に死穢八斎會を監視、調査していたのかを説明し、話が進んでいく。
そして情報の共有に移ると、関西の方でトラブルにあったファット達から重要な情報が語られる。
「先日の烈怒頼雄斗デビュー戦!今までに見たことない種類のモンが環に打ち込まれた!…個性を…壊すクスリ」
『個性を壊す…!?』
ファットが口にすると、一瞬騒がしくなる。
プロヒーローからしても、今の社会からしても致命的なモノであるのは確実だった。
そこで、天喰が打ち込まれたのを知っているミリオが慌てて立ち上がる。
「え…!?環、大丈夫なんだろ!?」
「ああ…寝たら回復していたよ」
天喰が無事だったのを確認したミリオはほっとした様子で席に着いた。
そのやり取りを見ていた1人のプロが続いて口を開いた。
「回復すんなら安心だな。致命傷にはならねえ」
「いえ…その辺りはイレイザーヘッドから」
ここで、イレイザーの抹消との違いを簡単に聞くと、まったくの別物と言うことが分かった。
「今回は環は大丈夫だったけどよォ。それが他でもそうとは限らねェ。これは俺の勘だが…下手すっと壊すどころか、個性そのものが使えなくなるくれェに考えといた方がいいと思うぜ?」
「っ!?そないなこと!」
「できるんだよ。プッシーキャッツのラグドールは個性を奪われて使えなくなったんだ。できる確率の方が圧倒的に高ェ」
「俺も銀時の意見は正しいと思います」
「私もです。それ程に危険だと考えて欲しい」
イレイザーとナイトアイは銀時の言葉を肯定する。
それを聞いた全員が息を飲む。
それ程に大きな問題だ。
少し、どんよりした空気が流れるがここで止まるわけにもいかない。
そこで、銀時がまた口を開く。
本当に真剣な時は頼りになる男だ。
「んん!…んで、ファット。環に打ち込まれた薬は調べられたのか?」
「環に打ち込まれたのは無いんや。ただ…切島くんが身を挺して弾いたおかげで、中身が入った一発が手に入ったんや!」
「うおっ!?俺っスか!!ビックリした!!」
「ほォ…アレを実践でやったのか?」
「あっ!ハイ!ギリギリでしたけど通用したっス!」
個性伸ばしの特訓の時、ただただストレス発散のために滅多打ちにしていた訳ではない。
本当の目的は最高硬度の底上げと持続時間の延長なのだ。
ちゃんと上手く作用したようで良かった。
「話戻すけど…そのクスリの中身を調べた結果、ムッチャ気色悪いモンがでてきた…」
「血やら細胞…だろ?」
ファットの話を聞いていた銀時が確信を持っているように答えた。
「そや。銀は知っとったんか」
「いや、ほぼ予想だったんだけどよォ…確信に変わっちまった訳だ。そんでその血やら細胞をどっから取ってるかっつーと…」
銀時はそこまで言うと顔を真っ青にして冷や汗をかいている2人…緑谷とミリオに視線を向けた。
「「エリ…ちゃん…!」」
「十中八九そうだろォな…ほんッとに良い趣味してやがんなァ。自分の娘によォ…!」
『っ!!?』
今まで冷静に話していた銀時だったが治崎の考えられないような悪行を思い浮かべると体から怒気が溢れだす。
その迫力はオールマイトと同等のもの。
普段怒らないからこそ迫力が段違いに感じられる。
イレイザーとナイトアイ以外の面々は雰囲気に飲まれてしまっている。
しかしまぁ、随分とヒーローに染まったものだ。
「銀時。落ち着け」
「…ふぅ。あぁ、悪ィな」
「お、鬼どころやないで…」
イレイザーに諭されて怒気をおさめる銀時。
話に戻るようだ。
「話に戻りますが…治崎の個性は『オーバーホール』対象の分解・修復が可能という力です。分解…一度壊し、治す個性。そして個性を破壊する弾」
「そこでしっかり繋がる訳だ」
治崎が企んでいることの全貌が見え始める。
緑谷とミリオは未だにうつ向いて悔しそうにしている。
「ってかよ。接触した時に白夜叉もいたんだろ?なんでその時に保護しなかったんだよ」
「すまねェ。それは俺が指示した。あーゆう連中ってのは俺達が思ってるより用心深いかんなァ。だが…あん時に保護すべきだったな…」
「いや、全て私の責任だ。気取られないようにと指示を出したのは私なんだ。居合わせた3人ともその娘を救けようと行動したのです」
敵を逃がした事を話した銀時をナイトアイが擁護した。
そして、この会議での一番重要な目的が語られる。
「私たちが目指す目的は…」
「今度こそ必ずエリちゃんを…!!」
「保護する!!」
「っつーことでいいんだよなァ?」
「ああ。その通りだ。そして、一度で確実に叩くために我々がリストアップした八斎會と関係のある場所をそれぞれ探っていただきたい」
一部から慎重すぎると言う声もでたが、この内容を詰めていくことになった。
さらに、ナイトアイの個性で敵の情報を探ることも難しいようで却下されてしまった。
「そして、最後に…この作戦に於いて1人だけ個性を壊すクスリを前に自由に立ち回れる者がいる」
最後にこの作戦の中核を担う人物の紹介が始まった。
個性持ちには致命的な個性破壊のクスリ。
その影響を受けずに動ける人物が1人。
「はぁ?個性持ってりゃ誰にでも効いちまうんだろ?」
「そやそや!法螺は吹くんやないで!」
「本当にいるんですよ。ここに」
真っ向から否定したファットとロックロック。
信じられない気持ちは分かるが本当にいるのだ。
注目を集めるために立ち上がったイレイザーが隣の銀時を指差す。
「銀が?どーゆうこっちゃ!?」
「あー。俺、無個性なんだよね」
『………はぁぁぁぁぁ!!!?』
銀時が何の気なしに普通に言った言葉に一瞬音がなくなり、数秒後、部屋中に絶叫が響き渡った。
だが、それも仕方のない事だ。
銀時を詳しく知らない者は、ヒーロー殺しの時に活躍したヒーローとしか認識がない。
そのヒーロー殺しはプロが何人もやられる程の強敵だったのだ。
無個性の人間が倒したなんて思い付く筈もない。
「う、嘘やろ…」
「信じがたいことですね…」
信じられないと言った表情で銀時を見る。
銀時は居心地が悪そうだ。
「それは事実です。私とイレイザーヘッドとグラントリノ。あと、雄英の生徒達が保証します」
「それは分かった。けどよ、戦力にはなんのかよ?」
「確かにそれはありますね。白夜叉さんには申し訳ないですが」
「それも保証します。…これは元オールマイトのサイドキックだった私が断言しましょう」
そう言ってナイトアイは立ち上がる。
何故か少し誇らしげだ。
「オールマイトが第一線から退いた今、私は銀時…白夜叉より強い者を知らない!」
「ここは俺からもだ。全盛期のオールマイトを間近で見てきた俺から見ても銀時は相当強ぇぜ」
「何この公開処刑!?新手のいやがらせかよォ!?」
ナイトアイに続いてグラントリノが。
銀時は止めるために立ち上がるが、無情にも次がスタンバイしていた。
「じゃあ僕もいくんだよね!銀さんは雄英でトップに立ってる僕が手も足も出ずに負ける位強いんだよね!」
「も、もうこの辺で…」
「そぉなんスよ!坂田先生は名のあるプロヒーロー達が一撃でやられちまうようなヤバイ敵とも互角以上に渡り合ってたんスから!」
恥ずかしさで死にかけていた銀時が止めようとするも、この手の話が好きな切島が興奮気味に立ち上がり止めを指した。
「…」
切島の一撃により銀時は沈んだ。
最強の筈の男が速攻で戦闘不能になるという、ある意味珍事件だった。
その後、会議は無事に終わり解散となったのであった。
久々の赤バー復活!
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