ある日の朝。
寮を出て雄英高校まで歩いていると門の前に人ごみができていた。
「はい。どいたどいた。邪魔ですよー」
銀時が通り抜けようとすると一斉にマイクを向けられた。
どうやらマスコミのようだ。
「オールマイトの授業について教えてください!」
「ん?なにィ?オールナイト授業?なにそれ?」
「いや、オールマイトの…」
「んん?オールナイトォ?」
「あぁ!もう!何でもないです!」
マスコミは怒ったように銀時のもとから去っていった。
「なんだったんだ?アイツら」
・
教室に移動し、ホームルーム。
「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績見させてもらった」
(わ、忘れてたァァァ!!)
「あ、あぁ!み、見させてもらった!」
イレイザーはちらっと銀時を見たがすぐに話に戻った。
見逃してくれたようだ。
「ふぅ」
「次はないからな」
「ひぃっ!」
「どーしたの先生?」
「な、何でもねェよ!何でもないったら何でもないんだよォ!」
「す、すいません…」
「おい」
「ひっ!きゅ、急に怒鳴って悪かったな!糖分が足りなかったみたいだ!」
「は、はあ…?」
「まあいい。さてホームルームの本題だが今日は君らに学級委員長をきめてもらう」
『学校っぽいの来たー!!!』
そして結局、緑のモジャモジャとポニーテールのお嬢様が委員長と副委員長になったみたいだ。
そして昼にまたマスコミが騒ぎを起こして一悶着あったみたいだが詳しい内容は分からなかった。
そして本日最大の謎は…
「なんで新八くんが委員長になってんの?」
「俺に聞くな。知らん」
謎は迷宮入りだ。
小学生探偵呼んでこないと無理だな。
その後、本日の業務が終わり職員室に戻ると先生がみんな集められていた。
「ん?どした?なんかあったのか?」
「よお、ギン!なんか門が粉々に壊されてたみたいだぜ?マスコミの騒ぎの原因がそれみたいだ!」
「みんな集まったみたいだね」
そして校長から話を聞く。
多分、ヴィランの仕業だと言うこと、近々なにか起きるかもしれないから教員は常に注意を配っておくこと等といった話だった。
(なんか嫌な予感がするんだよなァ)
・
翌日のヒーロー基礎学の時間。
「今日のヒーロー基礎学だが…俺と白夜叉とオールマイト、そしてもう一人の四人体制で見ることになった」
「はーい!質問!白夜叉って誰ですか?」
「俺だ」
「坂田先生が白夜叉!?…ぷっ!似合わねえ!」
(無視だ無視。ガキの戯言に耳を貸すな)
「恥ずかしくないのー?」
「…」
(…無視だ)
「いい大人がカッコつけちゃって!」
ブチッ
「上等だ!こらァ!表出ろやァ!」
自称、少年の心を持ったおっさんには我慢ができなかったようである。
これが銀時がクオリティーだ。
自分の半分の歳の生徒と言い争う教師…
なんと滑稽なことか。
「お前らうるさい。話が進まん。白夜叉も落ち着け」
「ちっ。へいへい」
『すいませーん』
「話に戻るが今日のヒーロー基礎学は…災害水難なんでもござれ。人命救助訓練だ!!」
「訓練場まではバスで行くらしいから早く準備しろよー」
『ハーイ!』
・
バスの中。
銀時もいつもの着物姿に戻っている。
生徒達は個性の話をしているようだ。
「そういえば!坂田先生の個性ってなんですか?」
「ん?俺は無個性だ」
『はあああ!!!???』
「っんだよ!うるせェな!」
「無個性なのに雄英で教師してるの!?」
「教員試験受かったんだからいいんだよ」
「じゃあその木刀で戦うんですか?」
「実はそれがすごい業物で…的な?」
「そうそう。この木刀は洞爺湖ってところで仙人に作って貰った名刀中の名刀よ」
「おおっ!やっぱり!?すげぇ!」
嘘である。
まぁ名刀っちゃ名刀ではあるが。
銀時は通販で買っているからただの木刀と勘違いをしているが本当は業物だったりする。
それにしてもこの時代にも売っているとは銀時自身も思っていなかったようだが。
「もう着くぞいい加減にしとけよ…」
「うーぃ」
『ハイ!!』
バスは訓練場に到着した。
ウソの災害や事故ルーム、略してUSJだ。
大丈夫なのかな?これ。
「うーっす。13号」
「どうも。坂田さん。先輩」
「ああ。それよりオールマイトは?ここで待ち合わせるはずだが」
「先輩それが…通勤時に制限ギリギリまで活動してしまったみたいで、仮眠室で休んでいます」
「不合理の極みだなオイ」
「なにィ!?アメコミおじさん来ないのォ!?ってか俺も仮眠室で仮眠させてくれ!」
ちなみに銀時もオールマイトの個性のことはさわりだけ知っている状態だ。
詳しくは知らない。ってか銀時が興味ないらしい。
「何言ってんだアホ。始めるぞ」
始める前に13号がお小言を生徒に聞かせている。
13号の話が終わったあたりで広場の方になにか違和感を感じた。
「ん?…イレイザーなんだあれ?黒いモヤみたいのがあるぞ」
「…!一かたまりになって動くな!」
「白夜叉!13号!生徒を守れ」
「オイオイ。マジかよ、ありゃあ…」
「ヴィランだ!!!」
(嫌な予感的中かよ…。ついてねェな)
イレイザーの指示で警戒体制をとっていると、黒いモヤからヴィランがどんどん沸いてくる。
(あの黒いモヤも個性だな)
「おい、『消太』」
イレイザーの隣に並んだ銀時はいつもの飄々とした雰囲気がなくなり、侍の顔になっていた。
「ああ。分かってる。アイツの個性、相当厄介だ」
「ああ、あと…俺が見た限り特にヤバイのがあの脳ミソのやつだ。あの手の奴はヤバイだろうが、まだガキだなありゃ」
「そうか。…こうゆう時のお前は本当に頼りになるな。『銀時』」
「お互い様だ、気にすんな」
銀時がイレイザーと相手を観察していると、
リーダーっぽい手のやつと黒いモヤが話し出した。
「13号に…イレイザーヘッドですか…。ん?もう一人教師がいますね。まあいいでしょう。それよりオールマイトがいないようだ」
「子どもを殺せば来るのかな?」
(コイツ…)
生徒は明らかに怯えている。
オールマイトの不在、慣れない環境、敵との接触。
こうなるのも無理はない。
だが、生徒達は知らない…坂田銀時を。
敵は知らない…白夜叉を。
この男がどれ程の男なのかを。
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