雄英高校1年A組銀八先生   作:icy tail

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第40話

会議が終わった後、銀時とイレイザーで少しすり合わせをしてから会議室を出た。

すると、一階のテーブルで雄英の生徒陣が浮かない様子で座っているのを見つけた。

 

「…通夜でもしてんのか」

 

「若ぇのは元気だけが取り柄なんだからよォ。んな顔すんなよ」

 

「先生!」

 

こちらに気づいたのか顔をあげる生徒達。

 

「あ、学外ではイレイザーヘッドで通せ」

 

「俺は何でもいいぞー」

 

そんなことを言いながらテーブルに近寄っていく。

 

「いやァしかし…今日は君たちのインターン中止を提言する予定だったんだがなァ…」

 

「ええ!?今更なんで!!」

 

イレイザーの言った事に過剰に反応する切島。

まぁ気持ちは分からなくもないが。

イレイザーはそのまま緑谷達の方に話をしに行った。

銀時はと言うとミリオ達の方に向かったようだ。

 

「ミリオ…顔を上げてくれ」

 

「ねえ。私、知ってるの。ねえ通形。後悔して落ち込んでてもね仕方ないんだよ!知ってた!?」

 

「その通りだぜ。ミリオ」

 

天喰とねじれが落ち込んでいるミリオを励ましている所に銀時も来て、ミリオの肩に手を置いた。

 

「…銀さん」

 

「下向いてて何ができるよ?救けてェんだろ?」

 

弱々しくこちらに顔を向けたミリオに銀時は言った。

 

「そんなの救けたいに決まってる…!」

 

うつ向きながらも力強く言うミリオ。

銀時は続けて言った。

 

「なら前を向け。顔を上げろ。…これは緑谷にも言ったがよォ…地面にゃ希望なんか転がっちゃいねェよ。掴みてェなら…救けてェなら…誰よりも前を見ろ。分かったか?」

 

「っ!…もう!大丈夫です!」

 

「そりゃあなによりだ」

 

どうやら吹っ切れたようで、ミリオはいつも通りに戻った。

イレイザーの方も話はついたようで、銀時はイレイザーの方に戻った。

銀時が戻ったのを確認すると、次は全員に聞かせるように話し出す。

 

「今回はあくまでエリちゃんという子の保護が目的。それ以上は踏み込まない。一番の懸念は敵連合が関わってくるかだが…銀時はどう思う」

 

「俺ァ関わってくると思うね。ただの勘になっちまうがな」

 

「いや、充分だ。銀時の勘は良く当たる。…とまあそう言う事だ。頭に入れておくように」

 

『了解です!』

 

こうして話し合いは終わり、解散となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会議があった翌日。

学校では普通に授業が行われているが、銀時は教室ではなく廊下を歩いていた。

 

「どォすっかなァ。…とりあえずパワーローダーのおっさんとこ行ってみるかね」

 

そう言って工房に向かって歩き出した銀時。

授業も出ずに何をしているかと言うと…

 

 

 

 

 

少し時間は遡り、会議があった日の夜。

寮に戻りくつろいでいると部屋のドアがノックされた。

 

「銀時、入るぞ」

 

「あん?…消太か。どォしたよ?」

 

入ってきたのはイレイザーだ。

 

「言い忘れてたんだが、銀時…刀を用意してくれ。出きるだけ早くだ」

 

「刀だァ?なんでって…言うまでもねェか」

 

「ああ。最大戦力のお前には本気で行ってもらわなきゃな」

 

イレイザーは銀時に刀を用意するように話に来たらしい。

確かにこれは必須だ。

今回は木刀だけで乗り切れる程簡単ではない。

 

「分かった。そんで…刀売ってるところか、刀鍛冶に心当たりはあるか?」

 

「まぁ、少し調べてみたんだが…なかった」

 

「そォか…。まァ、刀使ってるヤツなんていねェもんなァ。とりあえず探してみるわ」

 

「ああ。頼む」

 

 

 

 

 

こんな会話があったのだ。

そして、始めに思い浮かんだのがジャスタウェイを再現してくれたパワーローダーの所だった。

工房に到着しドアを開ける。

 

「うーす。パワーさん、いるかー?」

 

「ん?ああ、銀時か。どうかした?」

 

「刀が欲しいんだけどよォ。打てる?」

 

「また急だね。打てなくはないけど…専門外だから1週間はかかるよ?それにできたとしても品質は保証できないね」

 

パワーローダーはいたが、刀は専門外のようだ。

いくら天才肌で通っていたとしてもちゃんとした刀を作るのは難しいみたいだ。

 

「まァ、そーだよな…」

 

「悪いね」

 

「いや、大丈夫だ。そんじゃ邪魔したな」

 

そう言って工房を出た銀時。

ちょうど昼休みの時間になったようなので一旦寮に戻ることにした。

 

「いやー、どーすっかねェ…ん?」

 

自室に向かって歩いていると、部屋の前にイレイザーが寄っ掛かっている。

どうやら銀時を待っていたようだ。

 

「来たか…ちょっといいか?」

 

銀時は了承して部屋に通した。

するとすぐに本題にはいる。

 

「進展はあったか?」

 

「パワーローダーのおっさんの所に行ったんだが…ダメだった。正直すでに行き止まりなんだが…」

 

「…まぁそうだろうな。個性が当たり前になったこの時代に刀を使う人間はほとんどいないだろう」

 

特に顔が広いわけでもない2人からすると中々に難しい問題だ。

さらに、銀時以外で刀を使ってる人自体を見ない。

だが…

 

「だよなァ。…まァ、1つだけ心当たりはあるんだけどよォ」

 

「ああ。俺もそれを言いに来たんだ」

 

お互いに1つだけ心当たりがあるみたいだ。

あまり乗り気ではないがそれ以外に方法が思い浮かばないようで、行く決心をする。

 

「…やっぱ行くしかねェか」

 

「行ってこい」

 

「…はぁ。わーったよ」

 

これで、昼の話し合いは解散となった。

そして放課後。

銀時はある人物を呼ぶために教室に来ていた。

 

「八百万ー。いるかー?」

 

「あら?坂田先生?」

 

「いたいた。ちょっと来てくれ」

 

「分かりました!」

 

その人物とは八百万だった。

銀時は八百万を呼び、教室を出る。

 

「坂田先生。なんでしょうか?」

 

「あー。急で悪ィんだけどよ…今日、お前ん家行っていいか?」

 

話し始めた銀時だが、色々とはしょりすぎてとんでもないことになっている。

八百万は完全に勘違いしてしまっていた。

 

「へ…?///せ、先生!今なんと仰いましたの!?///」

 

「あん?だからお前の実家に行きたいんだけど…って何で顔赤くなってんだよ」

 

「あ、あの…そ、そう言うのはまだ早いかと…///で、でも先生なら…」

 

勘違いは加速し、八百万はぶつぶつと一人言を喋りだしてしまった。

しかも、なんか色々とダメな事を言っちゃってる八百万さん。

 

「んん?…やっべ!八百万!違くてだなーーー」

 

やっと気づいた銀時はちゃんと説明をした。

死穢八斎會の事は口外禁止となっているため、言ってはいないが今後、必ず銀時には刀が必要になるだろう。

 

「そう言う事でしたの…。分かりました。お父様とお母様に話してみます」

 

「ああ。頼むな。それにしても…何て勘違いしてしてんだよ!いやらしい子!」

 

「っ!///せ、先生の説明不足ですわ!///」

 

こんな事がありながらも無事に八百万の家にお邪魔することになった銀時であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「着きましたわ!ここが私の家です!」

 

「で、でかすぎィィィ!」

 

(な、なんだよ!これェ!お嬢様なのは知ってたけどここまでとは…!磯村君(全蔵)の屋敷の何倍あんだよ!?)

 

八百万の家…と言うか屋敷に到着した銀時。

想像の遥か上をいく程に巨大な屋敷を前に怖じ気づいていた。

 

「どうかしましたか?早く行きましょう!」

 

「お、おお」

 

中にはいると案の定、出迎えがありさらに銀時を縮込ませる。

もう帰ろうかと思ったその時、奥の大きな扉が開き、2人の男女が歩いてきた。

さらに、その後ろには執事のような者があの刀を持っていた。

 

「初めまして、坂田先生。お噂はかねがね。百の父です」

 

「母です」

 

「ど、どォも…じゃねェ!は、初めまして。百さんのクラスの副担任をしています。坂田銀時です」

 

「百さん…!?///」

 

優雅に挨拶をしてくる2人に対し、銀時は柄にもなくできるだけ丁寧に返した。

1人場違いに顔を真っ赤にしているヤツがいるがスルーの方向で話を進める。

 

「ははっ。そんなに畏まらなくても結構ですよ?」

 

「…ふぅ。すんません。助かります」

 

ここから話は思っていたよりすんなり進んだ。

 

「娘から話は聞いています。…宜しかったら使ってやってください」

 

「い、いいんすか?そんなにあっさり…」

 

銀時が驚いてしまう程にあっさりと差し出された。

話を聞いてみると…

 

「はい。元々は祖父の趣味でして。私はこれといって愛着はないので。それに…あなたの様なヒーローに使われた方が打った方も喜ぶでしょう」

 

「…そォ…ですか。それじゃあ使わせて貰います」

 

そう言って銀時は刀を受け取った。

愛着がないと言っていたが、本当に綺麗に保管してあったようだ。

こうして、刀探しは終わりを向かえた。

刀を受け取ったあとは夜飯をご馳走になり帰路に着くこととなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃお邪魔しました。大事に使わせて貰います」

 

「ええ。お気をつけて」

 

「またいらしてくださいね」

 

「それでは、私も寮に戻ります!」

 

こうして、銀時と八百万は家を後にした。

帰り道で。

 

「すまねェな。夜飯までご馳走になっちまって」

 

「いえ。私も楽しかったので!」

 

話ながら2人で歩いていると、八百万が何かを聞きたそうにチラチラと銀時の方を見ている。

 

「ん?どうかしたか?」

 

「あっ!いえ…坂田先生はその刀を打った方を知っていらっしゃるのかと…」

 

「あー。まァ…な。古い知り合いだ。昔、世話になったんだ」

 

「そうでしたの。それとーーー」

 

その後は他愛もない話をしながら帰路を歩いた。

歩きながら銀時は想いを馳せる。

刀は使う人によってはただの鉄の塊だ。

だが、時に魂が宿ると言う。

それを銀時は身をもって経験しているのだ。

護るための剣。

銀時は決意を新たに歩みを進める。

 

(今度は折らねェ。絶対にだ)

 

決戦の時は近い。

 




閑話みたいなものです!
次から乗り込みます!

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