雄英高校1年A組銀八先生   作:icy tail

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第44話

銀時とミリオは初めてとは思えないコンビネーションで初撃を完璧に当てた。

クロノはモロに攻撃を受けたが、治崎の個性で修復し即座に回復したようだ。

 

「す、すいやせん…オーバーホール。油断しやした」

 

「いいから構えろ。来るぞ」

 

単純な戦闘となるとクロノは少々足手まといなのだろう。

さらに、銀時とミリオは2人ともヒーロー界でもトップクラスの強者だ。

 

「次行くぜ」

 

「はい!」

 

銀時の合図でミリオは地面に潜って姿を眩ます。

銀時はどこにミリオが現れてもフォローできるように構えている。

そんな時…

 

「…鬱陶しいな。クロノ少し下がれ」

 

治崎が床に手を置き個性を発動する。

 

「通り抜けるアイツは避けれるが…白夜叉、お前じゃこれは避けれないだろ」

 

すると、銀時の回りの床や壁が変形しトゲが無数に伸びてくる。

エリを抱えた状態で四方八方からの攻撃。

しかも速度も早いし、殺傷能力もある。

だがまぁ…相手が悪い。

 

「ふっ…ほっ、よっ…っと!…あ、ぶ、ねェッ!!!」

 

銀時は最小限の動きで躱しながら、躱しきれない者は斬り、時には掻い潜るなどをして全く意に介した様子もなく避けてみせた。

そして、最後は刀を横に一閃。

目の前に伸びた遮蔽物が真っ二つになった。

 

「…ちっ。ふざけたことを…!あれも個性によるものか…忌々しい…っ!?」

 

「ずいぶんと余裕そうじゃないか!治崎!」

 

簡単に避けられた治崎は悪態を付きながら銀時を睨み付ける。

だが、銀時に気を取られていると後ろからミリオの声が聞こえる。

慌てて振り返るが遅く、拳が迫っていた。

 

「無駄…だよね!!!」

 

「くそっ…がっ!」

 

治崎は受け止めるために手を出したがミリオの個性の前には意味がなく、顔面にモロにくらい吹っ飛んだ。

銀時はと言うと、絶賛安否確認中だ。

 

「…ふぅ。おー、エリ。大丈夫だったか?」

 

「うん…あっ!血が…!」

 

そう言って肩と首もとを指差したエリ。

銀時は気づいていなかったようだが少しかすっていたようだ。

 

「ありゃ?ちっとばかし掠ってたかァ。ま、大丈夫だぞ。痛くねェし」

 

「ごめん…なさい…」

 

銀時は気にするなと言うが、エリは責任を感じてしまい。

うつむいて、震えてしまう。

やはりこれもこれまでに育ってきた環境のせいなのだろうか…。

銀時は…

 

「んなこと気にすんなっての。それによォ…こーゆう時は『ありがとう』で良いんだよ。」

 

エリの頭に手を置いて言い聞かせるように言った。

 

「っ!…え、えっと…あり…が、とう?」

 

「おぅ。それで良い」

 

あれ?なんか、銀時がカッコ良く見える。

すげー良いヒーローに見える。

ってかガキは嫌いとか言いながら面倒見はいいんだよなぁ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

治崎を殴り飛ばしたミリオが駆け寄ってきた。

先ほどの銀時への集中攻撃を見ていたので、少し焦っている。

まぁ、心配は無用だが。

 

「銀さん!エリちゃんは!?」

 

「大丈夫だ。ってかよォ…おめェまた強くなったんじゃねェの?1人で勝てんじゃね?」

 

「良かった!…って、いやいやいや!そんなこと言ったら銀さんが1人で行った方が絶対に良いですよね!?」

 

「バカ言え。あんなの刺さったら痛ェだろ…おわっ!?」

 

場違いな話をしていると、足元からトゲが伸びてくる。

慌てながら避け、治崎が飛んでいったほうに目を向ける。

そこには服で殴られた箇所を擦りながら歩いてくる治崎がいた。

 

「つくつぐムカつくな…。病人が」

 

「へっ、言ってろ。俺から言わせりゃおめェのがよっぽど病人だぜ。なに?世の中に蔓延る病人を治すだっけ?新世界の神にでもなるつもりですかァ?先に中二病治したら?」

 

「…壊してやる」

 

銀時の容赦ない煽りが発動。

治崎は静かに怒るタイプのようだ。

内心では相当キレてると思われる。

治崎はまた個性を発動し囲うようにして銀時を狙う。

 

「ちまちま避けんの面倒くせェな。…ふっ…らァッ!」

 

それを銀時は腰の回転を使って凪払うように一閃する。

全てが両断されただの岩と化した。

 

「まだだ」

 

「んだよ…しつけェな。…あん?今なんか…」

 

「ね、ねぇ…おにいちゃんが…!」

 

治崎は間髪いれずに銀時に攻撃を仕掛ける。

銀時は攻撃を避けながら横目で治崎を視界の端に入れていたが、治崎が銀時の方から一瞬視線をそらしたように見えた。

それと同時に腕のなかにいるエリがミリオがいるであろう方向とは少し別のところを指差した。

 

「…アイツ。んなとこにいたか?」

 

銀時は次々と迫ってくる攻撃を避けながら治崎が向いたであろう方向を見る。

そこには先程まで治崎の近くに控えていたクロノがいた。

そして…銃を構えた。

 

「っ!ミリオっ…いや!行くっきゃねェ!」

 

銀時は敵の思惑に気づきミリオがいるであろう方に目を向ける。

目に入ったのは、上手く誘導されたであろうミリオが自分より背の高い岩の柱に囲まれている光景だった。

さらに、ミリオは個性を休むことなく使ったのだろう、息を荒げながら回りを警戒していた。

銀時はミリオの個性のことも、今自分がするべきことも、最悪の状況も、全て瞬時に理解して治崎の攻撃を潜り抜け最短で走り出した。

 

「はっ…はっ…はっ…!」

 

(ミリオの個性は呼吸ができなくなる…休みなく個性を使ってりゃ息切れになるのは当たり前だ…!くそっ!完璧に嵌められた…!)

 

銀時はミリオの元に向かいながら、思考を巡らせるが、もう1つしかミリオを助ける方法はないと分かっている。

いまだに銀時に向かって攻撃は来ているものの、銀時はそのことごとくを避けて走る。

 

「終わらせねェ!おめェを!ルミリオンを!終わらせてたまるかよォォォ!!!」

 

銀時の咆哮が響く。

だが、個性を発動しているミリオには届かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

治崎は銀時がミリオの方に向かっているのに気づいているが、気にせずにミリオに意識のほとんどを向けている。

次にミリオが個性を解くとき、その時が最後だと治崎は確信しているのだ。

無情にもその時が訪れようとしている。

そして…

 

「…撃て!クロノ!」

 

「これで…勝った…!」

 

治崎の叫びと同時にミリオを囲んでいた岩の柱が粉々になり、視界がひらける。

クロノは迷うことなく引き金を引いた。

弾がミリオに迫るのを見ながら治崎は唸るように呟いた。

 

「病人が」

 

ミリオに訪れる先程までと違い長めのインターバル。

軽い酸欠状態でなければ何が起こっているのかを理解することもできたであろう。

 

「…っはぁ!…はぁ…はぁ!き、きっつぅ…。ぎ、銀さんは…えっ…?」

 

ミリオが肩で息をしながら銀時を探そうとしたその時、横から誰かに押され倒れた。

 

「…ぐっ!ってェ…!」

 

そして、耳に入ったのは銀時の痛みを耐えるような声だった。

ミリオはすぐさま振り返り状況を把握する。

するとそこには自分の代わりに弾を受けた銀時が右手を伸ばしたまま横たわっていた。

 

「銀さん!!銀さんっ!!」

 

「…大丈夫だ」

 

ミリオが銀時に駆け寄る中、治崎は銀時を見下ろしながら吐き捨てるように言った。

 

「あーーーーーー。実に醜い。まぁ…これでヒーローごっこは終わりだよ。良かったじゃないか…白夜叉ぁ」

 

「…へっ。言ってろ…クソ外道が」

 

銀時はさも強がっている風に言葉を発する。

治崎も強がりだと思うことだろう。

さて、ついに銀時が個性を壊す弾を食らった。

『無個性』の銀時がだ。

これからどうなるのだろうか…。

まぁとりあえず…

 

(個性とか関係なくちょ~痛いんですけどォォォォォ!!!)

 

銀時は心の中で精一杯叫んでいた。

 

 

 

 

 




いやーここの展開は迷いました…。
ミリオをどうすべきか…シリアスを通すべきか…。
まぁとりあえず次も期待しててくださいな。

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