銀時が刀を受け取り、最終局面。
「宇宙一バカな侍だコノヤロー!」
「くそっ!脳無!」
死柄木の命令で脳無が向かってくる。
しかし、銀時は楽々躱して刀を振るった。
「当たらねェ…よっ!!」
脳無の右腕が宙を舞う。
「全く痛がらねェってのも変な感じだな…。血もでねェし」
だが、再生の個性ですぐに腕がはえてきた。
そこで、脳無の再生を観察していた銀時が何かに気づいた。
(ん?血もでない…?ってことはコイツのもとになってる人間はもう生きてねェってことか)
銀時はヒーローになった以上殺しはしないと決めていて、脳無を無力化することを目的として戦っていた。
しかし…
「本当にただの操り人形ってんなら話は違ェ。俺ァ…てめェを斬るぜ」
再生を終えた脳無が再び襲いかかってくるが銀時には通用しない。
また腕が宙を舞った。
同じことを何度か繰り返していると…
「やっぱりな。再生っつっても限界があんだろ?」
「はあ!?何を言って…おいおい、まじかよ!」
脳無の再生のスピードが格段に遅くなった。
「まぁ道理だな。ナメック星人だって腕を再生すんのに体力使うからなァ」
「そんなの聞いてないぞ…。おい黒霧」
「お任せを!」
「そろそろ終ェだ!…っ!?」
銀時が脳無に刀を振るうと腕が黒いモヤに飲み込まれ攻撃が届かなかった。
「させませんよ!白夜叉とやら!」
そしてその隙に脳無が銀時に一撃を見舞った。
銀時は吹き飛び壁に激突した。
「やべっ…!うぁっ!」
「ナイスだ黒霧。初めからこうしとけば良かったな」
「いつつ…。こんなこともできんのかよアイツの個性は」
ダメージは無いものの状況は悪い。
(わりとやべェな。アイツが厄介すぎる)
「おい黒霧。もう一度だ」
「無論!」
銀時に向かってくる黒霧と脳無。
(ちっ!どうすりゃ…)
その時、
「やらせねェよ!モヤモブがァ!」
爆豪が横から飛んできて黒霧を掴み地面に押し付けた。
「!!?」
「てめェに実体があんのは分かってんだ!動くんじゃねェぞ!」
「くっ…!油断を…」
さらに脳無も足を凍らされ動けなくなっていた。
「先生。手伝いますよ」
「おおっ!助かったぜ!ボンバーマン!轟!」
「おい天パァ!誰がボンバーマンだコラァ!」
「俺たちも戦いますよ」
プロヒーローならここで下がってろとでも言いそうだが銀時は違ったようだ。
「マジ?助かるわー。向こうも3人いるから卑怯じゃねェよな?な?」
まあ考えなしではないのだが、いかんせんノリが軽いせいか聞こえが悪い。
なんにせよ状況は完全にこちらに傾いた。
「よし。じゃあボンバーマンはそいつ押さえてろ。轟はあのデカブツな」
「分かりました」
「おいコラ!なんで半分ヤローのことは普通に呼んでんだ!このダメ教師がァ!」
「おーおー!なかなか見所あるぞ?ボンバーマンくん!君にはツッコミ検定1級を与えよう!」
「そんなんいらんわ!早く行けやッ!」
「へいへい。行くぞ轟」
ちなみに新八は免許皆伝である。
「轟。お前はとりあえずあのデカブツの足元に向かって攻撃してくれ」
「分かりました」
「よし。んじゃ行くぞ」
轟が氷から抜け出し再生を終えた脳無に向かって再度氷を放つ。
それを飛んで避けた脳無の着地点に銀時は回り込む。
「上出来だ!」
そして着地のタイミングで初撃を当てると、目にも止まらぬ速さで斬撃を放ち始めた。
(再生する暇を与えねェ!このまま殺りきる!)
「おォォォォォォォォォらァッ!!!」
そして銀時が最後の一太刀を振りきった。
だがその瞬間、痛みを感じないが故か脳無が最後の足掻きかのように銀時に向かって渾身の拳を放つ。
しかし届かなかった。
「残念だが。やらせねぇよ」
轟が咄嗟の判断で脳無の手足を凍らせたのだ。
「助かったぜ。轟」
銀時は轟に礼を言い、刀をゆっくりと大上段に構える。
「…これで!終ェだ!!!」
そして袈裟斬りに渾身の力で振り切った。
そして、脳無は糸の切れた人形のように倒れ、活動を停止した。
「あとは…てめェだけだ」
「くそがっ!白夜叉!お前は必ず殺す!あの子供たちも全員だ!」
銀時は死柄木に刀を向けて言い放つ。
「てめェが、てめェらがどこで何をしてようが俺は構わねェよ。けどな、俺のこの剣。こいつが届く範囲は俺の国だ!好き勝手はさせねェ!」
「くっ…!」
死柄木は銀時の威圧感にたじろいで一歩下がる。
「お、おい!黒霧!いつまでそんなガキに押さえつけられてんだよ!」
「も、申し訳ありません。油断しました」
黒霧は銀時の戦いを集中して見ていた爆豪の一瞬の隙をついて抜け出したようだ。
「…ちっ。帰るぞ。ゲームオーバーだ」
「承知」
そうして二人は黒いモヤに包まれる。
「今回は失敗だったけど次は必ず殺す。平和の象徴オールマイトも、お前もだ白夜叉」
その言葉を最後に消えていった。
「出直してこい。小悪党」
これにて戦いの幕を閉じた。
・
戦いを終え銀時は皆が集まっている門のところに戻った。
『先生ーーー!!!』
すると生徒が銀時に駆け寄り銀時を囲んだ。
「先生すげえよ!あんなに強いなんて!」
「うんうん!ビックリした!」
「普段はあんなに適当なのに!」
「かっこよかった!」
みんなが口々に言う。
「あーあー!うるせェうるせェ!」
「先生照れてるー!」
そんなとき、
「銀時」
「ん?…消太!大丈夫なのか!?」
イレイザーが肩を借りながら歩いてきた。
「ああ。それよりも…助かった。ありがとう」
「んなもん気にすんなって。俺が護りてェから護っただけだ」
「いや、それじゃ気がおさまらん」
「んー。それじゃ…あとでイチゴ牛乳おごってくれや。糖分が切れそうだ」
銀時が言うとイレイザーは呆れたように笑った。
「…ふっ。分かった。それでいい」
敵は逃がしたが銀時の活躍により被害は最小限。
後にオールマイト、雄英高校に所属するプロヒーローが駆けつけUSJに散らばっている敵を拘束。
USJ事件は終わりを迎えた。
・
オールマイトが駆けつけた時の一幕。
「もう大丈夫!私が…あれ!?」
「おいおい。遅ェよ、オールマイト。もう終わっちまったぞ」
「な!マジかよ!ホーリーシットだっ…!」
オールマイトは両膝をつき悔しがっていましたとさ。
USJ編完結!
良い感じで書けたように思います!
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