◇月℃日
カルデア所属のマスターとして奮起している藤丸立香の基礎的魔術の教育を行えば「すごい」と鼻息を荒くして近付いてくることが多い。
レオナルドや二代目も被害を受けている。
しかし、なぜかマシュだけ平然と彼の部屋から帰ってくるのだ。それに藤丸はレフやロマニと過ごす時間の方が多い訳なんだが…。
あの二人の猛毒を受けていないと良いんだが、手遅れのような気がしてきた。最近だってマシュの後ろを歩いている姿を見たという話を聞いた。
ちょうど居住区画の通路を歩いているレオナルドを見付けた。私は藤丸の教育は順調なのかと問えば視線を反らして諦めたようにレオナルドは笑う。
いったい、なにを見たんだ。
そんなことを考えながら藤丸の部屋を訪ねると魔術の発動する瞬間を実践して教授しているマシュを褒め称える藤丸がいた。
私には褒めているというより時間を稼ごうとしているように見えるのだが、ひょっとして藤丸は勉強を拒否しようとしているのか?
たぶん、そういうことなのだろう。
◇月;日
私の作った魔術礼装を纏いて戦闘訓練へ望もうとする藤丸のために魔術礼装の取扱説明書を手渡しながら「あまり無茶な訓練を行うのはやめておけ」と助言しておいた。
ただ、藤丸の「変身」を見るために仕事をサボろうとしていたロマニの襟首を持ち、訓練区画を出たらロマニのヤツが鼻血を噴き出して倒れた。
確かにマシュはかわいい。
しかし、その子供の親のまで鼻血を噴き出すな、それと私が見てないところで鼻血を出すのはやめてくれないか?かなり
そんなことを思いながらもロマニをレオナルドに押し付け、私は作業行程の終えていない礼装を仕上げるために工房へと向かう。
マシュのことを考えながら向かっていると掃除機を構えたレオナルドが後ろから嬉々として走ってくるのが見えた。待て、待ってくれ、私は掃除機なんかに入るつもりはないぞ。
ちょうど通路を歩いていたレフを掃除機に向かって放り投げ、レフが完全に吸い込まれる寸前のところを見計らってレオナルドとは逆方向へ逃げる。
私の身代わりとなったレフのためにも工房へ逃げ込まないといけない。それなのにエスカレーターのようにカルデアの通路が移動している。
あいつ、どういう改造を施してるんだ。
◇月¢日
たぶん、二日ほど経った頃だろうか?
漸く藤丸立香は仮面ライダーG3-Xとなることを決断し、マシュと真っ向から殴り合えるほど素晴らしい成長を遂げた。
多少のアクシデントもあったが、レオナルドの作った擬似的未確認生命体と戦うことで、今よりもハッキリとした覚悟を決めることが出来たそうだ。
まあ、マシュと殴り合えれば並大抵の英霊と渡り合えるだろう。私の教えた技の殆んどを使えるし、レオナルドなんてドン引きするほどエグい技を教えている。
藤丸のために例えるならば「俺の後輩は世界最強だった件」という感じだろうか?あのコミュニケーション能力の高さは羨ましいかぎりだ。
そんなことを考えながら猛威を振るう移動型洗浄機から逃げてくる半泣きの二代目が見えた。あれは車両を洗うヤツだと思うんだが…。
いったい、レオナルドはアレを使ってなにを洗おうと思ったのだろうか。まあ、今はそんなより逃げることを優先しよう。