とあるカセキ女の逆境。   作:SUN'S

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第14話

ゐ月√日

 

今朝、藤丸に人理修復へ協力している理由を問われた。そんなの決まってるじゃないか。一つは「娘の花嫁姿を見るため」で、もう一つは「アニメや漫画という人間の業を守るため」だ。

 

なぜかマシュのためということは賛同してくれたが、アニメや漫画のことは賛同してくれなかった。むう、お前もアニメや漫画は大好きだろうが…。

 

そんなことを考えながら食堂へ向かうとキッチンの傍らに藤丸立香専用マヨネーズ保管冷凍庫というモノがあった。

 

もう、マヨネーズのことを隠さなくなったのか、それともマヨネーズを布教しようとしているのか。なんとも言えない光景ではあるが、他の職員は諦めたような表情を浮かべている。

 

そう言えば二代目はケチャップを使う頻度が多かったと思うんだが、藤丸はケチャップのことをどう思っているんだ。

 

目の前から居なくなった藤丸を探すために首を左右に動かしていると「やっぱり、ケチャップとマヨネーズは相容れないッ!!」とか叫んでいた。

 

とりあえず、私とマシュは卵焼きには醤油で食べるから無関係のはずだ。

 

ゐ月д日

 

レオナルドと魔術礼装の形状について議論しているとロマニが工房の扉を蹴破って入ってきた。

 

軽い酸素欠乏症のようなロマニを落ち着かせ、彼が焦っている原因を聞けば藤丸と二代目の喧嘩を止めてほしいそうだ。

 

あの二人の関係は良好だと思っていたんだが…。

 

どっちが喧嘩へ発展するようなことを言ったんだ?なんてロマニに問えば「藤丸君が所長の大切に残しておいたドーナッツにマヨネーズを掛けたんだ!」と叫ぶように言った。

 

これは冬木の弓兵は黙認しているのかと考えながら食堂へ向かう。食堂にはケチャップとマヨネーズの空きパックが散乱しており、冬木の弓兵は悲しそうに床や机を拭いていた。

 

彼は美味しいご飯を作ってくれるのに、あろうことか味わう前から調味料を山のように掛けているそうだ。ロマニには冬木の弓兵のメンタルケアを頼み、私とレオナルドは手分けして食堂を掃除する。

 

とりあえず、あとで二人は説教しよう。

 

だいたい、マヨネーズとケチャップは少しだけ入れば良いはずだ。それなのにドバドバとご飯へ掛けて、作ってくれた人のことを考えていないのか?

 

ゐ月∽日

 

マヨネーズ及びケチャップ禁止令をカルデア全区画へ通達し、二名を除いて殆んどの職員は承諾しているが、藤丸と二代目だけ「横暴」とか「酷い」とか反論してきた。

 

ロマニなんて赤いモノや白いモノを見るだけで気分を悪くしているんだぞ。レフは「私が家庭教師を行っていた時からオルガはアレなのだが…」と二代目の奇行には慣れている。

 

マシュは「お母さん、マヨネーズは飲み物なのでしょうか?」と聞いてくるし、私だってマヨネーズとケチャップの存在意義が分からなくなってきた。

 

それに私は可愛くて愛しい娘の悪影響となる二人に自制して貰いたいだけだ。だいたい、なんでマヨネーズやケチャップを飲めるんだよ。

 

そんなことを考えているとケチャップとマヨネーズの名前を呪詛のようにブツブツと唱える二人から距離を取ろうとして逃げ遅れたロマニの悲鳴が聞こえてきた。

 

アイツは逃げようと頑張っているのに最後はアッサリと捕まるんだな。レオナルドはマヨネーズとケチャップの魔性の魅力について考えている。

 

たぶん、私は嗜好の問題だと思うんだが…。

 

 

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