とあるカセキ女の逆境。   作:SUN'S

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第15話

∇月^日

 

レイシフトを実行段階へ移行するために前回の特異点「F」を仮想再現としてマシュ達へ攻略してもらう。マシュの獲得した「宝具」と同じような代物とは呼べないが、現実と限りなく近いモノのはずだ。

 

藤丸の行使する支援型魔術はマシュの負担を減らし、前回より数段は良くなっている。ただ、仮想はレフの用意した偽物のエネミーと戦うだけ…。

 

この前のような支援や助力してくれる者がいるとは限らない。そして、なにより藤丸の魔術回路は御世辞にも良質とは言えない。

 

魔術回路は鍛えれば強くなるモノではない。

 

それに魔術師は赤の他人へ自身の回路を渡そうとする人間はいない。私の魔術回路は質は良かろうと誇れるほど量は多くない。

 

そんなことを考えながらコフィンから出てきた二人へタオルを手渡す。二代目はツンツンとした言い方ではあるが、二人のことを褒めている。

 

今後のレイシフトのためにも藤丸の魔術回路を補うモノを作るしかないか。

 

∇月⊇日

 

今朝、マシュのゲーマドライバーを改造してしまったとレオナルドに言われた。お前は、あの子が私の仕事を手伝う代わりにコツコツと貯めていたお小遣いで買ったモノを改造したのか?

 

そんなことを言いながらレオナルドに詰め寄り、どのような改造を施したのかを問い詰めれば「原作を真似て作ろうとしたら本物を作っちゃった♡」なんて言いやがった。

 

マシュの私物を触るのは禁止だと告げ、部屋を出ると壊れたマグカップを抱えた藤丸が扉の前に立っていた。お前もなのかと叫びたくなったが、なんとか堪えることはできた。

 

しかし、どうすれば他人のモノを壊すような事態へ発展するんだ。そんなことを考えながら藤丸の言い訳を聞いていると通路を走る黒い影と衝突して落としたそうだ。

 

黒い影と言えばレオナルドの作った移動用の魔術礼装だったと思うんだが…。

 

気付かれないようにチラリとレオナルドを見ると顔を反らし、自分は無関係だと主張していた。レオナルドの魔術礼装は破棄すべきだと分かっているんだが、彼の作品は素晴らしいモノばかりだ。

 

まあ、危険物なのは事実だけど。

 

∇月±日

 

冬木の弓兵の過去語りと思えば良いのか、正義の味方を目指そうとした愚かな男の話を聞かされた。しかし、少数を切り捨てる選択は正しい行為だ。

 

私は正義の味方を目指している訳じゃないよ。

 

多かろうと少なかろうと助けたいモノは助ければいいと思っているよ。なにより英霊として呼ばれるのは感謝や信仰を集めているということだ。

 

それに冬木の弓兵(エミヤシロウ)の選択は間違いじゃない。人は誰だろうと世界の平和を望んでいるし、正義の味方を必要としてしまう。

 

私の言葉を信用しなくて良いけどさ。此処(カルデア)で誰よりも弱くて今まで無関係だった筈の男の子は昔の君のように世界を救おうと奮起している。

 

だから、正義の味方(エミヤシロウ)の力を貸してほしい。

 

 

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