とあるカセキ女の逆境。   作:SUN'S

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第8話(ロマニ・アーキマン)

先日、レフ・ライノールの肉体へ入り込んでいた異物「魔神柱」の特性を調べるという名目を掲げて利用としようとしていた魔術協会の調査官がボコられて帰っていった。

 

あの子は殴れば解決だと思っているのかと考えた時期もあったけど。たぶん、あの子なりに考えて彼らとは殴ることでしか分かり合えないと判断したんだと僕は解釈している。

 

ただ、この前のような異形の生物へ拳を振るうのは控えてほしい。カルデアと魔術協会の圧力によって戸籍上はマシュと母娘の関係だからね。

 

しかし、レオナルドの粘着性の高過ぎる砲撃のおかげでカルデア職員は死なずに済んだ。あとで感謝の印としてお菓子でも渡そう。

 

そう言えばアイツの好きなお菓子って知らないな。暇が出来たら聞いてみよう。ただ、この前の戦闘へ参加していたカルデア職員の半数は退職している。

 

あの「魔神柱」を理由にするのは簡単だけど。カルデアへ残ってくれた職員には感謝してもし切れないほどだ。どんな感謝の印を贈れば良いのだろうか。

 

「ドクター、おはようございます」

 

「おはよう、マシュ。早速で悪いんだけど、君のお母さんを止めてくれると嬉しいかな…!?」

 

「……それは…ちょっと…」

 

「ああ、そうだよねっ!!」

 

僕はレオナルドの作った発明品の一つを目の前へ突き出すことで彼女の振るう拳を受け止める。

 

べつに僕は疚しい気持ちでマシュのことを医務室へ連れ込んだ訳じゃない。何度も彼女へ説明しているのに聞く耳は持たないと言わんばかりに拳を叩き込んでくる。

 

もう、すでに彼女の肋骨の骨折は完治しているのでは?と考えてしまう。激しく動けるのは完治している証拠だと言えば「むう、そうなのか」と残念そうな表情を浮かべながら殴ってくる。

 

その殴る手を止めてもらえると嬉しいんだけど。

 

機関砲のように叩き込まれてくるパンチのせいで話し合うことも出来ず、レフの状態やカルデアの経営難を相談することが出来ない。

 

「ロマニ、お前が小さな女の子の裸を見て興奮するような男だったとはな…」

 

運動不足のせいで彼女のパンチを避けるだけで、滝のような汗を流すし、ちょっとでも歩けば息を切らしてしまう。もう少しだけ彼女の攻撃を疎める程度には筋トレしようかな。

 

僕へトドメを刺すために近寄ってくる彼女の腰辺りに飛び付いて僕のことを助けようと頑張っているマシュに感謝の言葉を送りなら通路へ逃げる。

 

彼女だって逃げるのは恥ではない。

 

そんなことを言っていたような気がするけど。

 

一応、女の子の宥める方法をマギ☆マリへ尋ねよう。ただ、それよりも彼女の怒り狂う姿を見るのは恐怖しか感じない。

 

 

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