第9話
ヰ月.日
早朝、二代目カルデア統括指揮官"オルガマリー・アニムスフィア"の会合へ参加するためにカルデア管理区画の通路を歩いているとマシュが男の子を介抱していた。
私は初代のことは好きではなかったが、あの仕事へ命を懸ける姿勢は見習うべきだと思っている。まあ、隠居するとか言い出したときは呆れたけど。
あのオッサンは子供へ丸投げするようなタイプじゃないと思ってたんだが、どうやら見当違いだったようだ。
しかし、マシュの柔らかい太股を堪能している男の子は誰なんだ。
マシュへ目を覚まさないようなら脅し文句でも言ってやればいいと教えておいた。たぶん、二代目の募集していた適性者のひとりだと思うんだが…。
この少年で大丈夫なのか?なんて思いながらも私達のことを呼びに来たレフへ彼のことを伝える。
なんとも言えない表情を浮かべているが、あの事件のせいでレフは変態的行動を行うことが増えた。
私を含めて被害者は三名ほどだが、レオナルドや二代目へ下ネタを繰り出すのはやめろ。あと、二代目はレフの言葉の意味を分かっていないとのことだ。
あのオッサンはそっち関係の教育を他人へ丸投げしたのだろう。私もキス以降のことは男へ任せろとマシュに言い聞かせているけど。
ヰ月∨日
私を含めて五名の職員が特異点へ転移していた。もっと正確に言えば二代目やレフしかいないが、マシュを探すとしよう。
しかし、二代目は半泣きの上にレフのことを離そうとしない。いわゆる「怖いから行っちゃダメなの」というカップルのような現場だ。
私のことは存在しないモノだと思えばいい。
あとでレフの困った表情の写真をロマニ達へ見せよう。そんなことを考えながら歩いていると骸骨系統の死霊と遭遇した。
私の「鬼之手甲」は魔力を纏うモノを殴れば殴るほど身体機能の強化を行う仕様へ改造している。一応、レオナルドの許可は得ている。
なぜか「私も改造したかった」と不貞腐れていたが、お前の中身はオッサンだろ?可愛い子ぶってもオッサンなのは変わらないからな?
そんなことを言えば「なんだよ、なんだよ、私ってば絶世の美女なんだぞ」と変なことを言っていた。あの万能の天才を抑える方法はないだろうか。
まあ、開発へ没頭すれば静かなんだけど。
ヰ月`日
なんとか特異点「F」にて最愛の娘と合流することが出来た。ロマニやレオナルドはマシュのサポートを行いながらレフ達を誘導していたそうだ。
こういう時だけ有能なのね。
しかし、なんと言えば良いのか。ロマニの情報処理能力は天才の領域へ近付いているとレオナルドが言っていた。
そんなこと考えているとマシュが「社会という牧場で生きる家畜には持ってこいいの能力ですね」とロマニに言えば「ぐふぅ…」と言いながら倒れてしまった。
いや、私は教えてないぞ。
だいたい、毒舌キャラなんて可愛いマシュには似合わないだろ?それとレフは二代目のことを抱き締めているところをロマニ達に見られているぞ。
とりあえず、男の子の名前を聞いておこう。
私はマシュ・キリエライトの母親だ。私の娘と契約を交わしているようだが、ハレンチな行為を強要することは許さないからな?
むう、そこまで怖がるのは酷くないか?