この世には【愛されし者】が存在している。そしてその愛されし者たちはそれぞれ少し変わった能力を持っている。
例えば地球《ガイア》に愛されし者、その者はこの世に存在する全ての動植物と話すことが出来たり、風などの大気を操れる者もいたりする。
今から始まる物語は死神に愛されたある少女の生き様である。
「………はっ…はぁ…はぁ……。」
飛び起きた私こと愛河優の額にはじっとりと嫌な汗をかいていた。私はここ数週間悪夢を見ていて、その度に飛び起きていた。おかげで最近は寝不足で、授業中に寝てしまうのが悩みになってしまうくらいだ。
「本当に、なんなんだよ……。」
寝癖でボサボサの髪の毛をグシャグシャと掻き乱してから、枕元で充電されているiPhoneで現時刻を確認した。どうやら今の時間は深夜2時を少し過ぎた所だった。私は溜息を吐いてから再び横になり、布団を被って二度目の眠りについた。
「優、起きなさい。優、優っ!!!」
「うおああああっ!!って、お母さんか」
「今何時だと思ってるの?遅刻するわよ」
「え、もうそんな時間?!」
壁に掛かっている時計を見れば、短針が7を少し過ぎたところを指し、長針がもうすぐ8に届きそうなところを指していた。それを見た私はベッドから飛び降りて急いで制服に着替え始めた。
「遅刻するーーー!!」
転げ落ちる様に階段を駆け下りてリビングの扉を乱暴に開けて入ると、歯磨きをしてからマーガリンと砂糖が塗られた食パンを牛乳と一緒に飲み込み、洗面所に向かった。顔を洗って寝癖でボサボサの髪の毛を乱暴に梳かして再びリビングに戻ると、机の上に置かれている弁当箱を引っつかんでバッグに突っ込んだ。
「いってきまーすっ!」
「行ってらっしゃい!気をつけてね!」
「うん!」
「って優!水筒忘れてるわよ!」
「うわあっ!ありがとお母さん!」
受け取った水筒をバッグに突っ込むと家を飛び出して学校へ向かった。幸いにも高校が徒歩10分圏内なので走って向かえば三~四分で着く。そんな短い通学路を全力疾走で駆ける私の姿をゆっくりとしたスピードで歩く青年が目で追っていたことを、この時の私は知らなかった。
「愛河っ!!!またお前は遅刻ギリギリか!!家が近いっていうのに、なんでそういつもギリギリに学校に着くんだ!!」
「うわああっ!すみませえええええんっ!!!」
私は下駄箱前で急ブレーキをかけ、慌ただしく靴を履き替えると自分のクラス、1‐Aがある3階へ再びダッシュした。
「遅れてすみませんっ!」
乱暴に教室の扉を開いて中に入ると、クラスには先生も生徒も見当たらなかった。
「…あれ?今日、休みじゃないよね?だって、高城《たかじょう》先生校門に立ってたよね?………。」
『おはよう、死神に愛されし人間よ。今日の朝はとても清々しい朝だな。』
突然聞き覚えのない声が聞こえた。私は辺りを見回したが声の主らしき姿は見えなかった。
「誰…ですか…。」
『姿が見えないのはちょっとした仕様でね。君が力を使えるようになった時に初めて姿を見せることができるんだ。いや、見せることができる、じゃないか、見ることが、認識することができるさ。それまでは声だけの存在だが、まぁ気にしなくていい。じきに慣れるだろう。』
「…あの、幾つか質問してもいいですか?」
『あぁ、いいだろう。答えられる限り答えよう。』
「先ず、貴方の名前は?」
『俺の名前はそうだな…〝クロハネ〟とでも呼んでくれ。』
「ではクロハネさん、先程言っていた〝死神に愛されし者〟と〝力〟とは、一体なんなんですか?私は一般人です。何の変哲もないただの女子高生です。そんなアニメや小説の中みたいな設定、ある訳ないじゃないですか。」
『まず〝死神に愛されし者〟から説明をさせてもらう。』
突然黒板消しが置いてある銀色の場所から白いチョークが一本浮かび上がって、黒板に文字や図形が書かれ始めた。
『まず、この世界には〝愛されし者〟という少し特別な人間が存在する。ある者は神に、またある者は世界に。大きなもの小さなものと色々なものから愛されている。そして愛されている者達はそれぞれ、特殊能力を持っている。それは同じものから愛されていたとしても、違う力を持っている。草花と話せる者がいたり、超能力が使える者もいる。』
まるでアニメか小説の中に入った気分だ。なんて言葉を飲み込むと、再度クロハネの話に耳を傾け続けた。
『お前は死神と呼ばれる神に愛された人間だ。死を司る神に愛されたお前は他の〝愛された者〟たちよりもずっとずっと苦労するだろう、己の持つ特殊能力を恨むかも知れないだろう。しかし、お前の持つ力はそれを防ぐ力だ。だから、悲しむことはない。』
「あの、私の持つ〝特殊能力〟って一体何なのですか?まさか、人の死期を見ることができるとか、予知できるとか言うんですか?死神に愛されたから。」
するとクロハネはさも当然だろう、と言わんばかりの声で言った。
『その通りだよ。お前は人の死を、そして己の死を見ることができる。』
「そんなこと………信じられませんよ…。だってそんなの、なんだか世界の理みたいな、そういう大きくて大事なルールの様なものに逆らっている様な感じじゃないですか。」
だって人の死期を、終わりを知ることが出来るなんて世界の一ピースのそのまた一ピース位の存在である人間という存在が持っていいものだろうか?知っていいものだろうか?そういう大事なことは私たちが知るものじゃない、知っていいものじゃないはずだ。というか、神でも一番偉い人のみが知ってるものじゃないのか?死神は〝死を執行する神〟じゃないのか?
『死神は逆らっているのさ。その大きくて大事なルールの様なものに。いや、従わなくていいと言ったほうが正しいか…。死神の仕事は、死んだものの魂を刈り取ること。そしてその仕事をするために生きとし生けるもの全ての最期を見ることが出来る力を持っている。信じられないのは無理もない。こんな話、現実味なんて感じられる筈がないし、実際起きていると言われてしかも、その中に自分が巻き込まれているなんて言われたって実感が湧かないだろう。だが現実なのだ。お前は死神に愛されし者だ。昨日も〝悪夢〟を見て飛び起きていたではないか。あれは〝誰かの最期のシーン〟だ。』
「なんで、私が昨日悪夢を見たってこと知っているんですか。」
何故そのことを初対面であるクロハネが知っているんだ…!なんだよこの人!(人か知らないけど)
『その時傍にいたんだ。俺は少し変わっていてな、人が見ている夢や人の記憶にある映像を見ることができるんだ。』
なにそれ、プライバシーもへったくれもないじゃないか!勝手に見るなよ!ってかその時傍に居たって…。
「その能力で私の夢を見ていたと、言うことですか…。………って、真夜中に女の子の部屋に居たんですか?!不法侵入ですよ!犯罪です!!サンタクロースじゃないんですから!許されませんよ!!」
『…サンタクロースは世界中の子供たちの願いを叶えてくれる心優しい精霊なんだから、不法侵入もなんもねぇし…。』
「心優しい精霊?何言ってるんですか、サンタクロースは両親ですよ?自身の。」
『えっ?!嘘だろ?!この人生で初めて知った………すげーショック……。』
「あ、でも両親じゃ不法侵入も何もないのは当たり前でしたね。えーっと、じゃあ…幽霊じゃないんですから!許されませんよ!」
『いや、わざわざ言い直さなくていいし…。取り敢えず話を元に戻すぞ…。勝手に入ったのには訳があってだな。』
「どうやって入ったんですか?昨日も私はいつも通り戸締りを確認してから寝たんですよ?それなのに入ってくるなんて…。」
『それは、俺がまだ実態を持たないからだ。じゃなくて、話を戻すぞ。俺がお前の部屋に入った理由は、お前の部屋から死神の力を感じたからだ。俺は元々死神に仕える者だったから、死神に関する気配だったら大体分かるんだ。で、お前の部屋から死神の力を微かに感じたから気になって部屋に入ったら、案の定な感じでお前が誰かの最期を見ていたって訳だ。』
「ふぅん………。あ、そういえばずっと気になってたんですけど、いいですか?」
『なんだ?』
「今日は平日なので、学校があります。だからこうして私は学校に来ているのですけど、どうしてクラスに先生や同級生の姿が見当たらないのですか?私はここに遅刻ギリギリで入りましたから皆が居てもおかしくないんです。なのに私以外の人間は一人としていない。これはどういうことなんですか?」
『あぁ、説明を忘れていたな…。最後でいいかと思っていたがちょうどいい、今いる世界について説明しておく。現在俺とお前がいるこの世界は現実世界、簡単に言えばお前がいつも生活している世界のことを俺たちは現実世界と言っている。で、その現実世界の言わば鏡写しのようなコピーの様な世界。それがここ、〝虚夢世界〟だ。この世界は時間の進みは基本現実世界の二倍だ。そして、現実世界が真夜中の二時、此処で言う丑三つ時の時刻になると虚夢世界と現実世界が入れ替わる。そして三時になると再び入れ替わって元の世界に戻るんだ。』
だが、と言ってクロハネさんは言葉を続けた。
『今、虚夢世界と現実世界の境界があやふやになり始めている。だから朝にも関わらず虚夢世界に入り込むことが出来る様になってしまっているんだ。』
成る程、と頷いた瞬間だった。教室が歪み始め、辺りの机や椅子、そして教卓や黒板がグチャグチャに歪んで原型が分からなくなっていった。
「な、なにこれ…」
『まずい、虚無世界が壊れ始めている…!今すぐ現実世界か別の虚夢世界に行かなくては俺たちの存在がこの世界と共に消えてしまう!』
「えっ!?この歳で消えるとか、絶対嫌!クロハネさん、どうにかしてよ!」
『……時空移動が一番の手だが…移動の他にもう一つ、一番手っ取り早い方法がある。』
「なに!?」
『この虚夢世界何処かにはバランスコアというものがある。バランスコアというのは虚夢世界の核そのもので、それが何らかの原因で、破壊されたりバランスを崩されると世界が崩壊し始めるんだ。だからコアを直せば世界の崩壊は阻止できる。』
「つまり、その〝何らか〟と対峙しろと…。下手すれば戦えと…いうこと…?そしてコアを直せと…?ただの学生の私に…?」
『そういうことだ。残念ながら今の俺には世界を行き来する力はない。偶然別の世界への扉が開かない限り、俺もお前も移動ができない。でも消えたくはない、ならば戦うなり何なりしてから損傷したコアを直すしかないんだ。』
そう言われても…と私は言葉を吐いた。だって私はずっと〝普通の高校生〟として生きてきた〝普通の十六歳〟なのだからいきなり戦ってコアを直せと言われてもどうすればいいのかなんて分からないし、到底無理な話だ。
―戦え?コアを直せ?今まで普通の学校生活を送ってきた私に?冗談じゃない…だって私は普通の、そこら辺にいる普通の女子高生なんだから…冗談じゃない……冗談じゃないよ…!―
『悩んでる暇も、戸惑ってる暇もないぞ優。』
「私には戦う力なんてないし、コアを直すなんてそんな大層な事が出来る程の知識の技能もないです…」
『武器と力なら貸せる。』
「そういう問題じゃないんです!!」
バンッと歪んで歪な形をした机を叩いた。
「こんな、何もない私にそんな大層なこと、出来ません…!」
『………じゃあ俺一人で行ってくる。お前はせいぜい歪みに呑み込まれない様にすることだな、消えたくなければ。』
その言葉の後、歪んだ教室の扉が開いて少しして閉まった。
教室に一人取り残された私は言おうもない胸の苦しさと、訳の分からない悲しさと辛さで涙が溢れた。涙を流さない様にと下唇を思い切り噛んだ。口の中に鉄の味が広がった。
訳の分からない場所で一人ぼっちになった、という感覚が私を蝕んで途方もない寂しさと孤独感が更に涙を生んだ。
「っ………うっ………。」
袖で拭っても拭っても涙は一向に止まらなかった。
「ちく、しょう……!!」
バンッと今度は拳で机を叩いて私は立ち上がった。そして教室を飛び出して、コアに向かったクロハネさんを探しに走った。
「もう、どうにでもなればいいわ!!!!知るかよくそおおおおおおお!!!!」
大声で叫びながらひたすら走った。するとドォン、とアニメや漫画で出てきそうな効果音が聞こえてきた。驚きで私は立ち止まって辺りを見回した。右手側にある窓の外は何故か歪んでおらず、少し離れた場所(多分あの辺りは校庭だろう)から煙が上がってるのが見えた。そこに向かおうと走り出そうとした瞬間、左手側にあった教室の扉の中央が渦を巻き始めた。渦はどんどん大きくなりやがて扉を呑み込み、周りにある壁や廊下の一部も呑み込み始めた。私は呑み込まれない様に全力で走って昇降口を目指した。
階段を転げ落ちるかの様に下り昇降口を出て校庭に向かうと、校庭の中央に巨大な立方体が見えた。見た感じだと結界の様なもので、更に近づくとどうやら立方体の内側に何か光るものがあり、そこに明らかに人間でないものの姿が見えた。
「あの光ってるものがこの世界の核であるバランスコアだとしたら、その近くにいるあの動いてる存在がコアを傷つけようとする存在ってことかな…。」
ドォン、と先程校舎内で聞いた音と同じ音が聞こえて、少し地面が揺れた。そして音と同時に煙が結界のすぐ近くで立ち上った。きっとクロハネさんが結界内に入ろうとして結界に攻撃しているのだろう。
「………クロハネさん…ごめんなさい…今行きます。」
私は煙が立ち上った所へと急いで向かった。すると、何やら結界の中に動くものが見えてきた。よく見るとその姿は真っ黒な龍の様だった。
「なにあれ…。」
『呑み込まれずに生きてたんだな、優。』
「クロハネさん……さっきはごめんなさい…私、やります。核を直すの。」
『……随分都合がいいもんだなぁ、さっきまでは嫌だとかうんたら言ってたくせに。』
そう言われて私は言葉が詰まった。確かにさっき私は怖くて言い訳とかして逃げた。なのに今になって〝やっぱりやります〟とか〝直します〟なんて偉そうな事を言うんだ、こう言われても仕方がない。
「……」
『……なんか言ったらどうだ?』
「確かに、私はさっき、怖くてやりたくなくて、逃げました…。でも、このままクロハネさんだけに任せて自分は逃げてばかりなんてやっぱり駄目だと思って、ここまで来ました。お願いですクロハネさん、私に力を貸してください。」
そう言って私は頭を下げた。結界の前に居るであろうクロハネさんに。
『……その言葉、待ってたぜ、優。』
「え…?」
『今の俺の状態だと、せいぜい武器姿の俺しか今の優には使えないだろう。だが、今回だとそれだけで十分なはずだ。』
「は、はい…。」
『今から武器になる、武器の状態の俺は今のお前でも見れるから安心しろ。』
「ところで、武器の種類は?」
『見りゃわかるさ。』
その声と同時に目の前に砂の竜巻が現れた。竜巻が消えるとそこには銀の装飾が少しある真っ黒で細長い棒があった。
近づいてそれを手に取ると、棒の重さが腕に乗っかってきた。重すぎず軽すぎない、丁度いい重さの棒を軽く振ってみた、何だかいけそうな気がする。
「これで、どうすれば…。」
『その結界を軽く突いてみろ。』
言われた通りに軽く突くと穴が空いて丁度私が屈んで入れる位の大きさにまで広がった。穴を潜って中に入ると、私の二回りも大きい黒の龍が鋭い視線を私に向けた。
「……あ、あんなでかいのと戦うの…」
『そうだ。安心しろ、万が一は俺がどうにかする。』
「え、えっとー……私はどうすればいいんでしょう?」
『一応ゲームとかで言うと〝スキル〟に値する攻撃もできるぞ。』
「おぉっ!それは一体どうすれば?」
『使うのは今の段階だと俺だからな…使うのはそうだな、思い切り叩きつける感じだな、普通に攻撃するよりも威力が高い、ってだけだがな』
「成る程……じゃあ取り敢えずあの黒くてでっかい龍を地に叩きつければいいってことですね…分かりました…」
『……なんか急に変わったな…さっきとは大違いじゃねぇか…キャラが違いすぎだろ…』
「え、そんなことないですよ。さっきと全然変わってませんよ。取り敢えずクロハネさん、一緒にあの龍をぶっ叩いて地に伏せさせてやりましょう。」
『……おう。』
―キャラが変わりすぎだ、優…。―
私はクロハネさんが変身した武器(黒い棒)を自分なりに構えて黒い龍に向かって走り出した。そして思い切りジャンプをして、そのまま龍の右膝を思い切りぶっ叩いた。
「いってぇなぁ…この小娘が……。」
「……やっぱり怖いですよう、クロハネさん」
『…きっと何とかなるだろ、お前なら。俺はそう信じてお前に力を貸してんだぞ、優。』
「わ、分かってますけど……。」
「…お前、人間だな……。人間が一体ここに何しに来たってんだ。」
黒い龍は低い声でそう言った。その視線は鋭く、真っ直ぐに私を見ていた。
「わ、私は何だかよく分かりませんが、この世界に迷い込んでしまって、どうしようかと思っていた時に世界が歪み始めて、このクロハネさんに〝コアを直せば問題ない〟と言われて直しに来ました。」
「ほぅ、それで俺がそのコアを破壊していると思ったから殴ったと。その棒で」
「そ、そうですよ…!貴方のせいで、この虚夢世界が壊れ始めているんです、だから、貴方を地に寝かせてコアを直させてもらいます!」
すると龍はズシン、ズシン、と地面を鳴らしながら私の方へと歩いてきた。龍が一歩近づく度私は一歩下がった。それを繰り返しているうちに、トンと何かにぶつかった。どうやら結界の所まで来てしまった様だ。
完全にこれは私の一生に終止符が打たれるというシナリオが見える。それは流石に嫌だから避けなければならないが、この状況でどう避ければいいんだ。
「……お前、普通の人間じゃねぇな…?」
「き、急になんですか…。」
龍はグッ、と顔を近づけてきた。私は思わず目を瞑った。
「…お前から人間じゃない何か別なものの臭いがする…。お前、一体何者だ?」
「私は…し、死神に愛されし者です…!!この虚夢世界が壊れそうなので、コアを直しに来たんです…!」
「…ほぅ、どうりで知った臭いがする訳だ。へぇ……あいつに気に入られた人間か……珍しいこともあるもんだ…」
「へ…?」
『お前、死神と会ったことがあるのか?』
「あぁ…あるぜ。というかずっと一緒にいたんだ。あいつが居なくなるまでずっとな」
龍は懐かしむ様な目で私を見下ろした。その目には何処か寂しげな感情も取れて見えた。
「…貴方は一体何をするためにここにいるのですか?」
「俺はあいつが消えた時から色々な虚夢世界を巡って探しているんだ。それの途中でこの虚無世界に来たんだが、突然世界が崩れ始めたんだ。俺はこの世界のコアに何らかの異常が起きたんだとすぐに分かった、だから俺はコアを探して取り敢えず原因を取り除くことにしたんだ。んで、やっと見つけて結界の中に入ると黒いネズミが数匹、コアに群がってたのを見つけて追い払って、コアをどうにか修復しようとしていたんだ。」