オハラ消滅から1年とちょっとが経った。
オハラ消滅後、ロビンはオハラの生き残りと言うことで賞金首になっていた。
そしてルーリィエとオルビアは、
「ルーリィエ、少しいいかしら?」
「ん?何かあったか」
「いやあのね、その…新世界って常識外れな気候や海流が主で、前半の海とはまるで違うから脱落者が多いのだけれど…」
オルビアの言った通り、新世界というのは今までの海の知識など意味をなさない様な、予測不能の海なのだ。オルビアはルーリィエから新世界に行くと聞かされた時は、かなり不安だった。だが今2人のいる海は、とても穏やかで天気も雲ひとつない快晴。果たして本当に新世界なのかと疑いたくなるぐらい落ち着いていたのだ。
「我をそこらの人間と一緒にするでない。わざわざ天候の悪い航路を渡る必要がないからな。そこを避けているだけだ」
「そ、そう。ほんと貴方はなんでもできるのね」
「できて当然なだけだ。だが、我とてできぬこともある。現にお前からポーネグリフの読み方やその他色々と聞いているだろう」
「それでも凄いじゃない。貴方とこうして旅をして1年は経つけど、もうポーネグリフも読めるし、覇気の使い手の話をしただけで色々な使い方を工夫しているんだもの」
現在ルーリィエ達は、船のキッチンでティータイムをしていた。船の舵は、ルーリィエの刀の影を操る能力で分身を作り、ルーリィエ本人が遠隔で指示をしていた。このゆったりスタイルで2人はずっとグランドラインを過ごしていた。
ちなみにキッチンにはロビンの情報が書かれた新聞数枚とロビンの手配書が飾られている。
「フッ。この世で我にできぬ事などそうそうない。…どうやら話はしまいだ。次の島に着いたようだ。準備するぞ」
ルーリィエの見聞色の覇気が、島を察知した。準備と聞きオルビアは、食器をルーリィエのも一緒に下げ、準備をしに自室へ向かった。
2人が使っている船は海軍のもので、部屋がいくつかあり、2人は各々の部屋で生活している。
しばらくして2人は準備を終え、島に上陸した。
「どうやらちゃんとした地面のようね。ここに来るまでの海も穏やかだったし、ここら辺の天気や海は、新世界の休憩所みたいな感じかしら」
「もうそろそろ船の生活も飽きたしな。場合によってはここを拠点にしてもいいかも知れん。まずは街へ向かうぞ」
ルーリィエは周りをキョロキョロと値踏みをする様に観察しながら歩き、オルビアはその隣を歩いていた。どうやら2人が入った森は小さい物だったのか直ぐに抜けることができ、2人の視線の先には街があった。
かなり先には大きな城のような建物と、城下町があるのだろうその周囲を囲む大きな壁まであった。
どうやら2人が着いた島国だったらしい。
これまで何度か島国に行ったことがあり慣れている2人だったが、今見てる街の様子を見て思わず眉を潜めた
なぜなら2人の視界に入る人々は、誰がどう見ても異質だった
「全員がボロい布のようものを着ているわね…」
「それだけではない。お前も気付いておるだろ?オルビア」
「…ええ。ここにいる全員、女しかいない」
「だが城の方に男の気配が大量にいる。それにあの城の形、世界の様々な国が載っている本で見たことがある」
「そうね私もあるわ。グランドラインにある国で1番奴隷が売られる国、
奴隷国〈レイード王国〉ね」
2人が行き着いた島は、数日に一度、沢山の奴隷を乗せた船が来ては若い男女を買い、男は死ぬまで働かせ、女は物として支配される奴隷国家だった。
「…なるほどな。どの世界にも屑な人間というものはいるわけか」
ルーリィエは前世のことを思い出していた。ルーリィエが統率していた妖の国では奴隷というものがなく差別がなかった。だが人間側では奴隷というものが存在していた。ルーリィエはその奴隷という考えをする人間が大嫌いだった。
「オルビア、ここの国王に用事ができた。城に向かうぞ」
「…一応言っとくけど、この〈レイード〉という国はこう見えて他国との交流はちゃんとしているわ。なにかすれば世界政府も出てくるわよ」
「別に良い。世界政府が来たならばその時だけ、お前を隠すなり変装するなりさせれば良いだけだ」
ルーリィエは歩みを止めることなく、城下町を囲む壁の前で立ち止まった。
「どうやらこの国の男はこの壁の向こうのようね。壁が分厚いし奴隷が侵入しないよう造られたみたいだし、なんか嫌いだわ」
「おそらく何処かに門があるはずだが、面倒だ。
ルーリィエは壁に向かって歩いた。壁が元々なかったかのように歩くと、壁との距離が数cmしかなくなると、突然壁が溶け出した。
ルーリィエが歩けば歩くほど壁は溶けていき、人が倒れる大きさの穴ができた。
「いつ見ても便利ね。太陽の熱の前ではどんなものも焼け溶ける。今だに貴方の能力の底がわからないわね」
「フハハハハ!この世で我の力を便利という言葉で片付けるのはオルビア、お前だけだろう!お前のその言い方も些か慣れ、愛いらしく感じるぞ!
…ほう?見てみよオルビア。これがこの国に住む人間の醜さだ」
「嫌よ。なんとなく想像ができているもの。城まで目を瞑るけど、ちゃんと着いていくから気にしないで進んで良いわ」
「フハハハハ!愛い、愛いぞオルビア!お前の、時々見せるその阿呆な所は我も気に入っている!良かろう、城の前に行くまでは我の後ろを歩くがよい。それと欲しい施設なども考えておけ。すぐに取り掛かれるようにな」
オルビアが返事をすると2人は再び城へと移動を再開した。オルビアは両手できっちりと目を隠している。オルビアは生理的に受け付けない物(主に虫)などがいると、決まって手で目を隠す行動をする。それを見てルーリィエは、目をつぶれば良いのになぜそんな無様な格好をしているんだとオルビアのその行動がツボになっていた。
オルビアが目を隠した城下町とはいったいどうだったのかというと、すべての建物が白く塗られ汚れひとつない綺麗なものだった。そしてそこに住んでいるのだろう男たちの服はどれも綺麗で、派手なものだった。さっきまで見ていた奴隷街とは天地の差があるぐら良い暮らしだと言える。
そしていろんな種類の店があるがどこも男性が店を切り盛りしていて女性の姿が見当たらなかった。
(女の気配はそこらにあるがすべて建物の中、もしくは地下だな。それに全員が疲弊しているのか電磁波が薄い。女は人として扱われるのではなく良くてペットというところか。色々と面倒だが、ひとまずこの国の男達は性根が腐っている者は残らず消すしかないか)
ルーリィエは見聞色とゴロゴロの実を組み合わせて、人間が放つ電磁波のようなものを感知し、周囲の人間の性別や簡単な体調などを察知できるようになっていた。
範囲もどんどん伸びて、今では最大でこの島全てとなっていた。
そのあともルーリィエは色々と今後のことを考えているとあっという間に城門についた。
「…ついたようね」
「ああ、もう目を開けて良い。…さて愚かな王の顔を見るとしよう」
ルーリィエは挨拶がわりに城門に向かって雷を放った。
ここが後のルーリィエの拠点?です!
人間があまり好きではなく、人間の奴隷と言う考えが大嫌いなルーリィエは今後どうするのか!前世で妖の王だったルーリィエの力が試されますね!
これからも書いていくのでよろしくお願いします!