今回から新シリーズです!…と言っても、2話で終わります(笑)。
短いですが、楽しんでもらえると嬉しいです!
前編
私―千夏(ちなつ)は毎年夏の終わりにある地元の祭りへ数年ぶりに来ています。なんで数年も行ってないのかって?子供の頃ならまだしも、いい歳した大人が独りで祭りとか恥ずかしいし……。なら、なんで行くのかって?それは、
「おーい、千夏ー!待たせちまったか?」
「ううん、待ってないよ。私もさっき来たところだから」
「そうか。その浴衣似合ってるな。お前にピッタリだわ」
「あ、ありがとう///」
「いえいえ、それじゃ、行くか」
「うん!」
そう、今声をかけてきた幼馴染の海音(かいと)に誘われたからだ。昨日、海音から数年ぶりに連絡が来て、
『今、久しぶりに地元に帰ってんだけど、千夏は明日の祭り行くんか?』
『久しぶり〜。行くかは考えてるところ〜』
『そうかい。なら、一緒に行かねぇか?』
『んー…なら、行こうかな』
『んじゃ、5時に神社の前に集合なー』
『はーい』
というやりとりがあったのだ。
そんなこんなで今に至り、私達は久しぶりの祭りを目一杯楽しんでます。始めの方は人が少なかったけど、時間が経つにつれて人が多くなってきて歩きにくくなってくる訳で、
「キャッ、す、すみません」
人とぶつかってしまった。それに気付いた海音が、
「大丈夫か、千夏」
と声を掛けてくれた。
「う、うん、大丈夫だよ。ありがとう」
「人多くなってきたし、その格好じゃ歩きにくいよな。…仕方ない、俺の服の袖掴んで歩くかか?それとも、昔みたいに手でも繋いで歩くか?」
と、からかうように手を差し伸べながら訊いて来るものだから、私はびっくりして、
「え、い、いいよ。私は大丈「人が増えて歩きにくいんだろ?それとも、今更恥ずかしくなったのか?」そ、そんなんじゃないよ!うぅ……そ、それじゃ、お願いします」
と言って差し伸べられた海音の手を握ってお互いの方が当たるか当たらないか微妙な距離感で並んで歩き始めた。
「んー……。やっぱり、海音って昔から結構背伸びたよね。なんかこう、男の子って感じから男!って感じになった!」
「はは、そりゃ、どうも。そういや、もうそろそろ花火始まる時間だよな?あそこに見に行かないか?」
「うん、いいよ!」
と言って私達は花火を見るために近くの浜辺へ向かった。
私達は浜辺に着くと近くの階段に座って、
「…懐かしいね、ここ。なんにも変わってない」
「そうだな。俺がこっち出てから数年は経ってるのにな」
「うん、そうだね」
と話していたが、それっきり無言になってしまって、2人揃って夜空が映っている渚を眺めていた。それから程なく花火が上がり始めた。
「——ねぇ、海音」
「どうした?」
「昔、学校の帰りに一緒に並んで歩いて帰った事とか、お祭りのたびにこうやって花火を見た事とか覚えてる?」
「——当たり前だろ?」
「なら、さ。あの約束も覚えてたりする?」
「……あぁ、もちろん」
私達はあの日―私と海音が高校を卒業して別々の道に進むと決まった年のこの祭りの日—この場所で約束をした。
二人がした約束とは、一体なんでしょうか?次回をお楽しみに!
では!