ということで、早速3話目どうぞ!
瞬く間に時間は過ぎていき、ついに学園祭の締めくくりである後夜祭が始まる時間になってしまったが、俺たちは会場であるグラウンドに行かず屋上に来ていた。
「もう文化祭も終わっちゃうね」
「そうだな。文化祭はどうだった?」
「ん~~とね、すっごく楽しかったよ!!だって、樹と一緒に回れたんだもん!」
「・・・・っ!///」
と可愛い笑顔でこちらを向いていってくるものだから、すぐに顔を背けてしまった。その後、沙月は躊躇いがちに
「ね、ねぇ、樹はさ、どうだったの?」
「——」
「樹はさ、私と一緒で良かったの?他の友達と回りたかったんじゃないの?」
と、もじもじしながら尋ねてきた。
「何言ってんだよ。良かったからこうして一緒にいるんだろうが。」
「そ、そっか」
「あぁ」
「「・・・・・・」」
気まずくなって、沈黙が訪れた。そして、
『間もなく、後夜祭の目玉イベントであるフォークダンスを始めたいと思います。参加する生徒はグラウンドに集まってください。繰り返します、——』
とアナウンスが流れた。
「も、もうそろそろフォークダンス始まるみたいだし、行こ?」
と言って、グラウンドへ向かおうとした沙月の手を引っ張った。沙月は驚いたようにこちらを見ると、
「な、何?」
「い、いや。……どうせ今から行っても1曲目には間に合わないだろ、多分。だから、もうちょっとここで話そうぜ」
「んーそれもそうだね。わかった。でも、2曲目には行こうね、絶対だよ!」
「もちろん。……今更だけど、さ。沙月は何で俺と回りたかったんだ?他にも回ってくれって言ってくる人いたんだろ?」
「う、うん、そうなんだけど……。どうしてだろうね、私もわかんないや。ただ、」
「ただ?」
「樹と一緒だったら楽しいかなって、ね。樹こそ、何で私と回ってくれたの?」
「俺は——」
思わず言葉に詰まってしまった。沙月の言ったことは俺も同じ思いだ。俺は沙月だから一緒に回った、んだと思う。と考えていると、
「ねぇ、俺は、の続き教えて欲しいな」
と上目遣い気味に沙月が催促してくる。もういいや、自分に正直になっても悪くはならないよな、と決心して、
「俺は——いや、俺もお前と一緒だったら楽しいだろうなって思ったからだよ。あ、後、お前が他の男子と回って欲しくないからだな」
「——え?どういうこと?」
首を傾げて変わらずこちらを見てくる。
「いい加減気づけよ、鈍すぎるんだよ。——俺は、沙月のことが好きなんだ」
ついに言ってしまった。
「——え、い、今……え?」
沙月、やっぱりびっくりしてんな。
「た、樹、なんて言ったの?」
「俺はお前が好きなんだよ、沙月///」
「そ、そっか////」
それを最後にまた言葉が途切れてしまった。恥ずかしくて、なんだか顔を背けてしまった。しばらくして、
「ね、ねぇ、こっち見てくれないかな、樹///」
「ど、どうしッ!」
沙月に呼ばれたので、沙月の方を向くと沙月の顔が俺の顔の近くにあり、俺の唇に沙月のが押しつけられていた、つまりキスされたのだ。何でキスされるんだって考えたが、沙月の唇の感触がその考えをぬぐい去っていく。
いったい、沙月にキスされてどれくらい経っただろうか。十数秒?いや、もっと短かったかもしれない。沙月が顔を離すと、
「……ん////わ、私も、私もね、樹のことが好きだよ、大好き!」
赤い顔の沙月がとびきりの笑顔で告白してきた。そんな沙月を見ていると、すごく愛おしさが溢れてきて、
「キャッ!」
沙月のことを抱きしめた。そして、
「俺と付き合ってくれ、沙月。これからもそばにいてください」
と、耳元で囁くように言った。すると、沙月も抱きしめ返してきて、
「こ、こんな私で、いいなら、お、お願いしま、す。う、うぅ・・・」
「なんで泣くんだよ、沙月」
「だって、だってぇ~……樹と、樹と両思いだって、わかって、それで、付き合ってくださいって、言われて、……ぐすん。本当に、本当に夢みたいだよ。……ぐすん」
俺は沙月が泣き止むまで、抱きしめたまま沙月の頭を撫で続けた。沙月が泣き止む頃には、フォークダンスも1曲終わりそうだった。
「さて、沙月、フォークダンスも1曲終わりそうだけど、行くか?」
「うん!今日からいっぱいたくさんの思い出を作らないと♪」
「あぁ!」
沙月が恋人つなぎをしてきたので、俺もそれに応じて2人並んで校庭に向かった。
無事、2人が付き合うことになりました!といっても、ハッピーエンドしか書けないので当たり前でしょうが(苦笑)
さて、次回は本当に最終回です。お楽しみに!
では!