恋愛小説集   作:小春春斗

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——数分後

 

「あ、あの、先生、もう大丈夫です、よ?」

「わかりました」

 

と言って先生はすぐに離れてしまいました。うーん、あっさり離れられるとちょっと寂しいかも…、なんて考えていると、

 

「あの、香澄さん、僕たち付き合い始めたんですよね?」

「は、はい!そうですよ?」

 

なんて聞いてくるので不思議に思っていると、

 

「付き合ってからは何をしたらいいんでしょうか?なんといっても、誰かと付き合う経験なんてなかったものですから……」

「そんなの、ボクも同じですよ!本とか、友達で付き合っている子から聞いた話だと、休みの日に遊園地とかショッピングモールに遊びに行ったり、一緒に帰ったりするみたいです。……流石にバレたらダメだからできないですよね……」

「そうですね。……この学校に写真部ってあると思うんですけど、知ってますか?」

「?はい、知ってますけど、それがどうかしたんですか?」

「実は僕はそこの顧問でして、今月中に新入部員が入らないと廃部になると言われてしまいまして……」

「そうだったんですか。でもなどうしてですか?」

「昨年度卒業した方以外幽霊部員なんですよ」

「へぇ、そうなんですね。……ってもしかして」

「はい、香澄さんに写真部に入って欲しいなと思ってます。初めてだと大変だとは思います。それでも、放課後は一緒にいやすいですし、休日には活動の一環として2人だけで出かけることも——」

「入ります!わからなかったら教えてくれますか?」

「もちろんです」

「やった!」

 

流れで写真部に入ることになったけど、玲音先生と一緒にいられる時間が増えるならいっか!なんて思いながら全く終わっていなかった片付けを終わらせると2人揃って教室を出て昇降口へ歩き始めました。

 

「あ、そうだ、香澄さん」

「なんですか、玲音先生?」

「連絡先を交換しておきませんか?いつでも話せますし、その、付き合っているんですし……。どうですか?」

「は、はい!///」

 

お互いにスマホを取り出して、連絡先を交換すると

 

「それでは気をつけて帰ってくださいね、香澄」

「——っ!!はい!玲音さん!」

 

ボクは恥ずかしくなってすぐに靴を履き替えると家まで走って帰った。

 

 

——コンコン

 

「失礼しまーす。……玲音先生、入部届持ってきました!」

 

翌日の放課後、僕が職員室にいると、香澄が入部届けを持ってきてくれました。

 

「あぁ、香澄さん、ありがとうございます。これ、写真部が使っている第2情報室の鍵です。僕は少し用事があるので、先に行って開けておいてもらえますか?」

「はい!それでは失礼します!」

 

そう言って職員室を出る香澄を見送るとたった今もらった入部届けを持って教頭の机まで行くと、

 

「教頭、以前話していた部活の顧問の件ですが、たった今写真部に新部員が入ったので、もう少し見送らせていただくことはできないでしょうか?」

「聞いていました。とりあえず、1ヶ月彼女のやる気を見るために様子を見ましょう。ただし、彼女にやる気がなければ……わかってますね?」

「わかっています。とりあえず、彼女を待たせているので、これで失礼します」

 

そう言って職員室を出ると、第2情報室へ向かいました。

 

 

 ボクが第2情報室に入ってそこに置いてあったたくさんのカメラを見ていると、

 

「お待たせしました、香澄」

 

と玲音さんが周囲を確認しながら入ってきました。

 

「いえ、大丈夫です!それにしても、カメラたくさんあるんですね」

「ここに置いてあるのは体験入部やカメラを買う余裕がない方向けに置いてあるものです。昨年度卒業された方々は個人で好きなものを買ってそれを使っていましたから」

「へぇー、そうなんですね。ボクも買ったほうがいいのかな……」

「買わなくても大丈夫ですよ。あぁ、でも、メモリーカードだけは買ってもらわないといけませんね。部の共有のものは置いてませんから」

「わかりました!」

「それじゃぁ、活動についての相談を始めましょうか」

「はい!」

 

 

——数分後

 

「——では、明後日までは写真を撮る上で必要なことの簡単な説明、明後日以降は実際に撮って慣れてみましょうか。どこかわからないところはありましたか?」

「とりあえず、大丈夫です」

「わかりました。またわからないところができたらいつでも聞いてくださいね」

「は、はい!」

「さて、今日はこれで終わろうと思うのですが、あまり遅くならないうちに帰ってくださいね?」

「…………」

「香澄、どうしたんですか?」

「……玲音さん」

「なんでしょうか?」

「えい!」

 

ボクはまだ玲音と一緒にいたいなと思って玲音さんに飛びつきました。

 

「っ!びっくりするじゃないですか、香澄。危ないから飛びついて来ないでくださいね」

「えへへ、すみません、玲音さん。でも、2人きりなんだし、いいですよね?」

 

なんて上目遣いで言ってみると、玲音さんはそっぽを向いて、

 

「……仕方ないですね。あと5分だけですよ」

 

と言って、玲音からもギュっと抱きしめてくれました。

 そして、数分分経ったぐらいの頃に、

 

「さて、これでおしまいです。これ以上は本当に遅くなってしまいますよ。大丈夫ですか?」

「……はーい、わかりました。また後で絶対、ぜーったい連絡しますね!それじゃ!」

「ちょっと待ってください!とりあえず、このカメラを渡しておきますので、無くさないようにしてくださいね、それでは、また後で、香澄」

 

と、第2情報室を出る直前に呼び止められカメラを渡されました。

 

「はい!それじゃぁ、また後で!」

 

と言って玲音さんに手を振りながら帰りました。

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