恋愛小説集   作:小春春斗

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どうも、小春春斗です!

前回、不穏な雰囲気で終わりましたがどうなってしまうのでしょう。では、どうぞ!


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 それから、数週間経ったある日の放課後、僕は校長に呼び出され、校長室に来ています。何も心当たりがない、訳でもないですがあのことはバレてないと思うのですが、一体なんでしょう?

 

「鈴風先生、これを見てもらえますか?」

 

そう言って僕に1枚の紙を渡してきた。

 

「わかりました。って、次回の校内新聞ですか?……え?!」

 

そこには、『新米教師と生徒、禁断の恋か?!』という見出しとともに僕と香澄がキスしてる写真が載っていました。

 

「見てもらった通りです。鈴風先生、この記事に書かれていることは事実ですか?」

「……事実だった場合、どのような処分になりますか?」

「無理矢理迫ったのなら懲戒処分と考えています」

「無理矢理ではなかったら?」

「2ヶ月ほど減給にしましょうか。私自身は応援したいので処分なしでもいいかと思うのですが、体裁を整えないといけないので。それで、どうなのですか?」

「……事実です。僕と香澄はお互いに自分の意思で付き合っています。もちろん、香澄のご両親からは許してもらってます」

「そうでしたか」

「このことを香澄に伝えてきてもいいですか?」

「もちろんです。これも持っていって大丈夫です。」

「ありがとうございます。それではしt「あ、ちょっと待ってください」なんでしょう?」

「明日の放課後この件に関する会議があると思います。もちろん出てもらわなければいけませんが、その時は鷹月さんと一緒に来ていただきたいです」

「わかりました。それでは失礼します」

 

僕はそう言って校長室を後にし、そのまま香澄が待っている教室に向かいました。教室に入ると既に香澄がいて、

 

「あ、玲音さん!遅かったね。何かあったの?」

 

と聞いてきました。

 

「校長先生に呼ばれてしまいまして、すみません」

「え?!ほんとになにかあったの!?」

「実は——」

 

僕は明日掲示板に貼られる校内新聞に自分たちのことが書かれること、そのせいでいろいろ聞かれるだろうけど真面目に答えないで欲しいこと、放課後に会議に呼び出されるかもしれないことを伝えました。

 

「——というわけなんです」

「ば、バレちゃったんですか……」

「はい。さっきも言ったように適当に誤魔化して貰えばいいですから」

「う、うん」

「さてと、後少ししか時間がありませんが、今日の勉強会始めましょうか」

「お、お願いします」

 

結局その日はあまり進められずに解散しました。

 

 

 そして次の日、

 

「「「あれ、本当?!?!」」」

「うわ!驚かさないでよ!」

 

朝、ボクが教室へと入るとクラス全員に校内新聞について聞かれました。

 

「ごめんって。それで、どうなの?」

「えーっと…玲音、先生のことは先生の中なら一番好きだよ?異性としては…考えたことないかな」

「「「いやいやいや、香澄(お前)と風鈴先生がキスしてる写真まであるのに、それはないでしょ(だろ)!!」」」

「だから、声揃えて言わないで!写真って合成とか出来ちゃうから信じない方がいいよ!」

「んー、合成に見えないけど……。でも、記事書いたの日下部(ひかべ)さんだしなぁー」

「その日下部さんって?」

「新聞部の副部長で、よく嘘だったり誇張しすぎてる記事書いたりしてるの。それに、元写真部で合成写真作って問題起こしたって聞いたよ」

「へぇ、そうなんだ」

「っと、もうすぐ授業始まるし、また後で追及するからね!」

「えー!もうやめてよ!」

 

 

 結局、休み時間になる度に質問攻めにあったボクは疲れ切って部室で突っ伏しています。

 

「やっぱり、色々聞かれたみたいですね」

「うん……。もう疲れたー」

 

横に玲音さんがいつの間にか居て、そんなことを言ってきました。

 

「この後、呼び出されるんですの忘れてないですよね?」

「忘れてないけどさー。大変なんだったのは変わらないんだからいいじゃないですか」

「わかりますけ『先生の呼び出しをします。鈴風先生、鈴風先生。職員室までお戻りください』呼び出されましたし、行きましょうか」

「はーい……」

 

もう少しグダグダしたかったのに、と思いながらも立ち上がって玲音さんと職員室に向かいました。

 

 

コンコン

 

「「失礼します」」

「待ってましたよ、鈴風先生、鷹月さんもこちらにどうぞ」

「はい」「は、はい!」

 

校長が僕たちを席まで案内してくれました。席に着くと、

 

「さて、お二人に来てもらったのは今朝、掲示板に張り出された校内新聞についてです。ご自身で記事は確認されましたか?」

「「はい」」

「では、それぞれに訊いていきましょう。まずは鷹月さんに質問します。あなたは鈴風先生が1人の男性として好きですか?」

「……えっと」

 

事前に僕の気持ちは聞いていたからか、香澄に先に訊いてました。香澄が答えづらそうにこちらをチラチラと見てきたので、

 

「正直に話して大丈夫ですよ。」

 

とこっそり伝えるとコクンと小さく頷いて、

 

「ボクは、玲音さんの優しい所とか、公私はちゃんと区別してくれる所とかひっくるめて、玲音さんの全部が好きです、大好きです」

 

と、顔を赤くして言い切りました。それを見て、他の先生が驚いた顔をしている中、校長だけが何か悪巧みをしてそうな笑みを浮かべていました。僕がジーッと見ているとこっちを見て、

 

「鷹月さん、ありがとうございます。では、次は鈴風先生ですね」

「……楽しそうですね、校長先生」

「そんなことないですよ。それで、鈴風先生は鷹月さんの気持ちに応えてあげないんですか?」

 

と相変わらずニヤニヤして言ってきます。短くため息をつくと、

 

「僕も、香澄の可愛らしい笑顔や、素直に甘えてくれる所、明るい所など香澄の全部が好きです」

 

と言い切りました。そして、校長が他の先生を見回して、

 

「さて、お互いに好きで、公私を区別出来ているのですから交際を許してもいいんじゃないかと思うのですが、先生方はどう考えますか?」

 

と言うと周りでヒソヒソ話が始まりました。それを確認した校長がこちらへ来ると職員室のドアを開け、

 

「もうそろそろ終わりますから、もう少し待ってくださいね、日下部さん」

「「え?」」

「あー、やっぱりバレちゃいましたか。入ってもいいですか?」

「当事者でしょうし、いいですよ。私はあちらに混ざってきますので」

「ありがとうございます。……風鈴先生、久しぶり」

 

といつの間にか職員室前にいた日下部さんが入ってくると話しかけてきました。

 

「え、えぇ、お久しぶりです。写真部を退部してからは新聞部に入ったんですね。今回こそは合成だなんて言われずに済みそうですね。あ、そうでした、今回みたいに誇張したものや嘘のものは書かない方がいいですよ。写真部の二の舞になりかねませんから」

「うっ……。わ、わかりました。それと、あの時はスミマセンでした」

 

と頭を下げられました。

 

「もういいですよ。それに、あれがあったから今があるんです」

 

と言って香澄の手を握りました。

 

 それから少しの間3人で話していると、

 

「結論が出ました。3人ともいいですか?」

 

と校長から声がかかりました。僕たちは先生たちの方を向いて背筋を伸ばしました。

 

「では、結論を言います。」

「「「…」」」

「鈴風先生、鷹月さん。熱りが冷めるまでは揶揄われるかもしれませんが、これからも楽しく学校生活を送ってくださいね」

「「そ、それじゃぁ(では)」」

「お咎めなしです。では、これで職員会議を終わりましょうか。日下部さんは今日のことを踏まえて記事にするかどうかはお任せします」

「は、はい」

「では、お疲れ様でした」

「「「「お疲れ様でした」」」」」

 

と、先生たちが全員出て行き、職員室に僕と香澄だけが残されました。

 

「れ、玲音さん。こ、これって夢じゃないよね」

「夢ではないですよ、香澄」

「これからも一緒にいられるんだよね?」

「えぇ、そうです」

 

と言うと、香澄が抱きついてきました。僕は受け止めて抱き締め返して頭を撫でました。

 

 

 数日後、日下部さんが書いた校内新聞の号外が掲示板に貼られ、それを見たクラスメイトからまた問い詰められたり、お幸せにって言われたりでまた大変な日々が続きました。




現実ではあり得ないので、そこは小説ということで許していただけると…(この小説はノンフィクションです)。

次回最終回です。この二人がどのようなラストを迎えるかお楽しみに!

では!
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