恋愛小説集   作:小春春斗

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本日3度目です(笑)
前回を読んでしない方はそちらからどうぞ!


5

「よっしゃー!やっと運動が出来るぞー!……ってなるはずなのに、なんだよこの本の量は!」

「剣君、口より手を動かしてよ。精霊について知りたいなってん昨日言ってたよね?」

「それは、そうなんだけどさ……」

 

あれから数日後、フィアが誰も使っていなかった家を住めるように手配してくれた。医者にもう体を動かしてもいいと言われて喜んでいるところにフィアとティナが精霊に関する本を持ってきて今に至るのだ。

フィアはずっと本とにらみ合っていて、こちらの話は聞いていないようだ。俺もさすがに反論を諦めて本とのにらみ合いを再開した。

 

 しばらくすると

 

「あぁーーー!」

 

と、ティナが急に大声をだした。

 

 突然、ティナが大声を出したので、俺とフィアは、

 

「「!!ど、どうしたんだ(のじゃ)、急に!?」」

 

と尋ねた。ティナがある本のページを見せながら、

 

「これってシルフのことだよね?」

「どれどれ……ふむ。確かにシルフじゃな。ほれ、優斗も見てみよ」

「あぁ。……そうだな。シルフに訊いたら分かるみたいだな」

 

どうやら、精霊にはそれぞれに相性のいい精霊の居場所が何となくだが分かるらしいのだ。俺は籠手(自由に具現化が出来るらしい)を具現化させると、

 

(と、言うわけだ。どこにいるか分かるか?)

(分かるのはヘルフレイズですね。どうやら、北東の洞窟内にいるみたいです)

(そんだけ分かれば十分だ。ありがとうな、シルフ)

(いえいえ、これくらいはお礼を言われるほどでもございません。また用がございましたらお呼びください)

 

シルフと話し終え籠手を消すと、

 

「何か分かったのか?」

 

と、フィアが訊いてきた。

 

「あぁ。北東の方にある洞窟にヘルフレイズがいるんだとよ」

「うむ。ならば、すぐに準備をするとするか。どうせ止めたとしてもティナも付いてくるつもりじゃろうし」

「もちろんだよ!」

 

いつもの三人で洞窟に向かうことになった。

 

「ところでさ、剣君の籠手って本当に不思議だよね……」

 

と、ティナが急に訊いてきた。

 

「ティナ、それはここにいる全員が思ってることだから言わないでくれ」

 

と、言うと籠手を具現化させる。籠手の手甲から翼のようにスロットが3個ずつ一対付いていて、その付け根にあと一つスロットが付いているのだ。コレを初めて見た人で不思議に思わない方が不思議だ。

 

「なんか、ごめんね」

「いいよ、もう慣れてきたし」

 

と言って籠手を消した。

 

「まぁ、とりあえずさっさと準備して来いよ。俺は玄関で待っとくわ」

「「うん!ちょっと待っててね(くれよ)」」

 

 

 数分後、玄関前に集合し、

 

「さ、行くか」

「「おー!!」」

 

こうして、北東の洞窟に向けて出発するのだった。

 

 

 

 数時間後、俺たちはある洞窟に着いた。

 

(なぁ、ここで合ってるのか、シルフ?)

(はい、この奥からヘルフレイズの気配がします)

「ここにヘルフレイズがいるらしいから仲間にしてさっさと帰って休もうぜ」

「うん!」

「……」

「どうかしたの、フィア?森の中に何かいるの?」

「…。あ、あぁ、なんでもないのじゃが、心配じゃからここに残る」

「…、そうか。頼むわ、フィア。よーし!行くぞ、ティナ」

「うん!」

 

そう言って、俺とティナは洞窟に入って行った。

 

 洞窟を奥へと進んでいくと、壁の松明に何故か火が灯った。少しして、奥に大きな空洞が見えてきた。そして、

 

「我は、炎の精霊の“ヘルフレイズ”なり。汝、我に何用でここに来た?」

 

と、空洞の奥の台座の方から声が聞こえてきた。俺は、

 

「大切な人を守れるだけの力を手に入れるために来たんだ!さっさと、力をよこせ!」

 

と、その方へ叫んだ。

 

「フハハ、面白い。その力を持ちながらも、さらに力を欲するというか。ならば、汝の力を我に証明してみよ!」

「あぁ、いいぜ!ティナはここにいろよ!」

 

と言って、奥へ駆けていった。そして、ヘルフレイズと対峙すると、

 

「さぁ、始めようぜ!家に帰ってさっさと休みたいんだよ」

「よかろう、さぁ、来るがよい!」

 

 

 俺とヘルフレイズとの闘いが始まった頃、フィアは森の中に潜んでいた追っ手(?)を捕まえて縄で縛り、追ってきた理由を問い詰めていた。

 

「なぜ、ワシらをつけてたのじゃ?」

「そりゃ、言う訳にゃいかねぇんだ。こちらとて、依頼者のことを軽々教えられねぇんだよ」

「それはそうじゃな」

「そうだ、そうだ!ノーランドの精霊使いからの依頼だなんて、教えられるかよ!」

「おい!何言ってんだよ、テメェ!」

「ひぃ!す、すみません…。で、でも、新しく生まれた精霊使いの調査だってことは言って無いですよ?」

「今言ったじゃろうが……。じゃから、優斗は精霊の力を使わなかったのじゃな」

「「あ……」」

「おい!テメェ!さっきからベラベラ喋ってんじゃねぇぞ、コラ!」

「少しは大人しくしとれ」

「「いてっ」」

 

内輪もめを始めかけていた追っ手たちの頭を剣のさやで叩いた。

 

「さて、優斗の方は、どうなったのかの…」

 

と、洞窟の方を向いて呟いた。

 

 

 一方、優斗に置いて行かれたティナは、

 

「剣君、大丈夫かな…。それに、さっき言ってた“大切な人”って誰のことなんだろう?」

 

と、呟いていた。




早速2人目の精霊と対峙です。さらには別国の精霊使いからの依頼で追ってまできて……優斗大人気ですね。

次回、優斗はどうなるでしょうか、お楽しみに!

では!
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