恋愛小説集   作:小春春斗

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さて、本日も連投祭りです!前回の「1」を見ていない人はそちらからぜひ!

早速どうぞ!


2

 今日も図書室を閉める時間になりました。私と谷村くんは閉館の準備をして、お互いの荷物を片付けて廊下に出ました。いつもならそこで解散しているのですが、

 

「さっきの話なんだけど」

 

と当番中の話を切り出されました。

 

「はい」

「流石に学校で話して誰かに聞かれたら困るだろうし、時間が大丈夫ならどこかに寄っていかない?」

「はい。お気遣いありがとうございます」

「それじゃ、行こうか」

 

そう言って歩いていく彼の後をついて行きました。

 

 学校を出て数分、ある喫茶店に入りました。

 

「いらっしゃ——おや、葵くんじゃないか。今日はシフトじゃないはずだけど」

「こんにちは。今日はお客としてきたんだ。奥のテーブル使ってもいい?」

「うん、いいよ。注文が決まったら呼びなさい」

「ありがとうございます。さ、桜さんこっち」

「は、はい」

 

どうやら、谷村くんが働いている喫茶店みたいです。同じテーブルに向かい合って座ると、

 

「とりあえず、何か頼もうか。これ、メニュー」

「ありがとうございます……では、レモンティーにします」

「わかった。伝えてくるからゆっくりしてて」

 

そう言って彼は席を立つと、カウンターの方に向かい何かを話し始めました。その様子を見て、一息つくと、

 

(まさか、こんな身近に「桜花」のことを知ってくれている人がいるとは思いませんでした。まさか、声でバレてしまうとは……。ちゃんとボイスチェンジャーを使うべきだったでしょうか……)

 

 

 私が「桜花」として活動を始めたのは、ほんの1週間前のことです。私が所属している事務所から、

『顔出しできないのに声が綺麗なんだし勿体無いわね。いい機会だし、ネットアイドルとしてデビューしてみない?』

と言われたのがきっかけでした。面白そうだと思い二つ返事で受けた所、すぐにレコーディングが行われ、できたものがその日のうちに動画投稿サイトにアップされました。その日、ネットアイドル「桜花」が誕生したのです。

『歌声が綺麗』

『ボイチェン使ってないんだって』

『素顔一切公開してないらしい謎のアイドル』

と言ったコメントが反響を呼びたった1週間で人気がとても上がったみたいです。

 

 

「お待たせ。はい、レモンティー」

 

と「桜花」になった日を思い返している間に、彼が戻ってきて私の前にレモンティーを自分の前にコーヒー、そして私たちの間にクッキーが置かれました。

 

「あの、このクッキーは頼んでないのですが……」

「ちょっとお腹すいちゃって…。桜さんも食べてね」

「はぁ。ありがとうございます」

 

谷村くんが椅子に座ると、

 

「それじゃ、本題に入るよ」

 

 

「それじゃ、本題に入るよ」

 

と言うと、桜さんは体をビクッとさせました。

 

「桜さんって、ネットアイドルの『桜花』なんだよね?」

「……どうしてそう思ったのですか?」

「どうしてって、声が一緒だったから」

「それだけですか?」

「うん。(本当は別の理由もあるんだけど……まぁ、とりあえずいいかな)」

「……」

「……」

「……えっと、それだけですか?」

 

とビックリした顔でじっと見てくる。

「え?あー、うん。確認したかっただけ。誰にも言わないし、そこは安心して」

「は、はぁ……」

「もしかして、秘密にしてる代わりに何か要求してくると思ってた?」

「はい。お約束なのかなと。それで、何もないんですか?」

「んー……、うん。それじゃ、来週の金曜、図書委員当番が終わってからちょっと付き合ってもらおうかな」

 

スマホの予定欄を見て”顔合わせ“と書かれている日を見て、そう言った。

 

「来週の金曜ですか……。すみませんその日は用事が——」

「その辺はなんとかなると思う。というか、多分同じだろうから」

「え?それってどういう——」

「いいから。それじゃ、来週の金曜図書委員当番の後ね。ちょっとこの後用事あるから、先に帰るね。ゆっくりしていいから」

「あ、お会計は」

「急に言ったんだし、払っとくよ。それじゃぁ」

 

そう言って伝票を持って立つと、そのまま会計をして店を出る。そして歩きながらスマホを出して、ある番号にかける。

 

Prrrr……

 

「どうも、ご無沙汰してます、葵です」

『こんな時間に電話って珍しいわね。どうしたの?』

「来週の金曜なんですけど、彼女と一緒に行きますから」

『あら、気づいたの。わかったわ。要件はそれだけ?』

「あ、最後に。新しいのその時に持って行きます」

『わかったわ。それじゃ』

「えぇ、では」

 

そうして電話を切ると、

 

「さて、頑張らないと」

 

そう呟いて家へと帰った。




さて、最後葵くんが電話していたのは誰なのでしょう……。なんか聞いた頃のある口調だったような……。
次回判明します!

では、また!
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