恋愛小説集   作:小春春斗

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どうも、小春春斗です!

「お昼にあげてたし、今日は更新ないだろ」
と思った皆さん、珍しく、本日2回目です!(そもそも更新頻度遅いですけど)

今回は鈴と正輝のデート回です!かなり視点変わるのでお気をつけて。

では、どうぞ!

結叶視点:◇ ◇ ◇
咲愛視点:◆ ◆ ◆
鈴視点:▲ ▲ ▲
正輝視点:△ △ △


4

 今、わたしと咲愛ちゃんはデパートへ買い物に来ています。

 

「ねぇねぇ、鈴ちゃん」

「どうしたんですか、咲愛ちゃん?」

「この服なんてどうかな?」

 

とわたしの前に青色のブラウス、水色のボーダーのTシャツ、ベージュのスカートを差し出して来ました。わたしはそれらを受け取って試着室に入りました。着替え終わって出たのですが、咲愛ちゃんが、

 

「うん、すごく似合ってるよ!滝沢くんも可愛くて言葉が出てこないんじゃないかなっていうくらいだよ!」

 

と捲し立てるように褒めてくれたのですがわたしは、

 

「も、もぅ、褒めすぎですよぉ///」

 

恥ずかしくなってしまい、さっと試着室に戻って着替えました。その後、咲愛ちゃんの服も選ぼうとしたのですが、家にあるので大丈夫だから外で待ってるねと言って店から出てしまいました。わたしは仕方なく支払いを済ませて店から出ました。

 それからお昼を食べたり、服以外の店も回ったりしました。

 

 

 そして——お出掛けの当日です!楽しみで待ち合わせより20分ぐらい早く集合場所に着いてしまいました。が、そこには滝沢くんの姿がありました。初めてみる私服姿に見とれてしまっていると、滝沢くんがわたしに気付いたようでこちらに向かって手を振っています。わたしは駆け寄ると、

 

「おはようございます、滝沢くん」

「お、おはよう、沢井さ——」

「早めに来たつもりなのですが、って、どうかしました?」

 

滝沢くんがわたしの姿を見てすぐに顔を背けてしまったので聞いてみたのですが、

 

「い、いや、なんでもないよ?うん。ただ、沢井さんの私服がカワイイなって……あ」

「っ!///あ、ありがとうございます。滝沢くんもその……か、カッコイイ、です」

「あ、ありがと///」

 

お互いに照れ笑いをしながらそこに居てるとどんどん人が増えて来たので、

 

「そ、そろそろ行きませんか?」

「そ、そうだな!先にご飯の方がいいと思うんだけど、いいかな?」

「っ!は、はい!」

 

そう言って滝沢くんがわたしの手を握って歩き出しました。わたしは突然のことにびっくりしましたが、それ以上に恥ずかしかったり、嬉しかったりで、手を握り返すと、滝沢くんの隣まで小走りで行って並んで歩き始めました。

 

 

◆ ◆ ◆ 

 

 

 鈴ちゃん達が移動を物陰から確認すると、

 

「さて、鈴ちゃん達が移動し始めたし、私たちも行こっか!」

「あ、あの……。さ、咲愛さん?」

「?結兄、いきなり敬語なんか使って……どうしちゃったの?」

「どうしちゃったの?じゃねぇよ!いきなり出掛けるから着いて来てって言われて来たら、尾行とか一体なんだよ!」

 

と、結兄が詰め寄ってきた。

 

「び、尾行とかじゃない、よ?ただ、親友として、相談された側として2人の進展の様子をバレないように見守る権利くらいあったっていいでしょ?」

「ま、まぁ、言いたいことはわかるが……って、それが尾行だろ!」

「いいじゃん、バレなきゃ大丈夫だって!……それに結兄と一緒に遊べるしね」

「ん?後半聞こえなかったけど、なんか言ったか?」

「な、何にも言ってないよ?あ!あの2人、お昼食べに行くみたいだよ!追いかけなきゃ!」

「お、おい、咲愛!急に引っ張るなよ!」

 

私はどさくさに紛れて結兄の手を掴んで引っ張ると、彼らの入った店へと駆け足で追いかけた。

 

 

▲ ▲ ▲ 

 

 

 ご飯を食べ終えたわたし達は今日の目的地である遊園地に来ました。やっぱり、休日ということもあって人が多いです。この中には当然カップルもいるわけで……周りから見ればわたし達もそうなんでしょうか?

 

「入場券買いにくけど、フリーパスにする?」

 

と滝沢くんが声をかけてきたので一旦考えることをやめて、

 

「あ、はい、それでいいですよ」

 

と返事をしました。しばらくチケットを買うための列に並んでいるとわたしたちの番になりました。

 

「こんにちは!フリーパス2人分で!」

「かしこまりました。現在当遊園地では『春が来た!春のカップル特別割キャンペーン』を行なっておりまして、カップルで来られたと確認できた方のフリーパスの割引をさせていただいております。失礼ですが、お2人はカップルでしょうか?」

 

と、受付の人が訊いてきたのでわたし達はびっくりして受付の上にある料金表を確認しました。そこには受付の人が言っていた通りのキャンペーンが書いてありました。わたしが違いますと言おうとすると、

 

「はい、そうです!」

 

と滝沢くんがわたしの手を握って言いました。びっくりして滝沢くんの方を見るとこっちを見ていて目があってしまったのでパッと顔をそらしてしまいました。受付の人はそんなわたし達を見て、

 

「ふふ、初々しい彼女さんですね。フリーパスカップル割学生2枚で2000円です」

「それじゃ、ちょうど2000円で」

「2000円ちょうどいただきます。……こちらがパスになりますので、失くさないようにしてください」

「わかりました。それじゃ、行こっか」

 

と滝沢くんはパスを受け取ってわたしの手を引いて歩き出しました。わたしはしばらく引っ張られるままでしたが、

 

「あ、あの、滝沢くん、お、お金は——」

「いいよ、お金は。今日、沢井さんとこうやって遊べるの、オレすっげー嬉しいんだ!!だから、ちょっとぐらいカッコつけさせてくれよ」

「わ、わかりました。ありがとうございます。……やっぱり、わたし滝沢くんが——」

「よーし!!遊園地といったらやっぱりジェットコースターだよな!って、沢井さんは絶叫系大丈夫?」

「は、はい、大丈夫です!(聞かれてなくてよかったです)」

「そういや、結叶って実は絶叫系無理なんだって!意外じゃね?」

「ふふ。そうだったんですね、すごく意外です」

 

そうしてわたし達は何気ないことを話しながら遊園地に入って行きました。

 

 

◆ ◆ ◆ 

 

 

 その頃——

 

「ほら、うだうだ言ってないで行くよ、結兄!」

 

私達も鈴ちゃん達の後を追って遊園地に入っていた。結兄は横で

 

「まさかあいつらと同じだけ金がなくなっていくとか、ありえねぇだろ……」

 

と財布の中を覗きこんでぼやいていた。

 

「そりゃ、びこ……じゃなくて見守るためなんだから、同じくらいはなくなるかもしれないでしょ!あ、鈴ちゃん達ジェットコースター行くみたいだし、そこらへんで待っとこ?」

「咲、咲愛、俺がまだジェットコースターに乗れないと思ってるのか?」

「あ、大丈夫になったの?なら、私乗りたいし行こっか」

「ごめんなさい、嘘です、嘘つきました、ジェットコースター無理です」

「はぁ、だと思ったよ。ほら、そこのベンチで座っとこ」

 

この通り、結兄はジェットコースターというより絶叫系が全部ダメなのだ。……まぁ、そいうところも可愛いと思うんだけどね。

 私はそんなことを思いながらベンチに座って結兄と他愛もない話をして待った。

 

 

▲ ▲ ▲ 

 

 

「怖かったですが、楽しかったですね」

「ヤベー、マジで怖かった(汗。もうちょっとカッコつけようと思ってたのに」

「横で乗ってくれただけでも私は嬉しかったですよ?ふふっ、で、でもあそこまで滝沢くんが叫ぶなんて、ふふっ」

「ちょ、笑いすぎだって!」

「す、すみません、ふふっ」

 

しばらくの間滝沢くんの怖がり方を思い出してしまって笑ってしまいました。

 

 笑いが治ってきてからわたしは、

「……ふぅ。次、お化け屋敷に行きませんか?」

「よし来い!お化け屋敷なんて怖くないぜ!さ、行こう!」

「はい!」

 

と言って、お化け屋敷に向かい始めました。

 

 

◆ ◆ ◆ 

 

 

 私は、お化け屋敷へ向かう鈴ちゃん達を見て、

 

「次はお化け屋敷なんだ……近くのベンチで待ってたいな」

 

お化けが苦手な私はそう言った。そんな私を見て結兄は、

 

「ずっと見ては待ってるんじゃ、楽しくないだろ?折角遊園地に来たんだ、俺達が乗れるものでも乗ろうぜ?」

「それもそうだね、うん。それじゃ、コーヒーカップにでも行こ!」

 

そう言って私達はお化け屋敷の近くにあったコーヒーカップへ向かった。

 

 

▲ ▲ ▲ 

 

 

「ゼェ……ゼェ……、こ、ここのお化け屋敷怖すぎかよ。完全にナメてた…」

「ハァ……ハァ……、そ、そうですね。……(そういえば、滝沢くんの声がいつもより近くから聞こえるような)」

「あ、あのぉ、沢井さん?そ、その、う、腕に当たって……」

「え?——ッ!」

 

さっきから何となく近くから滝沢くんの声が聞こえると思ってたのですが、なんと腕に抱きついてしまっていたのです。

 

「す、すみません、迷惑でしたよね」

 

と言って滝沢くんの腕から離れました。……恥ずかしかったですけど、もう少しさっきの体勢でいたかった……って何を考えてるんでしょう。と内心慌てていると、

 

「い、いや、迷惑というより、嬉しかったというかもうちょっとさっきのままでいたかったというか……って、あ」

「〜〜〜〜っ!!!」

「ちょ、さ、沢井さん?!ま、待って!」

 

わたしは恥ずかしくなってしまい、滝沢くんから逃げるように走り出してしまいました。

 

 数分ぐらい走ったでしょうか、滝沢くんと完全に逸れてしまいました。

 

「ここはどこなんでしょうか。近くに地図もありませんし……どうしましょう」

 

と困っていると、

 

「あれ、キミ1人?お兄さん達と一緒にいい場所に遊びにいかない?」

「おー、可愛いじゃん。こう、守ってあげたい感じの子で」

「Yeah,Shall we go?(いいね、俺たちと行こうぜ?)」

 

となんだか怪しい3人の男の人に声を掛けられました。

 

「い、嫌です。そ、その、友達と遊びに来ているので」

「そんなこと言わずにいいじゃん。どうせならそのお友達も一緒でいいよ?」

「そうそう。キミみたいな子のお友達なら絶対可愛い子だろうし」

「い、嫌です!失礼します!」

 

と目の前にいる男の人達から逃げて人の多そうなところへ行こうとしたのですが、

 

「そうはさせねぇよ?」

「キャッ!」

 

と手首を掴まれて引っ張られました。

 

「は、放してください!」

「嫌だね。ほら、こっちに来い!」

 

とさらに強く引っ張って来たので、

 

「い、いや。だ、誰か、助けてください。助けて、滝沢くん!」

 

と抵抗していると、急に肩を掴まれたと思ったら手首の痛みがなくなりよろめいたわたしを誰かが受け止めてくれました。振り向くと、肩で息をしながら怒っている滝沢くんがいました。

 

「た、滝沢くん!?」

「ハァ、ハァ、お、おまた、せ、沢井さん」

 

 

△ △ △ 

 

 

「た、滝沢くん?!」

「ハァ、ハァ、お、おまた、せ、沢井さん」

 

ま、間に合ったーー!!沢井さんを人混みで見失ってそれからずっと走り回ってやっと見つけたと思ったらなんか変な奴らに連れていかれそうになってたからとっさにやっちまったけど、大丈夫か、これ?とりあえず、沢井さんの前へ庇うように立つと、

 

「あぁん?おい、にぃちゃん、その子とこれから遊びに行こうとしてたのに何邪魔してくれてんの?」

「嫌がってるだろうが!この子オレの彼女なんで、諦めてくんね?」

 

後ろで沢井さんがちょっとビクッとしたけど、今は気にしてる場合じゃないよな。

 

「は?何言ってんだテメェ?おい、お前らやるぞ!」

「「おぅ!」」

 

「ぐっ……、うぐ、がはっ……」

「た、滝沢くん!」

「おい、にぃちゃん、まだやんのか」

「絶対、沢井さんに手ェ出させねぇからな!?」

「……ッチ、やめだやめ。興ざめだ、行くぞ」

「いいんすか?」

「Are you really? OK?(マジで?いいのか?)」

「っせぇな、いいっつってんだろ!ほら、行くぞ!」

「「うっす(OK)」」

 

と言って男たちはどこかへ行った。

 

 

▲ ▲ ▲ 

 

 

 男たちがどこかへ行った後、わたしは滝沢くんを近くにあったベンチに座らせて看病していました。

 

「くーっ、やっぱり殴られるのは痛いや。もうちょっと鍛えようかな?」

「滝沢くん!タオル濡らして来ました!」

 

と言ってそれを滝沢くんの顔の痣ができている部分に当てました。

 

「ったー!……ありがと、沢井さん。にしても、情けねーよな。女の子1人守るのにこんなに傷だらけとか」

「そんなことないです!滝沢くんが助けに来てくれて嬉しかったですし、とてもカッコよかったです!」

「そ、そっか。なんか照れるな///」

「そろそろ移動できそうですか、滝沢くん?」

「おぅ!あ、そういえばさっき勢いで彼女とか言っちゃってごめんね?!」

「い、いえ、気にしてないです!それにちょっと嬉しかったりなんて……って、忘れてください///」

「え、それって、どういう・・・」

「忘れてください!!///」

 

あーもう、わたし何やってるんでしょう!あれじゃぁまるで……わたしは恥ずかしくて走り出してしまいました。

 

「待って、沢井さん!」

「キャッ!」

 

滝沢くんはわたしが走り出した瞬間にベンチから立ち上がり、わたしの手を掴んで自分の方に引っ張ると抱きしめてしまいました。

 

「え、え?た、滝沢くん?」

「好きだ!」

「——え?」

「オレは、沢井さんが好きだ!」

「……友達としてですよね?」

「違う!オレは後悔してたんだ!あの時、このことを言おうと思ってたんだ!……でも、オレ、テンパって友達だけに教えてるとか言っちゃって!好きな人の前になったらいつも通りになれなくて!特別なんだよ!だから……好きだ、沢井さん」

 

わたしは滝沢くんに好きだと言われてとてもびっくりしました。それ以上にとても嬉しくて、照れくさくなって、愛おしくなって、滝沢くんを抱きしめ返すと、

 

「わ、わたしも、わたしも滝沢くんのことが好きです。友達じゃなくて1人の男性として、滝沢くんが好きです!あの時はすごく悲しかったです、辛かったです!でも、それでも、今日、滝沢くんがわたしのことを好きって言ってくれて、とても、とても嬉しいです!本当はもう少し雰囲気のある時に言って欲しいと思ったりしましたけど、それ以上に幸せです」

 

まくし立てあげるように言った。そして、そのまま顔を上げると、

 

「こ、こんなわたしですけど、わ、わ、わたしでよければ付き合ってくれませんか?」

 

滝沢くんはびっくりしたような顔をするとはにかみ、

 

「よ、よろしくお願いします!……って立場逆でしょ///」

「そ、そうですよね///」

「でも、スッゲー嬉しい!」

「も、もぅ///い、行きましょ!」

「そうだな!まだまだ遊び倒すぞー!」

「はい!」

 

そうしてわたし達はさっきまでの友達とは違って恋人として楽しむことにしました。

 

 

◆ ◆ ◆ 

 

 

 鈴ちゃん達が仲睦まじげに歩いていくのを見ていた私たちはというと、

 

「は〜、よかった!うまくいったみたいだね!」

「オロロロロ……やったな、正輝(泣)」

「いつの時代の言い方よ、結兄……もう、あの様子なら私たちの助けはいらないよね」

「そうだろ。絡まれてた件は真面目に逃げたかったのに」

「結兄ってそういう時だらしないよね!」

 

と軽く背中を叩くと

 

「助けることはしないけど、折角だし最後まで見届けようよ!」

 

と言って鈴ちゃん達が歩いて行った方向へ走り出した。

 

「は、ちょ、待てよ咲愛!俺を置いてくな!」

 

という声を背中に受けながら。

 




ついに、鈴と正輝が付き合うことになりました!おめでとう!
…え?メインの二人はどうすんだって?それは、これからのお楽しみです。


では、また次回会いましょう!
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