最凶の御遣い~北郷一刀再び外史へ~   作:水無月 新人

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大学のオンライン講義で忙しかったり、小説の内容を何度も変えたりして時間がかかってしまいました。

では、どうぞ!(っ´ω`)っ


第5話 小さなミス

『お前に渡したい物がある。付いて来るんじゃ。』

 

泣き止んだ後、祖父は青年にそう言った。

 

祖父に言われて着いた先は、道場の裏にある蔵だった

 

ここは北郷家の先祖代々の物が入っている

 

青年は小さい頃、祖父から『そこには絶対に入るでないぞ。』と強く言われていたので一度も入ったことがない……

 

中に入ると、沢山の木箱が積まれていた

 

『え~っと、どこじゃったかな?たしか、このあたりに…………』

 

祖父は積まれた木箱を1つ1つ確認していく

 

『あったあった!これじゃ!』

 

祖父は目当ての物が見つかったらしく、嬉しそうに言った

そして、青年の方を振り向く

 

『これが免許皆伝の証じゃ。大切にするんじゃぞ。』

 

祖父が渡してきたもの、それは一振りの日本刀だった

 

 

素人が見ても相当な業物であった……

いったいどれほどの価値があるのだろうか

 

 

青年は一瞬驚いて固まったものの、すぐに気持ちを切り替えた

 

 

「ありがとう、じいちゃん。これからも精進させていただきます。」

 

 

両手で刀を祖父から受け取り、青年は頷いた

 

 

『カッカッカ、よくここまで上りつめたの~。儂から言うことはもうない………。北郷流の第36代目としてこれからも精進するんじゃぞ。』

 

 

祖父からそう言われて、青年は疑問に思った

 

 

「あれっ?父さんって北郷流を継承してないの?」

 

 

『あやつはダメじゃ。最初でへばったわい。」

 

 

それを聞き、青年は苦笑いした

 

 

『よし、今日は一刀の免許皆伝を祝って、夕食は豪勢にしようかのぅ!いくぞ、一刀!』

 

 

「あっ、待ってよ~じいちゃん。」

 

 

青年は街に向けて走っていく祖父のあとを追った

聖フランチェスカ学園を卒業すると、青年は本格的に手掛かりを探し始めた

 

青年は大学には進学しなかった。勉強は魏の皆を助けるためにしていたことなので、大学に進む理由はなかった

 

しかし、これに両親と担任の教師は猛反対だった

それもそのはず。聖フランチェスカ学園は全国でも屈指の名門校であり青年自身も学年で3位以上だったので、担任からは国公立の難関大学を勧められ、それに両親も納得していた

 

だが、面談で青年が大学には進学しないと断ったので、担任と両親から反対されてしまった

 

家でも両親からとやかく言われていると、そこにじいちゃんが現れた

 

『一刀が決めたことだ。一刀の好きにさせい。」

 

祖父から助け船を出され、この騒動も治まった

 

 

 

 

 

 

 

まず、一刀は図書館や古本屋などで手掛かりを探すことにした

古代中国に関する文献に何かヒントがあるのではないかと思ったからだ

 

だが、結果は空振りだった……

 

もちろん、ネットでも探して、噂などがある場所に足を運んでみたが何も手掛かりはなかった

 

このまま闇雲に探しても手掛かりが見つからないと判断した青年は、中国に行くことにした

 

華琳たちと共に歩んだ地なら何かあるかもしれないという青年の直感であった

 

青年は今まで貯めてきた貯金を全て崩して、中国渡航の費用に充てた ……

 

 

 

 

(1ヶ月後‥‥‥)

 

 

青年は空港に行き、中国へ旅立った

 

 

やはりというか、1000年以上経った中国は様変わりしていた

 

 

町中は人で溢れかえり、車やバイクなどが行き交っていた

 

 

「さて、では行きますか。」

 

 

青年は手掛かりを探すべく、歩いていった

 

 

 

徐州、華北、洛陽、長安、涼州………などといった思い出の地に足を運んだ

 

 

その度に皆と過ごした日々を思い出し、青年は涙ぐんだ

 

「早く会いたいな…………。」

 

 

 

 

道中、道端にいる人にも聞き込みをしたりもした

 

青年は中国語と英語を学校で勉強していたので、難なくなく会話することができた

 

 

だが、数十日滞在しても手掛かりは何も見つからないまま、帰りの飛行機が明日に迫っていた

 

手持ちのお金もほぼ尽きかけていた

 

あと1日しか時間がなく途方に暮れていると、

メールが突然届いた

 

 

メールは及川からだった

 

 

メールにはこう書かれていた

 

 

『カズピー、元気にしてるかー?いきなり中国に行くとか言い出すから、びっくりしたわー。

三国志について調べてるんやったろ?近所の博物館で三国志の展覧会があるらしいから、一度来てみたらどうや?』

 

 

青年は「ありがとう、助かる。」と返信した

 

 

「さて、明日の帰りの準備でもしますか…。」

 

 

青年は泊まっている宿に向かって歩き始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、青年は起きると宿を出た

 

大通りに出て、タクシーを拾い空港へと向かった

 

空港まで距離があったので、着いた頃には8時20分だった

 

 

帰りの飛行機は9時に出るので、急ぎ目で受付に行った

 

スタッフに荷物を預け、搭乗券に引き換えてもらった

 

急いで搭乗口に向かおうと思い、早歩きで向かっていると、途中で外国人とぶつかってしまった

 

「あっ、すいません…。」

 

その時、ぶつかった拍子に搭乗券を二人は落としてしまった

 

『いえ、大丈夫ですよ。そちらこそ大丈夫でしたか?』

 

「えぇ、すいません。急いでいて周りを見ていませんでした。」

 

青年は落とした搭乗券を拾った

 

そして、時計で時間を確認した

 

「やばっ、あと少ししかない!そ、それでは失礼します。」

 

 

青年はそう言うと、急いで搭乗券に記された番号の搭乗口に向かった

 

『ハッハッハ、気をつけるんだぞ!よい旅を!』

 

外国人は青年の慌てて搭乗口に向かう姿を見て笑った

 

『さて、私はお土産でも買うとするか……』

 

屈んで搭乗券を取ろうとしたところで、外国人はあることに気付いた

 

『なっ……………こ、これは…………』

 

 

 

一方で、青年は手荷物検査を終えて、搭乗券に記されたゲートに向かっていた

 

「ハァハァ、やべぇ。乗り遅れたらシャレにならねーぞ。」

 

焦燥感に刈られならがら、青年はなんとか8時40分にゲートに到着した

 

ゲートを通り、飛行機に搭乗して座席に座った

 

ここ数日の疲れが溜まっていたせいか、青年はすぐに眠ってしまった

 

 

この時、青年は気付いていなかった

 

 

さっきぶつかった拍子に外国人と青年の搭乗券が入れ替わっていたのであった………

 

 

外国人は拾った際に気付くことができたが、青年は急いでいたため、きちんと確認せずに取ってしまっていた

 

番号だけで判断していたので、取り違えたことに気付かなかった

 

 

 

外国人が空港のスタッフに知らせに行った頃には、青年が乗った飛行機はそのまま飛び立ってしまった

 

 




定期更新できるように頑張ります!

感想などいただけましたら、嬉しいです。

どなたか恋姫革命蜀√の霊帝について知っていることがあれば、教えてください!

これから先の話でキャラクターを出すのですが、会話の際の表現としてはどちらがいいでしょうか?ご回答いただけると助かります。例)春蘭の会話です。

  • 春蘭『華琳様ーー!!』
  • 『華琳様ーー!!』→言葉使いで区別

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