「……んん……?」
何かに当たる感覚で目を覚ます。なんだろう……?
瞳を開けることなく、手探りでそれが何かを確かめる。……なんだ、柔らかいぞ。
頭に疑問符を大量に浮かべながら、そっと目を開ける俺。そんな俺の目の前には——
「……?!」
驚きながら、顔だけを離す俺。え、ここに紗夜……え、なんで?
困惑する俺。そしてここで、とあることに気がつく。今俺の腕は、紗夜の体に回されている。
つまり、さっきの柔らかい感覚の正体は紗夜。それも……臀部……って、待て!
「……ッ!」
慌てながら、布団の中を覗く俺。すると、俺も紗夜も衣類を見に纏っていない。
「え……!」
待て待て。落ち着けステイだ。昨晩あったことをゆっくりと思い出してみよう。
えっとまず、風呂出て部屋でゴロゴロしてたら紗夜が訪ねてきて……そっから勉強教えて欲しいって言われて……あれ、その先なにした?
「全く思い出せねぇ……」
昨晩の記憶が曖昧になっていることに頭を抱える俺。というか、この姿の時点でやることヤったのは間違い無いわ。つまり、妹にそういうことしたわけですよね俺? 死ぬしかないわ……。
そんな風に腹を切る覚悟をしていると、隣で眠っている紗夜がもぞもぞと動き出し、そっと目を開く。
「あ……」
紗夜と目があった俺はその場で石の様に固まる。
「……おはよう兄さん」
「お、おう……おはよう……」
『怒られるのでは?』と思い身構える俺に対し、至って普通の反応をする紗夜。あれ……?
そんな感じに内心困惑していると、紗夜が俺の首元に腕を回し、そのままおれをベッドに横たわらせる。
「昨日……嬉しかったわ」
「え……?」
……嬉しかった? 今、嬉しかったって言ったの? え、実の兄とヤったのに?
「兄さんが……私の事そういう風に見てくれてたの」
「紗夜……」
そう呟いた直後、俺の頭がゆっくりと紗夜の方へと抱き寄せられる。そして、唇に何やら柔らかい感触を覚える。
「「ぷは……」」
唇を離し、ほぼ同時に息継ぎをする俺と紗夜。
「その……えっと……大丈夫?」
「何が……?」
「初めてだったんだろ……?」
「ええ……少し痛むけどね」
「そっか……」
そう答えた瞬間、俺に抱きつく紗夜。俺も反射的に抱き返す。
「ねぇ兄さん?」
「何……?」
「今日休みだから……ね?」
悲しいかな……。今ので言いたいことがわかってしまった。
「……わかった」
この場面なら普通首を横に振るべきなんだろう。けど、すでに一線を超えた後。一度超えたというのに、ここでまた断るのは何か違う気がする。少なくとも今はそう思えた。
だから俺は、紗夜が満足するまで相手をすることを決めた。
「ふふっ……兄さん、大好きよ」
そう言って微笑んだ紗夜は、既に自分の中での彼女への認識が異性に変わっていることを、俺に教えてくれるのだった。
以上紗夜編でした。