目醒めると……   作:希望光

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3本目です。どうぞ。


(すき)から異性(すき)

「……んん……?」

 

 何かに当たる感覚で目を覚ます。なんだろう……? 

 瞳を開けることなく、手探りでそれが何かを確かめる。……なんだ、柔らかいぞ。

 頭に疑問符を大量に浮かべながら、そっと目を開ける俺。そんな俺の目の前には——(紗夜)の顔があった。

 

「……?!」

 

 驚きながら、顔だけを離す俺。え、ここに紗夜……え、なんで? 

 困惑する俺。そしてここで、とあることに気がつく。今俺の腕は、紗夜の体に回されている。

 つまり、さっきの柔らかい感覚の正体は紗夜。それも……臀部……って、待て! 

 

「……ッ!」

 

 慌てながら、布団の中を覗く俺。すると、俺も紗夜も衣類を見に纏っていない。

 

「え……!」

 

 待て待て。落ち着けステイだ。昨晩あったことをゆっくりと思い出してみよう。

 えっとまず、風呂出て部屋でゴロゴロしてたら紗夜が訪ねてきて……そっから勉強教えて欲しいって言われて……あれ、その先なにした? 

 

「全く思い出せねぇ……」

 

 昨晩の記憶が曖昧になっていることに頭を抱える俺。というか、この姿の時点でやることヤったのは間違い無いわ。つまり、妹にそういうことしたわけですよね俺? 死ぬしかないわ……。

 そんな風に腹を切る覚悟をしていると、隣で眠っている紗夜がもぞもぞと動き出し、そっと目を開く。

 

「あ……」

 

 紗夜と目があった俺はその場で石の様に固まる。

 

「……おはよう兄さん」

「お、おう……おはよう……」

 

『怒られるのでは?』と思い身構える俺に対し、至って普通の反応をする紗夜。あれ……? 

 そんな感じに内心困惑していると、紗夜が俺の首元に腕を回し、そのままおれをベッドに横たわらせる。

 

「昨日……嬉しかったわ」

「え……?」

 

 ……嬉しかった? 今、嬉しかったって言ったの? え、実の兄とヤったのに? 

 

「兄さんが……私の事そういう風に見てくれてたの」

「紗夜……」

 

 そう呟いた直後、俺の頭がゆっくりと紗夜の方へと抱き寄せられる。そして、唇に何やら柔らかい感触を覚える。

 

「「ぷは……」」

 

 唇を離し、ほぼ同時に息継ぎをする俺と紗夜。

 

「その……えっと……大丈夫?」

「何が……?」

「初めてだったんだろ……?」

「ええ……少し痛むけどね」

「そっか……」

 

 そう答えた瞬間、俺に抱きつく紗夜。俺も反射的に抱き返す。

 

「ねぇ兄さん?」

「何……?」

「今日休みだから……ね?」

 

 悲しいかな……。今ので言いたいことがわかってしまった。

 

「……わかった」

 

 この場面なら普通首を横に振るべきなんだろう。けど、すでに一線を超えた後。一度超えたというのに、ここでまた断るのは何か違う気がする。少なくとも今はそう思えた。

 だから俺は、紗夜が満足するまで相手をすることを決めた。

 

「ふふっ……兄さん、大好きよ」

 

 そう言って微笑んだ紗夜は、既に自分の中での彼女への認識が異性に変わっていることを、俺に教えてくれるのだった。




以上紗夜編でした。
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