目醒めると……   作:希望光

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4本目です。どうぞ。


朝寒と華

「……ッ」

 

 体に走る寒気で目を覚ます。なんだ、異常に寒い。ゆっくりと上体を起こした俺は、寝ぼけ眼を擦りながら辺りを見渡す。

 

「……うそ?」

 

 直後、とあるものを見つけ眠気が吹き飛び、思考がクリアになっていく。

 

「え……使用済み?」

 

 俺が見つけたのは、口が縛ってある避妊具(ゴム)。しかも中には白濁の液体が。ていうかよく見ると、外側に血液が固まってるんだけど? 

 

「え……ええ……?」

 

 今更だけど、俺は服着てない。……そりゃ寒いわ。

 そして周りには使用済みのゴム。それも結構数がある様な……? つまりこれはあれかな、俺事後なのかな? そう理解した瞬間、俺は大きくため息を吐く。

 

「やっちまった……」

 

 俺はあれを捨てたってのに、どういう状況で捨てたのか憶えてない。1番やりたくなかったことだわ……。

 ていうか待て、もしそうならば今隣には誰か眠っているはず。誰だ、俺のせいでバージン(初めて)を失ったのは。

 そう思うが早いか。俺は布団をそっとめくっていた。するとそこには、規則正しい呼吸をする燐子の姿があった。

 

「え……燐子?」

 

 予想外の人物に驚く俺。燐子……なんで燐子? 

 あれ……というか昨晩……確かRoseliaの練習が終わった後……発表会のことで話したいって言われて……あ、じゃあここは燐子の家ですね。

 

「じゃあここは燐子の部屋……だよな。ピアノあるし」

 

 自己解決に至った俺だが、現状が打破できていないことを思い出し頭を抱える。すると、俺の手に何かが触れる。

 

「……?」

「おはよう……ございます……」

 

 振り向いた先には、布団の中から顔を出し優しく微笑む燐子が居た。

 

「ああ……おはよう」

「……どうか……しましたか?」

「いや……燐子に悪いことしたなと思って……」

 

 俺は嘘偽りなく伝える。……まさか、こんな形で初めてを奪うなんて。そんな俺の傍ら、俺の言葉を聞いた燐子は首を横に振る。

 

「そんなこと……ないです」

「え……?」

「私が……洸夜君と……シたいって……」

 

 そこまで行った燐子は、羞恥故か顔を赤らめ言葉が続かなくなってしまう。

 俺はそんな燐子が愛おしくて、布団に横たわると燐子の可憐な体躯を抱き寄せる。

 

「ごめん……恥ずかしいのに言わせて……」

「ううん……」

 

 首を横に振った燐子は、俺の胸に顔を埋める。

 

「洸夜君……良い匂い」

 

 ボソッと呟かれたその一言で、俺はドキリとする。オイオイ……そんなの反則だろ……。

 対する俺は、その気持ちを紛らわすため燐子の鮮やかな髪を撫でる。するとその意図に気づいたのか、顔を上げふふっと笑いながら燐子がこう尋ねてくる。

 

「シたく……なったんですか?」

「いや……それは……」

「隠さなくても良いんですよ……? 私もちょうど……そうでしたし」

 

 はあ……どうやら今日は、朝から疲れるみたいだ。そう思いながらも、俺はそっと燐子と唇を重ねるのだった。




以上燐子編でした。
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