なんやかんやで忙しくなかなか余裕を持てない日々でございます。
ありがたい話ですが……
ひとまず投稿は続けたいです。
感想などいただけますと幸いです。
オリヴィア・ドレトエン 160cm 88-57-86
欧州にある王国、ドレトエン王国の第二王女で次期女王候補。
幼い頃、日本に来た際に出会った少年を探している。
祖母は日本人のため、日本人とドレトエンのクォーター。
「一体どういうことですか?」
「どういうこと、とは?」
「だから、王女がなぜ護衛もなしに空から降ってくるんですか!?」
(
「そんなの私にわかるわけないじゃないですか?」
何を言ってるのと言いたげな眼でこちらを見る雪様。
その様子からも本当にわからないのだろう。雪様が絡んだドッキリなどではなさそうだ。
「気を失っていますね。一度、屋敷に運んだほうが良いのではないでしょうか? 雪様」
「そうですね。お父様からも連絡していただきましょう」
算段を考えた俺達は、王女の顔を全員で覗き込む。綺麗な長く透き通った髪。雪様にも負けない整った顔。花がある人であることが感じられる。
「ひとまず、行きましょうか」
「そうですね。行きましょう」
俺は2人に声をかけ、足早に屋敷へ向かった。
屋敷につき、抱えていた彼女を屋敷の一室へと運び、布団に寝かせ一息つく。後のことは花音に任せ部屋を出た。
「ふぅ……」
「疲れちゃいましたか?」
「流石に状況を把握しきれませんよ」
廊下には、雪様が立っていた。先ほどまで着ていた服とは違い、着物を身にまとっている。
「これから、稽古ですか?」
「その予定でしたが状況が状況なので、中止になりました」
ことの他、嬉しそうに話す雪様。その無邪気な笑顔に思わず、こちらも笑みがこぼれる。
「そんな嬉しそうにしないでくださいよ」
「毎日やっていると嫌になってしまうときもあるのですよ」
「……そうですか……」
今時は珍しいかもしれないが、俺達が住んでいるこの町は独立して自分達で町を存続させている。
あらゆる機関にも属さず、昔ながら形で町の複数の名家がこの町のすべてを取り仕切るというなんとも古風な形だ。
その中でも権限がトップレベルの存在がいる。
それが雪様の父、現出羽家当主である
そんな彼女のことだ。近くで彼女を見てきた俺は彼女の気苦労をよく知っている。どれだけ努力をしているかということも。
そんなことに思い巡らせ、そして、気になっていたことを一つ聞いてみる。
「雪様、一つ……よろしいでしょうか?」
「? なんですか?」
「あの子のことを詳しく教えて下さい。王女……とはどういうことですか?」
「私も数回あった程度ですけど……」
「彼女は欧州にある王国、ドレトエン王国の現王の次女で次期女王候補の王女、オリヴィア・ドレトエン王女です」
「次期女王候補……」
やはり、訳ありなのだろう。次期女王候補の一人がなぜここにいるのか……
「一度お父様について行ったパーティーでお話ししたくらいでそれ以上の面識はありません」
「次期女王候補がなぜ一人で……」
「さあ? さすがにそこまでは……」
「ですよね」
困った顔を浮かべる雪様。
「何度か日本には足を運んでいるようですよ? しかもお忍びで」
「そうなんですか?」
「ええ…前にあったパーティーで言っていました」
「なんでも人を探しているらしくて……」
「人ですか…そういえば彼女が起きたらどうやって話せばよいでしょうか? 英語は苦手なのですが……そもそも英語でいいのか?」
「あ、その点は大丈夫です。ドレトエン王女は日本語が堪能です」
「ならよかったです。なんせ外国の方と話すなんて人生で2回目くらいなので……」
「……ひとまず眼を覚ましたら、彼女の状況を把握するために聞いてみましょう」
「はい、それでいいと思います」
ドレトエン王女が眼を覚ましたのは、辺りがオレンジ色に変わり始めた頃だった。
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「……ここは……」
「お目覚めですか? どこかお体に痛いところ等はございませんか?」
しばらく経ち、王女様の眼が覚めた。想定よりも思わぬ緊張が走る。
「……大丈夫です……あのここは?」
やけに冷静な王女に驚きはするが、顔には出さないようにする。
「こちらは出羽家のお屋敷になります」
「そう……あなたは?」
「ご挨拶が遅れました。私は雪様の側仕えをしております
無礼があってはいけないと、つつがなく行動する私。
何か粗相があればそのしわ寄せは雪様に行ってしまう。
「あなたが私を助けてくれたの?」
「いえ……詳細に関してはのちほど……少々お待ちください」
「……わかったわ」
「それでは失礼いたします」
襖を閉め、王女から断絶されると少し緊張が解けた。
そのままの足で私は雪様たち王女が目覚めたことを報告しに行った。
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ドレトエン王女が眼を覚ましたことを聞いた俺、雪様は花音とともにドレトエン王女のもとへと向かった。
「失礼いたします」
雪様は座った状態から三度に分けて、丁寧に襖を開ける。何度見てもきれいな所作だ。
「ご無事そうで何よりでございます。体のお加減はいかがでしょうか?」
「大丈夫よ。ありがとう、雪と呼んでもいい?」
「構いません。お好きにお呼びください」
「助けてくれたのは、あなた?」
王女の目線は俺に向けられていた。
「私の側仕えの一人である
俺はゆっくりと頭を下げた。
「そんなにかしこまらなくてもいいわ。堅苦しいのは嫌いなの」
「他国の王女にそのようなことは……」
「私がいいと言ってるから問題はないわ! それに雪……あなたは、この町では姫みたいなものでしょう?」
雪様の体が一瞬だがビクッと跳ねる。しかし、すぐさま立て直し、何事もなかったかのように話し始めた。
「大袈裟でございます」
わざとらしく笑った彼女は顔は眼が笑っていなかった。
「まったく……鹿角君? だったよね。こっちに来て」
手招きをするドレトエン王女。俺は一度、雪様に顔を向ける。
彼女は、はぁとため息を一つ漏らし、頷く。
これは、従えというサインだ。
「承知いたしました」
俺は大人しく王女の近くへ行き、正座する。
「ありがとうね。私を助けてくれて下の名前はなんていうのかしら?」
……なぜ名前を聞く?
疑問に思いながらも大人しく答えることにする。
「
「え……へぇ~」
俺の名前を聞いた直後、彼女は一度驚いたような表情を浮かべるが、すぐに優しそうな笑みを浮かべる。
「とりあえず、ありがとうね」
「もったいないお言葉……え……」
頭を下げようとしたその時だった。
王女の顔は俺のすぐそばに近づく。次の瞬間には、彼女の唇が俺の唇触れていた。
「ちゅ」
「んんっ!?」
「え……」
「は?」
思わぬ行動に空気が凍り付く。
「これはご褒美よ!」
「待ってください!! 王女様! 何をやっているのですか?」
先ほどまでおしとやかだった雪様はすぐさま俺と王女の間に割って入る。
「だから言ってるじゃない? 堅苦しいのは嫌いだって」
「だから……何やってるんですか!?」
「あら? 私は感謝を修夜に伝えただけだけど?」
「修夜って! 何で呼び捨てなんですか!?」
「それは私の勝手でしょ?」
「わ、私だってまだ呼び捨てで呼んでないのに!?」
「雪様……そこが問題ではないでしょう! 落ちついてください!」
思わぬ行動に固まってしまう俺。
「おい、変態! 固まってないで反応しなさい!」
「痛った!?」
花音からの拳骨をくらい、やっと我に返る。
「はははっ! それがあなたの素なのね! 嫌いじゃないわ雪」
「はっ……ごほん! と、とりあえず、先ほどの件は置いておきます」
咳払いを一つし、一度立て直す雪様。
「なぜ、突然上から降ってきたのでしょうか? それに王女の護衛は?」
「護衛の眼をかいくぐってあの上の展望台に登ったの。あそこは私の思い出の場所だから!」
「……危ないことはお控えください。一国の王女ともあろう御方が……」
「あははっ……それで偶々下を見たら誰かが登ってきていたからもっと覗き込もうとしたら風が吹いてね」
「……落ちた……ということでしょうか?」
花音が首を傾げながら会話へ参加する。
「私もびっくりしちゃったわ」
「びっくりしちゃったわで済ませないでください!」
すぐさま突っ込む雪様。
思った以上に危機感ない王女だと思うが、口に出すのはもちろんやめておこう。
「で、そこを雪のお気に入りの修夜に助けてもらったわけね! なんだか嬉しいわ!」
「お気に入りってなんですか!? ち、違います!」
顔を真っ赤にして大きな声を出す雪様だが、あたふたしている。
雪様の調子を狂わすのが得意な王女だ。
「でも、雪にまた会えてよかったわ! どのパーティーか忘れたけど、その一度以来よね?」
「……よく覚えていらっしゃいますね」
「こんな魅力的で可愛い子を覚えていない人がいると思う?」
「……」
笑顔で話す王女とは対照的に反応に困る雪様。
やはり、雪様は王女のような立場から見ても魅力的らしい。こうなると雪様の認知度は俺の想定よりも高そうだ。
「そちらの護衛にはもう連絡してあります。すぐに迎えがきますよ」
「え~もっと知りたいわ~修夜のこと!」
「え……俺ですか?」
なぜ……こんなにグイグイくるんだ……
雪様のほうを見るとこちらを睨んでいる。
「何、鼻の下伸ばしてるのよ?」
花音も相変わらずだが、辛辣な言葉を投げてくる。
「大変みたいだね修夜も……そうだわ……修夜! 私の護衛になってよ!」
「は、はい?」
どうしてそうなったのか、王女は目を輝かせてこちらを見ている。
「王子様みたいに私を救ってくれたわ。そういう人が近くにいると安心ね!」
「な、なんでそうなるんですか!? 修夜君は私の従者です!」
「でも、修夜にだって選ぶ権利はあるわよ?」
「修夜君は私のものなんです! そういう契約なんですぅ!!!」
「落ち着いてください……雪様……」
あからさまに取り乱している雪様を頭に手をおき諭す花音。
「王女様……お言葉ですが、雪様の言う通り俺は雪様のものなので……」
「え、大丈夫? 脅されてない?」
「なんでそうなるんですか!?」
本人からの言葉を信じて欲しい……。
そんなやり取りをしていると、襖が開き、大人びた女性が現れる。
「失礼いたします。雪様。王女様の護衛の方がお見えになっております」
「そうですか、ありがとうございます。下がってもいいですよ」
「失礼いたします」
報告のみを済ませ、すぐさまいなくなった。
「王女様。護衛の方々がいらっしゃったみたいです。お時間ですよ」
「はぁ……時間みたいね。世話になったわね」
「あまり危ないことはお控えください」
「ふふっ、そうするわ」
また、王女は笑いながら護衛が待つ車に乗り込む。
「また、会いましょう?」
そう言って王女は、走り去っていった。
「……修夜君! デレデレし過ぎです!」
「な!? してませんよ!」
「してたわよ」
王女の車が帰るとまたもや二人からの総攻撃を食らう羽目になった。
「でも、雪様が他人に翻弄されているのは久しぶりですね」
「どうも苦手なんですよね……あの方は……」
「へえ……」
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王女の車内
「ふふふっ……やっと見つかったわ」
すぐにつかまってしまったと思ってたけど、思わぬ収穫があったわ。
「決めた……」
私は決めたわ……。
「ねえ、お父様に連絡して……私決めたって」