俺はポケモントレーナーのタロウ。ワカバタウン出身だ。10歳でポケモンリーグジョウト地方を制覇した。その後1年ごとに地方を制覇して、6地方を制覇した。そして5年前からロケット団として、活動していて、今は20歳だ。若い頃から、今も若いが、他の人よりずば抜けた才能を持っていて、天才だと言われてきた。だが、そんなことはない。俺は天才ではない。俺は‥‥‥転生者だ。
俺が初めてそのことに気付いたのは、物心ついた3歳くらいだったと思う。俺は初めて魚を見た、それが‥‥‥トサキントだった。あれは驚いた。家の近くの池に0.6m程の大きな魚がいたんだ。それがトサキントだった。その時の衝撃は思わず池の中にダイブしてしまうほどだった。だがその後溺れている俺を助けてくれたのが、トサキントだった。そのとき、ここは俺にとっての現実でこれはゲームの世界でないことを理解した。
俺は元々ポケモンをやっていた。作品は古い順に緑、赤、青、ピカチュウ、銀、金、クリスタル、ルビー、エメラルド、リーフグリーン、ダイヤモンド、プラチナ、ソウルシルバー、ブラック、ブラック2、オメガルビー、Y、までやっていた。だからこの世界に転生したことは俺にとってポケモンに驚きはしたが嬉しいことだった。なのでここで生きていくことに不満はない。
しかし‥‥‥この世界はどの世界なんだ?
ポケモンが出る作品はゲーム以外にアニメやマンガがあった。俺もアニメは子供の時には見ていたが、最近は見ていなかった。ただ、最近ネットニュースに主人公が22年にして、初のリーグ制覇という内容だった。マンガはよく知らないので判断方法は分からない。だからマンガは除外する。
もしこの世界がアニメ時空ならば‥‥‥俺は電撃に耐えられるのだろうか。いや、無理だ。十万ボルトとか絶対に無理だ。‥‥‥とりあえずそれは置いておこう。もしここがアニメ時空だとすると見分ける方法は‥‥‥アレか『よけろ』か。
アニメを見た時、『よけろ』で技を回避していた。もしこの世界がアニメ時空なら、『よけろ』を指示するはず。俺はとりあえずテレビを見まくって、ポケモンバトルを探した。
結論として、『よけろ』という言葉を言っていた。‥‥‥だけど、指示、という形ではなく、祈りみたいなものだった。俺も相手の攻撃に『外れろ!』って、祈っていた時のような感じだった。だから、アニメ時空かどうか判断は出来なかった。
後の判断方法は登場人物だけど‥‥‥誰で判断すればいい?大概の登場人物はアニメもゲームも同じだ。オーキド博士とか誰々博士では判断できない。‥‥‥そうだ、主人公だ。もしここがアニメ時空なら、サトシがいるはずだ。マサラタウンにいるはずだ。‥‥‥だけど、今の俺は3歳だ。その内探してみよう。
そう思っていると7年の時が流れた。今だ確認できず、旅に出た。旅の最中、この世界の事などどうでも良くなっていった。アニメでもゲームでもマンガでもなんでも、ポケモンがいて、俺がいて、そしてここに生きている。だからそんなことはどうでも良くなっていった。
そんな考えに至った俺はジョウト地方のワカバタウンを旅立ちの日に博士にポケモンを貰った。ヒノアラシ、チコリータ、ワニノコの3匹から1匹選べと言われた。俺は迷わずヒノアラシを選んだ。前世でもヒノアラシを選んでいたので、ここでもヒノアラシを選んだ。
そして旅の最中にあることに気付いた。‥‥‥タイプが減っていた。いや、正確に言うと昔、初代の時代に戻っていた。あく、はがね、フェアリーがなかった。いや、認知されていなかった。ジョウト地方で増えたあくとはがねタイプが、カロスで増えたフェアリータイプが知られていなかった。
俺は一つの予想を立てた。ここはアニメでもゲームでもマンガでもあるかも知れないが、時間が昔なんではないだろうか。後何年か後に発見されるかもしれない。だけど今は知られていない。もしかしたら、後々に発見されたタマゴなんかも知られていないのかも知れない。
だからと言って、俺が積極的に広めるわけにはいかない、いや広めることが出来ない、というのが正しい。俺にそんな信憑性がないからだ。だってまだ10歳の子供だ。だから俺が知っているからと言って広めることなどできなかった。まあ、無理に広めるつもりもなかったし、なんだか後ろめたかったけど、まあいいかと思っていた。
旅の最中にヒノアラシが進化しマグマラシになりバクフーンに進化した。そのときはやっぱり興奮した。それからもたくさんのポケモンを捕まえたりしていたけど、分かったことがあった。ゲームにあったパラメータを見ることは出来なかったけど、レベルが上がった、ということは何となくわかった。少し強くなったような気がする、という程度の何となくで分かった。それで俺は記録を取ることを始めた。ゲームの時には次のレベルまであといくつ、という情報が分かったがこの世界では分からなかった。なので、記録を取ってみることにしたけど、分かったのは数ではなく、相手の強さだと言うことが分かった。つまり相手のレベルによって、カウントしているという風に思えた。‥‥‥ゲームの中でレベル99がレベル2と戦ってもレベルの足しにならないことと同じだった。だから強い相手を探して戦っていくのにちょうどよかったのがジム巡りだった。
ジムリーダーは確かに手ごわかった。だけど、負けなかった。レベルを上げて殴るスタイルで挑んでいたけど、勝ち続けた。やはりレベル差は偉大だった。でもすぐにレベルが上がらなくなった。相手とのレベル差が広がっていったからだ。それで俺が思いついたのは仲間内で戦わせることだった。その方法は功を奏し、レベルが上がっていった。一番強いバクフーンに弱いポケモンを戦わせ、レベルを上げた。この世界では倒せなくても、強い相手と戦うという経験で強くなっていく。
結果として俺のやり方は強さを追求することにはなった。そのためジムリーダーにもレベル差で圧倒する結果になった。でもそれだけではこれからの戦いに対応できなくなると考え、相性も考えたパーティ構成を目指した。‥‥‥だけど、あまり意味がなかった。俺のポケモンがレベル70くらいになったとき、ジムリーダーは最高のポケモンでレベルは40くらいだった。初めてのポケモンリーグの決勝戦の相手が最後に出したカイリューがレベル50くらいだった。
それから、旅を続けた結果、最大でもレベル65くらいのポケモンしかいなかった。伝説ポケモンに出会ったけど、それはレベル70くらいがいた。だけど‥‥‥俺のバクフーンは当時レベル100になっていた。他の手持ちポケモンもレベル80以上だった。そしてバクフーンがレベル100に達したとき‥‥‥戦う意味が分からなくなった。もうこれ以上、バクフーンは強くならない。そう思った時、俺の旅は終わった気がした。
そのあと、俺はこれ以上のジム戦もチャンピオン戦を行う意義が見いだせず、表舞台から引退した。
ちょうどそんな時、俺に声を掛けてきたのが、サカキさんだった。俺が次の目的が見いだせなかったときにロケット団に誘われた。当時は目的がなく、何をしようか考えていた。ロケット団はゲームでの悪役だったけど、サカキさんは好きなキャラだった。カッコいいと言う表現が合っていた。だから話だけは聞いてみるつもりだった。話を聞いた結果、給料はいいし、最高幹部という役職も貰える、特に悪いところはなかった‥‥‥だけどそのために危ない橋を渡るつもりはなかった。だけどある部門を見た時、考えが変わった。ポケモン生産部、当初は人工ポケモンを作ろうとしていたようだ。その結果がミュウツーになるようだ。だけど俺にはある一つを聞いてみた。ポケモンはどうやって生まれるのか?、と。するとサカキさんは知らない、そういった。
その時、俺は思い出した。ゲームにはあって、現在ないものがある。そう‥‥タマゴだ。ポケモンはタマゴで生まれると言う事を誰も知らなかったのだ。
そうだ、俺にはこの世界にはない知識がある。ゲームの知識がある。それならもしかしたら、ポケモンのタマゴを見つける事が出来るんではないのだろうか。
これまで色んな地方を旅してきたが、ポケモンのタマゴが発見されたことはない。育て屋というものは存在している。だが俺は利用したことはない。人に育てさせて技を消されるのを嫌ったからだ。
転生する前の初ポケモンゲーム『緑』において技を消されたからだ。初めて育て屋がでてきたとき、試しにヒトカゲを預けてみたら、レベルが上がったらしく、帰ってきたら『ひのこ』が消えていた。レベルが上がったときに古い技を消されることを知らなかった。その結果、『にらみつける』『いかり』『がまん』『メガトンパンチ』というタイプ一致攻撃方法のないヒトカゲが完成してしまった。
あのときのイヤな思い出があるので、ゲームの旅パには育て屋を使うことは決してなかった。
まあ、そんなイヤな記憶は遠い彼方に放り投げ、今一度状況を整理して考えてみると、条件は非常にいい。俺個人では無理でも、サカキさんのロケット団がバックに付けば、それだけで成功の見込みはぐっと上がる。それに俺の試みは決して出来ない、というわけではなく、必ず出来る、と確信できる分野だ。
前世でそこまで廃人ゲーマーだった訳ではない。だが、この世界においては俺の知識以上のものを持っている人はいない‥‥と思う。もしかしたら、廃人ゲーマーやポケモンバトルレーティング上位ランカーが転生しているかも知れないが、まあ、それはそれでいいだろう。
俺が目指すのは相棒であるバクフーンを限界(レベル100)のその先へ至ることだ。そこまで強くなれることが確認できれば、さして未練はない。
それにポケモン生産部が軌道に乗って、もし万一主人公に廃人ゲーマーが憑依したとしても、6Vの性格一致ポケモンを安定供給できることが分かれば、俺は助けてもらえるかもしれない。
そんな後ろ向きな考えもありつつ、サカキさんの誘いを受けた。
まあ、サカキさんの誘いを受けてロケット団に入ったのは、バクフーンの事だけでなく、俺の肩書にも影響がある。
俺は‥‥‥‥『たんぱんこぞう』だ。チャンピオンになっても、『たんぱんこぞう』だ。これがまだ年齢が12歳までの小学生くらいまでなら許そう。だがな、中学生(13歳以上)になっても、『たんぱんこぞう』はないだろう。それでも我慢したさ、折角のポケモンの世界だ。だがな‥‥‥‥高校生(16歳以上)になっても『たんぱんこぞう』は無理だった。ビキニのおねえさんとか、エリートトレーナーのおねえさんとか、エロいおねえさんがいるんだ。折角だからお近づきになりたいんだが、『たんぱんこぞう』ではな‥‥‥‥
あ、後ついでにポケモンの世界だと平気で寒いところに行くんだ、シロガネ山とか、そういうところでも『たんぱんこぞう』だと、『たんぱん』だ。山男さんに山をなめるな、と怒られた。仕方がないじゃないですか、だって俺は『たんぱんこぞう』ですよ。『たんぱん』がユニフォームですよ‥‥‥‥俺だって、いい加減長ズボンが履きたいよ。
だがこれで漸く、たんぱんこぞうを卒業できる。ロケット団したっぱでも、上下は長袖長ズボンだ。これで雪山でも寒くない。
それもロケット団に入る理由の一つだ。