fate/銀時も行くオーダー   作:ひとりのリク

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新人だからこそ真っ直ぐに

「えぇ、分かりました。ドンレミ跡地に現れたアサシンは後で処理しておきましょう。

もう下がっていいわよ。邪魔者の監視を継続しなさい」

 

閉じ込めた怒気の底から、クツクツと煮える音を漏らして女性が息を吐く。すでに沸点は超えていた。それでも上がり足りないと訴える瞳に、影は宙に溶けることで頷いた。

入れ替わるように大広間へと入ってくる足音に、怒りの上昇が止まる。

 

「やはり、サーヴァントが複数召喚されているようですな。面倒ごとになる前に、一気に叩いてしまいますか、ジャンヌよ」

「それなら大丈夫よ、ジル。各方面、私たちの敵は粗方見つけ出しているもの。

間も無く私の復讐が終わる。ここで横やりなんて絶対に許さないから……」

 

怒りを吐きながら、歯軋りに呼応して怨嗟が炎となり腕に滲む。己を焼かず、障害物に苦痛を分け与えるもの。世の理不尽を粛清するための感情を見て、ジルと呼ばれた男は微笑んだ。

 

「これは頼もしい限り。我が友、()()()()()()が感動のあまり身を歪めてしまったのも肯けます」

「…あの()()、本当に信用出来るわけ?

私にはゴミサーヴァントにしか見えないのだけれど」

「これは手厳しい。ですが、彼は異形を愛し、異常に嫌われる者。その証拠に、ファヴニールと相対して死なずに済んでおります」

「………いいでしょう、あの気持ち悪い生き物は任せます。この戦争を続けるために上手く活用してみせなさい」

 

悪を敷く悪に忠誠を示しながら、深く頷いた。

 

オルレアンに巣食う脅威が笑う。

日が経つごとに増す精度。前線に立ち、母国を焼き払う聖女を見守る。だが、精神的成長は既に行き詰まりつつあった。多くのことが片付き、残すものは僅かな世界。慎重に魂を選定しなければならないと、今宵の月を想いながら次の手に移った。

 

 

 

 

 

 

 

 

暖かい日差しを浴びて、そのまま意識が休んでしまいそうなほど微睡んだとき。吹き抜ける風の匂いが日本のものとは思えず、興味に駆られて暖かい世界を求めた。

 

「うわぁ…!」

 

目蓋を上げて、目一杯に映る緑の大地に感動のあまり言葉が出ない。腕をぶんぶんと上下させて、なんとか言語化できないかと脳内を探る。しかし、どこまでも駆け抜けていけそうな世界を瞳で楽しむことしか考えられない。

 

いますぐ寝転がりたい。

人間として寝転がらなければ失礼というもの…。

いざ────!

 

「こりゃあ天晴れだな。外国の宇宙(ソラ)ってのは」

「えっ」

 

踏み出そうとした足を止める。

気づけば横に立っていた銀時。ボケーっと見上げるものだから、釣られて視線を向ける。外国の空がどんなに透き通っているのか、それも楽しみで見上げたものだから面食らってしまう。

 

「あれは…輪っか?」

 

浮かれた気分を一瞬で叩き潰す異変が空にあった。

 

青空一面を覆い尽くさんとする円環。

地球を見下ろし、地上を監視するように巨大な輪が手の届かない場所に刻まれていた。

何故だか分からないけど、アレを恐ろしいと思った。人類の…いや、世界の敵と言えるくらいには。

 

「なあマシュ、フランスってのはソラも洒落たことしてんの?もしかして時空の裂け目とかだったりする?

「………わ、わかりません。あのような輪っか、地球のどこにも存在しません。過去、空にあのようなものを観測したという記録はどこにも乗っていないはずです」

「過去に来たという点で見れば似ているな」

 

別世界で生きてきたマシュでも分からない代物。

だから、良くないものなんだろう。そう考えていると、風景に似合わない電子音が鳴る。

 

『やーっと繋がった!皆んな、無事かい?………って、皆んなして空を見上げてどうしたの』

 

「ドクター、空を見てください」

 

ロマニが通信を繋げてくれた。

早速で悪いけど、空に浮かぶ円環について見てもらった。安否ならこっちで済ませているから。

 

『空?………なんだこれ、光の輪!?

人理焼却と関係があるかもしれない。あれの解析は僕たちでやっておく、皆んなは現地の調査に専念してくれ』

 

「了解です」

 

モニターの向こうで慌ただしさが二割増しになる。

こちらでは両拳を握り、小さく意気込んだマシュ。

 

「ここからは忙しくなります。まずは拠点を確保したいところですが…」

「まあ、取り敢えずさ」

「銀時、なにか気になることがありましたか?」

 

細かい打ち合わせは済ませているので、マシュが指揮をしようとしたとき。銀時は足元を見ながら最初の行動を提案した。

 

「こいつに聞いてみね?」

 

ひょいと右腕で持ち上げたのは、完全に伸びている鎧を着た男性だった。

 

「えぇっ!?いつから居たのこの人!?」

「す、すまない…じつは全員踏んでいるんだが、言い出すタイミングが掴めなかったんだ」

「うそっ!?うわほんとだ、ごめんなさい!?」

 

4人の下敷きとなった4人の現地民。マシュの下敷きとなった男性だけは幸せそうな顔をしている。

 

「こ、ここは……俺たち、変な光に包まれて…」

「あー、あれだ。なんか変な化け物に襲われてたから助けたんだよ」

 

欠伸をかきながら、とてもではないが化け物を撃退したあとの雰囲気ではない銀時が嘘を吐いた。

 

(やばいですよ銀さん。バレたら殺されちゃいます!)

 

素直に謝る派閥の立香は額に大量の汗を流す。嘘を貫くか、そもそも貫けるのか自信のない表情を浮かべてしまう。頭を回し始めた現地民の視線が向いたとき、マシュが大盾を出して顔を隠してくれる。

 

「そうだったのか、ありがとう。きっとそいつらはワイバーンだ。やつらのせいで俺たちは戦争どころじゃなくなったよ…」

「え、なにそれ、どんなファンタジー?」

「もしかして、ワイバーンを知らないのか?

よく見ればその服装、ここらじゃ見ないな…」

 

(やばっ!もうだめだっ!)

(い、いざとなれば私が盾になります!安心して私の後ろに隠れてください!)

 

「あんたら旅の途中か!なら尚のこといまのフランスを知っておくといい。命の恩人をみすみす死なせるわけにもいかんからな!」

 

人懐っこい笑みで銀時の背中を叩く男性。

 

(笑顔が眩しい…!)

(すまない…マスターの嘘が立香の良心を痛めてしまって本当にすまない)

 

違うんです、レイシフトした先にたまたま居た貴方たちを下敷きにしてしまったんです。

そんなことを言い出せる雰囲気でもなく。開幕、こちらのマッチポンプで現地民と仲良くなったことは旅の終わりまで忘れることはないと思うのだった。

 

 

───

 

──

 

 

 

「火刑後に蘇ったジャンヌ・ダルク、彼女が操る無数の竜……。そして、巨大な竜によって壊滅させられた街、ドン・レミ。

うん、歴史に詳しくない俺でも異常事態だって分かる」

「ワイバーンは幻想種…空想上の生き物です。まさか、骸骨のような敵性生物がここにもいたなんて」

 

仕事に戻るフランス兵と別れ、立香たちは街の近くの木に腰を下ろしていた。立ちションに行った銀時を除いて。

 

『もー、緊張感がないなあ』

 

「アンタにゃ言われたくない」

「あ、お帰り」

 

欠伸とともに銀時が座る。

話し合いの結論を求めてきたところから、そもそも面倒でサボっていた説が濃厚となっていた。

 

(くだん)のジャンヌ・ダルクが特異点の原因なのは明らかだ。この時代にいないワイバーンを召喚してるから、聖杯を持っていると見ていい。

近くの街で情報を集めてくれ』

 

適当に返事をした銀時は、ジークの横に座る。

 

「どうしたジーク、疲れたか?」

 

兵士の話を聞いてから、ジークの顔色が悪くなっている。どう聞いたものか全員が悩んでるところにズバッと切り込んだ。

 

「…俺は信じられない。ジャンヌ・ダルクが惨殺を繰り返しているのは、なにかの間違いだと思う。…すまない、根拠を提示しろと言われたら」

「自分なりの根拠があるんだろ。アイ○ーやら全体攻撃なんてあるんだ、俺は否定なんてしねーさ」

 

この1週間、ジークとは少なくないコミュニケーションを取ってきた。彼に限らず、銀時やカルデアの職員全員が新入りの立香、銀時、ジークと接し、意志の確認をしている。

他人を思いやり、和を協調する。そんなジークが真剣に言うのだ、銀時の意見に立香とマシュは頷く。

 

「あぁ…ああ!彼女は頭の固いところがあるけど、誰よりも人を愛している女性だ。だから、可能なら話をしたい」

「ジーク、先ずはアイ○ーを否定しないとペット扱いになるよ」

 

ともすれば、珍しく積極的に意見を主張するジークに思うことは1つくらいだろう。

 

「もしかして、ジャンヌ・ダルクと会ったことがあるのですか?」

「じつは聖杯戦争に参加したことがある。そこで裁定者(ルーラー)の彼女と出逢い、旅をしたんだ」

「えぇ!?それは初耳!」

「お、驚きました。まさかジークさんが私たちの大先輩だったとは!」

 

『考えてみれば、ジーク君の生い立ちは詳しく聞いていなかったね』

『それにしても驚いた。ファヴニールになった経緯、珍しい魔術にばかり気を囚われていたよ。上手いこと触れてない過去があると思っていたが…』

 

「特殊な事例だから、あまり詳しく話すと混乱すると思ったんだ。隠していたこと、本当にすまない」

「まーまー、いいじゃねえか。これで話が色々進むわけだし。なら、尚のこと実物を見ないとな」

「あぁ、ありがとう…。気が楽になったよ」

 

会話をしながら、飲み物でも手に取るように木刀を抜いて。

 

「え…?」

 

背後に振り抜いていた。振り終えて一秒、誰も銀時の行動を理解するに至らない。突然の奇行、空振りした場所を見てもやはり影1つない。

 

「マ、マスター?」

 

自分の話に問題があったのかとオロオロするジーク。しかし銀時の視線は向こうを見つめたまま応えない。二秒経ち、全員が漸くソレに気がついた。

 

「人…?」

 

原っぱの上に人が立っている。フランスではまず見ない和服、全体的に目立たない暗い出で立ちの男がいた。見たら居たという、脳が混乱してしまう現象に銀時はいち早く気付いていたのだ。

 

「てめー…!」

「…………ふ」

 

理解を追い越して、和服の男と銀時が刃を握る。

男が取り出したものはクナイ。忍者が扱う両刃武器として有名だ。先程の気配のなさ、日本人という点から彼は忍びのサーヴァントなのだろうか。

 

「マシュ、手伝おう!」

「はいっ!」

 

考えても仕方ない。相手の意図が分からないなら、味方を守ることに専念するんだと立香たちが動いたとき。

飛び上がった男の行動に度肝を抜かれてしまった。

宙返りする間に撒かれるクナイの雨。無作為に地面に散らばるそれの数は、常人が手から繰り出せる数ではない。

 

「多すぎないか!?」

「気をつけろ、今ので糸を張りやがった!」

 

駆けつけようとした全員の足が止まる。

銀時の言葉を聞いても、立香の目には糸がどこにあるのかまるで見えない。だが、マシュとジークは気付いて周囲の糸を切った。

 

「本当だ、こんなに細い糸があるのか?」

「か、髪の毛よりも細いです。それに強度は鎖の比じゃありません」

 

『皆んな気をつけろ!いきなりサーヴァントの反応が現れた!って、銀時君が戦ってるのか!?』

 

遅れた通信によって、相手がサーヴァントだと確定した。つまり、銀時は生身で戦っていることになる。この事実は周知だ。フランスにレイシフトするまで、戦闘シミュレーションにより銀時はマシュ、ジークと戦ってきた。魔術抜きなら銀時に軍配が上がるほどの実力。それでも。

 

『ここで死ねば本当に死ぬ。銀時君が実力者でも、魔術にまでは対抗できない。皆んな、急いで援護するんだ!』

 

和服の男と互角に打ち合う銀時だが、魔術や宝具1つで呆気なくひっくり返る。

 

「マシュ、立香を頼んだ」

「分かりました!」

 

多すぎる糸の壁をジークの魔術で地面ごと崩す。

 

「ほう、あんなことが出来るか。忍の術が霞んで見えるな」

「遮蔽物もないとこに糸を張り巡らせるやつに言われたくねえよ」

「単純なこと。糸を張るための糸を立てればいい」

 

銀時の木刀を躱しながら笑う男。デタラメな方法を口にしながら、真横から跳んできたマシュを宙を蹴り、方向転換して回避する。

 

「空間を蹴った!?」

「そんなふうに糸を使えるのか」

 

マシュの追撃を躱した男は距離を置いて着地する。

 

「無事か、マスター」

「あぁ、傷1つねえよ。それより気をつけろ、ヤツは接近戦も強い」

「承知した。いまの失態を取り戻してみせる」

 

銀時に合流し、全員が再び刃を構えたとき。

 

「ま、待って!待ってください!

私たちは危害を加えるつもりはありません!」

 

ザッ、と。男の奥から1人の女性が飛び出してきた。被っていたボロのフードが脱げて、金髪で端正な顔が現れる。

 

『いつの間にかもう一騎!?』

 

ロマニが素っ頓狂な声を上げた。

探知機能の無能っぷりを晒していたところに、ジークが剣を下ろして呟く。

 

「ジャンヌ…!」

「えっ、この人が…?」

 

ジーク表情は親しい者に向けるものだ。見間違いではないと分かり、次なる問題に移る必要が……。

 

(いや、その必要はないんじゃないか?)

 

立香、マシュ、銀時は瞬時に同じ結論に至る。

竜の魔女、ドン・レミを壊した復讐者なら、ジークが1番に違和感に気付いている。本物のジャンヌか、フランスを恐怖に陥す魔女か。

 

「なぜ止める。お前さんの名を知ってる相手だ、竜の魔女の手下やもしれんぞ」

「もし手下であれば、先ほどのフランス兵たちは街に帰っていなかったでしょう。大丈夫、私を信じてください。

皆さん、どうか私たちを信じて話を聞いてくれませんか」

 

だからマシュと立香は警戒心を緩めていた。

前に出る銀時を除いて。

 

「アンタのことは信じるよ。ジークが保証人だ。けど、後ろのソイツは別だ。どうして死んだお前がいる、地雷亜」

「銀時、貴方の言葉が答えですよ。生前の知人のようで驚くでしょうが、彼は死後に英霊としてオルレアンに召喚されたのです」

 

睨み合う2人に割って入るジャンヌ。

 

「………英霊ってのは、暗殺者も成れるもんなのか?」

「歴史に残る偉業、大事件を残せばあり得ます。自然の大災害ですらも英霊になるケースもあるのだとか」

 

渋々と木刀を下ろす銀時。

警戒心を解かない様子を見て、ジャンヌは2人の関係が敵同士のものだと理解する。

 

「地雷亜、生前になにをしでたしたのですか」

「……詳しいことはあとで話そう。いまは時間がない。ジャンヌ、奴らの目的地はヴォークルール。じきに巨竜と4騎のサーヴァントを引き連れて竜の魔女が来る」

「っ…!よくぞ伝えてくれました。私は直ぐに避難誘導を行います。皆さんは隠れていてください。地雷亜、手伝ってくれますか?」

「承知した」

 

銀時の話を終わらせた地雷亜の言葉。

ヴォークルール、巨竜、竜の魔女。こんなにも欲しい情報が目の前に転がっているのだ、立香は反射的に聞いていた。

 

「待ってください!竜の魔女が来るんですか?どこに!?」

「分かりやすく言うとな、あの街が今から竜の魔女に焼き払われる。ここで大人しくしておけ。ということだ」

 

ついさっき親切にオルレアンの現状を教えてくれた兵士たちがいる街。彼らの優しさを知っただけで、立香には助けに行く理由になる。

 

『待つんだ、彼の言う方角に探知をかけた。結果、相手はサーヴァント5騎に加えて謎の巨大飛行物体を確認した』

『聖女ジャンヌ・ダルク、それに地雷亜と言いましたね。お気持ちはお察ししますが、どうか此処は逃げてください』

 

「でも、街の人たちが死んでしまいます!」

 

『マシュ、気持ちは分かる。だけど君たちが死ねば、70億の生命だけでなく、歴史が消えるんだ。特異点を修復すれば、この犠牲も無かったことにできる』

『レオナルドの言い方は尖っているが、これも事実だ。どうか堪えてほしい』

 

街1つと全人類史。天秤で測ればどちらが重いかはハッキリしている。立香、マシュには5騎のサーヴァントと巨竜を相手に生きて帰る保証がどこにもない。機を見計らい、特異点の原因究明に力を注ぐのは当然の意見だ。

 

「それは…」

 

特異点冬木では逃げる場所が無かったから賭けのような攻勢に出た。今回はどうだ、逃げる時間がある。早まって全員の命を危険に晒す必要があるのか。立香は抱えた重責から即答できず、それでも諦めたくないと唸っていたとき。

 

「ご忠告感謝します。ですが、私が目を背けては止められない。無論、助力は乞いません。ここが戦場である限り、命の保証は誰にも出来ませんから」

 

断言したジャンヌが、もう語ることはないと駆け出していった。地雷亜も無言で付いていく。

駆け抜ける聖女の背中に、思わず見惚れてしまうほど。彼女の真っ直ぐな生き様に口が勝手に動いていた。

 

「俺たちも行こう」

 

言ってから口を抑える。

冷や汗を流しながら後ろを伺うと。

 

「立香、俺も同意見だ」

「決まりだな」

「はいっ!」

 

ぽんと頭を撫でられ、銀時たちが一斉に歩き出していた。

全員、間違っていることは承知だ。

 

『ちょ、待った待った!立香くん、それにマシュは戦闘慣れしていない。相手の戦力も分からないが、巨大飛行物体はドン・レミを焼き払った巨大な竜という。危険すぎる、経験を積む前に死んでしまうよ!?』

 

「ドクター、すみません。ここで逃げたら後悔すると思うんです。戦力を知らないから、この目で確かめないと分からない」

「私も同意見です。仮に死んだことが無かったことになっても、見捨てた事実は消えません」

「まあ任せとけって。それに女が戦うってんのに野郎が逃げてちゃ格好つかねえや」

「ドクター、立香の勇気を無駄にしたくないんだ」

 

ただ、彼らには人として捨てるものの分別がハッキリとある。魔術師では信じられないものを拾い、手遅れだからと独りにしないバカたち。

人情で動ける銀時を見ながら、立香は大きく前進していく。

 

『ひぃっ!どど、どうしよう!?ととと、取り敢えずマギ☆マリにメールだ』

 

ロマニ・アーキマン

宛先:マギ☆マリ

件名:助けてください。

【僕の部下が敵のボスと巨竜の前に飛び出していきました。どうすればいいでしょうか】

 

マギ☆マリ

宛先:ロマニ・アーキマン

件名:Re 助けてください

【胸を張って見送れ無能。ジャンヌが死んだら特異点修復が遠退くだろ☆ボ↘︎ケ↗︎

つーか仕事中にこっちにメールするなo(^-^)o】

 

『めちゃくちゃ罵倒された!?僕を癒してくれるように設定したはずなのに!?』

『あちゃー、ロマニのPC内蔵データからこっちがご褒美だと勘違いされちゃったかー』

 

カルデア内でのロマニの株が急降下する音を聞きながら、一行はジャンヌたちのあとを追うのだった。

 

 

 

 

 

 

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