fate/銀時も行くオーダー   作:ひとりのリク

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人理焼却<腹痛と眠気

 

「いや、まじでどこォォォォ!?」

 

銀髪の男が絶叫、藤丸不安に駆られる。

おさらい以上。

 

寝袋から出てきた男の容姿は現代的とは言えない。

上下黒色の服装に、青雲模様のある着物を右腕だけ通している。銀髪の天然パーマ、独特の感情を宿す腐った瞳。そして、ひっそりと目立つのは彼の腰に携えた木刀。着物の雰囲気漂う服装で、過去から来た人かとも想像するが……木刀を携える侍なんていたのだろうか。

 

「おい嬢ちゃんここどこ?どこなの!?」

「カルデアです」

「フォウ」

「いやカルデアってどこだよ!?」

「マシュ、カルデアって俺もよく分かんなくて」

 

ともあれ、カルデアの存在を貫き通そうとする姿勢のマシュに柔らかに説明をしてもらうしかない。狼狽まくる彼を見ていたらこっちが落ち着いてきた。いい歳した大人が騒ぐ姿はある意味ためになる。

 

不審者を視界の外にしてマシュと話をしようと視線を向けたとき。

 

「こらこら、廊下で叫び声を上げるものじゃないよ。ワンパクな人はすでにいるからね、これ以上廊下から閑静さを奪わないでほしい」

 

廊下の奥から歩いてきた長身の男によって遮られた。

 

「賑やかな場所にキミがいるのは珍しいね、マシュ。ふむ、彼らは見慣れないが顔に覚えはある」

「はい、レフ教授。お二人は一般候補生。恐らくは本日最後の入館者です。そして、お二人とも廊下で睡眠をとられていたので起こしていたところです」

 

大雑把に緑色の男は、緑色のシルクハットを被り、長い茶髪が似合っていた。黒い瞳で銀髪の男と自分を見比べると、にこりと笑ってみせる。

 

「あぁ、どおりで寝癖があるわけだ。。

坂田 銀時、それに藤丸 立香。二人は一般候補生だったね。はは、寝ちゃってたか。それはシミュレートを受けた影響だろう。意識が覚醒しないままゲートから出たせいで、一種の夢遊状態になっていたわけだ」

「いやいや、その説明で俺がここにいる理由は解決しねえよ!」

「俺もここに来るまでの記憶がないんですけど?」

 

緑色の男から出た名前で、銀髪の男が坂田 銀時という名前と知る。銀時も彼に食らいつき、現状の説明を求める。

 

「そうか、カルデア人事部門の交渉は記憶にすら残らない鮮やかな手口だったか!」

「ただの誘拐じゃねえか!?」

 

銀時の声を聞いてレフは「む!」とわざとらしく言い放ちシルクハットを指で弾いた。

 

「これ以上の長話はいけない。もうすぐ所長のご挨拶が始まる。ボイコットしようものならあとが怖い。この廊下を真っ直ぐに行けば着くから、その話はあとだ」

「おい話をはぐらかすな!」

「レイシフト?マスター?いきなり呪文唱えられても覚えられないので一時停止できますか?」

 

立香と銀時のことはお構いなしに話を進める。

 

「これでも忙しい身でね。ちなみに、今日の晩ご飯はハンバーグだ」

「「晩飯の下準備する気じゃねーか!」」

 

レフの話の締め方に抗議の声を上げているとマシュが彼を庇った。

 

「あの、先輩たち!レフ教授もお忙しいと思いますし、そろそろ所長の挨拶も始まります!私がご案内します、急ぎましょう」

「ちょちょ、背中押すな。分かった、分かったから!」

「晩ご飯、お邪魔しますね」

 

二人の背中を押してマシュはそそくさと歩き始める。

 

 

───

 

──

 

 

 

会議室と思わしき場所に案内されて、二人は静かになかに入る。

が、それは余りにも遅く呵責な謙遜だった。

 

「チッ」

 

入室一番、モニターの前に立つ壮麗な女性が舌打ちで藤丸たちに精神的ダメージを与える。

席に着く人たちの大半は我知らず、と藤丸たちを見る素振りもない。だが、金髪の男は興味津々と目を見開き、凝視していた。

 

藤丸と銀時は視線を交差させ、各々が日本人としての誇りを胸に。即座に危機的状況を脱却すべく行動する。

 

「は、腹が痛いんでトイレ、どこすか?」

 

銀時は腹痛を訴え、ゴロゴロと雷鳴の如く腸を鳴らす。

 

「貴方、もう戻ってこなくて結構よ」

 

白髪の女性は頬に青筋を立てる。

魔術回路のように張り巡る青筋に、金髪の男は「ほぅ…」と感慨深げに呟いた。

 

次に藤丸である。

彼の行動は、銀時の腹痛によって音が掻き消されてしまい、銀時の後手に回っていた。

 

「ズピ〜」

「先輩、立って寝るとお身体に悪いですよ」

 

立ち寝。

直立不動による脳の休息を選択。

 

「貴方も!せめて座って寝なさい!」

 

白髪の女性、これに対して助走をつけ、傍聴席を飛び越えて藤丸に飛び蹴りをかます。

せめて横にしてあげようという慈悲だ。

 

「いぎゃあ!?」

「せんぱい!?」

 

藤丸の顔面に乗り上げた女性は、そのままサーフィンのように藤丸を下に轢いて廊下に飛び出した。

その横で銀時は腹を鳴らす。

 

「なんなの、47番に48番!本番前の緊張が足りなさすぎる!入室して3秒で退出希望と居眠りってあり得ないでしょう!?

魔術師以前、社会人としての自覚が足りないわ!!」

「え、これって就活なの?いまから企業説明会?」

「」

「終活よ!人類の終わりを回避するための活動‼︎」

 

銀時に言い放ちながら踏み出す。

その足が藤丸の腹に減り込み、断末魔の末に藤丸は意識を手放す。

 

「47番と48番、アナタたち一般候補生の手は必要ありません。今すぐに自室へと戻るなり、トイレで履歴書を破るなりしていなさい」

「………そーかい、邪魔して悪かったな」

 

ズカズカと歩く女性の足が藤丸の身体を降りる瞬間、男性の社会の窓を押し割ったことを銀時とマシュだけが目撃する。

その悲惨さを悟った視線、あまりにも痛々しい。

 

「」

「先輩の先輩が…!」

 

男性でないマシュでも、その機能がどれくらい大切なのかは知っている。カルデア職員はマシュにそういった知識を最低限しか与えていないが、マシュの学習能力は半端ではない。生命の誕生、育みかたはカルデアベースに秘密裏に侵入し、習得済みである。

 

ゆえに慌てる。

あわあわと藤丸を担ぎ、猛ダッシュでその場を離れるマシュ。

 

銀時も彼女に続き、腹を沈めるために会議室を出る。

 

「いい、ここに来たマスター候補生!あなた達は選ばれたの、特異点修復を成す道具として。そこに自由意志は許さない、失敗なんてもってのほか。

歴史ある魔術師たち、死ぬ気で人理の礎となりなさい」

 

ドアが閉まる直後、オルガマリーの冷酷な言葉が銀時の耳に残っていた。

 

 

 

 

 







皆さん、ひとつ謝ります。
1話目、間違えて予約投稿しちゃったのでストックゼロでーす。
本当は来年の7/26に投稿するつもりでした。
なので、いまから書きまーす!


自分、話を勢いよく書き進めることが苦手なので、この作品はテンポ良く書けたらいいなと思ってました。そんな意味も込めて、ドタバタ書き上げるのもありかな?笑

最後に!
ここすきボタン、皆さんにヒットするものがあればよろしくお願いします!


レフのセリフ。
今夜の晩ご飯はハンバーグ(なお具材)

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