転生したらノイトラだった件   作:依怙地

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Disastro

黒炎のドームがオークの軍勢を包み込み焼き殺す。

 

 「だからどけと言ったろう。」

 

 「キ、キサマら何者だァ!!」

 

 同胞を焼き殺されたオークの戦士の一人がそれを為した赤髪の男とその後ろに控える四人に激昂する。

 

 「覚えてないのか?ひどいな里を食い散らかしてくれたじゃないか。」

 

 「その角!まさかオーガか!!」

 

 額に生える角から数日前に蹂躙したオーガだと推測する。

 

 「どうかな?今は少し違うかもしれんぞ。」

 

 「いよいよですな!」

 

 「この機会を与えて下さったリムル様に感謝します。」

 

 「テメエら全員ぶった斬ってやるよォ!!」

 

 「もう一度言う。道を開けろ豚ども灰すら残さず消えたくなければなァ!」

 

 手から黒炎を放つベニマル。

 

 「これが俺たちの新たなる門出。」

 

 その炎はオーク達を蹂躙する。

 

 「リムル様の華々しい勝ち戦の…。」

 

 一刀にて数十のオークの首を跳ねるハクロウ。

 

 「先ずは最初の一戦目!ですね。」

 

 その剛力でオークの集団を纏めて蹴散らすシオン。

 

 「テメエらのボスはどこだァ!?」

 

 オークを切りながら一人前進するキトラ。無論オークもただで通らせるつもりはない、だが止まらないオークの剣、槍、拳はそのどれもがキトラの魔力装甲を突破するに至らずその前進を遮る事すら出来ない。キトラの前に立ちはだかった者達は皆その三日月のような大鎌で命を刈り取られていた。

 

 「チッ、相変わらず斬ったそばから湧いてきやがる。」

 

 斬ったオークが数千を超えるころキトラは気付く。オーク全体の動きが変わったことに。それは、まるで何かを守るかのような陣形の動きに。

 

 「そこかァ!」

 

 ある方向を見つめて叫ぶキトラ。

 

 「どけ豚どもがァ!」

 

 オークの防御陣形など意にも介さず、フルプレートの鉄の鎧、強固な盾がなんのその。その一切を切り伏せるキトラ。

 

 そうするうちに辿り着く。

 

 明らかに他のオーク達とは違う鎧を付けキトラに劣らぬぬ程の覇気を纏うオーク、黒い外套を身に纏いこちらも負けず劣らずの力を感じさせるオーク。

 

 そしてそれら二人のオークを従わせる巨大なオークロード。

 

 「テメエがオークロードだよなァ!」

 

 数えることすら容易ではないほどオークを斬った大鎌を振りかぶりオークロードに振り下ろす。ここに来るまでの疲れを感じさせぬほどである。

 

 「させんわ!」

 

 「なんだ三下ァ!!」

 

 キトラの大鎌と鎧のオークの斧がぶつかり合い激しく火花を散らす。

 

 「フンッ!!」

 

 「は!ザコがァ!!」

 

 振るわれたキトラの大鎌を鎧のオークが防ぎ、外套のオークがキトラに拳戟を放つ。

 

 「なんだよ?それが全力かァ?」

 

 無防備に自身の拳を受けた筈のキトラが平然としている事に驚愕する外套のオーク。

 

 「ハアッ!!!」

 

 「テメエらじゃあ俺は斬れねえよ!」 

 

 「バカな!!」

 

 渾身の一撃ですら何の事無いように受けるキトラ。

 

 「オラァ!!」

 

 「「ガハッ!!」」

 

キトラの一撃で吹き飛ばされる二人のオーク。

 

 「ハ!次はテメエだオークロード!!」

 

 オークロードの側近二人を退けたキトラはオークロードへ大鎌を向ける。

 

 「ハラがヘッタ……。」

 

 「ああ?テメエ舐めてんのか?」

 

 戦場で、ましてや敵が眼前にいるにも拘わらず腹が減ったなどと抜かすオークロードに困惑するキトラ。

 

 「ナンデもイイ……食わせロ!!」

 

 「なッ!!?」

 

 一瞬で間合いを詰め剣を振り下ろすオークロード。オークロードによって容易く放たれたその一撃は今まで誰も破れなかったキトラの魔力装甲を打ち破るほどだった。

 

 「……。」

 

 「ハァ…ハァ…テメエッ!!」

 

 肩から斜めに斬られ大量の血を流すキトラ。

 

 「「キトラ!!」」

 

 上空から皆の戦いを見ていたリムルと数多のオークを斬り倒しオークロードに辿り着いたシオンが斬られたキトラを目撃し駆け寄る。

 

 丁度その時こちらへ高魔力のナニカがこちらへ向かって来る事にキトラは気付く。

 

 「馬鹿野郎!!来てんじゃねぇ!!!!」

 

 リムルとシオンを抱え、二人を庇い衝撃と瓦礫を背中で受けるキトラ。

 

 「「キトラ!」」

 

 「どいつもこいつもうるっせえ、リムルサマ新手だぜ。」

 

 飛来した者に視線を向けるキトラ。それに追随するように同じ方向に視線を向けるリムルとシオン。

 

 「あれは…魔人か?」

 

 「どういうことだ!!このゲルミュッド様の計画を台無しにしやがって!!!!」

 

 杖をリムル達に向けるゲルミュッド。

 

 「もう少しで俺の手足となって動く新しい魔王が誕生したというのに!!!!!」

 

 「「新しい魔王……。」」

 

 「そうだ!だから名付けをしまくった!!種をまきまくったんだ!!最強の駒を生み出す為になァ!!!!」

 

 「その為に……。」

 

 「我らの里にも……。」

 

 「来たということか……。」

 

 ゲルミュッドの言葉に怒りを露にする鬼人達。

 

 「おお!これはゲルミュッド様!!」

 

 空気を読まず歓声を上げるガビル。

 

 「どうしてここに!!よもや吾輩達の加勢に!?」

 

 「黙れこのノロマが!!」

 

 「「「「へ?」」」」

 

 呆気に取られるガビルとその部下たち。

 

 「貴様がサッサと喰われていればいいものを!!役立たずの無能の分際でいつまでも目障りなんだよ!!オークロードに喰われその力となれ!!」

 

 自身に名をつけてもらった感謝と尊敬を裏切られたガビルは体を震わせる。

 

 「この俺の役に立って死ねるのだ!!光栄に思うがいい!!!」

 

 「ゲッ、ゲルミュッド様!!?」

 

 「やれ!!オークロード!!」

 

 「……。」

 

 沈黙するオークロードに困惑するゲルミュッド。

 

 「どうした?」

 

 「マオウにシンカとはどういうコとカ?」

 

 「チッ!ほんっとうに愚鈍な奴だ!!いいか!貴様が魔王オークディザスターとなり、このジュラの森を支配するのだ!!」

 

 「……。」

 

 「何をボケっとしている!この豚が!!チッ、もう時間がない手出しは厳禁だが俺がやるしかあるまい!」

 

 魔力の塊をガビルに向かって放つゲルミュッド。

 

 「ガビル様!!」

 

 「お逃げ下さい!!」

 

 未だ茫然と震えているガビルを庇おうと前に立つガビルの部下たち。

 

 「ハァ…やっぱりカスじゃねえかテメエ。」

 

 リザードマン達の更に前に立つキトラは片手を前に突き出し魔弾を受け止め握りつぶすキトラ。

 

 「な!?俺の攻撃を受け止めただと!!ふざけるな!!!」

 

 オークロードの一撃を受け傷を負った高々鬼人如きに己が攻撃を防がれる筈がないと更に大量の魔弾を放つゲルミュッド。その一切を弾き飛ばしながらゲルミュッドのもとへ歩を進めるキトラ。

 

 「テメエの攻撃を受けて一つ分かった事と分からねぇ事が一つある。」

 

 遂にゲルミュッドの眼前に立つキトラ。

 

 「貴様一体何なんだァ!!」

 

 「テメエ如きにあのクソジジイが!あいつらが負ける筈がねぇ!!テメエのバックについてんのは一体誰だッ!!!」

 

 「ゲブッ!!!!」

 

 ゲルミュッドを蹴り飛ばすキトラ。

 

 「キトラ……。」

 

 表層に纏う戦闘狂の一面で隠してきたキトラだが、その実誰よりも怒っていた。可視できるほどの重厚な殺気をゲルミュッドに向ける。

 

 「や、やめろ!!くるな!!俺を助けろ!!オークロード!!」

 

 歩み始めるオークロード。

 

 「ようやく動いたか!!フハハハハ!!こいつの強さを思い知るがいい!!」

 

 自身が勝利したかのように笑い始めるゲルミュッド。

 

 「殺れ!!ゲルド!この俺に歯向かった奴らに後悔させt……。」

 

 オークロードに首を斬り飛ばされるゲルミュッド。

 

 そのままゲルミュッドの遺体を喰らい進化しオークディザスターとなる。

 

 「オークディザスター、魔王ゲルド。放置するワケにはいかないよな。」

 

 以前とは大幅に上回る溢れ出る魔力に戦慄するリムル達。

 

 「俺はオークディザスター!!!この世の全てを喰らう者也!!!名をゲルド!!魔王ゲルドである!!!」

 

 ゲルドが進化した事で新たな脅威が生まれる。

 

 オークとの戦いは未だ終わる兆しを見せない。

 

 

 

あくまで参考に、ヒロインを誰にするべき?未登場キャラ含めて。

  • かかあ天下 シュナ
  • 喧嘩ップル シオン
  • 無邪気な暴力に襲われる ミリム
  • 殺し愛 ヒナタ
  • 上記以外のキャラクター

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