IS 灰色の向こうに   作:ズーキー

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プロローグ
-1-


─。

 

むせ返るような硝煙の臭いに、まともに目を開けられないほどの砂埃。

降り注ぐ土と血と鉛の雨。

上も下も左右すらもはっきりしない。

あたりには原型のワカラナイ何かがいくつも転がっていた。

所々抜けている、曖昧な記憶。

────ただ覚えていることは握り締めていた物の、金属故の重みだけだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────!」

 

・・・。

 

「───いま・・り・・いくん───!!」

 

ぼやける視界。

眠気が支配する中、女性の声が聞こえた。

何かを訴えているように聞こえるその声に、意識がどんどんクリアなものになってくる。

体も少し揺さぶられている、というところまでは彼もわかった。

どんな夢を見ていたのかは覚えていない、きっと夢など見ないくらいに熟睡していたのだろう。

意識がはっきりしてきたところで、彼は状況を理解する。

──入学早々居眠り、これはかなり不味い。

 

「ッ!!」

 

焦りと緊張に駆られ、少年は急いで顔を上げることにした。

跳び起きるように、急いでだ。

これは少しばかり軽率な行動だった。

何故なら女性の声はすぐ近くから、ちょうど覗き込むような感じでかけられていた。

つまりは───

 

 

「今宮く───っ!?」

 

「~~~~~ッ!?」

 

ゴツンという擬音がよく合う光景だった。

女性と少年の頭がぶつかり、互いに目を回す。

程度のほどはそれほどのものでもなかったが、不意に頭と頭がぶつかって目が回らないなんてことは無い。

 

「~~~~、すいません。大丈夫ですか?」

 

僅かに回復が早かった少年は頭を抑えつつ、女性を見る。

緑のショートヘアに眼鏡、おっとりした雰囲気。

これから過ごしていくこのクラスの担任教師だろうことはすぐにわかった。

チラリと電子黒板に目をやると、そこには名前が書いてある。

山田真耶、それが彼女の名前のようだ。

副担任らしい。

 

 

「~・・・だ、大丈夫です。そ、その今は自己紹介中で次は今宮君の番なんだけど、自己紹介お願いできます?」

 

涙目のまま今の状況を伝えてくれる山田先生。

何だかその姿を見ると少し頼りなさも感じてしまうのは気のせいだと信じたい。

名前を呼ばれたオレンジ髪の少年──『今宮流星』はわかりました、と一言返事をして席を立つ。

周囲からの視線に今更気付くが、気にしないことにする。

どうせ男子は自分ともう1人だけなのだから目立つのは当たり前だ、と。

流星は自己紹介をさっさとすませ、席へ座る。

ありきたりな自己紹介だったが、丁寧にしたため特に変な目で見られるようなことはなかった。

では次の人~と、いつの間にか復活していた山田先生の言葉を受けて次の人の自己紹介が始まる。

 

 

──ここIS学園は『IS(アイエス)』──インフィニット・ストラトスと呼ばれるパワードスーツのことについて学ぶ場所だ。

パワードスーツと言っても、量子化していた銃を取り出して使ったり、空を飛んだりなどとぶっ飛んだもの。

兵器として使うことなど容易なのだが、一応それはアラスカ条約で禁止されたため一種のスポーツ扱いとなっている。

ただ、理由は不明だが本来ISは女にしか使えない。

そんな中、現れた男性搭乗者が流星ともう1人。

順番的には流星は2人目の男性操縦者だった。

 

(・・・)

 

流星は視線をもう1人の男性操縦者である『織斑一夏』のほうへ向ける。

ちょうど、自己紹介が彼の番になったところだった。

 

「では次、織斑一夏君!」

 

「は、はい!?」

 

慌てて立ち上がる一夏。

その光景に流星は既視感を覚えるがきっと気のせいだろう。

再び自己紹介のことを説明する山田先生。

一夏のほうは真剣な表情になると立ち上がり『織斑一夏です!よろしくお願いします!』と、だけ。

次の言葉を待ち、静まり返る教室。

本人もその空気に気がついていたのか、少しだけ間を空けた後何かを決めた様子で言葉を発した。

 

「以上です!」

唖然とするクラスメイト達。

ひっくり返る少女までいるのだからリアクションが豊富というべきか。

 

「あれ!?駄目でした!?───ッ!?」

 

1人驚く一夏の頭上に容赦ない拳骨が炸裂した。

再び教室に響く鈍い音とともに、一夏は1人痛みに悶える。

一方で、教室は静まり返っていた。

一夏に拳骨を喰らわせた人物、その人物を見て驚いているからだ。

すぐに回復した一夏は顔を上げ声を荒げる。

 

「げっ!千冬姉!?───ッ!!?」

 

再び炸裂する拳骨。

その拳を振るった本人は淡々とした様子で注意をする。

 

「学校では織斑先生だ」

 

その光景を見つつ、流星は心から山田先生に感謝した。

もし少し山田先生が起こすのが遅ければあの鉄拳をおそらく自分も喰らっていただろう。

 

彼女の名前は織斑千冬。

織斑一夏の実の姉であり、第1回IS世界大会(モンド・グロッソ)優勝者。

ブリュンヒルデと呼ばれた世界最強のIS操縦者でもある。

教室の静まりかえった雰囲気も、そんな有名人が目の前にいる故のものだろう。

が、このような沈黙は長く続くものではない。

織斑千冬は少し山田先生と話すと、生徒のほうに向き直ると自己紹介を始めた。

 

 

「諸君!私が担任の織斑千冬だ。君達新人を一年で使い物にするのが仕事だ」

 

湧き上がる黄色い歓声。

有名人ともなればファンはつき物だ。

これくらいは想像できるが、あまりの歓声の多さに流星は驚きを隠せなかった。

そこは一夏も同じようで不安そうな顔で周囲を見ている。

 

ふと、流星と一夏の目が合った。

まだ一言も言葉を交わしたことのない2人だったが目だけで会話が成立していた。

『ついていけない』

『ああ、俺もだ』

千冬と山田先生の説明が始まり、すぐに静かになる教室。

主にIS学園の寮生活についての説明や行事についてのものだ。

説明が終わり、それと同時にチャイムが鳴る。

再び周囲の視線が一夏や流星に集中する。

すでに廊下のほうが騒がしい、聞こえる会話からして流星たちを見に来たのは明らかだった。

期待と不安が入り混じった気持ちで、流星はため息をついた。

そんな流星の横から声がかけられる。

 

 

「人気者だね~いまみー」

 

はて、いまみーなどと面白い名前の人間がいたのか?などと一瞬考えた流星だが少し遅れてそれが自分を指していることに気付く。

流星は顔を上げ、その奇妙なあだ名で呼んだ女性徒に返事をする。

 

「こういうのは人気者ってのとは少し違うような・・・。君は布仏さんだったっけ?」

 

と、流星が見た先にいたのは眠たそうな目をしてのほほんとした空気を纏った少女。

布仏本音は彼に対しにんまりと笑みを見せつつ返す。

 

「そうだよー。でもいまみー、同級生だし呼び捨てでいいよ」

 

「1年間よろしくな布仏」

 

「よろしくねいまみー」

 

1人目の友人が出来たことに内心流星はホッとしていた。

案外、うまくやっていけそうだなんて思いながらもう1人の男子である一夏の席のほうへ視線を向ける。

席には座っていない。

流星は少し気になり教室を見渡す。

ちょうど、彼は1人の女子に連れられ教室を出るところだった。

だが目が合ったためか一夏のほうから流星に声をかける。

 

 

「俺は織斑一夏だ。一夏って呼んでくれていいぜ。俺も流星って呼ぶからさ!───っとまた後でな」

 

声をかけたというよりは言い残していったという感じだ。

黒髪ポニーテールの少女に連れられ教室を後にしていく。

流星が返事をする間もなかった。

 

「おりむー、篠ノ之さんと知り合いのなのかな?」

 

篠ノ之さん、とは先ほどの黒髪ポニーテールの少女のことなのは言うまでも無い。

疑問を口にする布仏に流星は返す。

 

「彼女とかじゃないか?」

 

「おりむーイケメンだからね~。狙ってる子も多いと思うからもし彼女なら大変なことになるよー」

 

『あっ、いまみーもイケメンだから人気者だよ~』とだけ付け加えるように、まるで今考え付いたように言う布仏に流星は苦笑いを浮かべる。

本人にはきっと悪気はないのだろう、ないと信じたい。

少し拗ねた感じで流星は質問する。

 

 

「君はどうなんだ?布仏は一夏を狙ってたりしてたんじゃないのか?」

 

「えーっと私はね~・・・・・・」

 

考え込んでいる、というわけではなさそうだった。

むしろどう違う理由を答えるべきか、と言ったような感じだ。

少し意地悪な質問でからかってやろうと考えていた流星だったが、その企みは完全に空ぶりに終わったのを意味する。

一方、布仏は何か名案が思いついたというように手を叩く。

 

 

「そうだ!私はいまみーのほうがいいからってことにしとくよー」

 

「真意はわからないけど、一夏争奪戦には加わらないってことはわかったよ」

 

面白くない、といじける流星に楽しげに笑う布仏。

続いて話題は美味しいお菓子の話に移る。

昔からの友人のように砕けて話す二人の会話に入っていけるクラスメイトはいなかった。

残っていた廊下の野次馬も不思議そうに眺めている。

そんな中、流星に話しかける1人の女子がいた。

 

 

「──ちょっとよろしくて?」

 

「ちょっと待ってくれ。布仏の言っているその美味しいお菓子にたまに変なのが混じってないか?」

 

「・・・へ?」

 

話しかけたにも関わらず続くお菓子談義、その前に戸惑う金髪縦ロールの似合うお嬢様系女子。

流星としては『ちょっと待ってくれ』と言った相手は布仏ではなく、金髪女子のほうだ。

一方、布仏のほうは口を尖らせて『そんなことないよー』と不満げに反論していた。

流星として『待ってくれ』と伝えたつもりだった。

だが傍から見れば、気付いていない布仏を除けば無視されたと受け取るのが普通だろう。

 

(・・・)

 

話しかけた金髪少女──セシリア・オルコットは何とか冷静さを保とうとする。

周囲から見れば彼女の周りの空気がピリピリしているのはわかる。

それに気付かないのは話していることに夢中な当事者二人だけ。

お菓子談義はそれから1分、長きに及ぶ論争を持って終結に至った。

 

 

「それで、オルコットさんは何か用なのか?」

 

きっちりと聞き返す流星に頭を痛めるセシリア。

変な人だ、自分のペースをもっていかれそうだと不安を抱えつつセシリアは言葉を返す。

 

 

「世界に2人だけしかいない男性操縦者がどのような人物かと思いまして。今宮さん、でよろしいですか?」

 

「あぁ、そう呼んでくれて構わない。こっちもオルコットさん、で問題はないよな?」

 

「えぇ、構いませんわ」

 

そう話しながらも流星を見るセシリアの目は少し冷ややかなものがあった。

言葉通り『見定めに来た』そんな感じの目を疑問に思ったが口には出さない。

 

「「・・・」」

 

しばしの間、無言で視線だけが交わされた。

睨み合うような構図の中、ほんの少し場の空気が緊張したものとなる。

 

そんな中、授業前のチャイムが鳴り響く。

 

ホッと胸を撫で下ろしたのは意外にも周囲にいた人間だけだった。

 

 

 

 

「やっと終わった~!」

 

鳴り響くチャイムの音とともに、一夏は大きく伸びをしつつ大きな欠伸をした。

時間は放課後。

参考書を捨ててしまったツケが回ってきたことをを授業で身をもって思い知らされたためか、一夏だけは他の生徒よりも遥かに疲れた様子だった。

この段階でついていけないということは致命的であることは本人も理解しており、今からあの分厚い参考書で勉強をしなければならないと考えると頭が痛い。

 

「一夏、随分と参ってるな。どうしたんだ?」

 

全員が下校の準備をしている中、いち早くそれを終えた流星は一夏の隣にきていた。

彼の言葉に返事しつつも一夏も思い出したように荷物を片付け始める。

 

「流星、お前は授業の内容わかったのかよ?」

 

「俺は参考書を捨てたりしてないからな」

 

「ぐっ・・・言い返せない。どうして捨てちまったんだろうな・・・」

 

ところで、と一夏は鞄に手を入れ、鍵を取り出した。

小さく番号の彫られた鍵を流星の目の前に出しつつ、尋ねる。

 

「寮って同じ部屋だよな?俺達」

 

その一夏の問いに何を言っているんだ?とばかりに首を傾げる流星。

当然だろ、と言いつつ自身の部屋の鍵を取り出した。

 

「二人部屋の寮で男子が二人いるのに同じ部屋じゃないのはないだろ」

 

「そうだよなー・・・。って待て流星。それ1053って書いてないか!?」

 

「ん?1053だけどどうしたんだ?」

 

キョトンとする流星とは対称的に一夏の顔は不安にかられたものになっていく。

その顔を見て流星はようやく一夏の言わんとしていることに気がついた。

まさか、とだけ面倒くさそうな顔で呟くように言う。

 

「お互い女子と相部屋ってことになるのか。学園側にも何か事情があるのかな?もしもの時とか?──ちょっと不安だけど、まぁなるようになるさ」

 

「そうだけど、何かいやな予感がする・・・」

 

「とりあえず部屋へ行ってみよう」

 

すぐに切り替えた流星と、未だ顔を青ざめさせている一夏の二人は早速寮へと向かった。

 

校舎の外に出ると、まだ相当数いる下校中の生徒の視線が自然と2人に集中するのがわかった。

好奇の目に晒されながら、一夏はこれからに不安を覚える。

 

──こんなところでやっていけるのだろうか、既にお腹と頭が痛い。

 

一方、流星の方は一夏から見ても平然としていた。

正確には他のことを考えているだけのようだが、一夏からはそこはわからない。

 

「これからが不安だ・・・」

 

「なるようになるさ」

 

自然と漏らした言葉に、返ってくる楽観的な返事。

一夏もそれほど不安ではないようで、1つため息をついた後笑みを浮かべた。

 

「それもそうだな。皆すぐ慣れるだろうし!」

 

慣れるのは俺達の方だろうな、と流星は思ったがあえて口にしなかった。

一夏の顔を見る限り既に分かって言っていることが見て取れたからだ。

 

「それはそうと部屋が気になるな」

 

「いい部屋だと思うぜ流星。何せIS学園だしな、もう驚かない」

 

「はは、言えてるな。荷物は先に届いてるんだっけか?俺の場合荷物はほとんどないができるだけ片付けておきたいから広い部屋がいいな」

 

他愛もない会話をしつつ、寮にたどり着く2人。

中に入り話しながら歩いてるうちに1025室の前にたどり着いた。

流星が住む1053室はもう少し先にある。

 

──じゃあまた明日な、と流星は1025室前で一夏と別れそのまま自室を目指す。

 

1分程して1053室に流星はたどり着いた。

寮に入ってから抱いた感想だが廊下や扉からしてそこそこ高級そうな寮だった。

 

(ルームメイトは先に来てるのか?気楽に話せる人だと助かるが)

 

ドアノブに手をかけ、回し扉を開ける。

鍵はかかっていなかった、既にルームメイトは中にいるらしい。

ガチャリ、とドアを開ける。

──既に先客はいたようだ。

ドアのほうにいる流星のほうに先客は顔を向けた。

 

「!」

 

「───」

 

そこにいたのは水色の髪の少女だった。

スタイルの良さは服の上からでもわかった。

どこかミステリアスな雰囲気をかもし出すその少女に、流星は一瞬だが見惚れていたのは言うまでもない。

クスリと笑う少女に流星は軽く恥ずかしそうに咳払いをしながら部屋に入り、荷物を置くと少女に向き直る。

 

「えーっと、今日からルームメイトとして一緒にやってく今宮流星だ。君は?」

 

流星の問いに水色の髪の少女はふふん♪と得意げに笑みを浮かべつつ、どこからか出した扇子を広げた。

その扇子には最強!と書かれていた。

 

 

「更識楯無。──この学園の生徒会長よ」

 

「・・・え?」

 

ポカンとする流星。

それも当然のことだ。

IS学園の生徒会長とはつまり、学園最強を意味する。

そして更識楯無は『あの』更識家の当主でありロシアの代表候補生でもあったはずだ。

そもそも、言うまでも無いが流星たちと学年が違う二年生のはずだ。

また、流星を含めた一部の人間しか知らないが、更識家というのは裏にも関わっているとかいないとか。

そんな人物がルームメイトになるなど予想できていなかった。

とりあえず、部屋割りは仕組まれたものと見てよさそうだ。

 

「リアクション薄いなぁ~、おねーさん悲しいわ。とりあえず慰めて欲しいなぁ」

 

「・・・どうしてよりにもよって生徒会長が同室に?どういうことですか?」

 

「総スルー・・・。思ったよりも流星くんは曲者のようね」

 

(あぁ、この人絶対面倒くさい人だ)

 

内心の残念感を顔に出さないように抑えつつ、流星は楯無を警戒する。

 

相手の目的もわからない以上、警戒するにこしたことはない。

さらには相手はおそらく専用機を、ISを持っている。

 

(・・・)

 

基本スペック含め、相手の方が流星より上手なのは言うまでもない。

──もちろん勝てはしない、だが出し抜くことは可能のはずだ。

流星は冷静に出方を見る。

 

一方で楯無は警戒する流星を見つつ、吟味する。

 

(なるほど、確かに調べた通り、ね)

 

何か納得するところがあったのか一瞬笑みを浮かべた後口を開いた。

 

「そんな警戒しなくてもいいじゃない。おねーさんは君の味方よ?」

 

と、一言言うと部屋の奥へと歩いていく。

流星もそれについていった。

 

 

「織斑千冬の弟である一夏くんと違って君は何の後ろ盾もないでしょう?そんな人間を普通の人と同じ部屋にしたら、それこそ盗聴やら侵入やら何でもアリになってしまうわ」

 

「なるほど、だからこそ生徒会長自身が抑止力に?」

 

「そうよ。それに更識家は昔から裏工作とか暗部には強いからね。でも流石におねーさんここまで警戒されるとは思わなかったわよ?」

 

拗ねるように口元を尖らせて言う楯無に流星は馬鹿らしくなって警戒するのをやめた。

流星には楯無が嘘をついている風には見えないし、敵対することはない、そう感じたからだ。

彼はフカフカのベッドに座った。

楯無も彼の正面のベッドに座る。

流星は申し訳なさそうに片手で頭を抑えながら、楯無の顔を見る。

 

 

「・・・そういうことですか。変に警戒してすいません、生徒会長」

 

「堅い堅い堅ーーーーーい!!!もー!君の場合は年齢的には同じなんだし、もっと砕けた話し方にしてよー」

 

「はい?」

 

急に駄々っ子のようにごてだした楯無。

流星の顔はまさにポカーンという擬音がピッタリな表情になっていた

──流星の年齢は楯無と同じ年齢だ。

諸事情でIS学園は一年生となっているが、年齢から考えれば楯無と同じ二年生だ。

だが一年生は一年生、と流星はそんなに深くも考えず後輩として接していたつもりだったが・・・。

 

「ルームメイトになるわけだし、そんな堅い物言いだとおねーさん落ち着かないなー。生徒会長って呼び方もよそよそしいし」

 

「なら更識さん、こんな話し方でいいか?」

 

「更識さん、ねー」

 

「はぁ・・」

 

───調子が狂う。

ため息を抑え、呼び方を変えて話を続ける。

 

「楯無、これでいいか?」

 

「む、不機嫌そうね」

 

「今後が思いやられているだけだよ。それで楯無、突然だけど頼みたいことがあるんだ」

 

「何何?おねーさんに惚れちゃった?」

 

「お前は何を言っているんだ。ISについて色々教えて欲しいんだ」

 

それはどのみち誰かに頼むつもりのものだった。

流星は一夏ほどではないが、ISについて細かいことはあまり知らない。

言うまでもなく操縦に関してはドがつくほどの素人だ

楯無に教えてもらえるとなれば、それは心強いと素直に伝える。

 

───そんな彼に対しての楯無の答えは簡単だった。

 

 

「いいわよ、ただし生徒会に入ってくれるならね♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




誤字も有るかもですがよろしくお願いします。
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