IS 灰色の向こうに   作:ズーキー

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美術部を後にしてから少し。

廊下を駆ける水色の影は、料理部に入ろうとする2つの影を捉えた。

 

「見つけた───!」

 

声に反応し、振り返る2人───オレンジ髪の少年とツインテールの少女。

聞き慣れた声の真剣な声色。

振り返った先に居たのは不機嫌そうな簪であった。

 

「げ…」

 

思わず鈴は声を漏らす。

作戦としてはこのまま流星を連れ回し、ずっと2人きりで学園祭を回ろうという魂胆であった。

簪を誘いに行かないのか?と聞かれた手前、『さっき見た時忙しそうだったし、このまま回りましょう』なんて言った事も思い返される。

 

 

一方、簪が1組に顔を出した時には既に流星は居なかった。

居たのは何故か手伝いをしている姉。

曰く、1人で休憩に出ていった───嫌な予感に従い2組を覗いたところ鈴も居なかった。

廊下を探し回っていると、出くわしたのは織斑一夏。

彼女はセシリアと共に吹奏楽部の部室に入ろうとしていた。

『あれ、簪さん?どうしたんだ?──ああ、流星ならさっきあっちの方で──』

後は片っ端から教室を探し今に至る。

 

 

「鈴、まさか抜け駆けするなんて…」

 

「抜け駆けじゃないわよ。というか、今回は抜け駆け禁止なんて話は無いし、早い者勝ちでしょ」

 

「…そうだけど…」

 

簪が口を尖らせる。

特に学園祭において3人での取り決めはない。

実は巧妙に1年の教室から遠ざかるように動いていたりした、なんてのは本人の胸中に留まるのみであった。

 

話はよく分からないが、と流星は頭に手をやる。

この話題に深く首を突っ込むとロクな目に合わないと直感が物語る。

 

「簪も一緒に見てまわるか?」

 

「うん…!」

「…」

 

簪は思わず笑顔に、鈴は不満そうに半目で彼を見ていた。

2人きりを惜しんで欲しかった、なんて彼女の思いなど少年は露知らず。

 

「じゃあ決まりだ」

 

と、3人は料理部の部室へと足を踏み入れた。

出迎えたのはやけにテンションの高い料理部部長である。

 

「おおっ、今宮くんだ。両手に花かな?織斑くんはメイドと執事の逢い引きだったけど、こっちはやさぐれ執事に一般生徒とチャイナ服!いやー背徳的な感じがするねー。あっ、もちろんミンチじゃないわよ?合い挽きだけに!」

 

 

「───部屋間違えました」

 

 

少年は刹那で踵を返した。

一緒にいた2人の少女を連れ、無表情のまま外へ出ようとする。

少女達も特に異を唱えることはなく、そのまま教室を出ようとしていた。

 

「ちょ、ちょっと待って!?一体何が駄目だったの!?」

 

「なーんか、既視感あるわね。この先輩…」

「あれだな。気が抜けてる時の一夏だ」

「織斑くん…親父ギャグ好きなんだ…」

 

鈴と流星が納得して頷く中、意外な真実に簪は苦笑いを浮かべた。

彼女のズレた笑いのツボと実は相性が良かったりするのは余談である。

と、何か香ばしい匂いに気がつく。

 

「肉じゃが…?」

「正解、流石更識さん。3人とも特別にタダでいいよ!代わりに票をお願いね!」

「成程、料理部は不正投票アリ…っと」

「──というのは冗談でぇ」

 

「掌を返すスピードがすごいわね」

 

変わり身の速さに鈴は溜息をつく。

リボンを見るに2年生。

流星は一刻前の一夏の言葉を反芻しつつ、口もとを引くつかせた。

案外、一夏の発言は的を射ているかもしれない。

 

ともあれ、折角料理部に来たのだ。

自慢の料理を堪能すべく奥へ。

奥にいた部員から肉じゃがを取り分けてもらった。

 

3人並んで肉じゃがに舌づつみを打つ。

ホクホクとしながらパサつかないじゃがいもは絶妙である。

 

「入った方が…料理、上手くなるかな…」

 

ボソリと簪が呟きつつ、隣を見る。

まず胃袋を掴むべし、なんて何かの本に書いてあったのも思い出す。

 

「確かに入った方が上手くなるだろうな」

「な、なら…」

「けど俺は今の簪の味付けも好きだな。ほら、ついこないだ差し入れでくれただろ?」

「〜〜っ、そ、そう…かな?」

 

一瞬で顔が真っ赤になるのを簪は自覚する。

恥ずかしそうに頬を抑える彼女を前に、流星はくつくつと笑った。

 

「照れてるのか?可愛いな。───っ痛、何だよ鈴」

「うっさい。静かに食べなさいよ」

「馬鹿。態々肘打ちする必要あったかよ」

 

悪態をつく流星に、にこやかに鈴は向き直る。

片手に小鉢を持ったまま、黒いオーラがチラつく。

 

「はーい。お砂糖は十分なので痴話喧嘩はよそでやってね」

「痴話喧嘩じゃないから!?」

 

料理部部長は呆れた様子でそれを止めた。

反論する鈴を軽く宥めつつ、料理の説明を行う。

細部はぼかしている。知りたければ入部、と促していた。

 

 

料金を払い、礼を告げ3人は料理部を後にする。

 

そのまま宛もなく歩いていると、茶道部部室が目に付いた。

特に相談もなく3人はそこに入る。

兎の形の饅頭とお茶を貰い、茶道の体験だけして部屋を出る。

ラウラが兎の饅頭に食べるのを躊躇っていた、と茶道部員に聞いた少年が怪訝な顔で固まったのは無理もない。

 

 

 

吹奏楽部による楽器体験。

生まれて初めて触れる楽器は実に新鮮であった。

 

そして剣道部──というよりは剣道部部長による花札占い。

 

恋愛運や相性運について占う──などと言いつつもイマイチ占いとは言い難いやり方。

というのも、一定時間手を繋がせたり見つめ合わせたりというもの。

結果は嫌いな相手とはそんなことをしない──至極当然であった。

後であの部長のリボンの色を確認しよう───と少年は考えてしまう

 

 

 

「あ、そう言えば忘れてた」

 

剣道場を出たあたりで不意に流星は口を開いた。

首を傾げる2人の少女を前に、彼は一歩踏み出す。

 

「すっかり忘れるところだった。2人とも手を出してくれ」

「「?」」

「ああ。悪い。そうじゃなくて掌を上にしてくれ」

 

訳もわからず手を差し出した2人に流星は頭に手をやる。

言われるままに掌を上に向けた瞬間、少年はそこに何かを手渡した。

 

「───」

 

2人は驚いて掌を見つめたまま。

手渡されたのはネックレスであった。

 

「どっ!?…どういうこと…!!?」

 

鈴は思わず顔をあげ、本人に尋ねる。

何かとんでもない事が起きた──そう言わんばかりの迫力に少年は思わず1歩下がった。

 

「いや、何って日頃の感謝ってやつだよ」

 

「─────」

 

───いやいやいやいや。

ツインテールの少女は目を見開いたまま固まっていた。

簪も同様、掌に乗ったものを見てピクリともしない。

 

というか。の話である。

そもそもこの目の前の男子が女子に贈り物をするなど、あまりにも非現実的な事である。

受け入れられないのも無理はない。

 

(…)

 

いいや待て、妙な現実感(リアリティ)はある。

女子への贈り物をするのに2人同時である点なんて実に彼らしい。

それぞれ別々に呼び出して渡せばいい話なのに、その発想がないのだから。

─にしては。

ツイストのかかったスティック型。シンプルではあるが実に悪くない────。

 

 

しかし、やはり2人きりの時に渡して欲しかった。

そうすればこの喜びの何倍にもなっていただろう。

尚、それが自身だけではない(・・・・・・・・)と気付いたら大惨事の引き金になりかねないが。

 

 

少女達の数瞬にして、超速の独白は終わる。

 

ネックレスを大事そうに抱えつつ、それぞれ礼を告げる少女達。

気に入って貰えないかもしれないと懸念していたが杞憂だったようだ。

流星もまたホッと胸を撫で下ろす。

 

ネックレスを再度眺める少女達。

異性からのこの手の贈り物は初めてである為、ついまじまじと見てしまう。

 

そうして、更識簪はある事に気が付いた。

ネックレスの留め具の裏に小さく彫られた、店のロゴだ。

 

 

「ね、ねぇ。流星、変なこと聞くけど…これって何処で──」

「簪がくれたやつと同じところだ」

「────」

 

再度簪の動きが止まった。

ビデオの再生を停止したが如く、表情までそのままである。

 

先までの温かな喜びは遥か彼方へ。

 

あの店のアクセサリーには、贈り物にした場合の言葉(メッセージ)もとい意味が存在する。

流星相手ならばそんな事考えもしないだろうと踏んでいた。

店に立ち寄る姿も想像出来なかったからだ。

 

しかし、あろう事かその店のものをプレゼントしてきた。

簪の胸中は焦りと羞恥がグルグルと巡っている。

 

「「?」」

 

彼女の反応に流星と鈴は分からないといった顔。

意を決した簪は目の前の流星に問い掛けるのであった。

 

「……い、意味…知っちゃった?」

「贈り物する時のやつか。簪がくれたものについては調べてないな」

 

安堵の息を漏らす簪。

ただ同じ店だと気付いた上で調べなかった事実に複雑な気持ちになる。

どうでもいいと思われているのだろうか?なんて自身でも嫌になる暗い感情。

 

「気にならなかったの…?」

「気になるけど、そういうのは本人に聞くものだからな。本人の居ない場所で探るのは野暮だろ」

 

彼らしい回答に、簪は視線を逸らして押し黙ってしまった。

自分のいない所でも、尊重してくれているのだと考えるとにやけてしまう。

 

鈴は簪の百面相を横目にため息をついた。

大方彼女の渡したものの意味や、それ故の焦りと安堵を理解したからだ。

 

とはいえ、気になるものが1つ。

鈴はネックレスを少年に見せつつ、思い付いたように尋ねた。

 

「じゃあさ、あんたのこれはどういう意味があるの?」

 

簪もピクリと反応して、静かに耳を傾ける。

贈り物としての意味が存在すると知っているのだ。

当然、流星もそれを理解して選んで───。

 

 

「ああ、それは──」

 

「「──」」

 

「──秘密だ」

 

「えっ」

「へ?」

 

思わず固まる鈴と、ポカンと口を開けたままの簪。

途中まで真剣な表情の彼に釣られて身構えていた。

それが裏目に出てしまったのだろう。

 

ニタリ、なんて擬音が似合う表情で彼は満足気に歩き出した。

 

「さーて、教室に戻るか」

 

悪戯の成功した子供のような軽快な足取り。

目標を達成したからだが、少女達は気付けない。

 

「ちょっ、ちょっと待ちなさいよ!?」

 

慌てて追いかける2人。

彼の休憩時間も終わりを告げようとしている。

 

帰り道にどの出し物に寄っていくか、という話題で言い合いが始まるのであった。

 

 

 

 

 

俺が流星より早く休憩を終えて少し。

休憩を終えてから、店の忙しさは倍増していた。

 

楯無さん?あの人はいつの間にか居なくなってた。

相変わらずの自由人だ。

 

ともあれ店は相変わらず大盛況。

メニューの仕様にはまだまだ慣れないでいる。

っていうか慣れるか!あんなの!

 

だけど、皆でこうやって思い出を作るっていうのは気持ちがいいもんだ。

 

厨房や接客、加えて列の整理なんかの本当に忙しそうな仕事を見ていると申し訳なくなる。

 

あくまで俺達は珍しさが売りでしかないからだ。

肉体的な負担も少ないしなぁ

 

もう少し貢献出来るように頑張ろう。

 

───なんて考えていた矢先。

 

 

「じゃじゃん!楯無おねーさんの登場です」

 

「…」

 

職場放棄人間 が あらわれた!

コマンド

→逃げる 逃げる 逃げる。

 

「だが、逃げられない!」

 

「だぁっ!?何サラッと心読んだ上、進路妨害してるんですか!」

 

嫌な予感に従い、全力ダッシュで逃げようとしたが回り込まれていた。

楯無さんは俊敏な動きで出口側との間を塞ぐ位置へ。

 

流石というべきなのか、隙がない。

けどこのまま話を聞いたらろくな事にならない。

これは流星に倣って早めに断ろう。

 

「ときに一夏くん」

「断ります!」

「そんなっ!酷い!一夏くんのケチ!鬼!悪魔!人でなし!唐変木!」

 

断っただけでこの言いようである。

よく考えればもうひとつの扉から逃げれば良いんじゃないか?

よし。改めて──。

 

コマンド

逃げる→逃げる 逃げる。

 

「知らなかったの?生徒会長からは逃げられない…!」

 

生徒会長ってなんだっけ。

気付けば腕に抱き着かれる形で捕まえられていた。

い、いつの間に。

 

「当たってる!当たってますから!?」

「あはは、やっぱり一夏くんはいいリアクションしてくれるわね」

「全然嬉しくないんですけど…」

「良いのよそれで!流星くんってば最近反応が薄いのよねー。折角おねーさんがセクシーな格好しても戸惑わないし…」

 

それは完全に慣れきってしまっているだけでは?

口に出しそうになるのを辛うじて抑える。

そういえば、俺が楯無さんに振り回された話をする度に流星の奴は渋い顔してたっけ。アイツも苦労してたんだな…。

 

 

「それで、何をすればいいんですか?」

「あら、聞き分けがいいのね。てっきりもう少しごねるかと思ったのに」

「どうせ逃げても無駄なので」

「おねーさんのこと分かったつもり?まだまだねー」

 

抵抗を諦めた俺に対して、楯無さんは楽しそうに頷く。

やっと腕を離してくれた。安堵の息が漏れる。

この人のペースに打ち勝てた試しがない。

引っ掻き回されるのになんか憎めないんだよな。

 

「生徒会の出し物に協力しなさい。っていうか、衣装はもうあるから着替えてきてねー」

「衣装?ちょっと待って下さい!用意してたってことですか!?」

「うん。そりゃあ衣装はそこら辺に落ちてないからね」

 

はて?と首を傾げる楯無さん。

そんな当たり前みたいな反応をしないで欲しい。

楯無さんの開いた扇子には必然と書かれていた。

 

「俺の意思は存在しないのか…」

「勝手に決定したっていいじゃない。生徒会長だもの」

「横暴が過ぎる…」

 

生徒会長ってなんだっけ。

さっきも同じ疑問を抱いた気がする。

 

「…出し物って何するんですか」

「劇よ。観客参加型演劇」

 

なんだそれ。はじめて聞くけど、存在するのだろうか。

第六感がやめた方がいいと囁いていた。

 

「やっぱりやめておき────」

「はーい。一夏くんは参加ねー。これ決定だから。生徒会長の決定だから絶対なの」

 

即座に首根っこを掴まれた。

──不味い、連れて行かれる!

 

慌てて助けを求めようと、周りを見回す。

 

 

「今どうなって────」

 

 

視界に映ったのは、丁度休憩を終えて戻ったばかりの流星であった。

向こうも此方に気が付き、目線がバッチリ合う。

 

「た、助けてくれ!」

「?」

「いや振り返るなよ?お前に言ってるんだからな!?」

 

とぼけて振り返る流星に思わず突っ込んでしまう。

ひしひしと関わりたくないオーラが伝わってくる。

ただ、それを楯無さんが逃すはずがない。

 

「丁度いいところに!流星くんも来なさい!」

「絶賛悪くなったところだ。っと、油断も隙もない」

 

楯無さんの腕を躱し、流星は溜息をついた。

何気に凄いな。今の気配とか無かったぞ。

 

「──で、どういう状況だよ」

「生徒会の出し物に出ろって言われて…」

「出し物………?」

「演劇らしいぜ。しかも観客参加型演劇。衣装もあるらしい」

「演、劇……?」

 

考え込む流星。

生徒会の出し物なのにまるで知らないという顔。

なんか、洗脳が解ける寸前の味方キャラみたいだ。

 

「当然よ。だって流星くんには秘密にしてたし?」

「は…?」

「知られてたらサプライズにならないもの」

 

上機嫌で告げる楯無さん。

一方で流星は珍しく困惑した様子。

頭を抑え、もう片方の手で待ったのジェスチャーをしていた。

 

 

「いや、待て。お前はそれを進めつつ他の業務まで全部こなしてたのか!?───それ以前に、どうやってここまで隠し通して来た!?セットの用意とかもあるだろ!」

 

楯無さんはそれに対し、キリッとした表情で胸を張る。

 

「──更識の力、舐めないでよね」

 

「ああもう、さてはお前馬鹿だな!?」

 

やけくそ気味だな…。

楯無さんの方は満面の笑みを浮かべていた。

見るからにイキイキしている。

 

こちらが騒がしい事に気が付いたのか、シャルが様子を見にやってくる。

首根っこを掴まれた俺とゲンナリしている流星を交互に見て、何やら状況を察してくれたようだ。

神はまだ俺を見捨てていなかったらしい。

 

「えっと、先輩?今一夏を連れていかれるのはちょっと困るんですけど…」

「シャルロットちゃん、あなたも来なさい」

「ふぇ!?」

「おねーさんが綺麗なドレス着せてあげるわよ〜?」

「ド、ドレス…!?」

 

しゃ、シャル?まさかと思うけど誘惑には負けないよな?

 

「勿論、素材にはこだわってるからちゃんとしたやつよ?」

「じゃあ、ちょっとだけ…」

 

神は死んだ。

誰でもいいから助けてくれ。

 

「素直で可愛いわね〜。という訳で、箒ちゃん、セシリアちゃん、そしてラウラちゃんもゴーね」

「「「な─」」」

「勿論ドレスを着せてあげるから。どう?」

 

不敵な笑みを浮かべながら、楯無さんは提案する。

箒達の反応はまんざらでもないという様子。

やっぱり女子にはそういうものへの憧れとかあるんだろうか。

憧れとかで釣ってくる楯無さんは実に小悪魔的というべきなのだろうか。

 

 

陥落する3人。

ダメだこりゃ。

 

 

「後は流星くんだけね───」

 

振り返る楯無さん。

た、頼む流星。お前が最後の希望だ。

 

「じゃあな一夏」

「うおい!?」

 

秒で見捨てられた。

背を向けて逃げ出すやさぐれ系執事。

教室のドアが近いのも相まって、流星はすぐに教室を後にする。

 

楯無さんは焦る事もなくそれを見送っていた。

閉じた扇子で口を隠す。

 

数秒後、教室の外が騒がしくなった。

 

 

「───なっ!?ISだと?お前ら正気か!?」

「大丈夫。許可は貰ったから…」

「許可?おいまさか───!?」

「いいからあんたも来るのよ──!」

 

ドンガラガッシャーンと受付の机がひっくり返る音。

間違いない。これはISを部分展開してる誰かがいる。

とはいえ、声から大体を想像出来た。

楯無さんが余裕をぶっこいていた理由も理解し、今度こそ諦めた俺は一つだけ尋ねるのであった。

 

 

「…演目は何なんですか?」

 

「シンデレラよ」

 

 

 

話に影響しないので、ただの興味本位ですが…『本作中における、読者の推しヒロインは誰?』

  • 本音
  • 楯無
  • 一夏
  • 清香
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