───キャノンボール・ファスト当日。
雲ひとつない空に音花火が打ち上がる。
色のついた煙。
ポンポンと大きな音を立てるそれらを背に、少年達は観客席を見回した。
開会式直前。
彼等は整列し、キャノンボール・ファストの開幕を待っていた。
人、人人───どこを見ても埋め尽くされている。
用意された会場はIS学園ではなく、日本側で用意されたものであった。
公式の高機動レースであると、改めて一夏は思い知らされる。
「すっげー人だ。超満員ってこういうのを言うんだな」
「ああ、学園祭の比じゃない数だ。弾達がどこで見てるかこれじゃあ分からないぞ」
「ISの機能で探せば見つかるかも」
ズーム機能で周囲を見渡して弾と蘭を探す一夏。
招待券を送った手前友人の位置は気になるらしい。
「しかし、各国の政府関係者も熱心なもんだ。あのあたりの席が吹き飛んだら大混乱だろうな」
政府関係者やIS産業関係者用の席─────所謂VIP席の一角を流星は横目で見る。
その席もまた既に満席であった。
例年より明らかに多い。
目当ては────男性IS操縦者だろう。
流星の発言に対し、一夏は半目で彼を見た。
「物騒なこと言うなって。あの辺りは特に大丈夫じゃないか?国家代表や先生達が守ってるし。……それよりちょっと緊張してきたかも」
「人って字を掌に書いて飲むといいらしいな」
「よく聞くなぁそれ。3回でいいんだっけ?」
「人が多過ぎるからもっと要りそうだ。30とか?」
「おまじないだけで疲れるって。小学生の宿題かよ」
「…」
二人の会話を聞いていた箒が何とも言えない表情を浮かべる。
間の抜けた会話から、二人共大して緊張していない事がわかる。
特に一夏は日本の代表候補生入りが審議されている最中だというのに呑気なものである。
彼らが日常的に人目に曝されている事も関係していた。
今回は少しばかり彼らが羨ましい。
貴重な男性IS操縦者だとか、実力だとか──そういったものではなく、専用機を貰った身。
場違いだという負い目のせいで、人の数に呑まれそうになる。
「緊張、してる……?」
そんな箒に声を掛けたのは隣に立っていた簪であった。
大人しく周囲を気にしてしまう彼女ではあるが、あくまで代表候補生。
緊張こそしているが、箒を気にかける余裕はあった。
「平気だ──と言いたいが、この人数を前にしては…落ち着かないものだな」
「そうだね。私もあんまり…落ち着かない」
「簪は胸を堂々と張っていればいいだろう。日本代表候補生なのだから」
「だからこそ緊張するんだけどね……」
箒の言葉に簪は項垂れる。
元々内気な性格に、お家柄からくる人の視線への敏感さ。
加えて、専用機を表で披露するのはこれが初めて。
思い返す度、緊張の波は大きくなる。
緊張を解すつもりがいつの間にか簪自身の緊張を大きくしていた。
「人、人人。これで良いのかな…あ、呑み込まなきゃ…」
「ははっ、いつの間にか私より緊張しているな。これなら私にも勝機がありそうだ」
「箒だってさっきまでガチガチだった癖に……」
笑う箒に簪は頬を膨らませる。
とはいえ当初の想定通り、箒の緊張は解れていた。
遠目で眺めていたツインテールの少女は目を丸める。
(ふーん、案外相性良いのね)
箒を心配して声を掛ける簪を見ながら、鈴は初めて整備室で会った時を思い出す。
あの時から考えればかなりの変化。
一抹の寂しさを覚えながら、彼女は観客席へと視線を移した。
政府関係者に用意された一角。
遠目でも格好でわかる。
管理官に国家代表IS操縦者───そして。
ある人物へと視線を向ける鈴の顔には、嫌悪の色。
開会式が始まる。
キャノンボール・ファストが幕を開けるのであった。
■
「お兄こっちだよ、早く早く!」
「おいおい、急ぐと転けるぞ。慌てなくても席は逃げねぇから」
「もー、お兄が座席のエリア間違えたせいだからね。一夏さんの勇姿が見れなかったらどうするの!」
「そ、それは悪かったって」
プンスカと揺れる赤い髪。
ヘアバンダナを巻いた少女が赤い髪の少年へと鋭い視線を向けた。
バツの悪そうな顔で謝る兄───五反田弾は妹の後を追うように階段を降りる。
開会式が始まろうとしている中、蘭は座席を探す。
「──きゃっ」
席の番号を眺めながらだったからか。
蘭は歩いていた女性とぶつかり、よろけてしまった。
「あら?」
首を傾げる金髪の女性。
女性を前に思わず蘭は見惚れそうになった。
綺麗な金髪に豊満な胸、キュッとしまった腰にスラリと長い脚。
独特な赤いスーツも付けているシャープな造形なサングラスと、まるで芸能人顔負けのビジュアルである。
「ご、ごめんなさい!」
「い、妹がすいません」
すぐにぶつかった事を詫び、頭を下げる蘭。
同時に慌ててやってきた弾も謝罪する。
金髪の女性は彼女らを前に微笑んだ。
「いえ、いいのよ。それよりもケガはない?」
「は、はい!」
「そう。良かった。それじゃあ気を付けてね」
女性は弾の横を通り過ぎる形でその場を去る
歩く姿もさながら女優のように綺麗であった。
(綺麗な人、だったな)
抜群のプロポーションと大人の色気を間近で見た蘭は、自身の体に視線をおとす。
凄まじく鈍い想い人も、ああなれば意識してくれるのだろうか。
───まあ、色々と─────
(足りてないかも…はぁ。ライバルも多いし…)
一夏の周りに居たシャルロット達の事を思い出し、蘭は憂鬱になる。
確か今夜の誕生日会にも来るとの話。
(って暗くなってちゃ駄目駄目───折角生で一夏さんのIS姿を見られるんだしっ!)
蘭は気持ちを切り替え、漸く見つけた席に腰を下ろす。
前のめりになるようにして開会式中の一夏を探すのであった。
一方、観客の視線が生徒達に向けられる中───ヤクザのような風貌の男は観客席を見下ろす。
サングラスの奥にある鋭い瞳は金髪の女性を捉えていた。
「十七代目──やはり奴が来ています」
『そう。やっぱりね』
耳に着けた通信機の向こうから聞こえる少女の声。
明るい普段の声色からは一転して、冷たく静かなものだった。
『周囲に仲間は?』
「見たところ一人です。恐らくISを持っているからでしょう。警備の数を不自然に増やさず、情報だけ伝えて水面下で避難の手筈を整えさせます」
『いい判断よ。私もすぐにそっちに向かうわ。手はず通り、私が交戦状態に入ったら警備班の指揮系統を貴方に一任する。虚と連絡がつき次第、防御システム側の防衛にあたって頂戴』
「承知」
ピリピリとした空気の中、内海は通信を切る。
そしてすぐに他の人間へと連絡をとる。
(ったく、こんな場所に実行部隊のトップたァ──妙なもんだ)
一人考えを張り巡らせつつ、自然とポケットに手か伸びる。
周囲は禁煙。
煙草の箱を触ろうとした辺りでそれを思い出し、彼の指は止まるのであった。
■
現在のレースに決着が着き、大きく歓声が上がった。
繰り広げられていたのは、一年生の訓練機部門によるレースでかる。
授業を重ねて各クラスから選出されたのは五名。
───その中で一位を取ったのは一組の谷本癒子であった。
リードしていた二組のトップに対し、仕掛ける四組の1人と後を追う三組&一組の1人───という構図。
そこから運にも恵まれ、妨害をすり抜ける。
そして一位を奪取しての勝利となった。
観客席に居る一組の面々も大いに盛り上がってる。
賞品を獲得できた故の盛り上がりだろう。
───そして。
次のプログラムへと大会は進む。
観客は先よりも食い入るようにアリーナ内を見ていた。
一年生専用機部門のレース。
それが今回一番の目玉であるのは言うまでもない。
世界でたった二人の男性IS操縦者が、初めて人前で競技するからだ。
スタート位置につく専用機持ち達。
開始前の静けさが会場に訪れていた───先までの歓声も嘘のようだ。
(…もう既に来ている…か)
アリーナ内で観客席に視線を移しつつ、少年は胸の内で呟く。
直前に来た連絡により、
とはいえ、中止の選択は無い。
各国のIS産業への出資や代表候補生の実力の披露等々。
戦争とは言い過ぎであるが────要は国力の誇示の場でもある。
テロリストが怖くて中止とはいかなかった。
「あんたどうしたのよ。露骨に嫌そうな顔してさ」
首を傾げて尋ねる鈴。
流星の隣でISを纏っている彼女の双肩には、横向きの銃口で固定された龍咆が装備されていた。
流星のスタート位置は鈴の場所より斜め後ろである。
「どうにもしてない。それより────スタートと同時に龍咆をぶちかますのはやめてくれよ?」
「それは無理な相談ね。そっちが加速して
「それこそ無理な相談だな」
くつくつと意地の悪い笑みを浮かべる両名。
鈴の近くで待機するセシリアは、二人のやり取りを前に口もとを引くつかせる。
開始と同時に潰し合いが始まれば、自然と巻き込まれかねない。
(全く、血の気の多い方々ですこと)
溜息をついて視線を前へ戻す。
程なくしてカウントが始まる。
更に静まりかえる会場。
その中で一夏は腰を沈め、前のめりになっていた。
目を伏せて呼吸を整える。
白い機体は武器も構えてはいない。
しかし、雪片弐型を構えているかのように周囲は錯覚する。
それほどの集中力。
妨害手段の乏しい彼は、スタートダッシュに重点を置いていた。
───レース開始のブザーが鳴り響く。
コンマ以下の差。
微かにリードする白い機体がそこにはあった。
「「「「!」」」」
専用機持ち達全員の表情が驚きに染まる。
構わず一夏は『白式』のスラスターを全力で吹かした。
スタート直後の団子状態から、更に白い機体が躍り出る。
その瞬間から会場に騒がしさが帰ってきた。
湧き上がる歓声。
騒がしさも集中している選手達には届かない。
追う者と追われる者。
彼らの中にはそれしか無かった。
(やるな──しかし私と『紅椿』も───!)
一夏に触発され、赤の機体が即仕掛ける。
第4世代ISの性能はこの場において全機体を凌駕する。
無論、箒はその機動力を制御しつつ一夏へと迫る。
彼女もまたレースとなれば、エネルギー効率などの都合で妨害手段は乏しい。
序盤で一夏が前に出た以上、同じ策を取った方が良いとの判断。
似た条件の一夏との首位争いに持ち込めば、背後からの妨害を二分出来る。
「!」
背後からの被照準警告。
動いたのはシャルロットであった。
背後からのサブマシンガンが一夏と箒を襲わんとする。
箒と一夏はコース中心から逸れるようにして、それらを躱す。
シャルロットの狙いはそこにある。
最短コースから外れた彼らの隙間を目掛けて、橙の機体を駆ろうと───。
「そこですわ」
「ッ!!」
閃光がシャルロットの機体の足を捉える。
バランスを崩し減速する彼女の脇を、高速機動パッケージ『ストライク・ガンナー』に身を包んだセシリアが追い越す。
緩やかなカーブに皆がさしかかる。
これでは間違いなくセシリアが首位に躍り出る。
それを阻止せんと鈴も加速し、距離を詰める。
『
しかも横向きに固定された『龍咆』ならば、横並びの敵を簡単に妨害可能だ。
一夏や箒も蹴散らしながら進む───鈴は勝負どころだと外周側から割り込みに行く。
小競り合いを繰り返しレースも後半へ。
先行組と後続組に綺麗に別れていた。
後続組の先頭を走るラウラは、全員の様子を見て考える。
仕掛けるべきかと彼女が考えたところで────後続にいた簪は『山嵐』を展開した。
『!!』
全員が思わずぎょっとする。
まさか、その武装をレースに持ち込むとは誰も考えて居なかった。
展開した瞬間機動力が落ちる。
それもそうである。
レースには不向きな重装備なのだから。
加えてミサイルではレース仕様のISに追い付けない。
デメリットばかりの武装。
しかし、レースにおいて
マルチロックオンにより全員へとミサイルが降り注ぐ。
簪はミサイル射出直後に増設したスラスターの出力を一気に上げている。
皆がミサイルの妨害に対応している隙を一気につくつもりだ。
「させるかぁ!」
「そうはさせん───!」
鈴とラウラが同様に出力を上げる。
最小の回避と迎撃をこなして土壇場で前に出ようとするラウラと、先行組側で勝負を決めに掛かる鈴。
傾く機体、眼前を覆う爆煙。
シャルロットやセシリアも他を妨害しながら突き進んでいる。
箒と一夏はミサイル回避と妨害により、最短ルートから外れてしまっていた。
「───やるぞ『時雨』」
そんな中、最小の妨害で留まっていたオレンジ髪の少年は動き出す。
持っていた盾とアサルトライフルを量子化し、両手に手榴弾を展開。
更に『時雨』の背に展開される大型の後付けスラスター。
背部から長く『時雨』の従来のスラスターや装甲を覆い尽くすようであった。
レースの為に
『時雨』のOSと相性はまちまち、『黒時雨』のデータを流用したものである。
文字通り秘密兵器。
調整したところで純粋な機動力では劣る『時雨』が追いつく唯一の手段だ。
残りのコースに急カーブは無い。
全員の意識が流星から外れた一瞬、ここに彼は賭けたのだ。
(あれは────!)
唯一余裕のあった簪が気付くも後の祭り。
爆発的な加速で少年が先頭へと出た──────。
加速の度に切り離される後付けのスラスター。
この爆発的な加速は1回使えばそれで終わり。
ゴールまでの残り十秒を彼は耐えるだけ。
妨害に手榴弾を置く流星。
切り離された後付けスラスターと誘爆すれば、かなりの妨害になる。
真耶との模擬レースを思い出しつつ、嫌らしい位置に手榴弾を投げ捨てる。
(───)
その策を前に正面から突破を試みる白の機体。
無茶な機動だと理解しつつ、彼はカーブを直進した。
目標は流星────爆発前の手榴弾に敢えて近付き、雪片弐型で切り裂いた。
(……雪片!まさかブレード一本をここまで隠してたのか─────)
すぐに量子化しつつ、彼は最短距離を直進する。
カーブを曲がろうとする動きでは無く、流星にぶつかるつもりである。
彼をクッション代わりにして無理矢理曲がるつもりである。
落ち着いた様子で流星は槍を
ここで迎撃し、そのまま首位を───と一夏と接触する直前にアラートが鳴った。
「「!!」」
レールカノンが二人を纏めて撃ち落とさんと放たれる。
距離が想定より近かった────、一夏の背後からスリップストリームにより彼女も追ってきていたのだ。
一夏と流星は辛うじてそれを躱す────当然、速度は維持できない。
黒い機体が灰と白をおいて先頭へ。
そのままゴールへと辿り着く。
─────刹那、青紫の閃光が黒の機体を撃ち抜いた────。
「ッ!」
速攻で反応するも、突然機体はとめられない。
半ば置かれていた狙いは確実にラウラの機体のスラスターを損傷させていた。
爆煙をあげながら転がる機体。
それを皮切りに突如として青紫の閃光が専用機持ち達に降り注いだ。
「これって────!」
シャルロットが盾で攻撃を受けながら、険しい表情で叫ぶ。
避けきれないと判断した彼女は上空へと進路をとって、皆を守る方向へと動いていたのだ。
その間に、セシリアは上空の敵機へとスターライトMarkIIを見まおうと引き金を引く。
「あの機体は
相手の回避行動の隙に空へと駆け上がり、仕掛けに行く。
ビット数機と狙撃は彼女が引き受けている為、立て直しは容易となった。
「鈴」
「分かってるわよ。───そこ!」
流星は鈴へとアサルトライフルを投げ渡し、鈴は振り返りある場所へと掃射する。
虚空で切り弾かれる弾丸。
直後、その場に機体が浮かび上がるように現れる。
(二機じゃなく、三機か─────)
更に上空から現れる褐色の機体。
混乱する観客席を他所に、少年らと襲撃者は向き合う形となった。
「来たか。
■
観客席の混乱は言うまでもなく大きなものであった。
誰もが呆気に取られる中、ゆっくりと全員が事態を咀嚼していく。
上空から飛来した攻撃と敵性IS。
余興や事故ではなく、完全な襲撃─────。
アリーナで上がる爆煙は、一般人にも命の危機を明確に覚えさせていた。
────とはいえ。
一部のスタッフや警備側は準備が整っていた。
観客に混乱は見られるものの、避難誘導自体はスムーズに開始されていた。
「イベントに強制参加なんて随分と無粋ね」
人混みの中、水色の少女は流れに逆らうように歩く。
この状況下でも落ち着いた様子───閉じた扇子を片手に、身を包むはIS学園の制服。
その視線の先に居るのは、赤いスーツの女性。
観客席に座ったままの女性は、彼女はサングラスを外す。
「あら?こういうのは盛り上がった方が良いでしょう」
「勘違いもいい所ね。騒がしいだけは迷惑って知らないの───『
「ふふ、それはどうかしら」
女性───スコールの周囲には既に人はいない。
ぽつんと1人で観客席に座り続ける彼女は、戦闘を開始する専用機持ち達を見ていた。
楯無は視線を彼女から外さずに口を開く。
「それで、今回の狙いは何かしら」
「そんな事言う訳ないでしょう?」
「『白式』と各国に向けたアピール……
楯無は目を細めてスコールを見る。
来玖留とのやり取りを彼女は知らないが、推測は出来る。
明らかに来玖留の背後にあった幹部会の存在。
どういう意図かは不明だが、来玖留は一部の情報を遺していた。
そして恐らく───その一人がここに来ている。
「───本当に破滅的な女ね、彼女」
「…ええ。そこは全くもって同意見よ」
言葉と同時。
スコールは振り返りざまにナイフを投げる。
首筋目掛けて投げられたナイフ。
楯無は閉じた扇子でそれを弾いて見せた。
ナイフはくるくると真上に打ち上げられ、楯無の真横に転がる。
「マナーのなっていない女は嫌われるわよ」
楯無の周りに水流が現れる。
お返しとばかりに逆巻く水流はスコールのいる場へと叩き込まれた。
「あなたこそ初対面の相手に失礼ではなくて?」
水流はスコールには届かず。
涼しい顔で彼女はISを片腕だけ展開し立っていた。
楯無は即座に腕部を部分展開し、超高圧水弾ガトリングガン『バイタル・スパイラル』の引き金を引く。
一瞬にしてスコールの居た場に弾丸が叩き込まれた。
しかし無傷。
それもシールドエネルギーさえ減ってはいない。
楯無は眉ひとつ動かさず、その事実を受け止める。
対してスコールは得意げに笑みを浮かべた。
明確な機体相性の差。
来玖留のIS程ではないが、こと防御面に関しては遜色なかった。
「あなたの『
「───
楯無は不敵に嗤う。
開かれた扇子には『最強』の二文字がそこにはあった。
「私は更識楯無。IS学園生徒会長、ならばそのように振る舞うだけ」
力強い宣言を受け、スコールは呆れたように溜息をつく。
直後───蒼流旋と金色の尾が激しい金属音を立て激突した。