クソ雑魚メンタルなTS娘はマッマの所為でVTuberデビュー   作:totto

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19話 記念コラボ配信準備とか

「ミャァァァァァ」

「湍ちゃんいい匂いがする!えへへへ」

「グヌヌヌヌヌ……」

「明奈ちゃん、どうどう」

 

 玄関でバックアタックを食らい、そのまま那月(イズモ)の腕と胸に挟まれてリビングへ向かう僕。

 落ちないようにキツめに抱きしめられているから、胸……胸が……柔らかい物が……はう……。

 

「あらあら、いらっしゃい。みんなこの間ぶりね。さあ、こちらへどうぞ」

 

 お茶菓子を用意していたお母さんが出迎える。

 実はこの間、僕を家に送り届けた時に玄関から出て来たお母さんと出会っており、既に顔見知り状態なのだ。

 

「よっこいしょ!」

「那月、いつまで抱きかかえてるのよ」

「離すと逃げられちゃうから、いつまでも!」

「ミャァァァ………………」

「でも、そろそろ湍ちゃんが限界がきそうよ」

 

 僕の体温は絶賛上昇中。

 もう頭の中が茹って目がグルグルしゅりゅ…………。

 

「はわわわ!耳まで真っ赤、ごめんごめんやり過ぎたよ!」

 

 ようやく釈放された……でも少し勿体無い気も……駄目だ、これ以上は駄目だ…………。

 灼熱のサウナから出て来たぐらいヘロヘロになりながら、やっと席に着く。

 あ~~~クーラーの風がヒンヤリする~~~。

 夏に近づき熱くなってきた今日この頃。文明の利器に感謝だよ。

 

「ふぁぁぁぁぁぁ~~~~」

 

 火照った頬を机が冷やしてくれる。

 

「むっふーーー!垂れ湍たん、かわゆすかわゆす」

 

 パシャパシャパシャッ!

 

「湍ちゃん、顔をこっちに!こっち向いて!」

 

 右に座っているスマホで写真パシャパシャしている那月(イズモ)と、スマホを構えているであろう明奈(アリア)

 

「ふふぅ、完全に癒しアイテムですね~」

「ほんと可愛いわよねぇ~♪我が娘ながら、最高に可愛いわぁ。そういえば3人はお昼どうするつもりなの?」

「パシャパシャパシャ。えっと、とりあえず折角だから皆で食べに出て、その後お買い物に行こうかなって考えてます」

 

 僕の知らない情報を露呈する那月。

 なにそれ僕聞いてないんだけど。えっ、外に4人で食べに出て買い物にまで行くの?まじ?

 

「そうなのね。なら、この子をちゃんとした恰好にしないといけないわね」

 

 そう言われて僕は自分の今の恰好を見下ろした。

 スウェットに短パン、トランクス。素晴らしいぐらいに部屋着。はい出不精です。

 べっべつに可愛い服とかがない訳じゃないんだよ?自ら着ないだけで、プレゼントされてるし……。

 可愛い子に可愛らしい恰好をさせるのはジャスティス。

 小さいときは喜んで着てたけど、自分が身にまとうとお母さん譲りの可愛らしさと合わさって注目を浴びるという事が分かってから着なくなった。

 自惚れとかではなく、お母さん身内贔屓を差し引いても可愛らしいし、その要素をそのまま引き継いでいるのだからね。よくお母さんに似ているねと言われるし。

 

 もうこれ以上は止めておこう。ナルシストみたいだし……。

 という訳で、普段から野暮ったい恰好などをしている訳だけど。

 

「前は可愛い服を沢山着てくれたのに、急に着なくなっちゃったのよね」

「任せてください!私達が可愛くコーディネートします!」

 

 と意気込む明奈(アリア)

 

「そうと決まればお部屋へ、ゴーーーッ!」

 

 そしてまた那月に抱きかかえられて行くのであった。

 

「ミャアアアアア!?あーーーるーーーけーーーるーーーよーーー!!!」

 

 

 

 何に着せ替えるかで軽くひと悶着あってから、無事着替え終わって羞恥心と共に家の外へ。

 今は駅の構内で電車待ちをしているのだけれど、注目がヤバ過ぎて帰りたいよ……。

 僕の恰好は、薄オレンジ色の腕回りが大きく萌え袖になったゆったり目の上着に、白いフリフリのスカート。

 ただでさえ3人とも違う美人さんで注目浴びるのに、僕まで加わってるとか勘弁してほしい。

 

 ある程度は覚悟していたとはいえ、顔が上げられない。

 この体になってから視線というモノが前よりも敏感になって、ある程度自分に向けられている視線が分かってしまう。

 

「うぅぅぅぅ、はずい…………」

「良い出来だと自負があったけど、やっぱり元が良いから注目されるよね」

 

 などと頷く明奈は、ダボっとした薄ベージュの上着に黒のスカートの様な短パンで、少し上品なお姉さんって感じがする。

 

「可愛いはジャスティス!そしてイエスロリータ、ノータッチ!湍ちゃんは私が守るからね!」

 

 そう言いながら一番触っている下手人である那月は、縦皺の入ったゆったりした白地の上着に黒のズボンを穿き、シックな感じで可愛らしい。

 

「いっ1番触ってるじゃん……!」

 

 着替え終わって出て来た僕を、明奈と共にサンドイッチで抱きしめて来たのだ。

 今日1番抱きしめてるよね!

 だから僕は激怒した。かの暴虐な同期へ復讐すると!

 

「ごっごめん……嫌だったよね……ごめんよぉ」

 

 シュンッと効果音が付きそうなほど落ち込む那月。

 

「べっべべべ別に嫌じゃないから落ち込まないで!」

 

 無理だったよ……。

 

「もう、ムッツリなぁ、猫さんですね。ツンツン♪」

「ふぎゅっ」

 

 慌てている僕の頬を突く鈴音(メメ)は、薄ピンクのワイシャツの上部をあけて白地のシャツを出し、灰色のチェック柄スカートを着こなしており、こちらも可愛い。

 なんで、みんなこんなにレベル高いの!?普通は喜ぶところだけどさ!

 1対1ならお母さんで多少耐性ついてるけど、複数人は辛いよ……。

 この間と今日で、多少慣れて来たけど、それでもドキドキしっぱなし。 

 

 僕はようやく来た電車に乗り込みながら、早く目的地についてくれと祈った。

 

 

 

 電車に揺られて5駅程、目的地についてお昼を軽く済ませて向かった先は、なぜかランジェリーショップ。

 自分の下着だと別になんとも思わなくなったけれど、それ以外だと未だにドキマギしてしまう。だっ、だって女性の下着だし……。

 

「湍ちゃんのタンス漁ったけど、可愛らしい下着が少なかったので、私達から似合う物を選んでプレゼントしたいと思います!」

 

 聞いてもいないのに司会進行役のごとく説明してくれる那月。流石コラボ好き。

 

「私が一番似合う物を選んで見せる!」

「フフ。私もぉ、負けませんよ♪」

「私に勝てるものなら掛かってきなさーーーい、ムフーーー」

 

 そう言って意気込んだ明奈、鈴音、那月は僕を置いて颯爽と獲物を物色しに行った。

 

「えっ……」

 

 下着売り場にポツンと残された僕。

 気分は彼女との買い物でやって来た彼氏の気分。居たことないけど。

 完全に気分はアウェイ。

 

「お客様、何かお探しでしょうか?」

 

 そして来てしまった……何かお探しですか(恐怖の大魔王)

 

「ミャッ、にゃっにゃにも…………」

 

 うぅぅぅ、緊張のし過ぎでかみかみになっちゃった……。

 早く戻ってきてぇぇぇぇぇ。

 

 

鳴瀬鈴音(花咲メメ)side

 

「ふんっふふっふーん♪湍ちゃんにはぁ、何が似合いますかね」

 

 店内を見渡しながら歩いていく。

 (はやせ)ちゃんは子供っぽい体型だけど、そのまま幼い感じの物を選ぶのはちょっと違う気がしますね。

 やっぱりここは大人な雰囲気で攻めて、ベビードールで行きましょうか。

 大型店舗なだけあって、品揃え豊富で目的の物も数多く取り揃えられていますね。

 

「配信やタンスの中を見る限りぃ、湍ちゃんのお母さんが買ってあげてる感じですよねぇ。意外とセクシーなのも平気そうですしぃ、大胆なもの選んでみましょうか」

 

 ブラ部分がスケスケなのは流石にやりすぎなので候補から外しましょう。

 

「あっ、この胸元にリボンと首回りにフリルのレースが付いたヤツがぁ、良さそうですね」

 

 白に近いピンクの生地は、胴の部分は透けておりセクシーな感じになっている。

 

「せっかくだからぁ、今日はコレを着てもらいましょう♪」

 

 私は手早く決めて、レジへ向かった。

 元の場所へ戻ってみれば、そこにはビクビクと怯えた様子の子猫ちゃんと、それを見守る店員さんの姿がありました。

 これは完全に可愛らしい湍ちゃんを見て和んでますね。

 

「湍ちゃん、もどりましたよぉ」

「ミッ!すっ鈴音ぇぇぇぇぇ!」

「わっ……」

 

 声を掛けた瞬間、涙目でこちらに抱き着いてくる湍ちゃん。

 

「うっ、かわいいぃ、ですね……」

 

 頭を撫でながら、ドクンッドクンッと高鳴る鼓動を落ち着けます。

 あまりの不意打ちでトキめいちゃいました。悲鳴も良いですけど、こうゆうのも良いですね……。

 これがきっと、萌えというヤツなんですね。なんとなく、いつもシロネちゃんシロネちゃんと言っている那月ちゃんの気持ちが分かります。

 

「そんなにぃ、必死に抱き着かれると手放したくなくなっちゃいますよ(ボソ」

「うぅぅぅぅぅぅ…………すっ鈴音、いま、何か言った?」

「ええ、とてもぉ、積極的ですねって言いました♪」

「ミャア!?ごっごごご、ごめんしゃい!」

 

 そう言って私から飛びのく子猫さん。

 あらら、残念です。

 

 

 

乙倉湍(振上シロネ)side

 

「ふぅ……」

 

 また話しかけられるのではとビクビクしていた状態から、やっと解放された嬉しさのあまり鈴音に抱き着いちゃった。

 嫌がられることはなかったけど、大胆なことをしちゃったよ……。

 

「お待たせーーー」

「買ってきたよーーーい」

 

 呼吸を落ち着かせていたら、程なくして明奈と那月が戻ってきた。

 

「みっみんな、もう終わったの?」

 

 てっきり試着するものだと思っていた。

 

「サイズは、ちゃんと湍ちゃんのお母さんから聞いといたから大丈夫だよ」

「ミャア!いっいつ聞いたの、というか何教えてるのお母さん!!!」

 

 などと暴露する那月。

 お店の人に測って貰うのは恥ずかしいから、お母さんにして貰っているから、僕のスリーサイズはバッチリ把握されている。

 元男としては、サイズを知られても恥ずかしくはないけどさ。個人情報漏洩だよ!

 

「それに現物もみたからね。抜かりはないさ!」

「まさかの伏線!?」

 

 渡瀬那月(世闇イズモ)恐ろしい子……!

 

 

 

 そんなこんなで、次は大型家電量販店でマイクやキャプチャーボードを物色したり、モニターを見て回ったり。

 見てるものが完全に配信者ですね、ありがとうございます。

 

 ほどよく買い物やら冷やかしを終えて帰宅。

 ちょっと気になってたマイクがあって、奮発して買っちゃった。

 

「ふ~ふっふ~~~ん♪」

「湍ちゃん嬉しそうだね」

「うんッ!」

 

 やっぱりガジェットは良いよね。買ったら早く試してみたくなるよね!

 前までは配信するわけでもないからマイクを持っておらず、今まではお母さんのお古を貰ってやっていたけど、ようやく自分で買った新しい物を使える。

 ネットで注文しようと色々と見ていたけれど、あれも良いこれも良さそうってなかなか決まらなかったけど、実物を見たことでようやく決めれた。

 

「シロネちゃんの悲鳴がぁ、より良くなるんですね」

「鈴音はほんとシロネの悲鳴好きだよね」

「はい、あの脳を揺さぶる甘美な響きはぁ、どの楽器でも出すことは出来ない良い物ですよぉ……ふぅ」

「これは完全にシロネニウム決めてる顔だね!」

「那月、アンタ人の事言えないでしょ……」

 

 後ろで何か話しているけど、気にしない気にしない。家はもう目の前。

 さあ、早く繋げて音質チェックするぞ!

 

 

 家に入り、再び4人で僕の部屋にやって来た。

 僕は基本的にデスクトップパソコンだけれど、他の3人はノートパソコンを使っているみたいで、自分の配信環境はバッチリのようだ。

 なるほど、だから来るとき少し荷物が多かったんだね。

 

 床に置いてある机の上で、Wi-Fiを繋いだり音響関係の機材を繋げたりと、各自が準備をしている。

 推しが自分の部屋に居るって、嬉しいけどなんか変な気分。

 マイクを接続するときまでワクワクしていた気持ちが、思い出したかのようにドキドキし始めた。

 なんだかソワソワして落ち着かない……。

 椅子の上で体育座りになって膝をギュッと抱きしめる。

 

「よし、準備完了だよ!」

「私も終わった」

「こっちもぉ、終わりました」

 

 どうやら、ちゃんと出来たみたいで良かった。

 あっ、そういえばアレを忘れてた。

 

「みっみんな、今から、ディスコードに画像送るから、受け取ってほしいな……」

 

 マウスを操作して画像6枚をドロップ。

 

 ピョコンッ!

 

「なになに……わあ!これってサムネ絵!?すごい、私達4人が描かれてるよ」

「ほんとだ。それも4人バージョンと1人ずつのバージョンもある」

「4人そろって寝転んでいて、とってもぉ、仲が良さそうで可愛いですねぇ♪」

「きっ気に入ってくれたかな……仕上がったのが今朝で、送るのが遅くなっちゃったんだよね……」

 

 本当はもっと早く送りたかったんだけど、ラフで時間が掛かってしまいこんな時間になってしまった。

 

「ありがとう、すごい気に入ったよ!私これにサムネ変えるし待機画面でも出すよ!」

「私も私も!早速変えよう!」

「そうですねぇ。こんな素敵なイラストを頂いたのにぃ、使わないなんて罰が当たっちゃいます」

 

 3人はそういうと、早速パソコンをカタカタと弄りサムネ変更作業を行いだした。

 顔を見れば、みんな笑顔を浮かべており、嘘を言っている訳じゃないことが分かる。

 こんな風に僕のイラストで笑顔になって貰えるなんて、想像したことなかった。

 なんだか、嬉しいな……。体の奥からポカポカしてくる。

 

「そういえば湍ちゃん」

「どっどうしたの、那月」

「今日のパンツはピンクなんだね♪」

「ミ゛ャ゛ア゛!?」

 

 見えてたのなら言ってよ!

 

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