第五艦隊の進むべき道   作:タビ・ラプターアンタレス艦長

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12話目

また少々書き方を変えてみました!

それではどうぞ!!





一休み (第12話)

ガトランティス戦役が終結し、それから1ヶ月後。

軍内部には第五艦隊のことをよく思わないもの達が多くいるようだった。そのもの達を黙らせるために第五艦隊は合同演習に駆り出されたようだ。そのことを後々第一~第八分艦隊の指揮官達が司令部に脅迫ギリギリの線で聞き出していた。

まぁ、今はそんなことをしている場合ではない。第五艦隊上層部は今、新たに第五艦隊に創設される第九分艦隊、そして秘密裏に計画されていた新造艦の完成に大忙しだった。名前はアストラーデと、アストラーデβということになっている。今のところは2隻だけだがこれからもっと新たに増えるだろう。

第九分艦隊は元々、増援艦隊及び補給艦隊と呼ばれていた。それを全部合わせ名前を変えた。ただ名前が第九分艦隊になっただけで役割は今までと余り変わらない。変わるところいえば、増援第1艦隊/補給艦隊であった佐竹准将が少将になり補給艦隊を指揮するだけだ。

 

そんなことを考えていた時、部屋の外からノックと声が聞こえた。ふと、時計を見てそうかもうそんな時間かと思いながら扉を開けた。

 

「司令、お飲み物です!今日はコーヒーです」

 

「ありがとう」

 

そう言って、副長から受け取り口をつけた。んん!これはまた美味しい。副長は料理が上手い。多分店を出せるぐらいに。

 

「そいえば、クルーのみんなにも渡してみましたよ」

 

クルーとは、第五艦隊の総旗艦でもあるこの船、アンタレス改2。クルー人数はおおよそ400人。ただ今は200ほど、つまり副長は200人分のコーヒーを入れたのかと思いながら飲んだ。

ちなみになぜ半数しかいないかと言うと以前話していた休暇の話しだ。私は1週間前統合本部に呼ばれた。話の内容は、今回演習や戦役をやってくれたことに対して第五艦隊には2週間の休暇を与えるということだった。なぜ2週間かというと初めの週で半数、次の週でもう半数で、だからだ。そしてなぜ半数なのかは "第1~第4艦隊では心もとないから半数だけでもいい残しておいてくれ、乗員も" と言われたからである。正直面倒臭い。まぁ、上からの命令だから従わざるおえないが同じ階級だぞ!

 

「そいえば、司令。もうまもなく新型艦完成しそうです」

 

「そうか」

 

さっき言っていた新造艦は現在時間断層工場にて作っている途中で、第五艦隊主力ではアンタレス改2の次に匹敵する火力/防御を備えている。

 

「楽しみだな」

 

「はい」

 

言い忘れていたが第五艦隊幹部陣にはほとんど休暇がない。あってせいぜい3日間だけだ。作戦参謀長と副長はそれぞれの実家に、艦橋オペレーター達はネズミーランドやU5Jなどに行くそうだ。ちなみに私は両親と戦友の墓参りに行こうと思っている。

 

 

「では私はこれで失礼します」

 

「あぁ」

 

と、副長と食後のティータイムを過ごしたところで時間も遅くなったことで普段と変わらないがお開きとなった。明日から私たちの少ない休暇のスタートだ。

 

日が明け、次の日。後半の休暇の人たちは前半の人たちと交代するように休暇に入った。宇宙桟橋で止まっている船から次々と桟橋と地上を行き来する連絡船が東京都にある羽田基地に降下する。ここから各自思い思いのところに行く。作戦参謀長は大分、副長は宮崎に実家があるらしい。私は隣の神奈川に行く。どんなときも一緒にいるクルーがいないのはこんな時以外は殆どない。またすぐ会えるとわかっていても少し寂しい気もする。

 

私の両親と戦友の墓は箱根にある。ここに墓がたった理由は5年前に遡る。5年半前地球にある異星人が攻めてきた名前は『星系連合』。星系連合はまず地球の戦力を潰しにかかった。約半年かけて防衛軍が保有していた艦隊が6割やられた時、地球軌道上で迎撃をしていた村雨型巡洋艦が機関部に大損害を被り地球に落下し、不時着陸した。生存者がいるかもしれないということで救助に向かったようだった。その時、墜落現場の付近で不可解な穴があった。墜落の衝撃でできたようだった。そして星系連合の目を逃れてこの下に行ったら大きな空間がいくつもあった。そこはそれぞれ時間の経ち方が違った。大中小でそれぞれ1つずつ、1番大きい空間は地上より約6倍の時間が経っているということがわかった。他の2つも同じ時間の経ち方かと我々も思っていたが、中ぐらいの大きさは3倍、小は2倍の経ち方だった。

その時期、星系連合がある種、第2フェーズに入ったようだ。第2フェーズは世界各地に隕石が毎日降り注いだ。そしていよいよ日本にも隕石が降り注ぎ始めた。私と両親がいたのは神奈川県の横浜、緊急避難警報が鳴り響き私たちはシェルターに急いだ。私はなんとかシェルターに逃れることが出来たが両親は何処にもいなかった。

 

このとき私は19歳。もう軍に所属していた。訓練を昼夜共にした戦友の多くの命が消えていった。元々は家族を心配させないために陸軍を志望しようと思っていたが星系連合に復讐するために私は宇宙軍を選んだ。そこから戦果を挙げ階級を徐々にあげていった。士官学校の恩師であるデニム元帥は

 

「早すぎる出世だな。お前はまだ若いぞ?」

 

と言われた・・・。

 

自分の過去を思い出していたらいつの間にか神奈川県戦死者慰霊地に到着した。そこで色々してこの後の予定である箱根温泉街に来た。前までは全然人がいなかったのに今となってはもの凄い人だ。もうすぐ今日泊まる旅館に着きそうなところである家族連れに声をかけられた。訳は

 

「第五艦隊のタビ・ラプター元帥ですか」

 

やばい... 気づかれた...。なるべく気づかれないように動いていたのに...

 

「・・・子供が・・・気づいて・・・」

 

と所々で聞こえてくる。子供恐るべし。そんなことを一瞬考えていたら周りにいた人たちも聞こえていたようですっかり私の周りには人だかりができていた。私は困り果てどうしたもんかと考えていたら突然私の腕を掴んで人だかりから抜け出した。腕を引っ張った人の顔は見覚えがあった。というかものすごく知った顔だった。

 

「中将?どうしてここに?」

 

中将とかキュー中将のことだ。

 

「私達もここで短い休暇を楽しもうかと思いまして・・・」

 

「私たち?」

 

何人かと来ているのか・・・、

 

「あの人です」

 

とキュー中将が指さした先にはこちらもよく見知った人がいた。

 

「お前たちほんとに付き合ってるのか?」

 

「付き合ってません!!司令まで・・・何度言ったらわかるのですか...」

 

とみん中将がボヤいた。

その後、歩きながら今夜泊まる旅館を聞いてみたら、驚いたことに同じところだそうだ、こんな偶然があるものなんだな・・・

少し談笑をして一旦別れることとなった。また後で集まるが、それぞれで観光したい所があるからだった。周辺を色々周りみて旅館にチェックインをした。旅館の感想としては"綺麗"の一言だ。

また中将達と集まり夕食を食べることになった。

美味しい夕食を終え各自の部屋に戻り明日のために寝ることになった。これで1日目が終わった。

2日目と3日目も色々なところに回った。よくたった4年でここまで元通りにに戻ったものだ。あっという間に3日間の休暇が終わった。朝一番の連絡船で船に戻った。どうやら私が一番乗りらしい。まぁ、前半の人達がいるのだがね...、第九分艦隊の書類を早いとこ仕上げようと思い艦橋に行ったらもう書類が出来上がっていた。どうやら私がいない間に佐竹少将がほとんど終わらせてくれたようだ。あとは私の了承用の判子とチェド元帥の判子だけかと思っていたが、もうその判子は押されているつまり、私待ちか...と申し訳なく思い了承のハンコを押した。これで晴れて第五艦隊に新たに第九分艦隊が創設。新造艦も完成し試験航行をした後第五艦隊の指揮下に入ることが決定した。1時間後次の連絡船団が到着。そこに副長と作戦参謀長も乗っていた。ちなみにキュー中将とみん中将は最後の便でギリギリ到着した。その後全員が集合した。まだあと4日間あるのだが後半の人の意向を確認して第五艦隊は当初の予定を繰り上げ新たな作戦を元に作戦行動を開始した。




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