転生チート吹雪さん   作:煮琶瓜

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赤い海と艤装と適性検査と

 

 艦隊これくしょん-艦これ-

 前世の世界では色々と、それはもう良くも悪くも色々と有名なゲームであった。艦娘と呼ばれる少女たちを育て、資材を運用しながら敵を倒す。基本はそれだけのゲームである。明確なストーリーも、はっきりとした舞台設定も存在しないのが特徴というふわっとした世界観をしていて、敵も味方も何やってんだかさっぱりであった。

 そもそもこの艦これ、メディアミックスをいろいろとされた作品なのだが、作品一つ一つで固有の設定を持ち互換性がないという変わった作品だった。ある作品では敵と血みどろの殺し合いを演じ、ある作品ではクリスマスプレゼントを贈り合う。ある作品では提督と呼ばれるプレイヤーの分身がハーレムを築き、ある作品では氷上の提督がプレイヤーを艦娘にした。訳が分からないと思うが私にもわからん。

 だが一応共通して、艦娘たちはポーズにしろガチにしろ深海棲艦と呼ばれる侵略者達と日々闘争を繰り広げている設定になっている。そう、艦娘たちは、である。

 

 つまり一般人の私は何もしなくていいという事だな!

 

 私は艦娘じゃなくて普通に人の親から生まれてきた人間だからね、艤装とか持ってないし深海棲艦なんかと戦えるわけないよNE☆

 いや戦えないってのはたぶん嘘だけどさ。実際、艦娘が何とかしてくれる世界だと思うんだ。この日本って海軍とか無いけど。平成の世だからね、自衛隊しかないんだよこの世界。逆に自衛隊はあるから私が提督として起用される事も無いと思うんだ、提督の採用条件次第だけど。

 

 

 

 そんなふうに考えていた時期が私にもありました。

 

 

 

 

 

 深海棲艦の襲撃から半年、日本は完全に制海権を失っていた。今や日本であると明確に呼べるのは本州一島のみであり、四国、九州、北海道とすら一切の交信が途絶したままだった。海岸へ近づけば容赦のない砲撃が降り注ぎ、廃墟と化した港町には弔われる事のない死者が白骨を晒していた。

 赤々とした海に生命の気配はなく、標的が居ないかこちらを見張る異形の目だけが爛々と輝く。変色海域。そう名付けられた赤い海で全ての艦艇は腐食し海に没した。

 変色海域では生命は死滅し、金属は急激に腐食され風化する。影響力は上空にまで及び、航空機はどこへも辿り着けずに海へと吸い込まれる。

 日本は孤立していた。

 無論、国が何もしなかったわけではない。深海棲艦に対する攻撃は幾度も行われた。ただ彼女たちには通常兵器の一切が効果を表さなかったというだけである。それでも様々な手を使い初期の戦線から内側に侵攻させなかったのは、自衛隊の大手柄と言っていい。

 食料問題も深刻で、特に魚は普段の食卓からは一切の姿を消した。農作物の収穫に変色海域がさほど影響を与えなかったのが救いである。

 ただ状況が悪くなるばかりかと言われるとそうでもなく、当初は全く足りずに止まっていた電気の問題だけはこの半年で改善していた。新開発の発電施設が完成し、無事稼働に成功したのだ。折しも初冬であり、国民の安堵は計り知れなかった。

 そんなか細い光明を頼りに人々が生きる中、日本は新年を迎えようとしていた――

 

 

 

 

 

 艦娘現れないんですけど??????????

 

 突然停電してPC使えなくなったり、復旧したと思ったら政府から深海棲艦から攻撃されてるって発表されて町中大混乱、からの買い占め品薄物資不足。挙句の果てに一部の紙製品とかは配給制始まっちゃったよ! 米だけ普通に食べられるのは流石だと思う。

 外国から完全に孤立してるから何もかもが足りてないわけで、そんな状態だから当然のようにスポーツの大会なんかは全部中止、私の阿呆記録もなんかうやむやになった。やったぜ。

 やってねぇよ、どうすんだよこれ全然反撃出来てないぞ日本。銃も砲もミサイルもなんも効かないって何が起きてるんだ、というか発表して良かったのかそれ絶望で自殺者出たぞ。中学校普通に授業してるからあんまり危機感無いんだけど、世の中景気がどうとかいう問題を通り越しているらしい。

 なんせ生存が確認されてる日本人は一億人切ったからね! もちろん九州や四国、北海道の人間が生きてれば回復するんだけど、自衛隊が各地で頑張って深海棲艦追い返してる本州ですら人が死にまくってるわけで……

 艦娘ー!!!! はやくきてくれーっ!!!!

 

 そんな状況だけど私の周囲の人たちはみんな元気である。両親とか陸上部の皆とか島さんとか島さんとか島さんとか。

 島さんは宣言通り私を逃がしてくれなかった。非常事態宣言の後も一緒に部活に連れていかれ、毎日のように一緒に走っているのだ。そのおかげなのかなんなのか、彼女のタイムは縮まり続けている。手加減しなくていいよーっとか言われるが、そこは勘弁して欲しい。本気出すと周囲の物が吹き飛ぶんです。

 そういえば、某ハーレム軍団も元気である。最近うちの担任が参戦するようになった。大丈夫かこの学校。

 ハーレムの新人だった桑谷先輩とはたまに遊ぶようになったが、この異常事態が日常になった日本で彼女は平常通り不幸だった。普通に歩いてるだけで植木鉢のトマトが落ちて頭に直撃したり、飛んできたボールが変な跳ね方をして鳩尾に直撃したり、二巡三巡目で役満が直撃したりするのである。

 ちなみに桑谷先輩は三年生なので受験生だったりする。一応その辺りの制度はちゃんと機能しているため、受験勉強で大変そうだ。おかげでハーレムの主――提くんというが――とは若干疎遠気味で、クリスマスパーティで久々に会ってお話し出来たとメールで嬉しそうに言っていた。

 かと思えば私を校舎裏まで呼び出した二年の帰国子女――剛田先輩はそのパーティで提くんとキスまで行っていた。事故で。どんなラッキースケベ発動したらそんな事になるんですかね、とメールで聞いたら嬉し恥ずかしな文面の怪文書送りつけてきたので即座に削除した。

 実はこの半年で私と例のハーレムの女子達はそれなりに仲良くなっていた。元々気の良い人達ばかりなので、疑惑が晴れたらコミュ力糞高系女子の剛田先輩とはすんなりと打ち解け、その縁で他のハーレム員達とも友達になった。いまやパーティにも呼ばれるくらいである。陸上部のと被っちゃって行けなかったけど。

 流れで入った陸上部だが、案外私はエンジョイしていた。頭の悪い記録を出して、普段完全に手抜きしている事がバレた私が何故排斥もされずに打ち解けているのかと言えば、大体島さんのおかげである。私と一番多く走り一番多く負けている島さんが手抜きの事とか一切気にしていないそぶりなので、なんかもうどうでもよくね? とみんな感化されたらしい。

 その島さんであるが、何故かこの年末うちのこたつでごろごろしている。まるで実家のようなくつろぎ具合である。みかん欲しいねーとか言ってくるが九州四国からの供給が途絶えたみかんは例年ほど安くないのだ。我慢してほしい。

 なんで近所の島さんがうちでのんびり暖を取っているのかと言えば、彼女の両親が仕事で家を空けているからである。実は島さんの両親は今月頭から稼働の始まった新型発電施設の開発者のうちの二人で、この年末年始に問題が起きないように現場に詰めて辣腕を振るっているらしいのである。つまり私と島さんがこたつでのんべんだらりとしていられるのは彼女のご両親のおかげなのだ。実際、先月までは電力使用に制限が掛かっていた。テレビとこたつと電子レンジとポットを同時に使ってぬくぬく年を越せるだなんて誰も思っていなかったのである。

 開発者の皆様には足を向けて寝れませんなぁ。とその娘の関節を捻り上げながら思う。人のたいやきに手を出す奴はお仕置きよー。

 

 年の瀬を過ぎ、初詣も済ませ、そろそろ正月気分も終わりかなという朝、今や家で一番早起きな島さんが大慌てで私の部屋へ飛び込んできた。

 見てこれ見てと広げられた朝刊の一面を寝惚け眼を擦って見てみれば、そこには碧い海が広がっていた。

 

 

 

 自衛隊、深海棲艦の撃退に成功す。記事の内容はまとめるとそういう事だった。

 記事によれば自衛隊は新開発の武装、対深海棲艦用装着式艤装型装備、通称『艤装』を建造。選ばれた精鋭12名からなる部隊により運用し、深海棲艦と交戦。勝利し拠点へ侵攻、そこでも激戦を繰り広げたのち、その場に存在した変色海域の核の破壊に成功。海に青が戻った、という事らしい。

 戦艦長門型装備を身に付けた自衛隊員、と書かれた写真の中では、長い黒髪の女性が青い海の上に両足で立ち敬礼を行っていた。

 

 

 

 変色海域とか言ってるからアニメ版準拠かと思ってたけど、陽炎抜錨しちゃうタイプの世界だこれ!! 

 

 

 

 艦娘の設定は大きく分けて二種類存在する。一つは艦娘は建造されたりドロップしたり、自然発生だったり人工的だったりするがとにかく、艦娘は艦娘として生まれてくるタイプ。もう一つは普通の人間が艤装を纏い艦娘として戦線に立つタイプだ。

 新聞記事の内容がそのまま真実なら、この世界は後者である。長門の人、本名は伏せられてるけど自衛隊員(27)って書いてあるし。

 でもまぁ、実を言えば薄々そうなんじゃないかと思ってはいたのだ。なんせ自分の名前が名前である。

 

 伊吹 雪

 

 最初の一文字を取ったら吹雪である。特型駆逐艦一番艦の吹雪である。

 ついでに言ってしまえば、私の周囲には軍艦の名前が入った姓名を持つ人間が他にも数名いる。

 たとえば島さんのフルネームは島 風香だし、桑谷先輩は桑谷 扶美、ハーレムの構成員はそれぞれ剛田 金奈枝、剛田 比奈叡、三山 榛名、霧島 志乃、赤坂 真城。そしてハーレムの主は提 督正である。当然のようにあだ名は提督だったりもする。

 戦艦多くね? と思うが提くんが主人公な世界だと思えば不自然でもないと言えなくもない。未だにハーレム世界の可能性は捨ててないからな私は。もう平和でも何でもないけどさ。

 

 新聞を読みふけり思考を変な方向へ逸らしていった私に、これで平和になるねーと島さんは気楽に言ってくる。ソウダトイイネー……と返す私の表情はたぶん無表情ではなかったと思う。

 

 

 

 

 

 それから暫く。どうやら自衛隊が取り戻した海域は日本近海のほんの一部でしかなかったらしく、他の地域も取り戻そうと精鋭部隊は奮闘した。海は人間の生存圏である青を取り戻したり、また奪われて赤くなったりと混沌としていたが、日本は全体的に前より空気が明るくなった。ネット上も毎夜のようにお祭り騒ぎだった。なお自衛隊の長門さんはフリー素材扱いになっていた。ネット民ェ……

 誰が考えたんだか正式な名称として艦娘と呼ばれるようになった十二人の自衛隊員だが、旗艦を務めているらしい長門の人以外は非公開であり、彼女と、艦娘の司令官――提督だけがメディアに顔出ししていた。提督は結構お年を召してらっしゃるのだが、この人なんと海上幕僚長らしい。直々に指揮執ってるんだすげぇな、と思ったのだがそれには一応理由があった。

 自衛隊内提督適性者、全二名。艦娘登場前の深海棲艦との争いでかなりお亡くなりになっているが、未だ十数万人存在している自衛隊員の中で提督の適性があるのは、たった二人だけだったらしいのである。

 提督って特別な適性でなるもんなんかい、と世間では騒がれた。その後、艤装を扱えるのはやはり特別な適性を持った女性だけであると発表されてもっと騒がれた。

 艤装を扱う資質を持ち、深海棲艦と実際に戦う事が出来る女性自衛隊員、全12名。精鋭も何も、彼女らは日本の全戦力だった訳である。

 人類は深海棲艦と戦えるようになったが、数が足りず一面を攻略している間に他の一面が攻め落とされる状況となったわけだ。

 さて、なんでわざわざこんな不安を煽るような発表がされたかお分かりだろうか。

 それは国民に危機感を与え、兵力の補充をするべきだと世論を傾けるためである。

 だが現実に自衛隊員にはもう戦う適性を持つものはおらず、量産可能な艤装だけは余っている。

 その状態で何が始まるかと言えば……?

 

 そうだね、徴兵だね。

 

 

 

 

 

 凄まじい批判と論争が巻き起こった。そりゃあどんな危機的状況でも徴兵だ戦争だと言われたら反対意見くらい出るってもんである。しかもこの徴兵、対象年齢が12才から40才までの女性と下に広く、それが余計に反発を生んだ。

 せめて18か20からとかって意見が多かったのだが、国は頑としてこれを譲らず、法案は可決した。まぁ、理由が適性は加齢とともに減っていくから、だったので仕方ないのかもしれない。どんな欠陥兵器だよという突っ込みは相次いだ。

 私視点だと艦これ準拠なせいだろこれ、だったので、むしろ一桁の娘は勘定に入れてないだけマシだなという感想だった。海防艦とか……ねぇ?

 

 賛否の嵐を乗り越えた法案が通り、新年度が始まった四月の一週目。二年に進級する私は、適性検査のために中学校へ訪れていた。適性検査は地域ごとに順次行われるのだが、私たちの地域はなんと一番最初、第一期適性検査対象区域だったのである。あの幼女の作為しか感じねぇ!

 検査を受けてくださいと送られてきた書類によると、この一帯の検査会場は私たちの通う中学校で、内容は検査のための採血と軽い問診だけ。合格すると直接家に迎えが来るらしかった。逃がす気なさ過ぎてネットでネタにされた。

 そんなわけで春休み中なのにも関わらず島さんとうちの母親と一緒に中学校へやってきたのである。そう、うちのお母様は未だ30代後半、適性検査の対象なのである。検査範囲広いせいで親と同じ鎮守府に艦娘として着任する人とか普通に出そうだなこれ。ちなみに島さんの母親は既に検査を受けている、という事なので不参加である。

 というか、島さんの親はうちの家族に信頼置き過ぎじゃないだろうか。知り合ったの去年の五月なのに、年末以外もちょくちょく保護者が必要な場面でうちの親が代わりしてたぞ……発電関係で忙しいのはわかるけどさ。むしろ短い間に信頼を勝ち取ったうちの親が凄いのかもしれないが。

 閑話休題、検査会場には多くの人が詰めかけていた。やる事は多くないので回転はそれなりに早いが、島さんはおっそーいとぶー垂れていた。やっぱ島風だろお前。髪は私と同じで短かったりするけどさ。

 何本かの列から自由に並ぶスタイルだったので母と島さんと同じ列に並んでいたのだが、すぐ隣の列には無事に卒業し高校へと進んだ桑谷先輩が並んでいた。空はあんなに青いのに大変なことになったわね、と話す彼女はさらに向こうの列に並んだ女性のこぼした水を被って長い黒髪がびしょ濡れになった。やはり扶桑サンなのでは? 私は訝しんだ。

 採血は本当にただの採血だったため、何の滞りも無く終わった。次は問診だな、と並ぶ先に見当をつけていると、前方から聞きなれたデースが聞こえてきた。見れば、やはりと言うべきか現三年生の剛田先輩が堤くんに抱き着いてキャッキャウフフしていた。男性も問診だけは受けなければいけないので、剛田先輩と血液検査の後にたまたま遭遇したのだろう。公衆の面前で強制的にラブコメさせられ狼狽する彼の姿はむしろ哀れだった。

 一応は友達カテゴリに入る私を見つけ、助けを求めるような視線を送る彼を華麗にスルーして、最も空いている列に並ぶ。問診の列は男性も並んでいるため採血よりも列は長かったが、本当に簡単なものなのか、進みはかなり早かった。あ、桑谷先輩が参戦して提くんが両手に花状態になった。

 あれでキレたりしないのがハーレム構築者の懐の深さよな。と思いながら列の先のテントに入っていく人々を見る。入口の反対側に出口が付いており、一人出ては一人入るを結構なペースで繰り返していた。問診どころか書類の確認くらいしかやってなくないかこれ、と不安になっている間に私の番がやってきた。

 

 次の方どうぞー、と呼ばれるままにテントの中に入る。その中には艤装――たぶん吹雪型のどれか――を身に着けた女性が椅子に座り、こちらに手を差し出していた。だが目を引くのはその女性ではなく、その手前にある机の上である。

 

『次でボケて』

 

 そう書かれたミニサイズの画用紙をこちらに向かって一生懸命掲げる、小さな小さな人間のようなナマモノがそこには乗っかっていた。

 呆気にとられる私に、女性が書類をどうぞと催促してくる。はっとしてそれを手渡しすると、女性はここに何か見えますかーと机の上を指さして言った。ナマモノは画用紙をこちらに向かって振っている。

 私は悩んだ。これはボケるべきなのか、そう書いてあると言うべきなのかを。

 数秒悩んだ私に女性が見たままでいいですよと声をかけてくる。ナマモノは必死に画用紙を振ってアピールしてくる。私は悩んだ末、次でボケてと書いてありますと返した。

 ナマモノは画用紙を下げてがっくりと落ち込んだ。女性は目を輝かせ、こちらの両手を掴むと素晴らしいと叫んだ。

 感極まったように私の手をがっしりと掴んだ女性はすぐに正気に戻り、一つ咳払いをするとドン引きする私にそれでは退出をお願いしますと言った。

 ばいばーいと手を振る小さなナマモノに手を振り返しながらの退出の直前、艤装の彼女が書類に提督適性ありと記入したのを私は見逃さなかった。

 

 え、私提督なの? この名前で?

 

 

 

 一週間後、家に自衛隊の人間がやってきて、口頭で私が駆逐艦吹雪の適性者に選ばれた事を告げ、封筒に入った書類を渡して帰っていった。

 

 やっぱ吹雪じゃねーか!!

 

 艦娘適性は提督適性より優先されるもんなのね。問診の時のお姉さんと会ったら気まずいなぁ、と思いながら私は泣き崩れる母と怒りに震える父を宥める事に腐心した。

 

 

 




遅筆なので投稿は不定期です。
一日一話の方々とか、凄いですよね。どうやったらあんなに筆が早くなるやら……

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