転生チート吹雪さん   作:煮琶瓜

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転生チート吹雪さん

「改めまして、雪吹 吹雪です」

「伊吹 雪です」

 私達は誰も来なさそうな工廠の裏へ場所を移して向かい合った。チート聴覚で周囲に誰も居ない事を確認しているので誰かに聞かれたりはしないはずだ。壁が結構ぶ厚いから建物の中にも声は聞こえないだろう。猫吊るしが同行しているけれど、それに関しては最初に断ったら大丈夫だと言ってくれた。

「それで、その…………集合無意識の中で生まれた特型駆逐艦吹雪型一番艦の人格、つまり艦娘の一部だった者です!」

「そんなことある?」

「私の名前知ってましたし、記憶の中と同じ顔をしてますし、本当なんだと思うんですが……」

 猫吊るしはぱちくりとおめめを瞬かせていたけれど、私は嘘だとは思えなかった。名前に関してはゴトランドさんに聞いた可能性も無くはないけど、そもそもそんな嘘吐く意味がまるで分からないし。

「どうしてそんな事になったんですか?」

 って聞いたらなんか、思ってたより私の責任っぽかった。自称魔法使いさん疑ってごめんね、吹雪さんのお願い叶えてくれただけで主犯じゃなかったわ……

 

 

 

 吹雪さんが人間として生誕したのは大体今から十四年前、私の中から異空間らしきところに飛ばされて転生させてもらったその時よりも、そこそこ過去の日付だったらしい。ちゃんと人間の両親から生まれて来たらしく、戸籍もあるし、しっかり学校にも通っていたのだという。

 これに引っ掛かりを覚えたのは猫吊るしである。じゃあ深海棲艦が来るまでどうしてたんですかと私の頭上で首を傾げて質問し、された吹雪さんは苦い顔で頬を掻いた。

「それが、『今赤ん坊として生まれられても何もできないし、だからってこっちの都合での干渉なのにいっぱい改変されたら他の頑張ってる転生者に悪いから、過去への影響を最小限にするため』とかで……最近まで転生前の記憶を封印されていたんです」

 だから吹雪さんは自分の事を普通の中学生だと思っていたし、人間に何かが混ざったものだとか、考えた事も……いやそういう年頃だからちょっと考えてみた事がなかったわけでもなかったらしいけれども、特に優れた能力がある訳でもないので普通の一般人でしかないだろうと結論付けていたらしい。軍艦とかに惹かれたりはしてたらしいけど。

 吹雪さんは沖縄で育ったわけではなく、親戚のお姉さんの結婚式に出席してその翌日に深海棲艦の襲撃に遭ってしまった本州の人なのだそうだ。地元民でもない人間がその状況でどれだけ苦労したかは筆舌に尽くしがたいだろうが、強く生きてはいたらしい。親戚が居たから、そうでなかった旅行者の人達よりは遥かに恵まれていたと本人は言う。

 

 記憶を取り戻したのは深海棲艦の襲撃があったさらに後。吹雪さんが集合無意識から切り離され、転生する事になった日の、その翌日だった。目を覚ましたら自分が何者だったのか完璧に理解していたという。ちょっとした恐怖体験である。

 人間の雪吹 吹雪としてのアイデンティティと急に生えて来たそれより遥かに長く続く駆逐艦吹雪としてのアイデンティティは特に矛盾なく両立したようで、とにかくその日から自分に出来る事をやり遂げて、今日ここまで到達したのだという。話の通りなら転生したのは私が訓練所にいる間で、記憶が戻ったのもそうだという事になる。なので、戦ってきた期間は私達と殆ど同じくらいだろう。

「艤装と適性者、よく揃いましたね?」

 艤装の建造は基本ランダムである。いやまあ、宮里提督という例外が居るので吹雪さんもそうだとしてもおかしくないのだけれど、人員に関してはそうは行かない。本州で大々的に行って、戦闘に堪えるのは数百人程度しか見つからないくらいには適性者は希少なのだ。

 吹雪さんが活動を始めたのは今年の四月から五月の間だろう。そこからまず自分の艤装を建造するだけの霊的資源を確保し、建造を行う。ここで指定できるならいいけれど、そうでないなら第一のお祈りポイントだ。さらに余った資源で検査キットを作成し、適性検査を行う。ここでちゃんと適性者を引けるかどうかという第二お祈りポイントが発生する。それが終わったら見つけた適性者用の艤装も建造しないといけないので、すぐにお祈りポイント三つ目である。祈祷力試されすぎだろ。どんなRTAだよ。

 これでちゃんと戦果まで挙げてるんだからヤバい。人数が増えて来たら資源収集と海域攻略、建造などを分担して並列に行えるようになるかもしれないけど、最初は一人でやり切らなきゃならない訳で。燃料や弾薬を集めるのだってままならなかったろう。ドロップ艦とか無い世界だから出撃しても仲間は増えないし、むしろ資材を消費するんだから遠のくと言ってしまっていい。仲間が欲しかったら地道に霊地や霊脈を回って収集するしかないのだ。当然時間のかかる作業だし、それだけで今日までの時間を消費したと言われたって別に何もおかしくない。沖縄本島一か所だけの霊的資源だから量も限られてるだろうし、かなりのバランス感覚を要求されると思われる。

 だがしかし、である。そのそもそもの前提を覆すのが転生者なのであった。

「その辺りは私が授かった能力がなんとかしました」

 そうこの吹雪さん、私達がそうであるように、自称魔法使いのあの子から力を貰った、所謂チート転生者なのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 吹雪は目覚めてすぐに海岸に走り、自分の中に蘇った記憶と現状に差異が無い事を確認した。アレの名前は深海棲艦、赤い海は変色海域、自分は艦娘の生まれ変わりで、自覚をもって呼んでみれば妖精さんが集合無意識から飛び出してくる。おかしくなった自分の妄想なんかではけっしてなく、全てが事実でこれが自分の現実なのだと肌で理解できた。

 だから、自分の中にある普通じゃない力もすぐに見つけられた。それはかつて見た奔流程の強さはなかったけれど、確かに自分の中から湧き上がっている。自分の中に急に何かが増えたという感覚ではない。きっと、記憶と一緒に封印されていただけだったのだろう。今までは存在を意識できなかったのだけれど、有難い事に使い方も分かり失敗もしなさそうだった。

 何が起こるのか、正確な事は分からなかった。どういう能力なのか概要だけは聞いていたが、どういった発露をするのかまでは知らされていなかったのだ。使ってみてのお楽しみ、と件の少女は言っていたが、望んだ結果が得られるのかは分からない。そもそも今では普通の人間としての感性も有している吹雪には、昨日まで恐怖の対象でしかなかった深海棲艦と自分がまともに戦えるかどうかも疑問だった。

 でも、それで怖じ気づくほど吹雪はやわに育ってはいなかった。仲間に向いた銃口を、正論でぶん殴って自分に引き付けるくらいの胆力は有していたのである。

 始めはゆっくり慎重に。じっくりと自分の中から力を引き出して行く。本当にちょっとだけ、しみ出す程度にそれを解放した。瞬間である。

 ぽん。と、そんな軽い音が鳴りそうな気安さで、吹雪の目の前に薄い板が現れた。

 えっと思って辺りを見回すが、辺りは浜と赤い海ばかりである。変わったのはその目の前の薄い板のような物だけだった。それは何かに支えられている訳でもないのに宙に浮き、吹雪の反応を待っている。これが自分の能力……の一部なのだろうかとその板をしっかり眺めてみれば、そこにはどこか艦のような趣を感じさせる装備に身を包んだ少女達の絵が描かれていた。その左下にはSTARTの文字も見て取れて、成程、これはスマホやパソコンのアプリ起動画面のようなものなのだなと理解させられた。

 とりあえず、他にどうしようもなさそうだったので指先でSTARTの文字に触れてみれば、どうやらタッチパネル的な物だったのか、画面は暗転し中央には戦艦のような小さなシルエットが浮かび上がった。ぷかぷか陽気に揺れている。

 ほんの一秒か二秒か、それだけの長い時間が過ぎた後、唐突に次の画面が表示された。新しく文字が書かれており、それは吹雪にはこう読めた。

 

 

 

 ⚙提督の名前を決めてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の力を一言で雪さん達に分かるように伝えるなら、この世界で『艦これ』する能力、だそうです」

「伝わり方エグいんだが?」

「何が起きたのか大体察せました……」

 なお、艦これという単語を教えたのはゴトランドさんだそうである。やっぱりあの人原作知識持ちの転生者だな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 吹雪は入力欄に自分の本名を書き込んだ。12文字までと注意書きが記されていたが、名字を入れてもだいぶ余るため問題はない。意外と手書き入力だったそれに誤字が無いかしっかりと確認した後、現れた決定ボタンを躊躇いがちにタッチする。特に音もなく画面は次へと移行した。

 

 

 

 ⚙好きな艦娘を選んでください

 

 

 

 あれ、と吹雪は首を傾げた。選べと書いてあるのに画面には他に目立つものが表示されていなかったからだ。表示に時間が掛かっているのだろうか。携帯端末感覚で少し待ってみる。すると、現れた時のように音もなく、板は唐突に消失してしまった。

 すわ力の何かを失敗したかと吹雪が焦ったその瞬間、これまた突然、目の前の景色が歪みだした。捻じれるように海が歪み、砂の地面が時計回りに空へと延びる。水平線が雲と混ざり合い、波は真横に飛沫を上げた。

 いや、おかしくなっているのは遠くの景色ではなく目の前の空間だろう。吹雪は直感した。光の通り道が屈折しているから奥が歪んで見えているのだ。これは自分の授かった能力の影響なのだろうか。まるで分からなかったが、無意識が安全を求め体は一歩後ずさった。

 空間の捻じれはやがて向こう側の景色が見えないほどに酷くなり、気が付けばそれは明かりの無いトンネルのように真っ暗な穴へと変わっていた。黒々としたそこは奥があるのかすらも不明瞭で、怪しさから覗き込む事も躊躇われる。

 そんな所から、ゆったりとした足取りで、一つの人型が姿を表し、軽い動作で歪みの境界を踏み越えた。

 薄い黄土色の制服に身を包み、背には艦を模した機械のようなものを背負った茶色いセミロングの女性。艦娘の本能からか、吹雪にはそれが何者なのか容易に判別できた。

「……おはよう」

「お、おはようございます?」

 歪みから出て吹雪と向かい合った女性は割と普通に挨拶の言葉を送って来た。反射的に返したが、艤装も身に着け戦闘態勢をしっかり整えているその艦娘をどう扱うべきなのか吹雪には全く分からない。

「大井さん、ですよね……?」

「ええ、見ての通り。球磨型軽巡洋艦の四番艦、大井よ」

 そんな風に、普通は見ても全く分からない事を、同じ艦娘なんだから当然分かるだろうくらいの自然な態度で目の前の女性は言ってきたのだった。

 

 

 

 

 

 宙に浮いていた魔法使いを自称する自分達の世界を作ったという女の子と色々とお話させてもらい、最終的に一回では済まない事を条件に現世への介入を許可された際、吹雪は文字の印された二つの賽を振らされた。その時に出た目の片方は、偶然にも――偶然にもと少女は言い張っていた――自分をそこへと送り込んだ力の持ち主と全く同じだったのだが、もう片方はなんだかよく分からない文字列になっていた。

 括弧の中に二つの丸と逆さまになったアルファベットの最初の文字、その左右には棒が伸び、左端には片仮名が二文字、右端には二つのエクスクラメーションマーク。どちらかと言えばそれは字でなく絵に見えた。

 どんな力になるのこれ、噴き出した少女に問いかけてみれば、じゃあまあ召喚能力にでもしましょうかと軽い口調で仰られる。文章はあいまいで、そこから連想して作られる能力は発想次第でかなり融通が利きそうに思える。希望を言うべきかとも思ったけれど、察していたのか吹雪自身も戦えるようにしておくと先んじて言われ、口出しし辛くなってしまった。

 少女は少し考えて、ちょっと仕様を纏めるから相談でもして待ってるようにと言い残し、くるんくるんと指を回して出現させた椅子に腰を掛け、一緒に出て来た机に向かって紙とペンで仕様書を拵えだした。ついでのように何もない空から四人の艦娘達が降って来て、えっ何ここと混乱した様子で辺りを見回した。

 四苦八苦しながら状況を説明し、現世で一緒に戦う事になりそうだと言えば、四人の顔は真剣な物へと変わって行く。やる気十分そうに笑う者、不安そうながら精一杯やろうという気概に溢れた者と反応は様々だったけれど、嫌がる者は一人たりとも居ない。皆現状に思う所があったのだろう。

 しばらくは陣形や戦術、武器の扱いなんかについて語り合い、話も煮詰まって来ると軍艦時代の思い出話に花を咲かせ、やがて自身の適性者の事にまで話が及んだ頃。机に嚙り付いていた少女の腕がピタッと止まり、デキマシタワーと両手を上げて、書いてた紙を飛び散らせた。どうやら書類自体は全く不要だったらしい。

 五人に向かって笑顔でぴょんと跳んでくると、最初に四人と一つの内からどれかを選んで貰うから、とりあえずそれについては意見交換してもいいですわ、と対立煽りのような事を言い出した。邪気は無さそうな笑顔だった。

 

 

 

 

 

 だから吹雪は困惑した。だって相談をした四人の中に、大井は入っていなかったのだから。

「言いたい事はあるだろうけど、とりあえず揃うのを待ってちょうだい」

 そう言って大井は後ろを振り返った。そこには相変わらず黒い大穴が浮いている。無音の歪みを見つめると、それは理から外れ切ったものなのだとはっきりと理解できた。下手に弄れば周囲の全てを喰らい付くし、宙に開く大穴となってこの世に残ってしまうだろう。自分の中に燻る力があれを作り出したのだとすれば、恐るべき事実である。

 しばらく二人で無言のままにうねる空間を見つめていると、その暗闇の中から、一人、誰かの影が姿を現した。おはよ、と軽く挨拶して穴をくぐり抜けて来る。その艦娘の後ろからはさらに続々と艤装を付けた艦娘が現れ、最終的に大井を含めて五人の少女が吹雪の前に立ち並んだ。

「昨日ぶり……と言っても吹雪から見ると十年以上経ってるんだっけ?」

「あの神様もおかしな事しますなぁ」

「転生と転移と憑依は違うと言っていたのです」

「きっと何かこだわりがあるんですね!」

 叢雲、漣、電、五月雨。あの時一緒に歓談した四人が、目の前でがやがやと会話を繰り広げている。その横では大井が微妙な目線をみんなに送り、場違い感から少し居辛そうにしていた。何故か、その光景を見て、吹雪は目頭が熱くなるのを感じた。

「みんな、久しぶり……!」

 気付けば涙が浮かんでいた。何泣いてるのよと妹は呆れた顔だったが、こればかりは仕方がない。記憶は思い出せなかったけれど、吹雪の中の艦娘の部分は本能的に寂しさを感じていたのだろう。だって艦は隊を組むものなんだから、たった一人だけで居るのはとってもたまらないものなのだ。

 つられて涙を見せる電と、二人を心配して焦り始める五月雨。我々も感情豊かになったものですなぁと笑う漣に、心底頭が痛そうな叢雲。実際人格を持って会うのは二度目なはずなのに、やけに馴染んだような感覚がして、気付けば五人とも笑顔になっていた。

 

「そろそろ話を進めていいかしら」

 しばらく五人が親交を深め合い、そのやりとりが落ち着くまで保護者のごとく辛抱強く待っていた大井は、複雑そうな顔で話を切り出した。

「すみません、なんだか嬉しくなってしまって……」

 大井はため息を吐きながらも、いいわよと口元を緩ませた。しかし、何かに眉を顰めると、真面目な顔になって五人と向き合った。

「まず私に関してだけど、これを見てもらえる?」

 そう言って懐から取り出されたのは二枚の書類である。大井がその内一枚を吹雪に差し出すと、他の四人も集まって来て五人で覗き込む形になった。

 

 

 

 

 

 ■事前登録報酬配布のお知らせ

 

 深海棲艦出現までにご登録いただき、誠にありがとうございました。

 事前登録特典として、下記の艦娘及びアイテムを配布いたしました!

 

 

 軽巡洋艦 大井 × 1

 燃料 × 3000

 弾薬 × 3000

 鋼材 × 3000

 ボーキサイト × 3000

 

 

 配布物は既に鎮守府の状態に反映されております。

 お手元のブラウザでご確認ください。

 

 

 

 

 

 大した量の文章でもなく、吹雪はすぐに読み終わった。込み上げてきた物は困惑である。事前登録って何。

 登録……というか契約したのは時間軸で言ったらとっくに深海棲艦は現れていた時期のはずだ。転生して十年以上前に産まれたから、それでずれてしまったのだろうか。配布物に関してもよく分からない。3000ずつというのはどれくらいの量なのだろう。それと、大井さん。大井さんは配布されていいのだろうか。納得は……していないのかもしれない、微妙な顔をしていたし。あと鎮守府ってどこのだろう。この沖縄にそんなものは無いと思うのだけれど。

 周りの仲間も首を捻っていたり訝し気な表情で見つめていたりしたけれど、ただ一人、漣だけは何故か納得した顔だった。

「大井さんは仲間になってくれるって事でおけすか?」

「ええ。多少納得のいかない点はあるけれど」

「配布ですもんね……」

 自分が配布と称していきなり沖縄へ遣わされたら吹雪だって納得はできないだろう。受け容れてくれているのはとても有り難かった。戦力的に一人増えるのはきっと少なくないのだから。

「少し不快な言い方よね。でも、本当にいいのよ、そんな事は」

 大井は吹雪の方を向いて微笑んだ。すごく綺麗で、人によってはある種の感情を発症してしまうかもしれないくらい、可愛らしい微笑みだった。

「仲間になれば将来的に、北上さんと会わせてくれるんでしょう?」

 それはもう、美しい、物凄い圧力を感じる表情だった。

 

「それで、確定で吹雪の所に行くからか知らないけれど、ついでみたいに私の頭に基本的な仕様が詰め込まれているのよ。助手か秘書にでもなれっていうのかしら」

 大井が表情を変え、ジトッとした目で未だに開き続けている黒穴の先を睨みつける。だがその奥には何も見えず、何の反応も返って来る事は無かった。

「まあ、いいわ。とにかく多少の資材が配布されているから、最初はそれでやりくりして行きましょう……それで、これも読んでちょうだい」

 見せられたのは二枚の内のもう一枚。最初のに比べると多少渡し辛そうに、大井は苦虫をかみつぶしたような表情でそれを突き付けた。

 

 

 

 

 

 ■仕様変更のお知らせ

 

 日頃よりご愛顧いただきまして、

 誠にありがとうございます。

 

 このたび、ご利用いただきました転生者さまへ

 お伝えしなければならないことがございます。

 

 今回転生者さまの能力に致命的な不具合があったため、

 世界の緊急メンテナンスを実施しておりました。

 

 なんとかサービスを再開すべく、集合無意識との間で

 調整をおこなっておりましたが、発生する欠損の補完が難しく

 大変遺憾ながら、仕様を根本から変更する判断をせざるを得ない状況となりました。

 

 このため、大変急なお話ではございますが、

 集合無意識から抽出し肉体を得た艦娘ではなく、

 集合無意識から複製し肉体を与えた艦娘を配備するように変更させていただきます。

 

 長らくお待たせし、サービスにご期待頂きましたお客さまには

 この様な結果となりましたことを、心よりお詫び申し上げます。

 

 新しい仕様として、複製の得た経験、情報等は

 消滅時に本体へと同期されるよう設定いたしました。

 変更前と能力の使用感は大きく変わらないよう注意しておりますが

 どうかご留意の程よろしくお願い致します。

 

 また、お詫びとして以下の艦娘、及びアイテムを送らせていただきます。

 

 

 駆逐艦 叢雲 × 1

 駆逐艦 漣 × 1

 駆逐艦 電 × 1

 駆逐艦 五月雨 × 1

 高速修復材 × 3

 開発資材 × 1

 震電改 × 1

 家具:お詫び掛け軸 × 1

 

 

 今後ともチート能力をご愛顧いただきますよう

 よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

「ええ……?」

「詫び石ktkr!」

「いや、洒落にならない事書いてあるんだけど」

「電は偽物だったのです……?」

「まったく分からないですけど……そうなんですか?」

「吹雪以外は、私も含めてそうみたいね。ただ感覚的には自分は自分だし、気にするような事じゃないと思うわよ」

 スワンプマンという思考実験がある。『沼で雷に撃たれて死んだ人間』と『その人間の情報、思考、記憶、体の状態などの一切合切が完全に同じ状態にコピーされて沼から産まれた存在』は果たして同一人物と言えるのかどうかという哲学的な話だ。

 これに本体が健在であり、その本体が後々記憶を継承するという条件を加えられたのが今の彼女達の状態である。本体が存在し繋がっている事が救いになるか絶望になるかは本人次第だろう。

「私のせい……かな」

 吹雪が顔を伏せ小さな声を口から漏らした。実感は湧かない。周りの皆は前に会った時と違うようには感じないし、吹雪の中の艦娘部分は仲間だよ! と叫んでいるのだ。偽物だなんて有り得ない。でも、それはそれとして、書かれている事が本当ならば、そうなったのは自分の持っている能力がおかしな事になっているせいなのだろう。ちゃんと使えなかったせいで不具合なんて発生してしまったのだろうかと頭に過ってしまうのだ。

「何言ってるのよ。あの子供がちゃんとしたシステムを組めなかったのが原因でしょ」

 バッサリ行ったのは叢雲である。言いながら呆れた顔で吹雪の尻をひっぱたいた。ばちんと高らかな音が鳴り、吹雪は痛みに跳び上がる。さもありなん、艦娘の力はかなり強いのだ。

「なのです。思う所はありますけど、吹雪ちゃんのせいじゃないのです!」

「正直に言うと、本当なのかもよく分からないですし……もし本当でも、記憶は残るみたいだから、きっと大丈夫!」

 電も五月雨も、沈み込んだ様子は見せなかった。そもそも五人にとっては言われても自覚できないような話である。嘘ではないのだろうけれど、現状特に意味のある情報ではなかったのだ。

「それに、詫び石代わりに漣達が配られたみたいですからなー。これでもう心置きなく最初の選択をできるっしょ?」

 叩かれた吹雪の尻を撫ぜながら漣は笑った。結局昨日の相談の際、五つの選択肢を最後まで悩んだのは吹雪だったのだ。他の四人の意見は最初から一致しており、今回、他を選ぶ理由もほぼ無くなった。

「そっか……うん。そうだね。話を先に進めよう」

 そう言って、吹雪は決意を新たにした。想定外の人数で始められるのだ。状況は悪くなるどころか良くなっているのである。ならば、この機を自分のお気持ち程度で無にする訳には行かなかった。

 周りを見渡して、仲間と頷き合い、微笑み合い、ちょっとの沈黙。吹雪は目を閉じ、そしてまた開いた。

「あの、大井さん、ブラウザ開けないんですけど、どうやって選択すればいいんでしょうか!?」

 自分の能力のはずなのに仕様がさっぱり分からない。吹雪は自分が情けなくなった。

 

 あの穴に向かって宣言するだけで大丈夫、と大井は自分に植え付けられた知識を乾いた笑いと共に吐き出した。それを受け、六人で歪みと向かい合う。何故か実際行う吹雪よりも、五月雨の方が緊張している様子だった。

 吹雪が一歩前に出る。奥の見えない黒穴が、大口を開けて構えていた。無音の空洞、詰め込まれたような闇の塊。その奥に向かって、吹雪は大きく声を張り上げた。

「私は、吹雪を選択します!!」

 音が大穴へと飲み込まれて行く。残響もなく、それは奥へ奥へと飛んで行った。

 吹雪か叢雲か漣か電か五月雨か。吹雪は今、ゲームである艦隊これくしょんで言う所の初期艦を選択させられていた。最初の一人、誰を選んでも戦力的には大差がないと聞かされていたが、吹雪はかなり悩んだのだ。だってそれは、自分自身を選び一人で戦い始めるか、自分は戦えない代わりに誰かと二人で頑張るかという選択だったのだから。

 ただ、そもそものその前提は、他ならぬあの魔法使いの少女自身によって崩されてしまった。むしろ他を選ぶと何か、アイデンティティの崩壊的な事が起こりそうな予感すらする。だから吹雪は迷うことなく、自分の戦闘能力を選択する事ができたのだった。

 宣言して十秒か、あるいは二十秒か。それ程長くはない時間が過ぎ、吹雪が何か間違えただろうかと思い始めた頃に、深淵の向こうから金属質な何かが音もなく現れた。

 それは吹雪にとってはどこか懐かしく、郷愁の念を抱かせるような形状をしていた。排気塔も砲台も、魚雷発射管も何もかも。見ただけで理解できる。あれは自分の、未だに欠けている何かを埋めるものだ。どういう理屈でか分からないが、それはゆっくりと宙を滑り、吹雪の目の前に着地した。

 指先でそれに、自分自身の艤装に触れてみる。人間と艦娘が境なく混在している吹雪の中で何かが噛み合い、喜びと戦いの予感に体が震えるのが感じられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「艦隊の皆さん全員艦娘なんですか……」

「艦娘受肉させる能力なのか……」

 道理で、と言うべきなのか、皆さん美人だったもんなぁ。艦娘はかわいい。みんな知ってるね。受肉させたら美少女艦隊になるよそりゃ。いや人間の艦娘もなんか美形多めなんだけどさ。っていうかあれだ、電さんてば二十歳どころじゃないですね年齢。受肉してからで計算したら一年も経ってないみたいだけども。

「あ、ゴトランドさんだけは違いますよ。あの人はずっと沖縄に居た普通……じゃないですけど、人間の艦娘です」

 なんでもゴトランドさんは深海棲艦襲来時から吹雪さんと一緒に治安の維持に努めていたんだそうだ。私と同じで現役中学生だというのに吹雪さんは案外立場がしっかりしていたらしいのだが、それはゴトランドさんに功績を押し付けられていたからなのだという。

 ゴトランドさんはこの世界についてとか他の転生者に関してもなんか色々知ってそうだけど……まあ、言う気があったらその内言ってくるだろう。話を聞いても悪い事するどころか良い事しかしてないっぽいし、たぶん悪意で黙ってるとかじゃあないと思う。完全に吹雪さんが吹雪さんだと気付いてたっぽいムーブしてるから、何かしらの情報源があるのだろうけど……たぶん楠木提督だよなぁ。本人がそういう能力なのか協力者にそういう人が居るのかは分からんけど。

「ゴトランドさんはいつの間にか艤装を持ってて、その日からお手伝いしてくれるようになりました」

「怪し過ぎない?」

「転生者なの隠す気もないのかあの人……」

 叢雲さんとか滅茶苦茶警戒してたらしい。まあ吹雪さんは信用してたのと素で良い人っぽいからすぐ打ち解けたみたいだけど。

「それで、私の能力って仲間を増やせるんです。無制限にとは行かないですけど……」

 艤装を入手した際にそれが初入手だと、艦娘が一緒についてくるシステムなんだとか。被ると艤装だけしか出て来ないとかで、私が私を見つめてたりする事にはならなかったっぽい。艤装を作った後にその艦娘を呼ぶかどうかも選択できて、艤装は出来ちゃったけどとりあえず今はこの艦種必要じゃないなとかって場合に実体化は後にするなんて事も可能なんだとか。

「実は、ちょっと事情がありまして、増やすのは最小限に抑えなきゃいけなかったんです」

「ああ分かった。さっき言ってた奴だな」

 はて、と私は首を捻ったが、頭上の猫吊るしは事情を察する事ができたようだった。流石私より頭の回転が早い。私が鈍いだけかもしれんが。

「はい。さっきも説明しましたが、とにかく食料が足りなかったんです……」

 沖縄には本当に食料が無い。なのでこれがもう洒落にならないくらい厳しく管理されてたらしく、いきなり五人増えた時点で大問題、無制限に増やしたりしたらあっという間に養いきれなくなってしまう。だから、ゴトランドさんを入れて十人しか戦力として運用できなかったのだそうだ。っていうかそれでもきつかったそうな。

 吹雪さんの能力で受肉した艦娘は普通に食料を必要とする。当然と言えば当然なんだけど、こう、領地で常備兵を雇用できるかどうかみたいな話になるのはもう艦これじゃないと思う。今更過ぎるけど。

「私の能力、出て来るのは艦娘や艤装だけじゃないんです。条件を満たせば燃料や弾薬を貰える場合もあるんです……でも、食料は全然で」

「ああ、艦これする能力ってそういう……」

 どうも吹雪さんの能力、任務システムが実装されてらっしゃるらしい。

 聞けば日、週、月、と期間に制限のある繰り返し行える物から期間に制限は無い代わりに一度しか達成できない物まで様々だが、まともに食べ物が貰える任務は無かったのだという。貰えてもおにぎり何個かとかだったそうで。それたぶん普通の食料じゃないから大事に取っといた方が……え、もう食べた? 腐るよりはいいですねはい。

「だから食料のために本州を目指していたというのは嘘ではないです。ただ、本州へ到達する、という任務があったからっていうのも大きな理由なんです」

 任務の内容は艦これのそれとはだいぶ違うようで、艦娘や深海棲艦とは全く関係のない人助けをする任務なんかもあったらしい。今回吹雪さん達が狙ったのはそのうちの一つ。九州をスルーしようとしたのはそれの達成を優先したかったからなのだそうだ。

「本州へ到達すれば、貰えるんです……給糧艦が、間宮さんが……!」

「あー……」

「艦これの建造じゃ出ないもんな、給糧艦」

 一応本州でも戦いが始まってる事を吹雪さんは知っていたけれど、沖縄を支援するだけの余裕があるかは分からなかった。それでもこの世界だと食料を生み出せる間宮さんが来てくれるのであれば、資材を生み出せる吹雪さん自身の能力と相まって、自分達の食い扶持くらいは稼げるだろうと踏んだんだそうだ。ただ艦これ仕様の間宮さんって使い捨て……いや、たぶん大丈夫……大丈夫だよな……?

 ちなみに、課金要素はないそうだけど、画面内の部屋の模様替えとかはできるらしい。あと、羊を飛ばしてぶつけるゲームがあったり変な所をつついたら妖精さんが踊る映像が流れたりとかもするらしい。いったいどこを目指してんだあの子は。

 さらなる余談だが、吹雪さんの任務は一々選んで受領してから達成する必要が無く、条件を満たせば幾つでも完了可能状態になるようなUIであるらしい。ちゃんと機能改修してやがる……

 

 猫吊るし曰く、吹雪さんのチートは条件を設定してそれを満たさなければ効果を発揮しない代わりにただ魔力を使うよりも高い効能を得るタイプの術式なのだという。能力としては艦娘を生み出した所で終了しており、それ故に生み出された側の維持には食料も水も必要になる訳だ。終了しているために一度出した艦娘を消す事もできない。いや、殺したりする事は可能なんだろうけどね、普通に生き物として成立してるんだから。

 で、吹雪さんがなんでわざわざ私にその辺りの事情を話してくれたのかというと、これはもう完全に吹雪さんの厚意というか……誠意だった。私に対して不義理な事をしたくなかったらしい。真面目な人だなぁ。

 なのでお返しという訳ではないが、現状集合無意識の吹雪がどうなっているのかとか深海吹雪に似た吹雪さんの事なんかをお話ししたら、これが大層驚かれた御様子で、だから仕様変更になったのかぁと納得しているみたいだった。確かに、他の艦娘達も深海棲艦っぽい人達が代理になったりしたら大混乱である。

「吹雪さんの艤装からはあそこには行けないんですか?」

「そうなんですよ、能力で作った艤装ってその機能が付いてないみたいで」

 集合無意識からやってきた艦娘が使うためのものだから、通常の艤装とは少し違う物なのかもしれない。一応明石さん達はメンテナンスできてたっぽいから基本は一緒なんだろうけども。

 

 

 

 今度私の艤装から一緒に集合無意識に行ってみましょうかなんて話をして、お互いにもうちょっと詳しい現在の日本の状況について情報を交換し合っていたら、いつの間にか結構時間が経ってしまっていた。流石に不審がられるかなと思い、私達は工廠へと帰るべく建物の陰からこっそり抜け出した。

 そうして表に出て陽の光を浴びたのだけど、なんだか工廠の向こうから殺気立ったものを感じる。吹雪さんと猫吊るしも分かったらしく、三人とも気になったので戻る前にそちらを覗いて見てみれば、海岸から少し離れた辺りで艤装を背負った二つの影がなんでか睨み合っている。どういう訳だかお互い手にした槍のような物を向け合って、違う構えで臨戦態勢に入っていた。叢雲と叢雲さんである。

「何やってるの叢雲ちゃん!?」

 驚いた吹雪さんが駆け寄って行く。二人とも艤装を付けてるし、無効化能力も使ってなさそうなので怪我はしないと思われるのだけど……何? 喧嘩?

「ああ吹雪、丁度いいわ。試合開始の宣言をしなさい」

「なんで!?」

 吹雪さんも大困惑である。でもそんな事は関係ないとばかりに叢雲さんはすぐ打ちかかれるよう腰を落とし、うちの叢雲もやる気十分な様子で槍を構え直した。二人とも張りつめた空気で吹雪さんの合図を待っている。

「ねえ深雪、あれ何やってんの?」

 私はと言えば、丁度深雪が通りかかったので事のあらましを尋ねていた。いやだって、あっちを見てやってるやってるって呟いてたんだもん。

「あれなー、なんか最初は普通に話してたんだけど、だんだんヒートアップして気が付いたらああなってた」

「つまり何も分からんと」

「あたしも出たり入ったりしてたからなぁ。ずっと見てた訳じゃないよ」

 っていうか吹雪はどこ行ってたんだよーと笑い混じりに深雪は私の痛い所を突いてくる。仕方がないので吹雪さんとお話してたと内容には触れずに説明したら、なんでか深雪は納得の表情を見せた。

「やっぱ同じ艦娘の適性持ってると気が合うんだなぁ」

 まあ確かに、訓練所でもダブル磯波はやたら仲がよろしかった。でもさあ、例えば曙と曙とか霞と霞とかえらい事になりそうな予感しかしないんだが。担当する提督の胃が。

「深雪って二期生にも居ないんだよなー。沖縄の方に居たりしないかな?」

「あー、いや、今の所居ないっぽいよ」

 吹雪さんの能力って建造した後に艦娘を実体化するか選べるらしいから艤装のストックの中にはあるかもしれないけど、とりあえず聞いたメンバーに深雪は居なかった。戦争を知らない艦って事で現代っ子には結構適性者居そうな気もするけどね、関係ないか。

 そっかー残念と言い残して深雪は去って行く。両手に荷物を持っているし、まだ手伝いの最中だったのだろう。私も叢雲達の事が一段落したら合流した方が良いかもしれない。なんて思いながら見送ると、歩を進めて行く深雪の向こうに、今までは叢雲達に気を取られて気付いていなかったけれど、二人の大井さんも向かい合ってるのが見えてしまった。

 同じように腕組みをして真剣な表情で見つめ合う大井さんと大井さん。どちらも基本的に真面目っぽいその二人は、ある時ふっと体勢を解いて、どちらからともなく、同時に右手を差し出した。固く固く、謎の信念を篭められた熱い握手が交わされる。

 あれ絶対北上さん関連で意気投合しただろ。間違いない。

 

 

 




魔法使いを自称する少女がそんな仕様に悪意なくしくさったのは自分もそんな感じだからです。
自分が全然大丈夫だし問題無いだろってガバガバ倫理観でやってます。

ローソンコラボの深雪可愛い。でもコンビニ自体行かないんですよねぇ……





今回またしてもBMM様からイラストを頂いてしましました!
しかも二枚。二枚ってなんだろう……二枚って事ですね!

一枚目はこちら、深海棲艦の転生者達ですね!
動画編集してたレ級やどう見ても目つきが怪しいベイを名乗る不審者や抱えられたほっぽちゃん等々、色々拾われてて見ていてとても楽しくなります。
当方可愛いSDキャラやゆるキャラ好き好き侍なので、浮輪さん達や泣いてる護衛棲水姫やほっぽちゃん、笑顔のレ級に胸がとても熱くなります!

二枚目はこちら、とっても凛々しい長門さんの改二です!!
手足の装備と艤装のバルジ……っぽいものが合わさり、まるで二振りの大剣を操る騎士のような装いですね!
ポーズも大好きで、翻ったコートが厨二心を擽ります。覗くふとももも素敵。好き。
そして猫吊るしの存在感が凄い。視線誘導力が強すぎるぞこいつ!?

BMM様本当に素敵なイラストをありがとうございました!
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