魔法科高校の姫騎士~Alternative Order~ 作:無淵玄白
まぁとりあえず出来上がったモノをあげます。
福袋召喚がダメだった。スペイシュを狙うんじゃ無くて、ランサー全体かバーサーカー全体を狙うんだった。
出てきたのはお栄さんと冒険でニールキックを披露した縦ロールである。
何が言いたいかというと―――ガチャの引きを良くするためには書かねばならぬということだと気づけた(マテ)
「こ……これが――――」
「アーシュラ・E・ペンドラゴンの全力全開!!」
「なんだって触れなくてもいい所に触れちゃいますかね……アーシュラのアホ毛は、アルトリア先生と同じく竜の逆鱗! 忍空で言えば天空龍の『ちん○』みたいなもんですよ!!!」
ヒトの頭の特徴を『ち○こ』と呼ばれたのは流石に癇に障ったのか、スパン! と夫から渡されたハリセンで立華の頭を叩くアルトリア。
そんなことはともかくとして……。
「チックショ―――!!! この女よりも強ければ、私は世界で2番めに弱くても良かったのに―――!!!」
周囲の様子と同じくらいにボロボロになってしまった防御衣と煤だらけの土埃まみれの身体となった司波深雪が、拳を地面に叩いて地団駄を踏んでいた。
そして深雪をズタボロにした張本人は……。
「残念ながら私こそが、この世界で一番美しく!強く! 強壮なる!!
「――――」
普段のアーシュラならば絶対に言わない。
普段のアーシュラならば絶対に浮かべない。
そんな言葉と顔で言われて、深雪は悔しさばかりで泣きながら震える。
普段のアーシュラでは着ない。
普段のアーシュラでは染めない。
ゴシックロリータのドレス姿。露出度はかなり高いが、決して下品ではない。くすんだ色の金髪も似合っている。
闇竜の女王騎士、そんな称号が似合いそうな美少女がそこにいて。
「さて、賭けの景品は―――そうだな。タツヤ、貴様にしておくか。お前が発端だからな」
「―――いいだろう。もう煮るなり焼くなり好きにしろ!! ただし、深雪を回復させてくれ」
「構わぬ。今日の寝屋にて我が夫となるものの心残りは解消させてやる」
……その言葉の意味に、深雪は思考が纏まらない。
何を言っているんだ。この女は――――。
「貴様には今夜の私の伽の相手になってもらおう。長い夜になると覚悟せよ……」
艶めく唇を一文字に引きながら、そう笑みを浮かべながら言ったアーシュラに対して……。
「喜んで承ろう!!」
達也が喜色満面で言いながら深雪を回復させたのだが、回復した深雪は……。
「「巫山戯るなぁああ!!!!」」
光井ほのかと共に雄叫びをあげる。叫び続けるのであった……。
ことの原因は二時間前に遡る……。
休日明けて月曜日の登校日。いつも通りB組の席に着いた瞬間、クラスメイト一同からやんややんやと土曜日のデートに関して言われてしまう。
中でも
「それじゃ司波君と付き合うの?」
「気が早すぎない? まぁ別に悪い相手じゃないわよ……ただ、ワタシの元カレには及ばないかもね」
辛辣! と同時に、こんな風な評価をA組にいる雪女に聞かれればどうなるか!? エイミィはちょっとだけ心配したが、その心配が現実のものになったかのように――――。
「失礼します!!! B組の皆さん!!!」
隣の教室から雪女が来襲するのであった。しかも取り巻きを連れての登場である。
もう用向きは理解できている。
「ちょっ! 司波さん!! 待ってくれ!! 僕はまだ衛宮さんのデートの様子を―――」
相津郁夫が立ちふさがるも―――。
「聞く耳は持ちません。そして私の口から言いましょう!! ハイパーズーラシアに行ったあと、横浜の観覧車に乗って―――そのあと!!! お、お兄様を!! 実家にお持ち帰りしてくれたこと!! 朝帰りしたお兄様をお迎えしたこの気持ち!! 正しく絶望よ!!!」
一喝されてすぐさま道を開けてしまう辺り、弱すぎた。だが迎え撃つドラゴンは揺るがない。
「そりゃ災難だったわね」
「なんたる塩対応……。けど、私も言いたいことがあるよ! 衛宮さんは達也さんのことが好きなの!?アナタを見ているとイライラする! 達也さんの心を惑わせている悪女にしか見えない……」
恋する乙女は無敵ということか……と想うも、アーシュラとしては、その言動に一家言あるようだ。
「光井さんとしては、世の男女はお互いにメロメロにベタぼれでなければ、デートしちゃいけないってことなの?」
「そ、そういうわけじゃないけど!!」
「んじゃ世の片思い相手は、必死こいてアプローチしてきた相手を素気なく追い返せばいいってわけね。ちょっと遊びに行くことで違う自分を見せたいという想いすら打ち砕く―――アナタの言っていることってそういうことよ?」
沈黙。確かにほのかの言動は、よくよく聞けばそういうことに帰結する。
仲良くなるために『デート』という男女交際の手段があるわけで、もちろん付き合ったあとでもあるが……そもそもデートは、男女がお互いをよく知り合うための手段なのだ。
「アナタは達也にメロメロだから、ワタシみたいな存在が許せないんでしょうけど、知り合いの男女が休日に外で遊ぶってことは、そんなに悪いことかしら?」
「それは……」
そこを突かれると、ほのかはどうしても苦しくなる。達也を想っている彼女だからこそ、どうしても気持ちの全てを達也に向けないアーシュラに対応が辛くなるのだ。
「結果が伴う・伴わないに関わらず、ヒトとヒトの交流ってそういうものじゃない? けど分かったわよ。今度から達也にプライベートで誘われても、受けなきゃいいのね。了解、了解」
「ううっ……」
その結論にほのかは悩んでしまう。達也がこれ以上この子に関心を寄せなければいいのだが、現実は無情である。
だが、かといってこの子との接触を断つことも出来ない……。
(好きなヒトが振り向いてくれないだけでも辛いのに、好きなヒトが好意を寄せている相手が無関心―――ではないが、振り向いていないことも辛いなんて……)
もどかしさばかりが光井ほのかには生じてしまう。
世の中は、なんだってこうも理不尽なのだ。
だが……これが持たざる者たちが覚えていた窮屈さであるとするならば、自分たちが覚えているコレは、2科生たちが覚えていたものなのだろう。
「……ならば、もうこれしかないわ。アーシュラ!!! 私と全てを賭けて決闘をして!! これは己を打ち込んだ決斗よ!!!!」
「意味不明なんですけど」
確かに本当に意味不明である。呆れるように言うアーシュラの言は至極当然であったのだが……。
「私に勝てるならば!! 私はお兄様がアナタと付き合うことを許します!! しかし、私に負けたならば!!! お兄様と不必要な接触を断ってもらいます!!!」
「んじゃワタシの負けでいいわよ。そういうことならば、謹んでルーザードッグで構わないし」
声を張り上げて見下ろすようにして言う深雪に対して、机にだらけながら言うアーシュラ。
この図がどうしても……何というか、いろんな意味でもどかしい。
深雪としては戦うことでアーシュラの力を測ると同時に、兄への接触を抑えたいのだが……、アーシュラは別に何とも想っていない。
それでどうぞお構いなくだ。
張り合うこともなく土俵から素直に降りて10両どころか幕下、三段目まで下がることをヨシとするその根性がどうしても……。
「朝も早くから意気軒昂なのはよろしいですが―――朝のHRの時間です。ゴーホームクイックリーでクラスに戻りなさい」
そんな風に深雪がぐぬぬ顔をしていたところ、教壇に立つ教師でありアーシュラの母の姿に、『はっ!』とした三人は謝罪を入れつつ、A組へと即座に帰るのだった。
「いっそのこと実の兄妹でなければ、面倒は無かったかもしれませんね……」
「その考えは背徳的すぎじゃないでしょうか。アルトリア先生?」
「さて、そうであれば良かったと想う時もあるかもしれませんよ」
イヤな予言を放つアルトリア先生のことを、一年後ほどに思い出すことになるとは思わなかった一同だった……。
「ですが、司波深雪が戦いたいという想いは解消させてあげますかね」
「げっ」
結局の所、そんなことが了承されてしまうのだった。流石にぐぬぬ顔で悔しそうな深雪のことが不憫だと思ったのか、アルトリアの温情であった。
だが……そんな温情であり、おもしろイベントはどこからともなく嗅ぎつけられて、色々と混乱を招く。
野外に作られた大競技場にて一年女子の最強を決める戦いが行われる―――それは、確かにいいのだが……。
「あの後、中学の同窓生たちの共有通信システムでの質問が深雪に集中したみたいで、まぁ……主に内容は俺関連だったみたいで、不機嫌を増したようなんです」
「メンズモデルで有名なAOIがお前の同窓生とはな。世界は広いが世間は狭い」
十文字克人も尾行していたことは理解していたが、そこに着目してくるとは……。などと想いつつも、達也としては、こんな戦いに何の意味があるんだと深雪を問い詰めたい気分だった。
(深雪、お前が『いばら姫』や『鬼姫』のような身体能力を持っているならば、良かったが……)
アーシュラに迫れない身体能力で『フルコンタクトルール』の魔法戦など、無謀であり自殺行為だ。
そう言ってやりたいが、深雪は日曜に昼帰りをした達也にも怒っているようで、聞く耳持たない様子なのだ。
「けど、こうした以上……深雪さんにも秘策があるんじゃないかしら?」
「その秘策とやらが凡策でないことを期待するしかないですね」
不安げな様子で見ている真由美に返しながら、どうしてもアーシュラ推しになる達也。
集まっている群衆は一高の全生徒プラス教員たち……敷かれたフィールドにて相対し合う深雪とアーシュラの格好は対照的である。
深雪は最新式の魔法戦闘にて用いられる防御服に身を包み、防御を万全にしている。
かたやアーシュラは、ジャージ姿である。霊衣を着込む可能性もあるが……とりあえずアーシュラの格好はジャージである。
何とも気が抜ける格好ではあるが、普段体育の授業を一緒に行わない一年2科生男女としては、新鮮な気持ちだろう。
九校戦に行った達也は見たことはあるが……。
妙な優越感を感じておきながらも、深雪にはどんな策があるのか、まさか無策で挑むわけではあるまいとしておきながら、勝負の行方を見守る。
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
「必勝の策はあるわ」
深雪の周りにいるA組女子は、その言葉にざわつく
完全無欠に最強な衛宮アーシュラを倒す策を見つけるとは、流石は司波深雪……と想いたいのだが、そんなものはあるのだろうか。
「九校戦以来、私はアーシュラを観察してきた。彼女の弱点を探り、そして打ち倒すためにも、兵法の基本に立ち返ったのよ」
「それで……衛宮さんの弱点は見つかったの?」
雫の質問に目を輝かせて司波深雪は答える。
「ズバリ言えば―――『アホ毛』こそがアーシュラの弱点なのよ!!!」
沈黙。
沈黙。
沈黙。
もはや何も言えないぐらいに、誰もがその答えに『ダメだこいつ……はやくなんとかしないと』と思うのだが、深雪には理由があった。
日常生活において、アーシュラが極端に避けていることの一つに『髪を触らせない』ということがあった。特に頭頂部付近から生えている『アホ毛』とも言える一房の髪を触られることを、極端に嫌っているとのことだ。
更に言えば、魔法実技の際にアーシュラのアホ毛はかなりの魔力が通っているようで、此処こそが術式の起点であると深雪は睨んでいるのだ。
「アルトリア先生にもあることから、アルトリア一族には共通の特徴と私は見ました。言うなればドラ○もんの尻尾みたいなもんです!! ドラえ○んズたち然りド○ミちゃん然り、怪盗ドラ○ンも多分そうでしょう!! つまり東京マツシバ社製ネコ型ロボットたちのように、アーシュラのアホ毛はドラズの尻尾みたいなもんですよ!!」
「す、すごい!! 流石は深雪!!! そこまで深く考えていただなんて!!!!」
持ち上げる光井ほのかだが、周囲の殆どはそれに疑義を覚える。いや、確かに特徴といえば特徴だが、そんなことが弱点なのだろうか?
仮にそうだとしても、容易にそこに触らせやしないだろうという当たり前の推測。
そういう疑問を敏い方であるA組一同は悟りつつも……戦いは始まる。
ルール説明は既に終わっており、立会人がアルトリア先生である辺り、どういう結果になるかは分かりそうなものである。
そうして距離を離した状態で一礼をしてから戦いが始まる……。
アーシュラは魔力を全身に充溢させる。
(デコピン一発も当てれば、それで終わりでしょ)
そんな考えでアーシュラは魔力放出の限りで踏み込む。当然、接近させまいとして深雪もまた魔法を発動。
移動物体全てを減速させる領域干渉が発動。
深雪を中心に渦巻く風のドームが形成されるも……。アーシュラは特に構わず踏み込む。
『減速領域』の理を無理矢理に食い破り、接近するアーシュラ。
そして深雪としては驚愕せざるを得なかった。ディーセラレイション・ゾーンという対称領域内の物体運動を減速する魔法にアーシュラが入り込んだとたん。すかさず捕えようとしたのだが、それは不可能であった。
入り込んだアーシュラは『重すぎた』。物質的な重さではなく、存在密度というかエイドスが確実に違いすぎたのだ。深雪からすればいきなり、心構えも出来ていない時に30kgもの重量物を投げ渡された気分だ。受け止めることなど出来ず、当然減速領域のドームはアーシュラを素通りさせる。
このままアーシュラが接近するのを見過ごすわけには―――。
「せやっ!!!」
瞬間、気合にしちゃ可愛すぎる掛け声で足元を蹴ったアーシュラ。ただそれだけで土砂の波が深雪に襲いかかる。
土砂の波に対して、減速を―――。
(マズイ!!! これはマズイ!!!)
土砂の波の勢いはかなりあり、それを後追い―――もしくは『追い越す勢い』でアーシュラは接近しつつある。
どちらを止めるか。そもそも減速領域を解除するか? とっさの判断を求められて……。
深雪が選んだのは、減速領域の解除であった。
どれだけ縛ろうとしても、アーシュラを止めることなど出来ない。
風神を止められないフリッカー使いのごとく、ラッセル車のごとく止まらないのだから。
ならば、急いで回避。自己加速魔法を以て離れる。
だが……!
(離れたところで―――)
アーシュラは止まらない。そもそも深雪の目的を達成する上で、近づかなければならないわけなので……。
勇気を持って前進しようとしたところで。
「とりゃっ!」
「ぶべぇえええ!!!!!」
美少女にあるまじき豚のような悲鳴(比喩にあらず)を上げてふっ飛ばされて、デコに走る痛みに悶絶して地面を盛大に転げ回る。
デコピン一発で簡単に熨された事実に涙を流す。
「あ、あああ、あーしゅらぁあああ!!!」
大粒の涙を流しながらも恨みの声を上げる。
「いやー。ワザワザ狙いを付けやすいようにデコを見せてくれて、ありがたい限りだわ」
「視界を確保しようとしたことが仇になったわ……」
カチューシャで前髪を留めている深雪にとって、それは不意の一発であった。
「もう止めたら? アナタじゃワタシに勝てないわよ」
「―――そんなこと、分からない!!!」
額を涙目で擦りながら、それでも戦う意志は切らさない深雪だが……改めて正面から戦って理解できた。
この子は、現代魔法師の御業では傷一つ付けられないのだと。
そしてその身体能力は、疑似家族の妻役である「暗殺者」の如し……ちょっとだけ『ぐぬぬ』な気持ちになる。
「そう。ならば気絶するまでデコピン放たせてもらうわ」
その無情な宣言。だが、もはやこの機会を狙う。
相手は接近してくる。その速度は―――とてつもない。それでも待ち構える。
自分のデコを狙うというアーシュラは背丈の関係上、姿勢を低くしなければならない。
デコピンをするという宣言なのに、手刀を向けてくるアーシュラ。恐怖を覚える。
だが、これならば―――。
跳躍の魔法をセット。少しだけ上昇するだけでいいのだ。微細なコントロールをした上で。
アーシュラを停止させるアホ毛を掴む!!! これぞ勝利をつかめと轟き叫ぶかのごとき必勝の鉄則―――。
ゆえに!!!
「そのアホ毛!! 貰い受ける!!!」
「―――――――!!!」
浮かび上がった深雪が膝に衝撃を受けつつも、上からアーシュラのアホ毛を掴んだ瞬間。
一高に―――最悪の魔竜戦姫が降臨するのであった。
それと前々から考えていた転生二次創作にもちょっと着手しようかと思う。候補はあるんですが、手元に資料が多い方と少ない方。どちらにするか、悩みどころなわけでして。
まぁそれに関しては後々ですね。気晴らしに書く程度にとどめておこうかと思います。